14759【深田委員】 先ほど陳述者の方からも御指摘がありましたように、まさにこの30年、40年前ぐらいからジェンダー研究が進化してくる中で、やはり性別役割分業、その前提となる男らしさ、女らしさというこの規範が大きく私たちを縛ってきた。それによって生まれてくる葛藤や問題、これをどう解決していくかということが、研究者の中では一番大きな課題だったのです。社会の慣習や慣例をどう変えていくのか、このために、先ほど申し上げたような赤松先生や、たくさんの研究者の方、そして、意思決定を図る国の立場や官公庁が力を寄せ合って今日があるわけです。
ですから、まずもって対立するものではないのです。しかしながら、女性が、過去に日本におきましても、私が心から尊敬する市川房枝さんという方がいらっしゃいました。当時は女性には参政権さえなかったのです。そして、集会する自由も禁じられていたのです。(発言する者あり)皆さんに聞いていただきたいです。与座さんにも確認をしています。こうした歴史があって、ようやく戦後に、女性の衆議院議員がたくさん生まれて今日に至るわけですが、それでも日本は、意思決定の場に国会議員の女性は少ない。こうしたことがジェンダーギャップを低く抑えている大きな要因であることは間違いないのです。
また、戦時中は、戦争に行く男性のバックヤードとして銃後の守りと言われて、多くの女性が工場で勤労を重ねてきました。戦争が終わって男性が戻ってくると、今度は逆なのです。女性は家に戻れ。労働力の調節弁として女性が使われてきた歴史もあります。労働権が侵害されました。
こうした様々なグローバルな、そしてローカルな事情によって、女性が生きるための権利を制限されてきたことは間違いない歴史的事実なのです。こうしたことをしっかりと踏まえた中で、これから男女ともに、どうやってお互いによい人生を送っていくことができるか、そして、生存権が脅かされることのないようにしていかなければならないということを考えるがために、最終的に推定無罪とされる性暴力の犯罪が多い中で、最終的に訴えていくところが欲しいという強い声は当然だと思います。
そういった中で、現在、第五次の男女平等推進計画を策定していただいていますが、委員の先生方、極めて専門性の高い方々が多くおられます。この中で、今日日本が女性差別撤廃条約を批准していながら選択議定書には批准できていない状況について、課題認識や情報共有という場はございますでしょうか。