18477【齋藤障害者福祉課長】 それでは、武蔵野市障害者福祉センター改築事業基本設計について御報告いたします。
資料はA4の用紙1枚と、基本設計の概要をお示ししたA3のホチキス留めの2点でございます。まず、A4の用紙をお願いいたします。
1、これまでの検討経過です。武蔵野市障害者福祉センターは、昭和55年に開設しており、築40年以上が経過しております。令和2年度の劣化状況調査の結果を受け、令和3年度に武蔵野市障害者福祉センターあり方検討委員会を設置し、老朽化に伴う大規模改修や業務の在り方、機能の見直しについて検討いたしました。検討委員会からは、老朽化の対応として、大規模改修ではなく、建て替えが望ましいとの報告を受け、市として改築に向けた取組を進めているところです。
令和4年度には、基本理念や基本方針、改築に関する諸条件を整理して、基本計画を定めました。そして今年度は、基本計画に基づき、基本設計を進めています。これまで要所で、障害者福祉センターを御利用いただいている当事者の方、利用登録団体の方、事業を運営いただいている事業者の方に、改築に関する御意見をいただきながら進めているところですが、各年度の主な検討経過は表にまとめましたので、御参照ください。
裏面をお願いいたします。
次に、2、基本設計についてです。恐れ入りますが、A3の資料をお願いいたします。
1枚おめくりいただきました2ページに、外観のイメージと建物概要等をお示ししています。
まず、外観についてですが、千川上水と隣地の閑静な住宅街に調和した景観となることを目指して、自然をイメージさせる色、いわゆるアースカラーを基調とした色調としています。また、地域共生社会の理念をイメージしまして、外壁パネルを幾つかの色調に塗り分ける外観計画としています。
建物概要についてです。主要用途には、建築基準法上の用途を示しております。鉄筋コンクリート造地上3階地下1階の4層で、建物の建築面積は740平方メートル、延べ床面積は2,248平方メートル、建物高さは12.85メートルです。
概算工事費は、施設工事及び工事監理委託等を合わせまして、約20億円を見込んでおります。工事費については後ほど御説明いたします。
また、事業スケジュールは記載のとおりで、令和10年度の供用開始を予定しております。
3ページをお願いいたします。ページの左側にお示ししたこれまでの経緯、基本計画に定めた基本理念、基本方針等を踏まえて、ページ右側から5ページにかけまして、基本設計の方針をお示ししています。
基本設計の方針について、要点を絞って御説明いたします。
まず、1では、障害福祉サービスを安定的かつ安全に実施する上での方針を示しています。2では、団体活動を支え、交流を促進するための設計配慮を示しました。
4ページをお願いいたします。3では、地域共生社会の理念に基づいた取組について記載しています。4では、時代の変化に対する可変性やメンテナンス性の向上について記載しています。5では、福祉避難所としての機能や防災上の配慮について示しました。6では、周辺の皆様への配慮事項を取り上げています。
5ページをお願いいたします。7では、武蔵野市公共施設の環境配慮指針の理念に沿った配慮を示しています。8では、建築時及び運用時のコストを抑制するライフサイクルコストの適正化について示しました。
続きまして、6ページをお願いいたします。配置図等を御覧いただきながら、これらの方針を反映させた主な点について御説明いたします。
6ページ以降は、配置図や平面になっております。なお、図面の周辺にある説明欄にある番号は、図面上に表示している番号に対応しておりますので、適宜御参照いただければと思います。
まず、配置図兼1階平面図を御覧ください。不整形な敷地形状ではありますが、整形な建物を南北に、都道に沿った形で配置しています。利用者の安全や周辺環境を考慮して、車両、人の動線を設定しました。
図面左上にあります1と書いてある部分ですが、1階のメインエントランスになります。待合のスペースや休憩のための憩いの場所、地域の方と施設利用者の交流のイベント、簡単な打合せや相談等を行えるコーナーなど、様々な活動ができる親しみやすい空間として整備します。
図面の2の部分に当たりますエレベーターにつきましては、大型の電動車椅子やストレッチャー等にも対応した大型のエレベーターを整備します。
4の部分、各階で整備するトイレについては、想定される利用者の特性や介助の仕方等をヒアリングした上で、個室の形状やドアの形、手洗い器等について設計しています。特に1階と3階のバリアフリートイレにつきましては、体が大きな方の介助等も想定して、通常の規格より大きい介助用ベッドを設置する計画を立てております。
7ページをお願いします。地下階の平面図となります。図面の左側、南側に当たりますが、管理に必要なスペースを共用化して取りまとめて配置しました。また、福祉避難所として必要な物品を納めるため、専用の倉庫を計画しています。図面の中央付近、生活介護2)のところでは、主に行動障害のある方も含めた生活介護事業を行うために必要な諸室を配置しております。こちらは、地下のひかりの庭、図面上2という表示がある部分ですが、ひかりの庭に居室が面した計画とし、天井高や仕上げを工夫して、十分な採光や快適性を確保する設計としています。
8ページ、お願いいたします。2階と3階の平面図になります。2階では、生活介護1)、児童発達支援、障害児学童の事業を実施するために必要な諸室を配置しました。3階は、主に団体活動や障害者福祉センターの各種事業に使うことを想定したフロアとなっています。
9ページ、立面図をお願いいたします。西側立面図の2の部分を御覧ください。3階の北側に当たりますが、建物を後退させて全体のボリュームを軽減させることや、緑地帯を設けることで、隣地への圧迫感を抑える計画としています。同じく西側立面図の4の部分ですが、色味から少し分かりにくいかもしれませんが、建物の空調や給排水の配管の縦配管を幾つかに集約し、建物の内部からではなく、外部バルコニーに配置することでメンテナンス性を向上させています。
東側立面図や南側立面図にある5の部分ですが、複数方向の避難経路を設けることや、エレベーターを介さない外部バルコニーとスロープによる避難路を確保しています。これらは物理的な避難路ですので、発災時に万が一エレベーター等が停止しても避難経路が確保でき、安全に避難することができる設計としています。
10ページ、断面図を御覧ください。各階の高さ、天井の高さ、天井裏の高さを適切に設定することで、快適性、メンテナンス性、全体ボリュームの抑制を両立させています。具体的には、上の断面図の中の1のところを見ていただければと思いますが、倉庫やトイレ、規模が小さい居室は天井高を2.5メートルで設定しておりますが、大きな居室空間は天井高を2.7メートルで計算しています。また、水回りのメンテナンスが想定される箇所、例えばトイレ周りなどについては、床スラブの上に配管類を配置すること等の工夫をしています。
さらに、下の断面図にあります2の部分になりますが、地階の居室については、快適性を確保するために、3メートルの天井高といたしました。
次に、概算工事費について御説明します。恐れ入りますが、A4の資料にお戻りください。裏面になります。
3番、概算工事費についてです。これまで御説明した基本設計に基づき、設計内容を積み上げ、建築、電気、機械の3工種で積算をした工事費は約19億円となりました。工事監理や、既に契約している基本設計、実施設計の委託費用等を含めますと、20億円という概算工事費になります。昨年度お示ししました基本計画時点では概算工事費を14億円としておりましたが、それに比較して約1.4倍となっております。
増要因を(3)にお示ししています。(3)の1)から4)が挙げられます。
まず1)について、障害福祉サービスの設備基準を満たすため、基本計画時より約250平方メートル増となっております。
2)環境配慮に向けた取組に関しましては、建築物の躯体の高断熱化、再生可能エネルギーの利用、空調設備等についての省エネルギー機器や節水型の衛生機器の採用などがございますが、これらの取組例につきましてはA3の図面の5ページに記載をしておりますので、御参照ください。
3)について、近年の資材高騰や労務単価の増は避けられない点だとは考えておりますが、それも工事費増の大きな要因と考えています。
4)の基本計画時には入っていなかったスロープによる避難経路を設置する点についても、増額の要因になっているものと考えています。
なお、基本設計を進める上では、概算工事費を減ずることを目指して検討を重ね、先ほど御説明した3階南側を後退させ、面積を減らすことや、基礎工事を含めた地価公示の諸条件の再検討など、様々に減額できる要素には応じているところです。
最後に4、事業スケジュールについてですが、こちらは基本計画の時点にお示ししたものからの変更はございません。この基本設計がまとまり次第、実施設計と、まちづくり条例に基づく手続に着手したいと考えています。
武蔵野市障害者福祉センター改築事業基本設計についての説明は以上となります。