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令和6年 総務委員会

3月4日(月曜日)

令和6年 総務委員会
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15065【毛利市民活動担当部長】  武蔵野市平和施策のあり方懇談会報告書についてでございます。本懇談会については、設置時に議員への資料送付をしており、このたび、懇談会が終了し、事務局にて報告書を作成しましたので、御報告いたします。なるべく簡潔にと思っております。
 最初に、A4判1枚の資料にて御説明をいたします。
 まず、1、懇談会設置の経緯でございます。本市では、これまで長年にわたり、市民等による実行委員会との協働により、平和啓発事業を実施してまいりました。令和7年には戦後80年を迎えることになりますけれども、戦争体験者の方が高齢化し、戦争体験の直接的な伝承が難しくなりつつあること、そういった体験者の記憶を次世代に伝えていく方法等の検討が必要であると認識しております。また一方で、ロシアのウクライナへの侵攻をはじめ、世界で起きている戦争の情報、映像等を得やすくなっている中で、市民の平和への関心や捉え方の変化も見られます。それらの状況を踏まえ、今後の本市の平和施策の在り方について検討を進めるに当たり、市民や有識者から意見及び助言を求める場として、今年度、武蔵野市平和施策のあり方懇談会を設置いたしました。
 懇談会の経過でございますけれども、懇談会は、令和5年8月より令和6年1月まで、全5回開催をいたしました。なお、懇談会のメンバーについては、報告書16ページにあります7名の方ですので、後ほど御覧いただければというふうに思います。
 次に、3番、報告書でございます。報告書につきましては、主な部分を御説明いたしますので、冊子のほうを御覧いただければと思います。
 まず、冊子の1ページ目になりますけれども、「はじめに」では、委員会設置の経緯等について、先ほど御説明したような内容を記述しております。
 3ページをお願いいたします。これは、懇談会で御意見をいただくに当たり、平和の概念の整理についてということで、平和という概念をどう定義づけるかということがまず話題となりました。簡単には、戦争のない状態と捉える狭義の平和と、それから、目には見えない不当な力によって自由を奪われている、例えば貧困であったり差別等のない状態である広義の平和という考え方ができますけれども、今回の懇談会では、ある程度限定的に捉えて、戦争のない狭義の平和に加えて、以前の懇談会からMIAができているような経緯を踏まえて、多文化共生、国際理解を含めて考えることとなりました。
 次に、5ページになりますけれども、5ページの2、武蔵野市における平和施策の現状と課題についてでございます。まず、(1)これまでの平和施策には、米軍による本市への空襲の歴史を踏まえ、昭和35年に世界連邦に関する宣言、57年に武蔵野市非核都市宣言が市議会により採択されたこと、また、過去の懇談会の提言により、武蔵野市国際交流協会や、それから平和の日が制定されたこと、その間、市は、市民や平和関係市民団体等と協働して平和に関する事業の企画・実施を行ってきたこと等を記述しております。
 6ページの(2)現状と課題でございますが、こちらについては、実行委員会との共催により、例年、平和の日事業等を定期的に実施している現状に触れた上で、課題としては、戦争体験者が高齢化する中での戦禍や平和意識の継承の方法、また、同様の事情から散逸のおそれがある民間保有の戦争関連資料の保存方法、それから、平和の日の認知度を上げるための広報や活動の充実、それから、世界で起こっている戦禍の情報に容易にアクセスできる現在の市民の平和への関心や捉え方等への対応などを挙げているところです。
 7ページの(3)平和施策の在り方について考えるための視点ですが、懇談会で御議論いただく際の柱について、武蔵野市にあった空襲等について取り上げていく、武蔵野市から発信する戦争と平和と、多文化共生・国際理解に関する取組、そして、その両者に関する取組の3点として整理を行っております。
 8ページ以降は、今後の武蔵野市の取組についてということで、懇談会からいただいた意見を整理したものとなります。以下、順に簡単に御説明をいたします。
 まず、8ページの(1)になりますけれども、武蔵野市から発信する戦争と平和の中では、1つ目に、武蔵野空襲等の遺物・遺跡の収集・保存、調査・研究としております。これについては、市の事業として実施する以上、武蔵野市の空襲については力を入れて継承していくべき事業であるという御意見で、そのうち、遺物等保存のための取組については喫緊の課題であるという御意見をいただいております。ただ、何でも集めてしまうということになると、各地の博物館等でも、そういった課題に直面しているという状況もありますので、その辺については、何らかの基準が必要であろうという御意見もいただいているところです。
 次に2)で、武蔵野空襲等の遺物・遺跡の展示・啓発ですが、これは、遺物等について、単に保存するのではなくて、どのように展示して市民に知ってもらうかが重要で、それらを五感を使って感じて、活用できるような工夫が求められているとされております。また、デジタル技術の発達に伴って、アーカイブ的な取組というのも必要であろうということも記載をされているところでございます。
 3)戦争体験の継承と新たな伝承者の育成では、体験世代から非体験世代への直接的な継承というのは、今がもう最後の機会であるというふうに認識しておりますけれども、現在の取組以上に、デジタルを活用したアーカイブ化等が求められるとされました。また、戦争体験の継承には、体験者でなければ語れない思いを伝えていくということが必要になりますので、非体験世代から非体験世代への継承として、例えば国立市等では語り部の取組がありますけれども、そういったことも必要ではないかというような御意見もありました。
 次に、4)でフィールドワークの蓄積の活用としては、昨年度実施しました市民意識調査ですとか、11月に武蔵野プレイス等で中高生にアンケートを取っておりますけれども、その中で、フィールドワークの参加意向というのは割と高い結果が出ておりますので、そういった、座学だけではなく、体験型、参加型の取組等の工夫が必要であるという御意見をいただき、これまでも、かなり実績としては市民団体も含めてあると思っておりますので、さらに発展させていく工夫が必要であるとされております。
 次に、2つ目の柱、多文化共生・国際理解に関する取組でございます。こちらについては、10ページの(2)からになりますが、まず1番目に、国際交流・多文化共生に関する武蔵野の先駆的事業の発展では、現在市で行っております国際交流事業は、市レベルでは相当充実した事業展開がされているというふうな認識がされております。そういった中で、今後も継続していくということと、また、国際交流協会設立以来、双方向で多文化理解を深める事業に取り組んでいることにも触れられておりますので、そういったことを進めていく。その一方で、各事業の参加者に対するフォローアップというのが十分なのかというような御意見がありまして、継続して関わり続けられるとか、次のステップにつながっていくような働きかけが必要であるとの御意見がございました。
 次に、2)異文化理解・相互交流の新たな方法でございますが、こちらについては、若い世代に訴えかけるような文化の相互理解のための新たなツールの発掘というのも必要で、例えば、アニメーションなどもそのようなものとして考えられるとの御意見をいただいております。オンライン交流ですとか、多様な市民の集合知をまとめていけるようなプラットフォームづくりなどについても御意見をいただいております。また、事業の実施に当たって、戦争の問題と多文化共生・国際理解というのは大変密接に関わっておりますけれども、現在、市で担当する部署としては分かれておりますので、より連携した事業展開を図っていくことが望ましいとの御意見もございました。
 3つ目の柱として、その両者に関わるものになりますけれども、まず1つ目としては、平和を楽しく学ぶ試みということで、これについては、話を聞いただけではなく、その出口が自らが表現することにつながっていると、その体験というものがより身近なものになるということから、本市で過去に小学校で戦争に関する演劇、中島飛行機に関する演劇をしたというものがあるのですけれども、例えばそういったような事例も踏まえて、平和を学ぶにはアートの活用というのも有効ではないかというような御意見がございました。
 また、長崎への青少年平和交流派遣事業については、今、定期的な開催ができておりませんが、継続による効果の観点から、実施頻度の拡充や、参加者による継続的な取組というものも工夫が考えられるのではないかとの御意見をいただいております。
 また、最初から平和をテーマとすると、入っていくのに敷居が高い、報告書の中でも意識高い系と思われてしまうみたいな発言があって、そのまま載せておりますけれども、そういった感覚があるということを若い方からもいただいておりますので、そういった、間口は広く、そこの中からだんだん平和を考えることにつながっていくような仕組み、取組というのが求められるとされております。
 また、広報活動の充実というのも課題であるということで、特に子ども向けのリーフレットですとか、周知方法というのも工夫が必要であるとされております。
 次に、歴史館・コミュニティセンター等の活用と学社連携になりますが、現在も行われております歴史館やコミセンの活用、それから五大学等との連携が今後も必要であるということ。また、事業の実施に当たっては、市の責務として行うべきもの、また、市民自らが行うことに意義があるもの、協働で行うべきものと、様々な市民団体、他自治体等と連携しながら、多様な形態で平和への取組を行っていくことが効果的であるという御意見をいただいております。
 最後に3)で、「現在と過去をつなぐ」では、現在の情勢から、戦争に対する市民のイメージ、特に若者のイメージというのが、やはりウクライナの影響というのは大きかったのだなというふうに感じているところでございます。それを平和の学習や戦争の学習につなげていく大きなきっかけとしなければいけないとの御意見をいただいているところです。また、そういった中で、最後に、武蔵野市で過去に起こったことと、それから現在世界で起こっていることというのは、一瞬にして日常が破壊されてしまうというところは共通であり、当たり前の日常がいかにすばらしいかということを体験していくことが、重要な平和の学びになるとされております。
 報告書については、以上でございます。
 最初の資料の最後になりますが、4、今後の予定ですが、報告書の内容を参考にしまして、今後、市の事業、また、非核都市宣言平和事業実行委員会との具体的な取組について検討してまいります。
 以上で御報告を終わります。