2185【高橋まちづくり推進課長】 それでは私のほうから、三鷹駅北口交通環境基本方針の策定に向けた地域展開の結果報告について説明いたします。
まず、A4の両面資料をお願いいたします。まず、1の地域展開の目的でございます。令和5年度の基本方針策定に向けて、三鷹駅北口交通環境基本方針の策定に向けた考え方でお示しした4つの考え方について、地域の方々と意見交換を行い、意向を取りまとめることを目的に地域展開を実施しております。
2の地域展開の方法、開催結果の概要でございます。地域展開の方法としましては3つの方法で行っておりまして、三鷹駅北口の関係の深い団体から意見を聴く場として研究会、基本的な考え方を知ってもらい広く意見を聴く場としてオープンハウス及びワークショップを、記載の開催日にて実施しております。
まず研究会についてでございますが、三鷹駅北口で事業を営む商店会や法人会、子育て世帯や福祉関係団体及び交通事業者を構成員として、学識経験者から助言を受けながら意見交換を行っております。後ほど、別途お配りしております報告書にて主な御意見を紹介させていただきます。
次にオープンハウスについてです。地域のイベントに合わせてブースを出展し、パネル展示による情報発信や意見収集を行っております。来場者は338人で、ヒアリングについて77件行いました。当日はウォーカブルなまちづくりについて多くの共感の声をいただき、パネルに足を止めて熱心に見る方や、初めて知る機会となって興味深いといった感想を持つ方など、様々な方に基本的な考え方を知ってもらい、意見をいただいております。
最後にワークショップについてです。三鷹駅北口にふさわしい交通まちづくり等を議題として、グループワーク形式で参加者同士による意見交換を行っております。募集方法は公募と無作為抽出の併用で、2日間とも30名以上の方に参加いただきました。基本的な考え方について理解が深まった、いろいろな市民がいて、いろいろな意見や考え方があると分かったといった感想がありまして、10代から80代の幅広い参加者から、ウォーカブルなまちづくりに向けて様々な視点で意見をいただいております。
参考に関係者の分類イメージと、オープンハウスの当日の様子についての写真をお示ししております。
裏面をお願いいたします。3の今後の予定でございます。下にお示ししたロードマップを参照しながら説明をお聞き願えればと思いますが、令和4年度は、地域展開により主に必要性(地域ニーズ)の観点で地域の方々の意向を、地域展開の報告書として取りまとめてございます。令和5年度は、関係する地権者の意向を確認するなど、一定の実現性を見据えた上で基本方針を策定し、その後は、基本方針に基づき、実現性──実交通への影響ですとか、地権者合意、事業手法、経済性等の観点で検討を深めていき、歩行者を中心とするにぎわいのある駅周辺の再整備を目指していきたいと考えてございます。
次に研究会の報告書を御覧ください。1ページに研究会の設置目的、意見交換及び報告書の趣旨、研究会の構成団体等をお示ししてございます。
2ページ以降が本編になりまして、全体の構成として、将来イメージから基本的な考え方の1から4、及びその他あわせて検討すべき事項について、赤枠内に取りまとめの意見、その下に必要性や課題、配慮すべき事項に関する御意見、及びアドバイザーの先生からの御助言を載せてございます。
研究会では、三鷹駅北口交通環境基本方針の策定に向けた考え方を基に基本方針を策定し、具体的に検討を進めることを望む御意見が多くございました。各項目で主立った御意見について御紹介させていただきます。
まず2ページの将来イメージについてです。再整備に当たっては、次世代のために、三鷹駅北口のポテンシャルを最大限に発揮した持続可能なまちづくりを目指すべきである、駅周辺を単なる乗換え中心の空間から、人々の交流を生むウォーカブルな駅まち区間に改変していく必要があるといった御意見をいただいたほか、アドバイザーの先生からは、コロナ禍以降、ライフスタイルや価値観が変わる中で、今後はその変化に合わせながら、駅周辺にうまく時を費やせる時間をつくれるといいといった御助言をいただいております。
3ページをお願いいたします。考え方1の駅周辺道路の交通体系の再編でございます。交通体系再編による歩行者中心のにぎわいのエリアの創出や、主要4道路の優先される交通手段に応じた道路、空間の再配分の必要についての御意見をいただいております。
具体的には、にぎわいのエリア内での交通手段の優先度や、交通弱者にとって安全で歩きやすい歩行環境の整備の必要性とともに、課題として、一般車両や荷さばき車両をはじめとする路上駐停車や自動車交通への対応、枝道の交通処理等の検証といったことが挙げられています。
アドバイザーの先生からは、道路空間のタイムシェアリングや荷さばき問題についての道路側と民地側の役割分担を一体的に考えることの重要性について御助言をいただいております。
5ページをお願いいたします。考え方2の駅前広場の2ロータリー化についてです。現在問題となっております錯綜する交通動線を整序化するとともに、歩行環境充実や駅前広場と主要4道路につながる一体的な歩行空間の形成について、2ロータリー化は合理的であるといった御意見をいただいております。
一方で、一般車両や荷さばき車両等が現状よりも迂回が必要となる点については、市民や事業者への丁寧な情報発信により、理解や協力を得る必要があること、アドバイザーの先生からは、福祉車両については、車種や障害の程度等、種類が複数あることから、車両を区分して取り扱う検討などについての御助言をいただきました。
6から7ページの考え方3、駅前広場の拡張についてです。歩行者のための通行・滞留空間を確保するほか、公共交通の高い利便性を維持した上で、多様な交通手段の円滑な乗換機能確保のための駅前広場拡張の必要性、拡張に当たりましては、長期的な視点から冗長性を持たせることの重要性についての御意見をいただいております。
具体的な問題となっている広場内における一般車両の右側停車や福祉車両の安全・安心な乗換環境の不足、また拡張の方向性や事業手法についての御意見をいただきました。
アドバイザーの先生からは、駅前広場とその周辺を一体的な駅まち空間とした考え方や、拡張規模等の考え方について御助言をいただいております。
8ページの考え方4、沿道の街並み誘導と低利用地のまちづくりについてでございます。居心地がよく歩きたくなる歩行環境の形成や回遊性の向上、駅前にふさわしい都市機能の誘導の必要性について御意見をいただきました。
具体的に、にぎわいを取り戻す観点や、画一的でない通りごとの特性に応じたまち並み形成、官民連携の視点やアイレベルのつくり込みの配慮についての御意見をいただいております。
またアドバイザーの先生からは、三鷹駅北口における居場所づくりや、まち並み誘導についての民有地建物の建て替えに向けた事前ルールをつくっておくことの重要性等についての御助言をいただいております。
その他あわせて検討すべき事項として、10ページ以降に、自転車や自転車駐車場、地域の景観、文化資源及び今後の進め方等について御意見をいただいております。
最後に、今年度の地域展開において総じて感じておることといたしまして、市民の皆さんには三鷹駅北口のポテンシャルに対して期待されている方が多く、歩行者を中心としたにぎわいのあるまちづくりについては前向きな御意見を多数いただいたとともに、我々がお示しした基本的な考え方についても、課題や懸念事項はありますが、大きな方向性としておおむね御理解をいただけたと考えております。
以上で報告を終わります。