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令和6年第2回定例会

6月17日(月曜日)

令和6年第2回定例会
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小林まさよし
小林まさよし
会派に属さない議員現職

12882◯9 番(小林まさよし君)  9番、自由民主・市民クラブ、小林まさよしです。小美濃市政となり2回目の定例会となりました。市長の財政に関する考え方を伺いたく、まず質問に入る前に、改めて武蔵野市の財政状況について、4つの特徴を確認するところから始めてみたいと思います。
 この表は、市民1人当たりの水準を三鷹市と比較したものです。1つ目の特徴は、近隣自治体と比較して、武蔵野市は圧倒的に豊かな財政力があるということです。令和4年度市民1人当たりの市税は29万2,000円であり、多摩26市の中でも4番目の水準にある三鷹市の21万円よりも8万2,000円も高い水準です。人口14万8,000人とすると、120億円以上1年間当たり豊かな財政運営ができる自治体です。この120億円の使い方が武蔵野市の未来を左右します。未来を見据えて、無駄をなくして、負担を残さぬように有効に活用していかなければなりません。
 2つ目の特徴は、市民1人当たり公共施設等床面積の水準が2.04平米と大きな水準にあることです。三鷹市は1.58平米なので、1.3倍程度の大きな水準になります。この差は、再整備のために多額な税金が投入される要因となります。なお、多摩30市町村の自治体の公共施設等総合管理計画を確認してみましたが、その多くが延べ床面積の縮減を目標に掲げています。一方、武蔵野市は、唯一増やすという目標を設定しました。例えばほかの自治体では、公共施設の床面積について、八王子は20%、立川も20%、小平も20%、青梅市は30%縮減するとし、府中市は3.6万平米の床面積の縮減という目標を設定しています。縮減を達成するために、エリアマネジメント、複合化、学校を軸にしたまちづくりを行うなどと、各自治体、危機感を持って取り組む姿勢が確認されています。武蔵野市のように、保健センターの隣に土地があるから同じ大きさのものを建ててしまえということは、ほかの自治体ではあり得ません。
 こちらは平成22年から令和4年度までの武蔵野市の投資的経費の平均値を示しております。72.5億円という水準となっております。今後、公共施設等で、建設費高騰等で、第2期総合管理計画──以下、第2期計画といいますが──その水準が1.5倍の事業費がかかるとした場合、30年間で4,500億円、年平均では150億円となります。これまでと今後の投資的経費の差は、年平均75億円以上ということになります。これまでの倍の投資的経費が必要となると計算されます。この先30年間増加する毎年75億円の財源を武蔵野市はどのように手当てしていくのか。武蔵野市の公共施設等再整備費用は、明らかに高コストな状況にあり、未来にわたって多大なる財政負担を生み出すものであることを我々は強く認識しなければならないと考えます。
 3つ目の特徴です。右肩上がりに増加する物件費が3つ目の特徴です。平成22年度の物件費は127億円でしたが、令和6年度予算においては216億円と、1.7倍に増加しています。特に、ここの数年の増加は顕著です。市民1人当たりの物件費で見ると、武蔵野市は令和4年度実績で12.1万円であり、三鷹市の7.2万円と比較して4.9万円の差になります。人口をベースに考えると、一般会計の約10%に当たる70億円以上もの多額の税金を、三鷹市よりも多く武蔵野市は物件費に投入しています。その多くは外部委託費です。今日も他の議員からお話があったと思います。そのように、他の議員からも心配する声がありましたが、現在の市の財政運営の未来には強い懸念を持たざるを得ない状況にあります。
 4つ目の特徴ですが、市民アンケートで重点的に進めてほしい施策の第1位は安全・安心のまちづくりであるのに、これまでも指摘しておりますが、長年にわたって防災対策やまちづくりを積極的に行っていなかったということです。首都直下型地震が発生する可能性は、30年間で70%以上とされています。市民の生命を守るための安全・安心のまちづくりは急務です。特に吉祥寺駅南口周辺は安全性に問題があり、再整備が必要です。また、都営水道の統合も進めなければならない状況にあります。
 以上の特徴から確認されるように、市は、高コスト化を抑える一方で、市民の生命を守るために多額の税金を必要とする事業を進めなければならないというところにあります。円安や物価高騰が市政に与える影響は大きく、また、この傾向はとどまることがないと考えられます。本議会でも、一部の議員、一部の会派に限られますが、公共施設の在り方、契約に関すること、行財政改革の必要性についてなど、声が上がっています。執行部もこれまで以上に強い危機感を持つべきではないでしょうか。市民の方と議論することがありますが、市民の方のほうがよっぽど危機感を持っているように感じられるところであります。小美濃市長には難しいかじ取りとなりますが、これまでありきの市政運営ではなく、スピード感を持って抜本的な行財政改革を推進し、優先順位をつけて本当に必要な事業を推進し、かつて先進都市と言われた輝かしい武蔵野市となるように、立て直していただくことを強く要望したいと思います。
 それでは、通告に従い、大きく3つの質問に入らせていただきます。
 大きな1つ目の質問は、現状及び将来の市の財政の考え方及びその対応についてです。
 昨今、社会情勢の大きな変化に伴って建設費が高騰しています。第2期計画では、再整備費用を30年間で総額約3,000億円としていましたが、現在は第2期計画対比で1.5倍になるという答弁が繰り返されております。この傾向から、再整備費用は、目安として30年間で約4,500億円に増加していると考えるのが妥当だと思われます。長期財政シミュレーションにおいては、第六期長期計画・調整計画──以下、六長調とします──で織り込んだ3,600億円よりも900億円も多額な財政負担が必要になります。
 この点について、執行部に情報開示していただきました六長調の長期財政シミュレーションのデータをベースにして、公共施設の再整備費用が六長調で織り込まれている約3,600億円ではなく、4,500億円の場合にどうなるかという財政シミュレーションを、こちらの表のとおり、私のほうで試算して作成しました。900億円の投資的経費が増加するわけですが、その財源について分かりやすくするために単純化して、起債発行等は考慮せず、基金残高の変化という形で見るようにしております。この試算結果の特徴の一つは、基金残高の推移を表す黄色の線グラフですが、これが2039年に基金残高が枯渇するということになるということ。そして2つ目は、財源不足累計額を示す赤い棒グラフ、この赤い棒グラフは2053年に756億円という水準になるということです。六長調では、御承知のとおり、基金残高は枯渇しないで乗り切れることが確認されたという極めて楽観的な内容が記載されているというところです。
 ちなみに、この長期財政シミュレーションは、歳出が増える影響や歳入が増える影響、それぞれが織り込まれていないというところはありますが、総じてそれぞれ織り込むと、歳出が増える影響よりも悪くなる状況のほうが、影響のほうが大きいのではないかというように推測しています。この緊急事態を踏まえると、武蔵野市も、武蔵野市を立て直すために、ほかの自治体のように公共施設の床面積縮減についても検討していかなければならない、このように考えます。
 それでは、質問に入ります。
 1つ目の質問です。これまで議会にて高コスト化が進んでいることを繰り返し指摘し、将来の財政問題に抜本的な改革、見直しを求めてきましたが、松下市政では、根拠を示しても根拠が分かりかねることが多いなど、誠実な対応をしてもらえなく、現在の財政状況は問題がないというような点を強く主張することが確認されたものの、未来の行財政改革について真剣に取り組む姿勢は確認できなかったと認識しています。
 しかし、少子高齢化、人口減少や社会保障費の増加など、従来の懸念に加えて、建設費高騰という大きな社会情勢の変化がある中で、小美濃市長に行財政改革を期待している市民が多くいると考えられます。市長の公約には「武蔵野を立て直す」とありますが、この「立て直す」は、高コスト化などの問題がある武蔵野市の財政の立て直しを対象とするという理解でよいのか、見解を伺います。対象としない場合は、その具体的な理由についても伺いたいと思います。
 2つ目の質問です。以前より議会内外で、市から、現在の財政状況はよい水準にあるという趣旨の説明を何度も受けております。改めて、市が現在の財政状況がよいと説明する際の根拠となる主な指標、そしてその水準を伺います。
 3つ目の質問です。現在の高コストの財政運営のままでは、市民の生命を守るための安全・安心のまちづくりといった政策を推進しようとすると、2030年代にも財源が不足する状況に陥ると推測されます。建設費高騰の影響を含めた社会情勢の大きな変化がある中においても、市の財政が将来にわたって、現在のよい財政状況のまま推移するのか、それとも、悪い財政状況に変化して財源が不足する事態に陥る可能性があると予想するのか、市長の見解を伺います。
 4つ目の質問です。施政方針には、小美濃市長が職員に対して、政策形成段階での情報提供と市民の意見を伺うことが大切だと感じていますと、最初の訓示でお願いしたとありました。建設費高騰が顕著な状態で、今後、保健センター増築関連計画やその他の公共施設等の再整備の必要性等を議論する際に、高騰した建設費の影響を一定の前提を置いて算出した長期財政シミュレーション、先ほど私がつくったようなものになりますが、市が説明責任を果たす上でも、この長期財政シミュレーションを早期に公表することが政策形成過程の情報提供として必要だと考えますが、市長は早期に公表する意思があるのかないのか伺います。
 5つ目の質問です。武蔵野市の公共施設等については、現状の高騰した建設費の状況や財政状況等を踏まえると、床面積を縮減する方針を打ち出さざるを得ないというように考えられます。実際、多摩26市の中には、各市の計画において、現在の公共施設の床面積を維持するのは難しいと言及した上で、床面積の削減を目標に設置している自治体が多くあります。今後、市としてもどのように対応するのが望ましいと考えるのか、現時点での市長の見解を伺います。
 6つ目の質問です。公共施設などの建物については、建設から解体までにかかる費用をライフサイクルコストというということです。そして、土地の取得、設計、工事にかかる費用をイニシャルコストとし、光熱水費、改修費、管理費、保険などにかかる費用をランニングコストと分解されて呼ばれています。一般的にイニシャルコストとランニングコストは、それぞれライフサイクルコストのどのぐらいの割合になるとされているのか伺います。
 大きな2つ目の質問です。小美濃市長は、「日本一の市民の力を貸してください」とし、市内にいる経済、金融、教育、法律で御活躍された方の力を結集し、「武蔵野を立て直す」としています。武蔵野市民には、例えば民間企業で活躍されたITの専門家、企業経営に携わり財務経理に精通した方々、企業で内部統制制度をつくり上げた実績のある方々などが多数いると考えられます。市長の公約のとおり、武蔵野を立て直すために積極的に日本一の市民の力、知見を借りることが望ましいと考えられますが、今後、この公約実現に向けて、市はどのような取組を行うのか伺います。
 3つ目の大きな質問です。先日、市民の方から、ある市民の公園の近くでたばこを吸う方がいるということで相談を受けました。多くの議員の方にも相談をしたというふうに聞いていますが、私のほうでは、現地を確認して、緑のまち推進課に禁煙防止を啓発する看板の設置をお願いしました。その点につきましては、速やかに対応いただきました。感謝申し上げたいと思います。かつて私もたばこを吸っていたことがあります。やめたいと思っていても、なかなかやめることができなかったたばこをやめることができたのは、禁煙外来を利用したことによります。禁煙外来治療の成功率は7〜8割とされております。議会において禁煙に関する問題がしばしば取り上げられておりますが、根本的な解決策の一つは、喫煙者が少なくなることだと考えられます。
 調べてみると、禁煙外来の助成事業を行っている自治体があることが確認されました。例えば中野区では、定員は1年度100名に対して、健康保険が適用される禁煙外来治療費について1万円を上限として助成するというもの。また、茨城県牛久市では、子どもの未来を応援する禁煙チャレンジとして、妊婦または妊婦や20歳未満の者と同居している方に対して上限1万円の助成を行っています。健康な状況が続けば、医療費、介護費用などの増加抑制につながって、結果、市の歳出が抑制されることもあると考えられます。市として、積極的に市内の医療機関と提携し、喫煙者と、その周りにいる子どもたちを含めた御家族の健康と未来のために、禁煙外来治療費の助成事業を行う考えがないのか、市長の見解を伺います。
 以上、壇上からの質問を終わります。御答弁よろしくお願いします。