16824【西館学校施設担当課長】 よろしくお願いいたします。
第五小学校及び井之頭小学校の基本設計がまとまりましたので、概要版を用いて御報告させていただきます。
まず初めに、今回の基本設計をまとめるに当たりましては、令和2年4月に全面実施となりました小学校の新学習指導要領、令和4年3月に文部科学省より出されました、「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について」最終報告、令和5年4月に市で策定いたしました第五小学校及び井之頭小学校の基本計画、現在工事を進めております第一中学校、第五中学校で得た経験や知見を基に、基本設計を進めてまいりました。
基本設計概要版の基本的な構成は両校同様でございますので、第五小学校の資料を用いて御説明をさせていただきます。第五小学校改築基本計画概要版を御覧ください。
1枚おめくりいただき、目次を御覧ください。5章立ての構成といたしました。
1ページを御覧ください。I章のコンセプトについてです。
1では、令和2年3月に策定いたしました学校施設整備基本計画、令和5年4月に策定いたしました第五小学校基本計画に基づき基本設計をまとめた旨、記載しております。
2ページを御覧ください。2、第五小学校のコンセプトについてです。基本計画策定時にも御説明させていただきました標準的な考え方で整備を進める事項と、各学校の伝統や地域性を踏まえて整備する事項を整理しております。
3ページを御覧ください。ここでは、1)普通教室・教室回り、2)ラーニング・コモンズ、3)特別教室・特別教室回り、4)校舎全体を緩やかにつなぐ学びの空間整備について、教育空間の考え方を整理しております。
普通教室・教室周りは、多様な学習内容・学習形態及び児童の主体的な活動を支援し、豊かな創造性を発揮できる空間とし、拡張性、可変性を持たせた可変空間を計画し、個別最適な学びと協働的な学びに柔軟に対応できる空間としております。
4ページを御覧ください。(2)設計コンセプトです。これからの学校施設については、学校施設全体を学びの場として捉え、魅力のある空間を連続させることで、子どもたちが興味・関心を持ち、楽しく学ぶことができる、明日また行きたい学校を目指すことを設計コンセプトといたしました。
空間づくりの設計コンセプトとして、3点掲げております。1)校舎全体が緩やかにつながる、2)木漏れ日の下で自然に緩やかにつながる、3)地域と共に育ち、まちに緩やかにつながるです。
4ページから9ページにかけて、図とパースを用いて、3つのコンセプトについて考え方をまとめております。
6ページをお願いいたします。従来の片廊下一文字型の画一的な教室配置ではなく、使い方を限定しない、大小様々な揺らぎのある空間をつくることで、自由で広がりのある学びの場を創出します。
下の図では、画一的でない教室配置により生まれる空間と活動例をお示ししています。
10ページをお願いいたします。3、(1)第五小の特徴を生かした設計の考え方です。四角の囲みの中に、基本計画で掲げた基本方針と整備方針を記載しております。基本設計では、これらの方針を実現する施設として具体的な空間構成を計画し、10ページから12ページにかけ整理をしております。
13ページをお願いいたします。14ページにかけまして、室配置の基本的な考え方を整理しております。普通教室・オープンスペースは2階から4階までの校庭に面した東側に配置し、各普通教室の前にはオープンスペースを配置し、授業の形態に合わせて普通教室の拡張空間として使用できる計画としております。また、各普通教室から直接出入りできるテラスを設け、授業での活用や避難経路としても使用できる計画としております。
ラーニング・コモンズは2階中央に開放的に配置しております。
特別教室は1階から3階の校舎北側にまとめて配置しております。
特別支援教室は全学年が通級しやすい2階に配置しております。
管理諸室は校庭や正門への見通しのよい1階に配置しております。
14ページをお願いいたします。地域子ども館は、校庭や屋内運動場に直接アクセスできる校舎1階に配置をしております。
15ページには各階の構成図をお示ししております。
16ページから24ページには部位別の設計方針を記載しております。
普通教室とオープンスペースです。教室とオープンスペースの間には、可動式の間仕切り壁を設置いたします。ランドセルロッカーは教室の背面に固定せずに、可動式とし、教室の使い方の自由度を高めます。オープンスペース周りは可動式の家具等で仕切り、フレキシブルに利用できるようにいたします。
17ページをお願いいたします。吹き抜けの安全性につきましては、児童の重心よりも高い安全な高さ、1.4メートル程度の足がかりのない手すりを設置いたします。
音環境につきましては、天井に適切に吸音材を使用し、音の伝搬を抑制いたします。
18ページをお願いいたします。手洗い・水飲み場は、各教室からアクセスのしやすい位置に分散して配置しております。
19ページをお願いいたします。プールは校舎南側の調理場の2階に設置します。周囲や上空からの視線や日射を遮ることができるよう、目隠しフェンスや日よけを設置いたします。
20ページをお願いいたします。テラスの安全性は吹き抜け同様に、児童の重心よりも高く、足がかりにならない安全な高さ、1.4メートル程度の手すりを設置いたします。
21ページをお願いいたします。地域子ども館の室配置は、学校敷地外に出ることなくアクセスできる動線としております。
23ページをお願いいたします。避難所です。避難所となる屋内運動場は、バリアフリーに配慮した1階のアクセスしやすい位置に配置いたします。災害対応GHPを設置し、停電時には、避難所エリアの空調、照明、スマートフォン等の充電に使用できるようにいたします。
25ページをお願いいたします。ここからは設計方針の全体になります。
(1)避難計画ですが、災害時に使用する階段は、屋内階段を3か所、屋外階段を2か所、分散設置し、混雑しない避難動線を確保しております。
26ページをお願いいたします。環境配慮・設備計画についてです。武蔵野市公共施設の環境配慮指針に基づいたエネルギー消費性能水準といたします。
28ページをお願いいたします。空調・換気設備です。換気設備は中央換気システムを採用いたします。給気は、新鮮な外気を適切な室温に調整し、吹き抜けを介して校舎全体に送ります。排気は、各教室の換気設備から個別に排気いたします。
29ページをお願いいたします。構造計画です。耐震性能につきましては、柱、はり、床等の構造部材だけでなく、天井材、照明装置等の非構造部材も含め、十分な耐震性能を確保いたします。
30ページをお願いいたします。スケルトン・インフィル、教室の天井高について記載をしております。
32ページをお願いいたします。第II章、建築概要でございます。
用途地域は第一種中高層住居専用地域で、建蔽率60%、容積率200%、高度地区は第2種高度地区、防火地域は準防火地域に指定されております。
今回の計画建物の規模ですが、建築面積が4,460平方メートル、延べ床面積が1万350平方メートル、階数は地上4階建て、最高高さ16.7メートル、構造は鉄筋コンクリート造とし、屋内運動場の屋根部分を鉄骨造とする計画でございます。
事業費についてです。プール・外構を含む建設費は71億8,106万円、既存校舎等の解体費が7億5,000万円の総事業費79億3,106万円でございます。
想定工程でございます。令和6年度、7年度で実施設計を行い、令和7年度から9年度までの3か年で、解体工事を含む改築工事を行う予定でございます。
続きまして、配置図、平面図、立面図、断面図について御説明をさせていただきます。
33ページの配置図兼1階平面図を御覧ください。地上4階建ての校舎棟を西側に配置し、平屋建ての体育館を北側に配置しております。体育館の位置が現在の南側から北側に移動しておりますが、おおよその建物の配置は既存校舎とほぼ同様でございます。プールは南側、調理室の2階に設置しております。東側の五小通りの正門から校地に入り、西に向かって進みますと、ピロティの南側に昇降口があり、そこから校舎に入ります。1階には職員室等の管理諸室、体育館、給食調理室、家庭科室、地域子ども館、開放エリアを配置しております。昇降口正面の大階段を上がり、2階に進みます。
34ページをお願いいたします。2階には開放的なラーニング・コモンズ、普通教室、理科室、図工室、特別支援教室、プールを配置しております。ラーニング・コモンズ内の階段を上がり、3階に進みます。
35ページをお願いいたします。3階には普通教室、音楽室、多目的室、習熟度別教室、児童更衣室を配置しております。
36ページをお願いいたします。4階には普通教室、多目的室、習熟度別教室を配置しております。
37ページは屋上の伏図になりますが、屋上にはキュービクル、太陽光パネルを設置しております。
38ページには立面図、39ページに断面図をお示ししております。
40ページから42ページにかけまして、外観パース、内観パースをお示ししております。
43ページを御覧ください。第III章、改築工事中の対応について記載をしております。
47ページから第IV章、用語集、53ページから第V章、参考資料をおつけしております。
77ページから80ページの各階平面図に、全てではございませんが、教職員、児童対象のワークショップ等でいただいた御意見を反映し、変更した部分をお示ししております。
続きまして、井之頭小学校について御説明をさせていただきます。
10ページをお願いいたします。3、(1)井之頭小学校の特徴を生かした設計の考え方です。第五小学校同様に、四角の囲みの中に基本計画で掲げた基本方針と整備方針を記載しております。基本設計ではこれらの方針を実現する施設として具体的な空間構成を計画し、10ページから12ページにかけて整理をしております。
26ページをお願いいたします。災害時に使用する階段は、屋内階段を2か所、そして屋外階段を3か所分散設置し、混雑しない避難動線を、井之頭小学校についても設置しております。
33ページをお願いいたします。第II章の建築概要でございます。
井之頭小学校につきましては、用途地域が第一種低層住居専用地域、建蔽率50%、容積率100%、高度地区が第1種高度地区、防火地域は準防火地域に指定されております。
今回の計画建物の規模ですが、建築面積が4,050平方メートル、延べ床面積1万550平方メートル、階数は地上4階、地下1階建てでございます。最高高さは14メートル、構造は鉄筋コンクリート造でございます。
事業費です。プール・外構を含む建設費は73億706万円、既存校舎等の解体費が7億9,000万円の総事業費80億9,706万円でございます。
想定工程は、令和6年度から7年度で実施設計、令和8年度から10年度までの3か年で、解体工事を含む改築工事を行う予定でございます。
続きまして、配置図、平面図、立面図、断面図について御説明させていただきます。
34ページをお願いいたします。配置図兼1階平面図です。井之頭小学校は地下に給食室を設けており、地下1階、地上4階建ての校舎になります。体育館は1階に、体育館の屋上、校舎の4階レベルにプールを設置しております。北側の正門から校地に入り、校務センター前を通って昇降口に入ります。1階には職員室等の管理諸室、体育館、児童更衣室、家庭科室、地域子ども館、開放エリアを配置しております。昇降口正面の大階段を上がり、2階に進みます。
35ページをお願いいたします。2階には開放的なラーニング・コモンズ、普通教室、音楽室、特別支援教室を配置しております。ラーニング・コモンズ内の階段を上がり、3階に進みます。
36ページをお願いいたします。3階には普通教室、習熟度別教室、理科室、図工室、多目的室を配置しております。
37ページをお願いいたします。4階には普通教室、習熟度別教室、多目的室、プールを配置しております。
38ページをお願いいたします。地下1階には給食調理室を配置しております。搬入車両は地上からスロープで地下へ降りる計画としております。
39ページをお願いいたします。屋上にはキュービクル、太陽光パネル等を設置しております。
40ページには立面図、41ページには断面図をお示ししております。
42ページから44ページにかけまして、外観パース、内観パースをお示ししております。
基本設計概要版の御説明につきましては以上でございます。
続きまして、第五小学校、井之頭小学校改築実施設計業務委託及び工事の発注方法について御説明をさせていただきます。
第五小学校及び井之頭小学校につきましては、令和4年度の改築事業開始時点では、工期短縮、工事費縮減を目的に、実施設計業務を設計施工・一括方式──以下DB方式と申し上げます──で施工会社に発注することを想定しておりましたが、その後、令和5年度に施工会社を対象に意向調査を実施した結果、民間工事需要の高まりにより、施工会社の人手不足が生じていることから、DB方式では入札不調の可能性が高いと判断し、DB方式での発注を見送り、工事発注を一般競争入札とすることとし、その結果、実施設計業務委託につきましては別途発注する必要があり、公募型のプロポーザルにて選定することといたしました。
選定委員会の設置及びスケジュールは記載のとおりでございます。
説明は以上になります。よろしくお願いします。