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│(陳受5第12号) │
│ 民主主義・立憲主義の基盤である思想・良心の自由、請願権等を守ることに関する陳情 │
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│受理年月日│ 令和5年2月14日 │
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│陳 情 者│ 武蔵野市在住者(陳情者本人の申し出により、町名以下の住所及び氏名は非公開と│
│ │ しています。) │
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│ 陳 情 の 要 旨 │
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│ 現在、マスコミ等で政治家に対し、特定の宗教団体及びその関連団体との関係を断つよう求める│
│論調が繰り返され、令和4年9月には富山市議会において「特定の宗教団体及びその関連団体との│
│関係を一切断つ」という決議がなされ、同様の決議案が複数の地方議会に提起されています。しか│
│し、それぞれのポリシーが尊重されるべき民間団体においてはともかく、全ての市民に対して中 │
│立・公平たるべき地方公共団体の機関である市長や市議会が特定の宗教及びその関連団体との関係│
│を遮断することは、地域内の関連団体や信者らの憲法第19条の思想・良心の自由、憲法第20条1項│
│の信教の自由に対する侵害となることはもちろん、憲法第16条で保障されている請願権の侵害とな│
│り、憲法第14条1項で保障されている法の下の平等に違反することになります。これらの基本的人│
│権は、いずれも民主主義の根幹と立憲主義の基盤を形成するものであり、地方公共団体の機関であ│
│る地方議会がこれらを侵害することは、我が国の民主主義と立憲主義を危うくするものです。陳情│
│理由は以下のとおりです。 │
│1 思想・良心の自由及び信教の自由について │
│ 憲法第19条は「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」と定め、同第20条1項前│
│ 段は「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。」としています。これらの権利は、世界│
│ 人権宣言の内容を基礎として、これを条約化した国際人権規約(自由権規約)にも定められてい│
│ ます。思想・良心の自由には、「沈黙の自由」、すなわち、思想・良心を告白するよう強制され│
│ または推知されない自由が含まれており、このことは信教の自由における信仰に係る告白につい│
│ ても同様です(佐藤幸治「日本国憲法論(第2版)」245ページ、254ページ)。 │
│2 請願権について │
│ 憲法第16条は「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改│
│ 正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる│
│ 差別待遇も受けない。」としてこれを保障しています。 │
│3 法の下の平等について │
│ 国際人権規約(自由権規約)は第2条で「人権、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その│
│ 他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位等によるいかなる差別も」され│
│ ないことを約束し、その趣旨を踏まえた憲法第14条1項は「すべて国民は、法の下に平等であつ│
│ て、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、│
│ 差別されない。」としています。 │
│ かかる見地に立ち、武蔵野市及び武蔵野市議会に対し、下記のとおり陳情いたします。 │
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│ 記 │
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│1 武蔵野市及び武蔵野市議会において特定の宗教法人及びその関連団体(ただし、反社会的団体│
│ との法的根拠がある団体は除く)との関係を遮断する内容の宣言・決議をしないこと。 │
│2 武蔵野市及び武蔵野市議会において市議会議員を含む公人及び私人に対し、特定の宗教に対す│
│ る信仰の有無を問うたり、その団体との関係を調査・質問したりしないこと。 │
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