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令和6年 総務委員会

6月20日(木曜日)

令和6年 総務委員会
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15332【馬場市民活動推進課長】  1点目ですが、現状、スイングホールのピアノがまだ使えるのではないかという御質問でございますが、こちらは、あと何年使えるという確実な保証はできないということで、保守業者とも話し合ってはきておりますけれども、こちらが単なる練習での利用ではなくて、本番での利用も兼ねた、またアマチュアだけではなくて、プロの方も含めての利用がございますので、より安心して、またトラブルなく使っていただくためには、早期の買換えが望ましいというような意見を、保守業者からも話合いの中でいただいているところでございます。
 ただ、どのタイミングで買換えが適正な時期になるのかというのはなかなか難しいところがございまして、この検討の中で、都内の20か所以上のホールを民間も含めてヒアリングをしてまいりましたが、利用の頻度ですとかによってもかなりばらつきがある状況でございました。
 例えば民間のホールですと、オペラシティですとか、サントリーホールですとか、オーチャードホールといった有名なホールがございますが、10年で買い換えているところもあれば、15年程度、あるいは20年程度で買い換えているところもあったりといったことで、かなりこれは利用頻度に、あるいは使われ方によると思うのですけれども、買換えにばらつきがあるという状況でございます。あとは、例えば上野の文化会館ですとか東京芸術劇場といった都立の施設につきましても同じように、15年程度だったり、20年程度だったりといった形で、買換えの頻度は明確には定まっていない、状態に応じて買い換えてきているということをヒアリングで確認してきてございます。
 ですので、あとどれくらい使えるのかというところも、28年間使ってきておりますが、かなり使用頻度が多いピアノということを踏まえて、また実際の不具合の意見も聞かれているという状況からしますと、早期の買換えが必要なのではないかということを検討してきたところでございます。
 2つ目が選定のプロセスでございますが、こちらは価格面もこの選定のプロセスの重要な事項になりますので、併せて御説明したいと思いますが、まずこの選定に当たっては、市の担当の部署、市民活動推進課と、長年にわたってこのピアノを見てきた文化生涯学習事業団の担当者と、話合いを進めてきたところでございます。
 その中で幾つか、現状のスタインウェイがいいのか、それともほかのメーカーもあり得るのかといったところも含めて検討してまいりまして、そのときの大きな要素となりますのは主に2つあるかと思っておりますが、1つはやはりコストでございます。コストにつきましては見積りを取っておりますが、ファツィオリにつきましてはこの議案のとおり、約3,230万円でございます。一方で現状のスタインウェイの同じサイズのものになりますと、約3,910万円ということで、2割程度高額になる金額でございました。もう一つ、比較のために国産メーカーのピアノの見積りも取ってございまして、こちらは約1,990万円ということで、ファツィオリと比べますと4割弱安価な金額になってございます。
 このコスト比較に当たりましては、今申し上げましたイニシャルコストと併せて、あと2つ考慮すべき要素があると思っておりますが、2つ目はランニングコストになるかなと思います。ランニングコストにつきましては、今スタインウェイは保守点検の費用として、年間50万円程度の補修委託をしてございます。こちらは業者にヒアリングをしたところ、ファツィオリに替わりましても、この費用は大きく変わらないだろうというふうに聞いてございます。同じ調律師がメンテナンスができるということでございます。また、国産メーカーのピアノに替えた場合でも、仮に同じ保守業者にお願いする場合にはかかる日数などは変わらないので、大きく保守点検の費用は変わらないのではないかということを聞いてございます。
 こちらがランニングコストでございまして、もう一つ3つ目が、このピアノが有料の付属設備になりますので、このピアノの貸出しで得られる使用料収入が毎年ございます。こちらの収入面を比較いたしますと、現状スタインウェイは1回1万円で貸出しをしてございまして、400回以上の貸出しがあるのですが、市役所関係などは使用料免除にしておりますので、実際の使用料収入は三百数十万円、例年300万円以上の使用料収入は得られているという状況でございます。
 ファツィオリの場合には同じような収入が得られるのかということがありますけれども、ファツィオリを導入している他市にヒアリングをしましたところ、かなり好評で、スタインウェイにも遜色のない人気だということを聞いておりますので、恐らくスタインウェイと同等の、あるいはそれ以上の利用回数と使用料収入が得られるのではないかと考えております。これは現状と同様に1回1万円で貸した場合でございます。
 一方で国産のピアノにした場合ですが、収入につきましては、今、武蔵野公会堂で国産メーカーのピアノをホールに置いておりますけれども、スタインウェイと国産、ヤマハのピアノを、2台選べるような形にしてございます。ヤマハのピアノは1回6,000円で貸しておりますので、これは他市も含めて大体半額から6割程度の金額設定にしておりますが、同じようにこのスイングにつきましても、例えば6,000円で貸出しをした場合には、単純計算で、スタインウェイなどと比べて6割ほどの使用料収入が見込めるだろうと思っております。
 ただ、国産メーカーにした場合には、スタインウェイと同等の利用回数があるのかどうかということは、やや懸念がされるところでございますが、単純計算でいきますと、スタインウェイやファツィオリと比べて6割程度の使用料収入ということで、仮にこれを10年間使い続けますと、この海外製ですと3,000万円以上、国産メーカーですと1,800万円以上というような形になりますので、イニシャルコストとランニングコストと使用料収入のそれらの要素を全体的に考えますと、ファツィオリとその国産ピアノとの比較はそれほど、10年トータルで見ますと、価格差は少ないのではないかということを検討してきてございます。
 これが価格面の検討プロセスでございまして、もう一つが、利用者にとって選ばれる、望まれるピアノなのかどうかということを議論してまいりました。先ほど申し上げましたが、武蔵野公会堂にスタインウェイとヤマハの2つのピアノが置かれておりまして、両者はどちらかを選べるという状況でございますが、現状ではヤマハを選んでいる利用者の方は、スタインウェイを選んでいる方の5割から6割程度という状況でございますので、価格設定などを同様にスイングホールで置いた場合には、スタインウェイとヤマハのどちらを選ぶのかということになりますと、恐らくスタインウェイのほうを選ぶ方のほうが多いのではないかと、そういったことも考慮してまいりました。
 また他市にもヒアリングをいたしまして、このファツィオリを置いている自治体、ホール、かつヤマハも置いているところもございましたので聞いておりますが、国産メーカーのほうが利用率が低いということと、あとはスタインウェイと国産ピアノを置いているところのヒアリングにつきましても、国産のほうが利用率が低いということで、恐らくスイングホールの現状の利用者の方たちは、この海外製のピアノのほうのニーズが大きいのではないかと、そのように考えておりまして、そのような議論の中で、価格面でスタインウェイ製ぐらい優れて、かつ人気が見込まれるファツィオリ製のピアノを提案したということでございます。
 以上です。