令和5年 総務委員会

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9169【小内資産活用課長】  それでは、お手元のホチキス留めのA3資料を御覧ください。旧赤星鉄馬邸の保存・利活用の検討状況等について御説明をいたします。
 令和4年10月31日に国の登録有形文化財に登録されました、アントニン・レーモンド設計の旧赤星鉄馬邸の保存と、緑豊かな庭との一体的な利活用により、この環境を将来につないでいくため、様々な取組を行いながら検討を進めているところです。
 本日は、昨年9月7日の総務委員会にて行政報告を行った以降の様々な取組状況等について御報告をするとともに、社会実験の実施等、今後の予定について御説明をいたします。
 初めに、1、検討経過の振り返りとしまして、昨年行政報告した内容でございますが、その後の状況として、2点補足をしております。
 1点目が、表3段目の耐震診断についてです。下線部になりますが、現在補強計画を策定する中で、法律で規定する基準の1.25倍以上の耐震性の確保が可能との速報を受けております。
 2点目は、表4段目のアスベストでございます。昨年10月の一般公開に先立ち、対象居室内の空気中アスベスト濃度調査を実施しました。大気中濃度と差がないことを確認したところでございます。今後、改修時等に除去等の対策を行う予定としております。
 次に、資料右上、2、行政報告後の取組状況について、順に御説明をいたします。
 (1)文化庁登録有形文化財登録手続につきましては、モダニズム建築物の特徴が色濃く残されているところを評価いただき、想定よりも早い令和4年10月31日に建造物として登録されました。
 (2)は、昨年10月に実施したガイドツアー型の一般公開と利活用に関するアンケート結果でございます。参加状況やアンケートの実施結果は記載のとおりでございますが、旧赤星邸の最も大きな魅力はとの問いに対して、近隣住民の約3割の方が、緑豊かな場所や広い庭といった、現在の環境を評価しているのに対し、一般申込者の3割強の方は、登録有形文化財の見学といった今後の活動に期待を寄せており、傾向の大きな違いが見受けられました。一方、近隣住民の約4割、一般の方の約3割の方が、庭と一体となった空間で過ごせることに、共に期待を寄せていることも分かりました。
 2ページをお願いします。(3)関係者インタビューです。今後の利活用に向け、鉄馬の孫4名の方をはじめとした親族の方々や近隣住民のほか、関連性が高いと思われる15の地域団体などに対し、期待することや気になることについて、昨年10月より今年1月にかけ、インタビューを実施いたしました。記載のとおり、多様な御意見を頂戴しておりまして、昨年10月に設置した有識者会議にて既に御報告しておりますが、今後の検討における参考にしてまいりたいと思っております。
 次に、(4)有識者会議です。昨年10月に設置し、現在まで計5回の会議を実施いたしました。施設コンセプトにつながる目指すべき将来像や、保存、復元に関する基本方針、利活用に関する基本方針を定めるための御意見や御助言をいただいているところです。また、配付資料や議事要録など、詳細は全て市ホームページにて公表もしていますが、会議には毎回複数名の方の傍聴があり、高い関心をお寄せいただいております。
 今年度末までに計8回の会議を予定しており、今後、管理運営に関することや財政負担軽減の工夫などについても御意見や御助言をいただきまして、令和6年2月をめどに内容をまとめた上で、3月に行政報告をする予定でございます。
 次に、(5)市民ワークショップについて御説明します。市民ワークショップでは、建物の文化的価値と緑豊かな自然環境を次の世代につなぐために、大切にしたいことや、保存・利活用アイデア、次世代につながる仕組みなどを考えていただき、今年1月から7月まで計4回実施をいたしました。幅広い世代の方々に御参加いただき、今後実施する社会実験につながるアイデアを提案いただきました。各会の検討内容は、これまで送付させていただいている市民ワークショップニュースを御参照いただきたいと思います。最終回では、大切にしたいことや、ここならではのことかどうかということを共有しながら、班ごとに社会実験につながるアイデアをまとめていただきました。
 次に、(6)動画作成・配信でございます。昨年10月に登録有形文化財となりましたが、一部で耐震性が不足していることもあり、現在常時の公開は行っていないところであります。このような中で、大変多くの方から見学の御要望をいただいたこともあり、今後の利活用検討を進めるためにも、広く周知を図ることを目的に、昨年12月末に、市の公式動画サイトに見学ツアー動画を投稿いたしました。
 次に、(7)今年5月に実施した一般公開ウイークです。昨年10月に実施した建物見学ツアーでは10倍近くもの応募があり、多くの方に見学いただけなかったことを踏まえ、事前予約なしのフリー見学にて一般公開を実施いたしました。連日大変多くの方々に御来所いただき、庭のみの見学も含めますと、1週間で約5,000人の方にお越しいただき、総じて高評価が得られたとともに、多くの御意見をいただくことができました。
 3ページをお願いします。一方、今後の利活用を進める上で、記載のように、オリジナル造作家具の取扱いや、植栽や芝生、バリアフリー化やトイレ、駐輪場や駐車場、御近隣との関係など、配慮や検討が必要な事項も明確となりました。
 次に、(8)オープンハウスについてです。旧赤星邸の保存・利活用において、興味関心のない方も含めて、多様な方々から幅広く御意見を伺うため、地域の人が集まる場所でパネル展示、説明をしながら、三駅ごとに出張型の意見聴取を実施いたしました。旧赤星邸のことを全く知らなかったという方もたくさんいらっしゃいましたが、多くの方に足を止めていただき、シール投票やアンケートに御協力いただきました。3日にわたり実施をいたしましたが、シール投票の結果、歴史や文化の継承という視点で、建物と庭を一体で楽しむことを大切にしていきたいといった点に票が集まりました。
 続いて、(9)ウェブアンケートです。市民以外の方からも広く御意見を頂戴するとともに、旧赤星邸の周知や関心を高めるため、令和5年3月末よりウェブアンケートを実施しています。市報や市民ワークショップのニュースレター、一般公開時のパンフレットに2次元バーコードを添付しているほか、市ホームページにてアンケートの実施を周知しております。また、動画の概要欄にも市ホームページのアドレスをリンクしており、動画を御覧いただいた方が、市ホームページの該当ページに容易にアクセスしやすいようにしているところです。今後、11月頃まで実施しまして、取りまとめた結果を有識者会議に情報提供するとともに、公表していく予定でございます。
 なお、8月15日現在で110人の方からアンケートに回答いただいておりますが、旧赤星邸を知ったきっかけについては、市報や市ホームページのほか、テレビや新聞などのメディア、SNS、また口コミなど多岐にわたっており、今後も多くの媒体を通して周知、広報を図っていきたいと考えています。
 それでは、3、今後の予定・進め方について御説明します。
 まず、(1)社会実験ですが、良好な住居環境を害するおそれのない範囲や程度を見定め、利活用の可能性を探るとともに、適切な管理運営方法の検証や、近隣住民の理解を得られる施設開設を目指すことを目的に、ワークショップ参加者から出されたアイデアを踏まえて社会実験を行います。
 社会実験は、未来へつなぐ旧赤星邸と庭園プロジェクトとして、2か年にわたり実施し、今年度は、近隣への影響の度合いが少ないと想定される企画を公募市民により2回実施いたしまして、来年度は、事業者や団体を公募して2回実施していきたいと考えております。今年度の実施に当たり、自らが企画し、当日の運営も行う企画会議参加者を20名程度公募し、申込みのありました10代から70代の合計25名の方全員に、参加決定通知を送付したところでございます。
 4ページをお願いします。企画会議の開催日時・活動内容の予定等は記載のとおりです。
 8月27日には第1回目の企画会議を実施し、旧赤星邸の見学やグループワークを行い、実施したいアイデアを出し合いました。今後検討を深めながら、1回目の社会実験を11月5日、日曜日、2回目を2月4日、日曜日に開催する予定です。実験では、周辺環境に与える影響の度合いを検証するため、アクティビティ調査や音響環境調査、近隣住民へのアンケートも実施し、どの程度の影響が生じたのかを検証していく予定です。
 また、本プロジェクトを通して積極的に情報発信していくため、新たに旧赤星邸のインスタグラムのアカウントを開設し、社会実験の実施状況等の情報発信を行っていきます。なお、記載のアカウント名で既に開設し、投稿しておりますので、御注目いただければと思います。
 次に、(2)一般公開です。5月に実施した一般公開ウイークの経験を踏まえ、次回の一般公開は、事前のウェブ予約制で自由見学といたします。期間は11月15日、水曜日から21日、火曜日までの7日間で、9月15日号市報にて周知を図り、10月16日より市民先行で受付を開始する予定です。1日当たり600人程度の方に御見学いただけるように、準備を進めているところでございます。
 次に、(3)保存活用計画策定委員会の設置について御説明いたします。こちらは来年度実施予定の内容となります。登録有形文化財である旧赤星邸の復元や耐震改修工事には多額の費用が見込まれておりますが、文化庁では、登録有形文化財建造物の保存修理や保存活用計画の策定、設備整備、耐震対策などを行う場合に、その事業の一部補助を行う優遇措置を行っており、東京都もこれに連動する形で、文化財保存事業に係る補助制度を設けております。
 これらの優遇措置を受けるためには、文化庁が定める要件を満たす保存活用計画の策定が必要となっていることから、来年度は保存活用計画策定委員会を設置し、これまでの検討経過や意見等を踏まえて基本計画の策定を行うとともに、要件を満たす保存活用計画の策定を行っていきたいと考えております。
 なお、(5)に今後のスケジュールを予定として記載しておりますが、保存活用計画策定委員会設置に向けまして、他の自治体の先行事例などを調べる中で、保存活用計画の策定に1年以上かかっている事例が多いことが分かりましたので、今後精査をいたしまして、3月の行政報告にて改めてお示しをしたいと思っております。
 次に、(4)ふるさと応援寄附や補助金等の活用による財政負担の軽減についてです。旧赤星邸の維持管理等に係る財政的負担の軽減を図るとともに、市の魅力を発信するため、ふるさと応援寄附等による歳入確保を目指していきます。また、公園用地取得に係る費用の一部の補助金獲得を目指すため、手続は事業所管課となりますが、都市計画法による都市公園の設置手続や補助金申請手続を進めていく予定です。
 最後に、(5)今後のスケジュール(予定)です。有識者会議での御意見を踏まえ、来年度は基本計画や保存活用計画の策定を行っていく予定です。また公園の整備等に向けた検討も進めていく必要があると考えておりますが、現時点では詳細は未定でございます。保存活用計画策定後に、建物の設計、工事、公園整備工事と進めていくことになります。
 なお、先ほども申し上げたとおり、スケジュールは現時点における想定であり、今後の検討状況や補助金申請状況により変更となる可能性がございますので、御了承くださいますようお願いいたします。
 説明は以上です。

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