22122【田中(公財)武蔵野文化生涯学習事業団派遣副参事】 まず、もともと2017年に、武蔵野アール・ブリュットというのは市制70周年で記念事業としてスタートしまして、2021年のオリンピック・パラリンピックの文化プログラムとして実施してきました。本来そこで終わる可能性が非常に高いところだったのですけれども、委員の皆さんで続けたいという御意見もありまして、昨年度、新たに実行委員会として会則を設け、このシンボルロゴをつくって、そして三鷹駅、武蔵境駅、吉祥寺駅の三駅周辺でのPR活動を行うという予定で実行してきました。
その中で、今までは美術館で展示をしていたから、言わば見る目的を持って来ているお客さんだけを相手にしていた。ところが、PR活動をすることによって、まちなかに、美術館から飛び出して活動していくと、やはり全然興味のない方の反応とか、そういうのを実行委員会の皆さんが感じて、ちょっとでもいいから、やはり動く、進むという意味合いで、1ではないけど0.5動こう、これも0.5歩前に行くのではなくて、横でも、斜め上でも、とにかくやはり活動していくことが大事だよねということで、今年度はこの「プラスれいてんご」というのがテーマになりました。
その中で、委員の皆さんたちとやってきた今年の展示でございますけれども、体験型の展示ということで、まず吉祥寺美術館のロビー、ここに、何と言えばいいのでしょうか、ティピーというテント、三角形のテントのようなオブジェ、これも赤、白、黒、また色のない骨組みだけのものとか、そういうのを作りまして、ここにまず入って体感してくださいと。展示を見てずっと回ってきた中で、最後にもう1回入って感じが変わるかどうか、その体験をしてくださいということで、展示室のほうには、その0.5を体感するような仕掛けと言えばいいですか、具体的に言いますと、紙袋の中、同じものを全力で潰した場合に対して、0.5の力で潰す、この0.5というのは、各自皆さん0.5というのは違いますので、感覚としての0.5を体験していただくとか、それから、先ほどお話ししました昨年度の吉祥寺のPRのときに行いましたワークショップの作品を展示したりとか、それから真ん中に、建屋という言い方がいいか分からないのですけども、六角形の柱で組んだ、要はあずまやみたいなものを美術館の展示室内に作りまして、そこで作品を皆さんにコラージュしていただいて、御自由に作家の気分で展示をしていただくとか、それから、先ほどの坂口先生のほうで作っていただいた、みんなで点描画を作ろうというワークショップでの作品の展示、ほかにもHIMONINGENという、針金とモールを利用した人形を作っていただきまして、そのポーズを各自撮影させていただいたものを動画形式で展示したりとか、また、美術館の音楽室のほうではソーシャルアートビューによる、目の見えない方を想定して一緒に絵画を楽しむというようなワークショップ、それから、先ほどの「むさしのちゃん」というロゴをイメージしたコースター、これを作っていただくようなワークショップなど、かなり多彩なことをやりまして、反響としましては、やはりアール・ブリュットというと、単純に作品を見に来るというイメージの方が多い。その中で実際に体験型というのは、ある意味、想像と違う面白い出来事だったという御意見が多かったと思います。
以上でございます。