13730◯3 番(大野あつ子君) 市議会公明党の大野あつ子でございます。すみません、風邪を引いていてお聞き苦しいかと思いますが、御容赦ください。今回はデマンド交通等についてということで、大きく6点お伺いをいたします。
まず1点目、レモンキャブとムーバスの間を埋めるデマンド交通について。
高齢者のためのデマンド交通について、平成29年第3回定例会、平成30年予算特別委員会で、約300人の方のアンケートを基に質疑もさせていただきました。第六期長期計画・調整計画、94ページにおいても、「地域公共交通の利用に不便を感じながらも、レモンキャブやリフトタクシーつながりの登録対象とならない高齢者等に対して、地域公共交通と福祉交通の連携等による対応を検討する」ということで、課題として認識していただいており、このたびの第六期長期計画・第二次調整計画においては、子育て世代についても外出支援が検討されております。これを機に、高齢者や障害者の外出支援についても改めて目を向けていただきたく、以下質問をいたします。
1の1、歩行に不安があるがレモンキャブの登録対象とならない方が外出する際に、タクシーを利用する場合を考えますと、迎車料金と時間予約の料金が発生し、加えて目的地までの運賃となるので、レモンキャブの料金よりも大分高くなってしまいますが、この負担の大きな違いについてどのようにお考えか伺います。
タクシー運賃が高いため外出を控え、家に閉じ籠もることになりますと、次第に足が弱ってしまい、介護度が進みます。認知症のリスクも大きくなります。そうならないためには、歩行に不安がある高齢者や障害者が外出しやすい支援が必要ではないでしょうか。御見解を伺います。
1の2、三鷹市において、AIデマンド(予約型乗合)交通実証運行が行われており、100円タクシーとして喜ばれております。本市においては高い水準の地域公共交通ネットワークが保たれているので、デマンド交通の導入を考えてはいないという答弁がなされてきましたが、1の1で指摘させていただいたとおり、ドア・ツー・ドアの交通機関として一般のタクシー利用は高額であり、地域公共交通ネットワークが存在はしているが、経済的に余裕がある方しか使えないとしたら、それは公共交通とみなせないのではないでしょうか。
ムーバスは100円だから多くの皆様に愛されて、なくてはならない地域交通として根差してきました。三鷹市のAIデマンド交通も、100円というところが普及に大きな役割を果たしているのではないでしょうか。
統計によりますと、高齢者の1か月の生活費は単身世帯で約15.1万円だそうです。単純に30日で割ると1日5,000円程度になりますが、タクシーで30分のところを往復すると、それだけでこの1日の生活費を使い切ってしまうことになりかねません。これを高齢者の交通手段の一つと見て、100円タクシーは導入できないとするのは酷なように思います。例えばタクシー網を利用するにしても、予約センターの部分を市が担当し、歩行が困難で経済的に大変な方に対して、迎車、予約の料金のみ補助をするというような、金額面での支援はいかがでしょうか、御見解を伺います。
大きな2つ目、防犯対策に対する助成金の設置について。
令和6年10月30日に三鷹市大沢地域で住宅を狙った強盗未遂事件が発生したことを受け、三鷹市は安心・安全のまちづくりを進めるため、個別の住宅や店舗に対して、防犯カメラ等の設置に関わる補助である住宅等防犯対策補助金として、12月の補正予算案に約1,700万円を計上すると発表しています。本市においても多くの不審者情報が発信されており、同様の事件が起きないとは言い切れず、心配をしております。昨年、狛江市で強盗殺人事件が起きた際、個人の住宅への防犯カメラの設置に補助金を出していただきたいということを申し上げましたが、個人財産への補助は難しいという御答弁でありました。
しかし昨今、さらに闇バイトと言われる、SNSでつながった匿名・流動型犯罪グループによる凶悪な犯罪は増加しており、市民を守る対策が望まれております。本市においても住宅や店舗への防犯対策に対して補助金を創設していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。補助金が始まるということを告知すること自体が、市民の防犯意識の強化に役立つとも考えられますので、実際の防犯設備の強化と市民の啓発の両方の効果が得られ、大変有効であると考えます。御見解を伺います。
大きな質問の3つ目、公務員のためのカスタマーハラスメント対応支援チームの設置について。
カスタマーハラスメントとは、過度なクレームなどの著しい迷惑行為のことを指しますが、「過度な」、「著しい」というのは非常に感覚的な表現であり、境界が受け取る人によって幅が出てきてしまうようにも見え、ここからはっきりカスタマーハラスメントですと線を引くことが難しいようにも思います。
また、地方公務員法第6節第30条では、服務の根本基準として、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」とあり、住民側からすると、公務員は公僕、公衆に奉仕するものだからという認識から、要求がエスカレートしやすいとも言われております。一方で、しゃくし定規な対応をするだけでは市民を救えない場合もあることが悩ましいところだと考えます。
無理心中をどう防ぐかという報道記事の中で、日本女子大学非常勤講師の西岡弥生氏が関わってきた事例の中で、強く印象に残る事例として挙げられたのが、以下の事例です。少し長文になりますが、こういう例を何とか防ぎたいという思いで、少し引用をいたします。
30代女性は、息子の生後間もなく夫と離婚し、事件前は生活に介助が必要な実母と3人で会社の寮で暮らしていました。ところが職場が突然閉鎖されることになり、一家は車上生活に。息子が小学校を無断欠席したことからネグレクトと判断され、児童相談所が一時保護をしました。女性は児相の支援を受けながら何とかアパートを見つけ、息子を引き取りましたが、その直後に実母が病気で亡くなります。女性は雇用保険で生活費を賄いながら、ぎりぎりまで息子を育てていましたが、仕事は見つからず、雇用保険が打ち切られるタイミングで息子と共に命を絶ちました。
フェードアウトして消えていくようだった。関係者の一人は女性のことをこう表現しました。車上生活に陥った母子に対して、行政は自立に向けた支援を行いましたが、仕事も住まいも一度に失い、息子とも一時的に引き離され、肉親である母親も亡くした、この女性自身の心の傷や苦しみは見過ごされ、支援の手から遠ざかりました。無理心中につながる保護者のSOSが支援の隙間にこぼれ落ちた、顕著な事例でしたというふうに紹介をしております。
公務員がどんな要求でも受けるわけにもいかず、事例のようなSOSを見過ごすことが命を左右するような場合もある。本当に見極めが難しいところであります。その困難を乗り越え、市民も公務員も双方が笑顔になれるようにするためには、対話における高度なスキルや経験が必要ではないかと考えます。そういう専門チームが支援してくれたら、病める公務員の助けになるのではないかと思い、以下質問をいたします。
3の1、市役所においてカスタマーハラスメント──以下カスハラと言います──対策として、名札の変更やマニュアル整備等をされているということですが、実際のやり取りはカスハラグレーゾーンも多く、じっくり話を聞くのか、どこかでやめていいのか、判断は大変難しいことではないかと考えます。その場合に真価を発揮するのが、ベテラン職員の経験と知恵ではないかと思います。各職場でのOJTはなされていることと存じますが、さらに対応を強化する意味で、カスハラ対応支援の専門チームを立ち上げ、市民も満足、職員も笑顔になれるような適切な対応を助言できる部門を新設してはどうかと考えますが、御見解を伺います。
3の2、学校現場においても、保護者等からの過剰な苦情や不当な要求への対応が生じる場合があり、教員の成り手不足も、待遇だけではなく、保護者等の対応が難しく、自分を責めてしまった結果、転職する場合も多々あると伺っております。教育現場でのカスハラ対策も難しい局面が多く、チーム学校として対応されていることとは存じますが、法律などに基づいた助言や、保護者が過剰に反応してしまった真意を導き出すような対話など、専門的な知識や経験を有し、保護者や教員から信頼されるようなカスハラ対応支援専門チームを立ち上げ、必要に応じて対応に当たることで、教員、保護者の双方を救うことができるのではないかと考えますが、御見解を伺います。
大きな4つ目、中学校における学習支援について。
伊与原 新氏の同名小説をドラマ化し、NHKで放送中の「宙わたる教室」が注目を集めています。最先端の科学者であった主人公が突然夜間高校の理科の先生として赴任し、様々な事情を抱えた生徒たちと科学部を結成し、学会発表を目指すというストーリーで、人生模様も泣けてくるのですが、この主人公の藤竹先生が、原理原則を示しながら実験を生徒たちに組み立てていくというところも大変面白いドラマです。この原理が分かることから解決策が組めるというところが大事なところだと思います。
それと関連したところで、今はやっているのが、はじき教育の弊害というのが話題になっています。はじき教育というのは、速さ掛ける時間が距離みたいなのをこういう図形にして、この上下は割り算で、左右は掛け算という、ここに当てはめれば速度の計算はできるという、こういうものがあるらしいのですけれども、このはじき教育をやってしまったがゆえに、速度の計算を解くときははじきを教えられたと。そこに当てはめれば答えが出るので、それでよしと通り過ぎてしまうのですが、高校生になってから、はじきに当てはめて問題を解いていた生徒は、科学の物質量計算、モル計算とかが理解できないという弊害を生んでいる。高校の先生が非常に困っているということなのだそうです。
このはじきの功罪はちょっと私には分かりかねますが、なぜそうなるかというのをゆっくり考え、自分でそしゃくできれば、一生物の力になります。その意味で、対話をしながら疑問を解消していく、授業以外の学びの場は大変有効と考え、以下質問をいたします。
4の1、市立中学校における学習支援の取組の現状について伺います。生徒たちに好評な取組などがございましたら、併せて教えてください。
4の2、子ども議会で提案されたスタディカフェにも通じるところですが、学習に遅れを感じている生徒の補習の場として、また生徒同士で学び合う場として、学習支援の取組は大切なことでありますし、生徒たちも望んでいる場と考えますので、さらなる充実が必要と考えますが、今後の取組について伺います。
大きな5点目、第三小学校プール体育館の冷房装置について。
武蔵野市立第三小学校プール体育館、地下は、第三小学校の体育の授業、各部活動、PTA、保護者のコーラスの練習、近隣保育園の運動会、剣道、バドミントン、ミニサッカー、ヨガなど、地域の活動にまで幅広く使用されているそうですが、冷房設備がなく、夏場の使用は熱中症の危険があり、多くの方々から冷房設備の設置が望まれております。危険な暑さが続いている近年では、多数の市民が使用する居室は、順次冷房設備を設置すべきであると考えますが、第三小学校プール付設体育館の冷房設備の設置について御見解を伺います。
大きな6つ目、不登校の子どもたちへの給食提供について。
このたび文教委員会の行政視察で、長野市のSaSaLANDに行ってまいりました。廃校舎を利用した充実の施設もすばらしいのですが、担当者の方の子どもたちを守りたいという熱い思いに感動したところであります。SaSaLANDでは保護者が電話連絡をすることにより、給食センターから給食が運ばれてくるのだそうです。本市でのさらなる取組ができないかと考え、以下質問をいたします。
6の1、桜堤調理場にて、学校に行きづらい、不登校がちな児童生徒が学校給食を食べる場の提供が始まっておりますが、状況を伺います。
6の2、本人が希望すれば、チャレンジルームに来た児童生徒にも学校給食を食べられる機会をつくってはどうかと考えますが、御見解を伺います。
以上、壇上からの質問といたします。御答弁よろしくお願いいたします。