2979【射場下水道課長】 それでは、議案第70号 武蔵野市下水道条例の一部を改正する条例についての議案説明資料について御説明いたします。
このたび御提案する下水道使用料の改定につきましては、本会議場で市長より議案趣旨の御説明をいただきましたとおり、令和3年度に設置いたしました武蔵野市下水道総合計画見直し及び下水道事業経営の在り方等検討委員会により意見聴取を行い、いただきました意見を踏まえ、検討を重ねた結果、下水道使用料の改定が必要との結論に至ったことから、下水道条例の一部を改正するものでございます。
それでは、資料1ページ、1、経緯となりますが、表1を御覧ください。平成22年度に13年ぶりとなる使用料改定を行い、平成25年度には下水道総合計画2014の改定におきまして、4年ごとの使用料見直しを計画に位置づけ、その後、平成28年に3.7%、令和2年度に3.5%の改定を行っております。
資料中段の下線部となりますが、今回、4年ごとの見直し時期となるため、下水道総合計画及び経営戦略の見直しとともに、公営企業会計移行後初となる使用料見直しの検討に対して、検討委員会より意見聴取を行うなどし、使用料改定についての検討を行いました。
検討の結果、下水道総合計画(2023)に位置づけた浸水対策や老朽化対策等をはじめとした、様々な事業への建設投資を将来にわたって着実に実行し、安全・安心なまちづくりを推進していくためには、令和6年度に使用料改定が必要であるとの結論に至りました。
なお、下水道総合計画(2023)、経営戦略(2023)及び使用料見直し検討に対する検討委員会からの意見をまとめた報告書につきましては、両計画の冊子と合わせまして、本年5月初旬に全議員へ資料を送付させていただいております。
検討委員会の開催の概要につきましては、議案説明資料の16ページ、17ページの参考資料4を御参照ください。
次に、2ページを御覧ください。2、投資・財政計画シミュレーションの方針となります。使用料改定の検討における投資・財政計画シミュレーションの前提条件となりますが、こちらに関しては、本年2月の建設委員会で行政報告を行いました経営戦略(2023)の内容から変更はございませんが、主なポイントにつきまして、改めて御説明いたします。
1)会計区分ですが、令和2年度に公営企業会計に移行したため、今回、減価償却費や長期前受金戻入といった期間損益計算を取り入れた経費算出を行っております。
2)シミュレーション期間ですが、総合計画の計画期間を踏まえ、30年間としております。
次に、3)事業費の推計ですが、各年度の事業費については、下水道総合計画(2023)に位置づけた各種事業を計上しておりますが、今回、前回改定とは異なり、近年の物価動向等を踏まえ、物価上昇率を考慮して事業費の算出を行っております。特に今後の建設投資に大きく影響する建設改良費につきましては、国土交通省公表の建設工事費デフレーターを用い、今後30年間にわたり均等に物価が上昇すると想定したパターンAというものと、直近5年間高騰し、その後はパターンA同様に均等に物価上昇すると想定したパターンBの、2つのパターンについて事業費の推計を行っております。
次に、4)企業債の発行額、基金の取扱いですが、企業債の起債抑制につきましては、現状どおり20%の抑制を継続することとしており、また、下水道事業基金につきましては本年度中に廃止し、今後は積立金として対応していくことを考えております。
3ページの5)補助金、一般会計繰入金の推計、6)有収水量の推計につきましては、記載のとおりでございます。
次に、3、使用料改定の必要性についてですが、物価上昇率の異なるパターンAとパターンBの2つの事業推計に対しまして、使用料改定を行わなかった場合には、使用料収入は横ばいで推移するものの、老朽管渠の更新需要等の増大に加え、金利上昇、労務単価や材料費の高騰等もあり、事業費は増加していく結果となりました。
使用料改定の必要性に関する市の考え方でございますが、令和11年度以降、34年度にかけまして赤字幅が拡大し、厳しい経営状況となることから、使用料改定は必要であるとの結論に至りました。
4ページを御覧ください。4、使用料改定の検討となりますが、今回の検討では経営戦略(2023)におきまして、表2にございます経営目標値を定めておりまして、こちらを達成できるよう、使用料改定率の水準を検討しております。
表3を御覧ください。物価上昇率が異なる2つのパターンにつきましてシミュレーションを実施した結果、パターンAにつきましては4年ごとに3.7%、パターンBにつきましては4.3%の改定が必要であるとの結果となりました。検討委員会に両案をお示ししましたところ、4%程度の改定が必要だろうとの御意見をいただいております。
それを受けまして、使用料改定に対する市の考え方といたしましては、物価上昇が高い状態が継続した場合のリスクに備えまして、安定的な経営を行うためには4.3%の改定が妥当ではありますが、一方で、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響や近年の物価高騰等により、市民の負担が大きくなっていることから、社会情勢や市民生活等を考慮し、3.7%の改定率を採用することといたしました。
5ページにつきましては、3.7%改定時における経営目標値、経常収支比率、経費回収率、資金収支等の見通しをお示ししております。
6ページを御覧ください。3)使用料体系の改定では、改定率を3.7%とした場合の具体的な料金体系についての検討を行ってございます。基本的な体系といたしまして、基本使用料及び逓増従量使用料、水量区分については現状の体系を維持することとしており、その上で、これまでの使用料体系の考え方である利用者間の負担の公平性に加え、経営の安定性、現在の社会情勢などその他留意事項を踏まえ、表4に示す4ケースの条件で検討を行いました。
表5には、ケース別の使用料体系、料金単価等、下水道使用料モデルといたしまして、家庭や事業者の使用水量に対する1か月当たりの下水道使用料を算出しております。検討委員会に4案をお示ししましたところ、(2)の委員会における意見聴取内容にありますように、基本使用料、従量使用料を平等、または均等に上げていくのがよいという御意見もあれば、下水道事業経営の持続性や安定性を考えると、基本使用料部分を高くしたほうがよいなどの御意見をいただいているところでございます。
7ページを御覧ください。使用料体系に対する市の考え方でございますが、経営の安定性の観点からは基本使用料部分の改定が最も高いケース(2)が最適となりますが、利用者間の負担の公平性、近年の社会情勢や市民生活等も考慮し、ケース(1)の基本使用料、従量使用料ともに均等に改定する案を採用することといたしました。また、今回の使用料改定から料金設定を5円単位から1円単位に変更し、負担の公平性をさらに高めることをしておるところでございます。
次に、4)浴場汚水使用料の取扱いですが、現在、市内の公衆浴場は1つのみとなり、取り巻く環境は厳しさを増しており、本市としても公衆衛生の確保に向けた対応が必要と考えております。
浴場汚水使用料に対する市の考え方でございますが、前回に引き続きまして、今回も使用料改定を行わないこととしております。
8ページを御覧ください。5、使用料改定(案)につきましては、これまでに御説明した内容をまとめた内容となっておりますので、記載のとおりでございます。
9ページには参考資料1といたしまして、区部及び26市平均の下水道使用料モデルにおける1か月の使用料の比較を行っておりますが、改定後におきましても、ほぼ全てのモデルケースにおきまして、区部、26市平均の使用料を下回っている状況でございます。
説明は以上となります。