13538◯建設委員長(木崎 剛君) それでは、ただいま議題となりました陳受6第7号 歩行者及び自転車運転中の「ながらスマホ」規制に関する陳情の建設委員会における審査の概要と結果について御報告をいたします。
本陳情は、令和6年6月28日に本委員会に付託されて以来、継続して審査を行ってまいりました。この間の主な質疑は次のとおりでした。
1)市として、歩きスマホを減らすために、これまでどのような啓発等を行ってきたか。答え、交通安全に関わる講習会の実施の際や、警察のイベント等でも注意喚起を行っている。2)ながらスマホ等への危険性に対して関心のない人への啓発は行えているのか。答え、基本的には個人のモラルやルールを守るという意識に委ねられていると考えている。現在、まちなかで指導を行っていることはない。また、携帯電話事業者等で組織されている公益財団法人等が、歩きスマホやながらスマホをやめましょうということで、定期的にポスターや電車内の広告などで啓発をしている。様々な関係団体が啓発に努めているため、興味がない人も何気なくその啓発に触れる機会があると考えている。3)道路交通法改正に伴う変更点の啓発などはどのように行うか。答え、自転車運転中の携帯電話の安全性については、罰則が厳しくなる。自転車安全講習会や出張講習会など、様々なところで周知をしている。4)歩きスマホについて、市は問題視しているのか。答え、厳密には、歩行者として歩いているだけで道路交通法は適用されないが、安全にまちなかを歩く、ウォーカブルなまちづくりという方針に対しての阻害要因になると考える。5)マナー向上に対して条例化することの効果をどのように捉えているのか。答え、条例化することよりも、まずは啓発が一番大事であり、車内広告など目に触れる機会を増やしていくことのほうが効果的だと考える。興味のない方、無意識でスマホを使用している方などには、条例化による効果は見込めないのではとの懸念がある。また、条例化しないと現在考えている啓発やキャンペーンができないということではない。様々な方面と連携、関係は築いており、どう啓発をすればよいか検討中である。6)条例化の意義はあると思うが、市の見解を伺う。答え、規制するためには条例がないといけないということではなく、啓発に力を注いだほうが安全性の向上につながると考える。7)条例化をしている自治体の数や条例の中身、罰則への考え方を伺う。答え、都内では4区で条例化されている。全国では12団体ある。条例は大きく4つのパターンがあり、1つ目が、歩きスマホのみを禁止している条例、2つ目が、歩きと自転車、両方とも同時に禁止している条例、3つ目が、スマホによる事故防止を推進する条例、4つ目が、マナー条例の中の一つの項目としてスマホに言及している条例である。罰則については、罰則を設けると取締り基準が大変難しく、判断に苦慮していると、ほかの自治体から聞いている。条例化しても罰則を同時に入れることはハードルが非常に高いと考える。
結論を出しました9月12日の本委員会での主な質疑は次のとおりでした。
1)前回委員会から今日までに何らかの調査を実施したのか。答え、ながらスマホの現状把握のために簡易調査を行い、まち場の関係者にヒアリングを行った。武蔵野警察署にも相談したほか、JR東日本とも情報を共有した。担当課内でも既存事業でどのような改善ができるかディスカッションをした。2)調査の結果はどのようなものか。答え、8月下旬の平日1日に午後4時から約1時間ほど、吉祥寺駅北口の交差点で歩行者の状況を観察した。2秒以上画面を注視している方が約9.3%おり、スマホを見てはいないが手に持ち、いつでも見られる状態の方が約10%いた。歩きスマホをしているか、いつでも歩きスマホができる状態の方は合計で約20%であった。3)この間の調査研究を踏まえ、今後対策できることはあるか。答え、ホワイトイーグルと連携して、巡回中にスピーカーから注意喚起をすることや、目に余るような歩きスマホをしている方に、ブルーキャップの隊員から声をかけるなどはできると考える。また、広報戦略アドバイザーに相談を始めており、市報等を自発的に見ない方にどう啓発していくか、効果的に届けるための手法について意見を求めたい。4)この間、実際の活動で、条例や規則の取組についてどのように考えているか。答え、目的は条例をつくることではなく、安全にまちを歩行でき、事故がないようにすることと認識している。すぐ条例をつくるということではなく、まずは調整を続けている関係機関と具体的な周知広報の仕方について進めていくことが先決だと考える。5)ながらスマホの定義はあるか。答え、定義として確定したものはないが、2秒間見詰めることを注視といい、警察でも2秒間見詰め続けることを注視と定義している。6)条例化も含めて規制が必要となる状況になった場合を想定して、今後も研究を続けていく考えはあるか。答え、救急搬送の人数を見ても、大きなけがにはつながっていないが、今後救急搬送が増えてくれば、規制も含め、警察とも連携していくことになると考える。現状では早急に条例化しなければ行動できない状況ではないと考えており、危険であると気づいていただくための方策を的確に打っていきたい。
以上で質疑を終了し、取扱いを諮ったところ、「陳情の趣旨は了とし、今後交通環境の改善に向けて調査・研究に努められたい。」との意見をつけて採決をとの声があり、討論なく、採決に入りました。採決の結果、全会一致で、「陳情の趣旨は了とし、今後交通環境の改善に向けて調査研究に努められたい。」との意見を付し、採択すべきものと決しました。
以上でございます。よろしくお願いします。