
木崎剛
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6272◯決算特別委員長(木崎 剛君) ただいま議題となりました議案第77号 令和4年度武蔵野市決算の認定について、議案第78号 令和4年度武蔵野市水道事業会計利益の処分及び決算の認定について及び議案第79号 令和4年度武蔵野市下水道事業会計利益の処分及び決算の認定についての決算特別委員会における審査の概要と結果について御報告をいたします。
本決算特別委員会は、9月20日の本会議で議長指名されました10名の委員で構成され、同日の本会議終了後、議長招集による第1回の委員会が開かれ、臨時委員長による委員長の互選、続いて副委員長の互選を行いました。その結果、推せんにより、委員長には私、木崎 剛、副委員長には西園寺みきこ委員が選出をされましたことを御報告いたします。また、会議運営の効率化に努める観点から、委員会開催時間に配慮し、9月20日の委員長及び副委員長の互選後、監査委員の審査意見及び各会計決算についての説明を一括して受けることといたしました。
それでは、これより審査の概要とその結果について御報告をいたしますが、議案審査は9月21日から26日まで実質4日間にわたり慎重に行い、詳細にわたったため、逐一網羅できませんことをあらかじめ御了承願います。
まず初めに、監査委員の審査意見及び人件費を含めた総括質疑の概要から御紹介いたします。主な質疑は以下のとおりでした。
1)市職員の女性管理職が少ない点は大きな課題だと考えているが、何が要因だと考えているか。答え、主任や係長の年代は、産休や育休など子育ての時期と重なり、また、その後は親の介護も担うようになる。ふだんの仕事で責任をどこまで負えるか、自身の能力とのバランスを考慮した結果として、昇任を希望しない方が多いと考えている。2)本市の内部統制体制の整備に関し、法令遵守を軽視したような事例があり、また、監査委員からの審査意見でも指摘があるが、体制整備に向けた今後の見通しを伺う。答え、これまでは、既存のリスクマネジメントの取組を実施していたが、他自治体で内部統制制度の整備に向けた取組が広がっていることから、現在研究を進めている。令和6年度には、内部統制の基本方針を策定する予定である。3)地方公務員の定年延長に伴い、高年齢層職員の知見を生かす任用の在り方が求められるが、処遇の決定方法についての認識を伺う。答え、59歳の職員に対し、退職手当や60歳以降の働き方について情報提供し、その上で本人の意向を聴取し、個々の事情を踏まえて丁寧に対応している。4)令和4年度予算に対しては、保健センター増築及び複合施設整備に関し、基本計画案の議会への報告などを求める付帯決議が付された。令和4年度予算は、この決議の趣旨に沿って執行されたと考えてよいか。答え、付帯決議を受けて、武蔵野市立保健センター機能充実検討有識者会議を設置したほか、市議会全員協議会を2回開催した。それらの議論を受けて、基本計画を策定した。5)令和4年度は、コロナ禍も3年目となったが、この間、国や東京都からの支援が足りないと感じた点は何か。また、市内への保健所設置に向けた動きを伺う。答え、情報が十分に来ない中で試行錯誤を重ねたが、市が要望したことで、療養者支援センターの設置などにつながった。保健所機能については、東京都の報告書の中では、市町村との連携強化が掲げられており、引き続き市として要望していきたい。6)決算における不用額について、監査委員意見書で毎年指摘されているが、不用額の減少に向け、どのように対応したのか。答え、住民税非課税世帯等臨時交付金事業などに関し、対象者の範囲が不明確な中で、事業費を多めに見積もって令和4年度に繰り越した。繰り越した予算は補正ができないため、結果として不用額となった。不用額の減少に向けては、予算編成段階から精査するほか、最終補正の段階で100万円を超える未執行予算がある場合は、減額補正するよう庁内各課に周知している。
以上で監査委員の審査意見及び人件費を含めた総括質疑を終わりました。
続いて、歳入の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)ふるさと納税に関し、他自治体への流出額が大きいことは課題と考えるが、今後の対策を伺う。答え、ふるさと納税による歳入減の影響額は非常に大きくなっており、令和4年度の決算でも11億4,300万円の影響額が出た。令和5年度も13億円を超える可能性があり、看過できない状況と考えている。市としては、東京都市長会を通じ、廃止も含めた制度の見直しや、交付金等による減収補填の制度化等を東京都に要望している。また、この影響については、市民へもきちんと周知をしたい。2)キャッシュレス決済やカード決済による納税は便利ではあるが、手数料が発生する。納税者が納める金額は変わらないが、市の収入としては、本来の金額よりも手数料の部分が減少してしまう。この影響や対策をどのように考えているのか。答え、本年4月より、地方税共同機構の共通納税システムが拡充し、個人市民税や軽自動車税、国民健康保険税等もQRコードによる納付が可能になったが、スマートフォン決済では1件当たり55円の手数料がかかる。手数料については、一昨年、総務省より、金融機関の手数料を適正に払うよう通知が出されており、納税課と財政課、会計課等で対応を検討している。3)雑入の項目は様々な収入が入り、多岐にわたっているため、各事業の収支が把握しにくいが、分かりやすく記載することはできないか。答え、歳入に関しては、法令で款項が規定されている。そのどれにも該当しないものを雑入として集約しているが、記載の方法については、他自治体の事例も研究し、改善に努めたい。
以上で歳入の質疑を終わりました。
続いて、第1款議会費の審査を行いました。主な質疑は、以下のとおりでした。
1)インターネット中継に関し、令和2年度以降アクセス数が増加しているが、視聴者のうち、職員とそれ以外の方の割合はどうなっているのか伺う。答え、令和2年第2回定例会から常任委員会等のインターネット中継を開始し、アクセス数は劇的に増加している。以前の職員視聴割合は7割以上であったが、令和4年度の生中継のアクセス件数は、3万1,104件のうち、職員の視聴が1万8,881件で、6割ほどとなっている。また、録画中継アクセス数は9,044件で、うち、職員視聴が701件で、1割弱である。令和5年度からは、即時視聴を希望される市民の方の要望もあり、当日中または翌日までに速報版として録画映像の公開を開始した。
以上で第1款議会費の質疑を終わりました。
続いて、第2款総務費の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)子どもの権利条例は、策定の過程で、子どもの声をしっかりと聴いていることについて有識者の方からも評価をいただいているが、今後、全ての市民の方に条例への理解を深めてもらうために、どのようなことを行っていくのか。答え、市民活動推進課で実施しているどこでもミーティングや、学校等に出向いて説明などを実施していきたい。また、それぞれの課においても、この条例を踏まえ、様々な場で子どもの声を聴く仕組みづくりを考えてもらいたい。2)令和4年度は、むさしのジャンボリーの再開準備事業を行い、令和5年度から本格的に再開となったが、再開に当たっては様々な不都合もあったと捉えている。事業運営の管理体制についてどのように考えているか。答え、令和4年度に11地区で再開準備事業を行い、令和5年度は完全な形での再開となった。ノウハウの継承や指導者の人数の不足、指導者の中での意識共有が図れていないこと等が課題としてあったと考えている。管理体制については、今後も従前どおり、市と各青少年問題協議会の地区委員会が綿密に打合せをし、問題点を出し合いながら行っていきたい。3)パートナーシップ制度について、制度の申請には事前予約が必要となっているが、その理由を伺う。また、本市の制度開始から7か月後に開始した東京都のパートナーシップ制度との違いを伺う。答え、予約が必要な理由は、市が独自に行っている制度であり、法的な効力はないこと等の説明を時間を取って丁寧に行う必要があるためである。東京都と本市の制度の違いとしては、東京都の制度では、どちらか一方が性的マイノリティであることを要件としているが、本市では、性別を問わないこととしている点が挙げられる。4)市の広報の仕方について、1つの事業だけではなく、複数の事業を一緒にアプローチするなど、横断的な広報をすることで、より効果的に周知が図れるのではないかと考えるが、見解を伺う。答え、横の連携を取っていくことの必要性は感じている。全庁的に広報広聴の意識を持つためにどうすればよいか検討していきたい。5)吉祥寺東町1丁目市有地利活用事業について、公募プロポーザルに事業者からの応募が来なかったが、今後、どのような改善を行い、事業を進めていくのか。また、地元住民の意見や要望を聴いた上でもう一度検討してほしいと考えるが、いかがか。答え、今回は分野横断的な事業であったため、既存の補助制度が活用できなかったことが大きな課題であり、財政的支援をどのように行うかは、今後整理が必要と考えている。検討を開始してから8年が経過しており、この間、市民の方にも様々御意見をお聴きしてきた。社会情勢の変化を捉え、変更すべきことは柔軟に変更することが必要だが、コンセプトを大きく変えるのではなく、あの場所に最適なものは何かを検討し、事業の在り方について整理していきたい。6)平和施策の方向性について、庁内検討会議による検討を行ったということだが、検討を行った結果、今後どのような方向性を示していくのか。また、今後、これまで実施してきた市の平和施策を発展させていくという考えはあるか。答え、令和4年度は、有識者による平和施策の在り方懇談会を行う予定だったが、ロシアによるウクライナ侵攻により、映像等を通して問題意識が高まるなど、当初検討していたものとは異なる課題が出てきたと捉え、各課の平和事業を洗い出して、平和事業に取り組んでいく視点を整理した。これまで平和施策の軸になるものとして、市民の方を交えた平和事業実行委員会を行ってきたが、若い方に参加してもらえないことを課題と感じており、今後は若い世代にも平和への意識を持っていただけるような取組をできるよう、有識者の方からも意見をいただきたいと考えている。7)令和4年度にホワイトイーグルへのAED搭載を廃止しているが、上級救命講習の修了証を有することがホワイトイーグルの隊員の要件となっているにもかかわらず、AEDを搭載しないとする判断は見直すべきではないかと考えるが、認識を伺う。答え、事務事業の見直しにより廃止としたが、隊員は、有事の際には心臓マッサージなどの対応がしっかりとできる体制となっている。
以上で第2款総務費の質疑を終わりました。
続いて、第3款民生費の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)福祉総合相談窓口は、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて、どのような相談が多いか。また、どの程度継続して相談を受けることが多いのか伺う。答え、ひきこもり関連の相談や、多様かつ複合的な課題を抱えた相談が多い。福祉相談コーディネーターが、少しずつ課題を解きほぐしながら対応するため、年度をまたぐようなケースもある。2)株式会社コスモズによる保育所運営補助金の不正受給について、返還金額はどのように確定させたのか。また、期日内に事業者から返還されたのか伺う。答え、社外調査委員会報告書や事業者から提出された資料に基づき、本来市が支給すべき正しい金額を算出し、延滞利息を含めて、返還金額を確定させた。事業者からは、振込をしたという連絡等はあったが、正式に入金が確認でき次第、別途お知らせする。3)令和4年度の全国での保育現場における重大事故の件数は、過去5年間で最多となり、市内でも置き去りや骨折など8件が報告されているが、市としては、どのように指導、対応しているのか。答え、重篤な事故が起こりやすい水遊びや食事等を中心に、チェックポイントとして、保育事故防止支援指導員が各保育現場を回り、助言指導を行っている。また、令和4年度は、市内の保育施設等において重大事故防止についての研修を行い、啓発を行った。4)いきいきサロン事業は、1団体運営できなくなったという報告があるが、詳細は把握しているか。また、実施後の報告書等の作成が高齢者には負担が大きいと相談を受けているが、市としての見解は。答え、運営者からは、高齢化のため、事業継続が困難になったと報告を受けている。報告書については、市としても、現場の意見を踏まえ、なるべく簡素化していきたいと考えるが、一方で、市民の活動内容が分かる貴重なものでもあり、相互に理解を深めて検討していきたい。5)民間の学童クラブは、定員に対して利用者が少ないと考えるが、民間学童クラブの開設支援は事業目的を果たしているか、見解を伺う。答え、実績として示しているのは市内在住の児童の数であり、市外の児童も含めると、定員は一定程度充足している。民間学童クラブの開設支援は、保護者の多様なニーズに対応するため、公設学童クラブを補完する形で行っていきたい。6)本市における介護事業の現況及び介護人材の確保のための課題を伺う。答え、通所介護については、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、なかなか利用者が戻ってきていない状況である。課題については様々で、各事業者でメニューを工夫するなど、対応していると聞いている。人材確保については、市としては、介護職・看護職Reスタート支援金等を案内し、活用いただいている。
以上で第3款民生費の質疑を終わりました。
続いて、第4款衛生費の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)気候市民会議については、無作為抽出という手法と、目標設定が政策提言ではなく市民活動プランというところが、本市の気候市民会議の大きな特徴だったと評価する。成果と今後の展望について伺う。答え、全5回の開催予定だったが、参加された市民から、もう少し議論したいという申出があり、懇談会を開催するなど、本市の縮図のような形で意見を聞くことができた。今後は参加者を招いて意見交換会を実施し、市民一人一人の行動のタイミングで本プランが思い出されるような仕組みづくりが必要だと考える。2)保健センター増築及び複合施設整備について、管理運営費のうち、1,240万円の税金が設計のために投入されたとあるが、この事業の概要について伺う。答え、保健センターの増築に関する基本設計を作成するため、委託した設計事務所に対する前払い金として支出している。なお、基本設計は、令和5年2月から基本計画に基づいて作成を進めている。3)平成28年度からの5年間で、市民の健康診断の結果は悪化している傾向がある。コロナ禍を経てライフスタイルの変化等も考えられるが、市として課題をどのように捉えているか。答え、コロナ禍で運動機会が減った等が原因で、市民の健康状態が悪化しているのは憂慮すべき事態だ。健診を受けただけでなく、治療につなげていくことを重視し、周知啓発を行っていきたい。4)ICTの活用による自殺対策事業について、ホームページには5,988件と非常に多くのアクセスがあった。この件数を踏まえてどのような対策等につなげられるかが大切だと考えるが、見解を伺う。答え、実際にホームページにアクセスすると、心の悩みだけではなく、医療や子育て等、相当な数の相談先が表示されるようになっている。様々な悩みを持っている方が、適切な相談先につながることができるよう、個別の相談についても丁寧な対応をしていきたい。5)武蔵境駅南口公衆トイレはきれいな建物ができて、市民からも好評であると考えるが、市の認識を伺う。また、実際の建設費用は幾らであったか、市民の税金の使い道として、しっかり広報すべきと考えるが、いかがか。答え、1日3回の日常清掃のほか、ごみ緊急対応センターやホワイトイーグルの巡回等、維持管理は手厚く行っている。決算金額としては8,539万7,000円で、内訳としては、建て替え費用が7,700万円、工事監理費の委託料が838万5,000円、その他手数料で1万2,000円となっており、東京都の市町村総合交付金制度を活用し、4,093万円の補助金を受けている。市としては妥当な金額と考えており、必要に応じて広報をしていきたい。6)クリーンセンターについて、発火の際の人員による消火件数が緩やかに増えているが、スプリンクラー等の設備を増強することで対応できるのではないか。また、災害時BCPにおけるごみ発電のシミュレーションは想定されているか。答え、発火の際の人員による消火は、令和4年12月に一部設備の補強を行っており、現在では改善している。災害時については、基本的なスキームは定まっているが、送れる電気の容量も季節によって変動するため、送電する施設の優先順位等を精査し、検討している。
以上で第4款衛生費の質疑を終わりました。
続いて、第5款労働費、第6款農業費、第7款商工費について、一括して審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)CO+LAB MUSASHINOの事業目的や成果、課題、今後の展望を伺う。答え、市内事業者の連携を推進し、各個店の魅力を高める目的で実施しており、19事業者が参加し、約30のコラボ商品が本事業により実現した。商品のお披露目を兼ねた令和4年11月のイベントでは、約1万5,000人の来場があったが、商品の供給が追いつかず、長い行列となって、購入できない方もいたことが課題であった。令和5年度は、小さなイベントに出店して分散化を図るほか、出店が難しい事業者もいるため、各店舗へ足を運んでいただく形がよいと考え、試行している。2)ふるさと応援寄附の実施に係る事業費は幾らか。また、返礼品については、シティプロモーションと併せて考えてほしいが、例えば市内産農産物やアニメ関係の返礼品など、参加事業者を増やす取組ができないか伺う。答え、サービス利用料等を含むふるさと応援寄附事業全体で約3,800万円かかっている。寄付金額の50%以内で事業を行わなければならないという条件があり、その範囲内で運営している。返礼品については、市内産農産物の提供主体であるJAと相談しながら、今後も検討していきたい。また、市内のアニメ制作会社に協力いただきたいと考え、商工会議所と連携してアプローチしている。加えて、寄付者の傾向を見ると、都内、関東圏の方が多く、実際に本市へ来てもらう工夫が他市との差別化になると考え、食事券や、ふるさとチョイスで提供されているふるさと納税払いチョイスPayを活用し、市内飲食店等への来店を促すことに力を入れている。3)くらし地域応援券事業について、改めて手法について検討し、実施すると報告書にあるが、今後の展望を伺う。答え、全市民対象事業であったため、デジタル化が進む中でも、紙での応援券発行は必要だったと考えるが、今後どこまでデジタル化できるのか、実施時期も含めて検討していきたい。4)アンテナショップ麦わら帽子の運営について、様々な営業努力を行っていると考えるが、事業効率、事業効果は高まっているのか。また、BtoBの販路開拓やプロモーションを強化するなど、さらなる工夫が必要ではないかと考えるが、見解を伺う。答え、令和4年度は約124万円の赤字となり、令和3年度より売上げが落ちたことと、物価高騰、光熱水費高騰が影響したと考えている。今後の工夫として、各友好都市の特産品がそろっているため、食べ比べ・飲み比べセットの販売などを検討している。また、市内飲食店が大量購入している事例もあり、飲食店とのコラボレーションも展開できるとよいと思う。プロモーションについても、SNSの活用を進め、毎日投稿するなど積極的に行っている。5)商工費の割合については、くらし地域応援券など臨時事業費を含んで歳出決算額全体の1.94%と非常に少額だが、今後の予算規模についてどのように考えているのか。答え、コロナ禍における支援事業を通して様々な学びがあった。第三期産業振興計画も策定中であり、必要なところに必要な予算をつけ、次の展開を考えていきたい。6)肥料価格上昇対応臨時補助金についての評価と課題、令和5年度の対応を伺う。答え、補助金上限額10万円について、申請42経営体のうち、上限に達したのは3経営体のみであったため、金額は適正であったと考えている。令和5年度は、肥料価格に加えて消耗品等資機材の高騰も続いているため、補助の範囲を消耗品等にも広げて対応していきたい。
以上で第5款労働費、第6款農業費、第7款商工費の質疑を終わりました。
続いて、第8款土木費の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)吉祥寺まちづくり基金に関し、まちづくりのコストは増加傾向にあると考えるが、基金残高は妥当なのか。答え、この基金は、必ずしも用地取得費のために積み立てているものではない。今後、吉祥寺駅南口の整備の在り方により支出される金額も大きく異なるため、妥当か否かの判断はできかねる。2)大木・シンボルツリー2000計画は、市内から緑が年々減少し、21世紀には市内から大木がなくなってしまうおそれがあるため、大木を2,000本残すという目的で進められてきたと理解しているが、この先の見通しを伺う。答え、現在2,276本を指定しているが、民間の樹木は減少傾向にあり、公園など公共施設の樹木で補っている状態である。本数にこだわらず、緑豊かなまちづくりを進めたい。3)武蔵野市の自転車のマナーが悪いという声がある。自転車のルール・マナー向上に関し、2,500万円の予算を計上していたが、現状の認識と今後の方向性を伺う。答え、東京都全体でも、自転車が関与する事故件数の割合は上昇傾向にあり、自転車等駐車対策協議会では、武蔵野市だけでなく、他市区でもルールやマナーに課題があるとの意見をいただいている。市では、安全利用講習会や出張講習会を引き続き開催するとともに、三鷹市と連携して啓発活動を開始した。また、子育て中の方にも講習会に参加いただけるような工夫をしたい。4)公園の遊具更新について、23区では、安全性の点から公園の遊具が減少しているとの報道があるが、本市の状況を伺う。答え、公園遊具に関しては、安全領域が厳しくなっている。遊具は年に1回点検を行っており、うち、大型遊具を27か所の公園に設置しているが、大型遊具が破損した場合は、代わりに小さい遊具を入れることになるため、補修・更新により延命しながら使用していきたい。なお、遊具が減っているということはなく、新設の公園についても、希望があれば積極的に設置している。5)東京都は、都市計画道路の整備方針を第四次事業化計画として定めているが、次期の第五次計画に関し、杉並区では市民参加で様々な意見を聴きながら考えるという動きがある。第四次計画では、市民が要望していない路線が選定され、大変驚いたという経緯があるが、第五次計画の策定に関する市民参加をどのように考えているか。答え、現時点では、第五次事業化計画が策定されるかは未定である。策定される場合には、東京都よりスケジュール等が示されると想定しており、その中で、近隣市区の状況や市民の意向を踏まえて整備路線を考えたい。
以上で第8款土木費の質疑を終わりました。
続いて、第9款消防費の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)災害時の情報共有について、防災・安全メールの設定変更に146万円支出しているが、具体的な内容を伺う。答え、警報が発出された際には防災行政無線も流れているが、変更前は防災・安全メールと連動していなかった。設定変更により、警報が出ると連動して防災・安全メールやSNSが発信され、職員が参集しなくても、自動的に警報の内容がメール等で伝わるようになった。2)令和4年度に地域防災計画の見直しが行われたが、この計画の中で早急に対応すべき課題をどのように考えているか。答え、今回の見直しを受け、優先推進事業を定めた。前回の計画は7年前に修正したが、例えば、災害時地域支え合いステーションの在り方の検討や、災害時要配慮者の方々の対応についての実効性等は課題だと捉えている。これらの課題については、関係者や関係部署が多く、調整が困難だったため、なかなか進まなかったと考えているが、今後も丁寧に進めたい。3)消防団員の定員は条例上は260名だが、現場からは団員が足りないという声がある。現状に対する認識を伺う。答え、今年度に入り、消防団在り方検討会を行っている。現在は40代から50代の団員が中心となっているが、今後、若手団員が入団できるように、様々な課題を丁寧に解決しなければならないと考えている。火災時の対応力が低下しないように、団の幹部とも意見交換をしながら引き続き検討したい。
以上で第9款消防費の質疑を終わりました。
続いて、第10款教育費の審査に入りました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)不登校の児童生徒への支援や学ぶ権利の保障について、チャレンジルームやむさしのクレスコーレに行きたいが、行けないと感じている児童生徒への支援方法として、オンライン対応が有効と考えるが、見解を伺う。答え、オンライン対応は、今後の多様な支援の一つとして認識している。スクールソーシャルワーカーが自宅を訪問して学習の状況を見たり、学級担任とオンラインでやり取りするなどの対応を行っている。2)中学校の特別支援学級のスクールバスについて、運行していない自治体が多いが、それらの自治体は、本市より設置校の数が多いなど、本市とは状況が異なる。本市の支援体制は十分ではないと思うが、見解を伺う。答え、市によって設置校の数や市域の面積等、様々な違いがあるが、本市の中学生については、小学生との体力の違いや発達段階への対応として、公共交通機関を使用しての登下校をお願いしている。3)部活動指導員は各中学校に2名配置しており、地域連携を進めていくとのことだが、今後、指導員を増員していくのか。答え、令和4年度に、保護者や生徒、教職員を対象にアンケート調査を行った。指導員を各校6名まで増員することで、教員の負担軽減や生徒の希望がかなうという結果が出たため、段階的に増員していきたい。4)図書館の学校教育への活用や学校図書館の充実の観点から、小学生の図書館見学や図書館と学校との連携が必要だと考えるが、見解を伺う。答え、図書館職員と司書教諭の連絡会や校長会において、図書館見学の周知をしている。見学に来ていない学校については、その理由を把握し、学校との連携をより一層促進していきたい。5)武蔵野ふるさと歴史館において、公文書管理の質を上げるため、アーキビストの育成が重要であると考えるが、公文書管理の質の担保について、今後の方向性を伺う。答え、アーキビストが着任してから、職員の研修や市民に対する企画展、学校と連携した公文書管理の教育などを行った実績があり、今後も引き続き力を借りながら、文書管理の機能を維持し、また、充実させていきたい。6)学校給食費の無償化に向け、様々な取組を進めてもらいたいが、都内他自治体の状況は把握しているか。また、給食・食育振興財団が市内の子どもたちの給食を提供するという役割についてどう考えているか、伺う。答え、23区では、20区が既に無償化、もしくは時期は未定だが無償化することが決定している。市部においては、狛江市や武蔵村山市、府中市が、期間を区切っての無償化や第3子以降無償化等の対応を決定している。給食・食育振興財団は、武蔵野市の給食・食育を支える財団だと考えており、財団自体のガバナンスはあるものの、市としても、財政援助出資団体の一つとして指導監督していく方針である。7)中学校の学校改築における入札不調について、庁内の連携を取って対応してもらいたいと考えるが、今後も続いていく学校改築をどのような心構えで乗り越えていくか、見解を伺う。答え、工事の発注に際して、教育委員会、財政課、施設課を中心に検討会を設置し、総合評価方式を採用したが、不調になった。率直に言って、非常に困難を伴う案件であり、今後は、事業が本当に成り立つのかどうか、サウンディング調査などで現状を把握する必要があると考えている。
以上で第10款教育費の質疑を終わりました。
続いて、第11款公債費、第12款諸支出金、第13款予備費について、一括して審査を行いましたが、質疑はありませんでした。
続いて、特別会計の審査に入りました。
まず、国民健康保険事業会計の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)データヘルス計画に関して、中間評価を経て出てきた課題と、それに対する取組の状況を伺う。答え、本市において医療費の割合が最も多い疾病は、人工透析を伴う糖尿病性腎症であり、その重症化の予防や健診異常値放置者への受診勧奨を引き続き実施したい。本市は全国と比較すると、糖尿病の方の割合は低いが、人工透析を始めると、生活の質にも影響があり、国保財政にも大きな影響を与えるため、今後も引き続き取組が必要だと考えている。2)繰入金の状況も含め、国保財政は厳しい状況にあると考えるが、国民健康保険制度を持続可能にするための対応について伺う。答え、令和4年度の決算では、法定外繰入金は26市の中でも特に多くなっている。国や東京都には持続可能な医療保険制度の構築に向けた対応等、要望を毎年出して働きかけており、市としても、財政健全化計画に基づき赤字削減に努めていきたい。3)子どもの医療費無償化を実施している自治体は、国民健康保険の財政に関してペナルティが課せられているが、本市の影響額は総額でどれぐらいになるのか。答え、令和4年度の数値はまだ把握していないが、令和3年度は、保険給付費ベースで約354万円であった。
以上で国民健康保険事業会計の質疑を終わりました。
続いて、後期高齢者医療会計の審査を行いましたが、質疑はありませんでした。
続いて、介護保険事業会計の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)介護職・看護職Reスタート支援金事業について、本制度の申請をした方は、職員として定着しているのか伺う。また、交付金額等の見直しを図ることで、より働きやすい環境が整えられるのではないかと考えるが、見解を伺う。答え、残念ながら定着しなかった方もいる。交付要件の6か月を超えて継続して勤務している方については、件数調査等は行っていないが、施設長会や連絡協議会の中でヒアリングを行い、今後の参考としたい。人材に関することは、第9期介護保険事業計画専門部会の中でも多く御意見をいただいており、継続して働いてもらうことについては今後も検討していきたい。
以上で介護保険事業会計の質疑を終わりました。
続いて、水道事業会計の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)電気代の高騰により、地下水のくみ上げコストが増加しているため、東京都からの受水量を増やしているとのことだが、受水のコストはもともと高いため、かえって全体の費用が高くなっているのではないか。答え、東京都からの受水量は例年より若干上がったが、くみ上げ井戸の能力と東京都からの受水費用を見て、最も効率的な形で運用できていると考えている。2)単年度収支が赤字となっている理由を伺う。答え、新型コロナウイルス感染症の影響により給水量が減少したことと、電気料金の高騰により動力費がかかっていることが大きな要因である。
以上で水道事業会計の質疑を終わりました。
続いて、下水道事業会計の審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)雨水浸透施設設置事業に関し、設置を行ったことで効果は出ているのか。また、本事業は、第六期長期計画の基本施策のうち、地球温暖化対策の推進の枠の中に入っているが、気候変動が進み、水害のリスクが上がっていることへの対策として本事業を認識しているということでよいか。答え、令和4年度は、わんぱく公園に設置をし、その後、台風やゲリラ豪雨等もあったが、浸水被害等の報告は受けていない。また、浸水被害対策と水循環の両側面の視点を持って事業を進めているという認識である。
以上で下水道事業会計の質疑を終わりました。
続いて、締めくくり総括質疑に入りました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)今後も歳入を十分確保していくため、シティプロモーションの促進が必要とのことだが、市としては、その目的をどのように捉えているか。答え、本市のブランディングを高めることで、定住者の市への思いを醸成することも大切だが、移住者を呼び込むことも必要である。個人市民税等の堅調な税収が市政を支えており、対外的な広報活動を通じて、住んでみたい武蔵野市をつくることが大切である。2)庁内での新しい連携が様々な課題解決につながると考えるが、連携をどう活性化させていくのか。答え、庁内での議論は活性化しており、部署間の連携は取れていると感じている。それぞれの事業において、部署と部署の間をつなぐのは理事者の役割であり、意識して取り組んでいきたい。3)くらし地域応援券などの経済支援の取組は高い評価を得たと考えるが、このような全市民に対するベーシックサービスの展開についての見解を伺う。答え、くらし地域応援券は、全市民にとって公平で、かつ、事業者の売上げに貢献することにこだわって実施した。今後も市民や事業者、さらに議会と市が力を合わせて取り組むことが重要だと認識をしている。4)武蔵野健康づくり事業団の付属診療所は、医療法第7条の規定により設置されているとのことだが、健康づくり支援センターも医療法に根拠を置くと考えてよいか。答え、健康づくり支援センターは、医療法に基づいて設置したものではない。
以上で締めくくり総括質疑を終わりました。
以上で一般会計及び3特別会計、水道事業会計並びに下水道事業会計の審査を終局いたしました。
引き続き、討論に入りました。
まず、本多夏帆委員の討論概要は、ワクワクはたらくを代表し、令和4年度の全ての決算の認定等に賛成する。市民が知らない、利用できていないサービスがある場合は、広報の充実や使いにくさの改善が必要であるとの視点で審査に挑んだ。毎年のように新規事業を実施しており、当然その必要性もあるが、一方で、一つ一つの事業の精度を高め、広報によって事業の効果を高めることが求められる。コロナ禍ではそこまでの余裕がなかったと考えるが、今後はそういった目の前の小さな部分に着目した上で、さらなる事業の推進をお願いし、賛成するというものでした。
次に、さこうもみ委員の討論概要は、みらいのムサシノを代表して、令和4年度の全ての決算の認定等に賛成する。令和4年度は、コロナ対応が継続する中で、ウクライナ侵攻によるエネルギー価格や物価の高騰もあり、苦しい1年だったが、個人市民税の歳入が増え、市民の方々の頑張りに支えられた年でもあった。複雑かつ多様な課題に直面する方々の相談や支援にも取り組まれ、格差の拡大、二極化は、今後大きな問題になると感じている。コロナ対応とイベント等が重なり、働き方の面でも大事な年だったが、必要な人員配置や超過勤務の削減等、引き続き安心して働き続けられる環境づくりを求める。決算審査で質疑を通して伝えたことを今後の市政運営や次年度予算に的確に反映していただくことを求め、賛成するというものでした。
次に、浜田けい子委員の討論概要は、市議会公明党を代表し、令和4年度の全ての決算の認定等に賛成する。令和4年度も新型コロナウイルス感染症のさらなる感染拡大があったが、レスキューヘルパー事業の拡充や自宅療養者への食料品支援の対応など、高い財政力により、本市独自の支援ができたと考える。先を見通すことが難しいコロナ禍において、6回の補正予算を計上し、物価高騰への支援や経済支援の取組等、柔軟な対応と判断は好評だったと考える。市民の命と暮らしを守るため奮闘していただいたことを高く評価する。今後とも堅実な財政運営を心がけ、本委員会での様々な意見や要望を参考にして、市民に寄り添う市政運営をお願いし、賛成するというものでした。
次に、深田貴美子委員の討論概要は、日本維新の会武蔵野市議団を代表し、令和4年度の一般会計の決算の認定に反対し、その他の会計の決算認定等に賛成する。今後増加すると見込む人口推計を基に財政計画を立てているが、大変厳しい状況であると答弁する一方、身を切る改革が行われていない。赤字を出す外郭団体の行財政改革は必須であり、今後の展望をきちんと情報共有してほしい。先の見えない財政計画では、計画行政と呼べるのか疑問が残る。市民ニーズとの大きな乖離も見られ、市民との合意形成がないまままちづくりが進められていくことを大変心配している。また、議会は市民の代表であり、その真意を酌み取って答弁することが行政の責務だ。市長の答弁は、圧倒的議会軽視であり、到底容認できないというものでした。
次に、川名ゆうじ委員の討論概要は、立憲民主ネットを代表して、令和4年度の全ての決算の認定等に賛成する。コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻等があり、歳入はかなり減ると危惧していたが、改めて市民の皆様の担税力に感謝するとともに、確実な歳入は今後も確保していただきたい。自治基本条例に規定された行政評価に基づき、その成果がどうなっているか質疑をしたが、適正に予算が執行されていても、その効果がどう市民生活に結びついているのかの説明が少なかった。その点を示すことで、今後の市政運営がより分かりやすくなるため、善処してもらいたい。各委員からの様々な意見を参考に、令和6年度予算の編成に役立てていただくことを提案し、賛成するというものでした。
次に、小林まさよし委員の討論概要は、自由民主・市民クラブを代表して、令和4年度の全ての決算の認定等に賛成する。しかし、次のような問題点について指摘したい。まず、第一中学校改築工事入札不調については、社会情勢の大きな変化に対する見通しが甘く、児童生徒や市民生活に大きな影響を与えることになった。そして、吉祥寺東町1丁目市有地利活用事業においては、コンセプトの問題を指摘してきた結果、同じく昨今の情勢変化も影響し、プロポーザルに事業者の応募がなく、今後の展開も読めない状況にある。吉祥寺本町1丁目27番街区の土地購入については、限定価格で評価し、不要な税金を投入したと捉えている。これらについて疑問があるものの、令和4年度は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻など想定以上の社会情勢の変化があり、混乱があったとも考えられる。今後の市政運営の改善に期待し、賛成するというものでした。
次に、本間まさよ委員の討論概要は、日本共産党武蔵野市議団を代表して、令和4年度の全ての決算の認定等に賛成する。新型コロナウイルス感染防止や、市独自の経済支援への取組については、くらし地域応援券など、他市と比べても、本市の支援は大変手厚いものであった。また、ウクライナへの軍事侵攻により、改めて平和の大切さを痛感した。長崎への青少年平和交流派遣団など平和施策の取組を強めたことを評価する。パートナーシップ制度の開始や子どもの権利条例、18歳までの医療費無償化など、市民が求める施策も実施され、この点も評価している。武蔵境の公衆トイレは、多くの方に利用されて好評であった。要望なども含め、詳細は本会議で述べるというものでした。
以上で討論を終わり、採決に入りました。採決の結果、議案第77号 令和4年度武蔵野市決算の認定については、賛成多数で認定すべきものと決し、議案第78号 令和4年度武蔵野市水道事業会計利益の処分及び決算の認定について及び議案第79号 令和4年度武蔵野市下水道事業会計利益の処分及び決算の認定については、全会一致で可決及び認定すべきものと決しました。
長時間の御清聴に感謝し、以上で決算特別委員会の審査の概要と結果の報告を終わります。よろしく御審議のほどお願いをいたします。