12442◯文教委員長(浜田けい子君) ただいま議題となりました陳受6第2号 子どもを性犯罪、性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせないために市内教育機関において「生命の安全教育」及び発達の段階や子どもの実態に応じた包括的性教育を充実させることに関する陳情の文教委員会における審査の概要と結果について御報告いたします。
主な質疑は次のとおりでした。
1)性教育や生命の安全教育といった、自分の身を守り、被害者になることを避けるための教育に関し、現在の取組を伺う。答え、自他の尊重を基本として、人権教育や生命の安全教育、生活指導の充実を、どの子にも徹底していくことが必要である。具体的には、学習指導要領に基づいて生命の尊重を根底に置き、人間教育の一環として性に関する教育を進めている。2)物理的な環境を整えるため、小学校でも更衣室の整備が必要ではないか。答え、スペースを確保するための工夫を含めて、今後考えていきたい。3)本件に対する情報公開の在り方について見解を伺う。答え、子どもたちを2次被害などから守るため、必要な方に適切な時期に伝えるよう考慮している。4)複数の児童が関わっている中で、止めようとした児童がいなかったのか伺う。答え、止めた児童は一定数おり、自分たちでは止め切れないと考えて、教員に相談した児童もいた。5)加害者に会いたくないという被害者の気持ちに配慮した対応はできないか。答え、加害児童は謝罪し、反省した上で、学習活動に取り組んでいる。この状況を止めるべきでないと考えている。6)市長としては今後どう対応するのか、見解を伺う。答え、教育の内容については教育委員会の方針を応援していきたいと考える。7)包括的性教育のような教育の中身について、これまで議会において陳情を採択した事例はあるか伺う。答え、過去の事例については把握していない。8)公教育の中身は誰が定めていくものなのか伺う。答え、学校の教育課程の編成権は校長にあり、最終的には校長が決めていく。9)包括的性教育と生命の安全教育について、相互の関係性をどう認識しているか。答え、生命の安全教育は、性暴力を防ぐということを念頭に置かれた取組であり、包括的性教育の一部と考える。10)学校教育と子どもの権利条例の関係を伺う。答え、学校に対しては、子どもの権利を守るようにという視点で指導、助言している。11)人権教育などについて、学校では実際にどう対応しているのか。答え、各学校では、人権や情報モラルに対する取組を発達段階に応じて各学級で指導している。12)性教育を進めるべきかなど、どのような意見が届いているのか伺う。答え、およそ50件の問合せがあった。包括的性教育についてが1件、性教育についてが1件であり、そのほかは人権教育の推進を求める意見などであった。
以上で質疑を終了し、討論に入りました。討論者は4名で、反対討論2名、賛成討論2名でした。
反対討論の趣旨をまとめて紹介しますと、学習指導要領にない教育について議会が議決することに疑問が残ること、包括的性教育について保護者の理解を得ることが難しいことなどから、反対するというものでした。
次に、賛成討論の趣旨を紹介しますと、性教育について今の教育をより一層深めていくこと、記書きにある生命の安全教育と包括的性教育を一層充実させることは重要と考えることから、賛成するというものでした。
以上で討論を終わり、採決に入りました。採決の結果、賛成多数で採択すべきものと決しました。
よろしく御審議をお願いいたします。