747【高丸統括指導主事】 私から、令和4年度学習者用コンピュータ活用事業のまとめについて報告をいたします。お手元のピンクの冊子、表紙をめくっていただきまして、1ページの冒頭から説明を簡単にさせていただきます。
まず、こちらの事業、学習者用コンピュータ活用事業ですが、令和3年度から3年間の試行期間としてスタートいたしました。令和3年度は、まずは使ってみるということを重視し、令和4年度は、活用方法や活用場面を精選し、より適切かつ効果的な活用を追求してまいりました。
2ページを御覧ください。こちらは取組の進捗状況について客観的に把握するため、令和4年度全国学力・学習状況調査から、本市の児童生徒の学習者用コンピューターの活用状況を読み取ったものでございます。
なお、調査は、小学校第6学年、中学校第3学年を対象に行ったものでございます。
2ページ下段の調査項目、「学習の中で、PC・タブレットなどのICT機器を使うのは勉強の役に立つと思うか」については、「役に立つと思う」、「どちらかといえば、役に立つと思う」の肯定的な意見が小学校で9割以上、中学校でも8割以上を占めており、児童・生徒が学習者用コンピューターを学習中で活用することの効果を実感していると言えます。
5ページからは、学習者用コンピューターの検討委員会における協議の概要について記載しております。昨年度は特に、デジタル・シティズンシップ教育において育む資質・能力、学習者用コンピューターの使用と健康面の影響、今後の学習者用コンピューターの扱い方について検討してきました。
そちらの内容ですけれども、まず6ページを御覧ください。まず、デジタル・シティズンシップ教育ですが、令和3年度に、身につける態度や知識・技能を整理いたしましたので、令和4年度は、検討委員会の意見を基に、具体的な指導場面の例示資料を作成し、各校の実践を推進いたしました。各校の具体的な実践事例につきましては、12ページから19ページで紹介しております。昨年度は全26事例が報告されました。
続いて、10ページを御覧ください。次に、学習者用コンピューターの使用と健康面の影響についてでございますが、視力が0.3未満の児童生徒の割合は、全国的に学年が上がるにつれ、視力の低下が強まる傾向が見られており、本市でも、小学校6年生で約1.5割、中学校3年生の約2.5割の児童生徒が視力0.3未満という結果が出ました。一方、ここ数年で、視力が0.3未満の市内の児童生徒の割合には、下のグラフですけれども、大きな変化は見られておりません。今後も推移を注意しつつ、デジタル機器の適切な使い方を指導し続けていく必要があると考えております。
11ページを御覧ください。こちらは学習者用コンピューターの扱い方に関連して、修理の対応件数や故障内容について整理いたしました。令和3年度より、昨年度は故障台数が増え、落としたり、踏んだりして故障するといった物理的な破損が多くを占めました。家庭で壊す事例ということも増え、持ち運ぶ際にケースやかばんに入れるなど、使い方の見直しが必要といったことが、話合いがされました。
少し飛びまして、20ページからは、各校の実践事例を紹介させていただいております。昨年度は各校から全52事例の取組が報告されました。教育課題研究奨励校として活用を推進してきました井之頭小学校の取組を参考に、学習者用コンピューターの活用について、特に効果的な場面として、情報の共有や情報の記録、分析、情報の整理、情報の表現、発信といった場面があることが見えたため、今回その4つの場面に分類し、まとめたものでございます。
33ページからは、保護者、地域の周知や連携について紹介させていただいております。昨年度は、学校の取組等に関する情報提供として、武蔵野市学習者用コンピュータ通信の11号を発行しました。また、11月に、学校、家庭、地域で考えるこれからのICT教育をテーマに教育フォーラムを開催し、80名を超える参加者がありました。フォーラムでは、グーグルフォームを活用し、リアルタイムで参加者の意見や質問を受けながらパネルディスカッションを行いました。
また、37ページにございますが、各校では、保護者や、地域の方が来校する道徳授業地区公開講座やセーフティ教室などの機会に、デジタル・シティズンシップ教育を取り上げるなど、学習者用コンピューターの適切な扱いについて、保護者と共に考えていく取組を進めております。
38ページからは、教員研修に関する報告でございます。
最後に40ページですが、令和5年度の課題について整理しております。今年度は、適切かつ効果的な授業実践や、デジタル・シティズンシップ教育の実践、さらなる蓄積、また、eライブラリなど、現状のサービスの検証や学習者用コンピューターの使用に関する学校と家庭の役割などについて、学習者用コンピュータ検討委員会等と協議を進め、武蔵野市学習者用コンピュータ活用指針を策定していきます。
私からの報告は以上です。