13881◯24番(西園寺みきこ君) それでは、通告書に基づきまして、3点の質問をさせていただきます。
今回の1点目は、人工芝とマイクロプラスチックについてでございます。
人工芝というのは、手入れが楽、管理が楽とされまして、多くの施設で使われています。その一方で、人工芝からマイクロプラスチックが放出されるということについては、かねてから懸念が指摘されています。私の記憶ですと大体2016年頃から、この報道が増えてきたと思います。東京農工大学の高田秀重教授の研究調査に注目が集まるようになってまいりました。私が一般質問で取り上げたのは2019年でございましたけども、当時既に、今世紀中、今世紀の半ばには、海の中の魚の重量の合計よりも、マイクロプラスチックの量のほうが多くなる、つまりプラスチックスープのような状態になるのではないかという推測がなされていました。その2019年には大阪市で、G20大阪サミットが開催された年だったのです。2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを目指す大阪ブルー・オーシャン・ビジョンというのが開催国である日本から提案され、その後、87の国や地域で共有されているというふうに伺っています。
現在、環境省には、海洋プラスチック汚染対策室という専門の部署が設置されています。国際的なデータベース、AOMIの構築を担うのが日本の役割だということで、途上国を含む世界全体の海洋プラスチック問題に取り組むというふうになっています。実務のほうはJAMSTEC、海洋研究開発機構というところが担っている。近年では房総半島沖で、海表面から深海に沈降していくマイクロプラスチックの量の推計がなされる、実態が把握されてきているとか、あるいは深海域で微生物がマイクロプラスチックを食べてくれる、分解してくれる生分解性の研究、また、大きな潮流のどこにマイクロプラスチックがたまりやすいのかなど、徐々にではありますけれども、この分野で世界をリードする成果が上がってきているというふうに聞いております。もっとも地球全体で見れば、現段階でカバーできている、分かっている海域というのは全体の8%程度、特にインド洋、アフリカ、太平洋全体など、人が少ないところといいますか、調査体制はまだまだでございまして、定点観測を続けていくということが大きな目標になっているということであります。そこで質問いたします。
(1)地上で使われたプラスチック素材が適切な処理ルートに乗っていればいいわけですけれども、そこから抜け出て、河川、海洋、大気中に放出されてしまい、環境中に長くとどまって、様々な汚染問題を引き起こしているわけです。武蔵野市では大きな河川や海岸線というものはありませんので、放棄されたプラスチック素材による汚染というのを目の当たりにするということはなかなか少ないです。地上で適切に処理されるプラスチックと、ルートから抜け出て汚染原因になるプラスチックの割合というのをどの程度と考えておられるか伺います。これが1番です。(1)です。
(2)海洋プラスチックごみの中で、大きいものもあるわけです。漁業用の浮きなどのようなものもありますけど、マイクロプラスチックと呼ばれる5ミリ未満の微細なプラスチックごみについて、海洋生態系への影響、さらにそのマイクロプラスチックを飲み込んでしまった魚を人間が食べるという人体への影響など、多くの研究報告があります。いわゆるマイクロプラスチックの発生源として、どのようなものが想定されているか伺います。
(3)発生源の一つと目される人工芝が今回のテーマでございます。武蔵野市の公共施設などではどの程度利用されているのか、何か所あるのか、その面積とか枚数とかです。あとはそれがどのぐらいの年数使用されているかというような、現状をお伺いいたします。
(4)環境省は2021年、「マイクロプラスチック流出防止にご協力ください」というリーフレットを作りました。人工芝を設置している施設の管理者、これには武蔵野市も含まれているということになりますが、このリーフレットを作っております。このリーフレットについてはどのように受け止めているか、対応されたか伺います。
(5)今後、マイクロプラスチックの流出防止のために、武蔵野市としての基本方針、考え方が必要と考えます。市長の見解をお伺いします。
(6)発生源のもう一つとして、今回は人工芝を取り上げていますが、いろいろあるわけで、医療品から出るマイクロプラスチックの流出防止もリーフレットを作成して、協力を求めています。武蔵野市としてできることは何でしょうか、お伺いいたします。
(7)さらに、発生源としては農業用の資材類、ハウスとかマルチカバーですか、カバー資材なども指摘されています。武蔵野市にも都市農業がございますので、その現状と対応を伺います。
(8)人工芝の中には、学校校舎、敷地内の部分というのもあるかもしれません。通告書のほうには人工芝を導入しないという書き方をしましたが、正確に言いますと、学校施設整備基本方針を策定するに当たって複数の案で検討した結果、土舗装を原則とするという書き方が本当の書き方です。土舗装が難しい場合は、全天候型のウレタン、ゴムチップなどの舗装も検討するというような書かれ方になっています。人工芝を導入しないとは書いていないのですけども、検討した結果、土舗装が原則というふうになったわけです。この方針は今後も維持されていくと考えてよいのでしょうか、教育委員会、教育長の見解を伺います。
(9)今後、公共施設がいろいろ建て替えられていきます。学校施設の建て替えも順次進んでいくわけです。この際に人工芝を新規に導入する考えはあるのでしょうか、どのような条件の場合が想定されるのかお伺いいたします。
(10)既に流出してしまったマイクロプラスチックを回収するということは大変困難です。いろいろ研究されているけども、大変困難であろうと思います。しかし、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンにありますように、追加的な、これからの汚染ゼロを目指すということは、私たち国民の努力で実現できるわけであります。現在ある人工芝を天然芝に戻さないのであれば、流出防止対策というのが必須になると思われます。市長の見解をお伺いします。
(11)天然芝よりも維持コストが少ないとされてきた人工芝ではありますけれども、今後、流出防止対策まで含めて考えれば経費はかさむというか、思ったほど安くないということになると思うのです。この点に関して市長の見解をお伺いいたします。
以上が(1)、1番の人工芝の話であります。
さて、2番目はペットボトルの話なのですが、今日はこのポスターを持ってまいりました。武蔵野市では「ひとりのマイナス 地球にプラス」というバナーを、この秋、市内で掲示していました。一人一人の日常の行動が、先ほども申し上げたように河川や土壌や海洋を汚すということについて気づいていきましょうと、こういうメッセージだと私は受け取りました。さらに、報道を見ますと、先週から今週にかけて韓国の釜山では、プラスチックごみ汚染条約に向けての政府間交渉というのが行われていました。これはおととし、2022年に国連の環境総会で、条約づくりに向けた動きが具体化するということがございまして、約180の国が参加して、今年の末、つまり今ですけれども、条約の中身を取りまとめようと、目指すというような動きがあった、そのためにそういう政府間交渉があったのです。その5回目、最終回の交渉会合が終わったという報道がありました。
交渉の最大のポイントは、なるべく上流で規制するということです。出てしまったものの下流でということではなくて、大本で止めるということです。上流で止める。つまり、ナフサの生産規制や、プラスチックを作るときにどうしてもいろいろな化学物質を添加剤として入れるのですけども、その添加剤の規制、これはいわゆる上流で止める、発生抑制ということなのですけれども、これが最大の交渉のポイントでございました。これは先ほど申し上げた追加的な海洋プラスチックをゼロにする目標を目指すためには必須のポイントとなりますけれども、御存じのように、報道にありましたとおり、中東やロシアのような産油国がなかなか賛成しないと、こういう状況がある。また、途上国への資金援助の面でもなかなか合意形成がならず、今回の政府間交渉はまとまらなかったという、大変残念な報道が今週あったわけです。
国家間の利害関係が激しくぶつかっている、その中で今日もプラスチックは海に流れ続ける、流出され続けるということです。交渉に当たる政府関係者の方々には、諦めず、辛抱強く交渉の道を探ってほしいと願うばかりであります。その話をぜひ御紹介したかったのですが、大きな2番目のペットボトルの店頭回収の拡充について、質問に移ります。
武蔵野市は、ごみを減らすということを市民全体の目標として、一貫して取り組んでまいりました。それは、非常に狭い武蔵野の市域の中で、自分たちが出したごみを責任を持って処理する自区内処理の原則のためには、市役所と住宅地のすぐ隣にクリーンセンターを造らざるを得なかったという、誰の目にも明らかな差し迫った大きな課題があった。これは武蔵野市のような基礎自治体にとって、本当に大きな負担であったと思います。しかしその中で、最先端の対策を施し、市民の理解と協力を得るために情報公開を徹底し、市民との協議に多大なエネルギーを費やしてきた、これは単に地元への利益供与と切り捨てるものではないと私は考えております。
先日、平和月間記念講演がありました。ふるさと歴史館の高野弘之学芸員から、グリーンパークや武蔵野中央公園の歴史の話を、公文書を基にしてお聞きすることができました。私も大変感銘を受けましたが、これらの歴史がクリーンセンター建設時の市民運動にもつながっているということを感じることができました。
さて、ごみを減らすことは大きな武蔵野市民の目標でありますが、残念なことに、ペットボトルの生産販売量は全国的に微増しているということです。先ほどの政府間交渉で大本、上流から規制していくというのが国際的にもしまとまればどうなるのかなということは長期的に考えられますが、少なくとも現在は、ペットボトルは全国的には微増傾向にある。武蔵野市の施策だけで、そのペットボトルの流通量を減らすということはほぼ不可能かなと、難しいというふうに私は思っています。しかし、ごみを減らすということには、流通量を減らすという意味だけではなくて、市の税金を使わないようにする、市が扱うごみの量を減らすという、これまた大きな意味があるのです。今回はこれがはっきり申し上げたいなと思っているのです。
こちらが多摩地域の1日1人当たりのごみ排出量の数字であります。2023年の数字ですかね、多摩の平均が1人1日当たり679グラムです。23区が875グラムだから、200グラムも差があるのです。全国はさらに多いです、880です。これに対して武蔵野市はどうなっているかというのがこちらの数字で、現在704グラムです。多摩地域にも26、合わせて30の自治体がありますけれども、一番少ないのはどこか御存じでしょうか。お隣の小金井市であります。568グラムです。140グラムの差があります。隣り合っている三鷹市620、西東京594、残念なことですが、武蔵野市民、ごみ減量すごく頑張っているけれども、青梅とかあきる野とか西多摩とか、島嶼部は入っていないです。町や村を除きますと、こちらの市部のほうでは一番多いというのは、これ、現実問題でございます。現状でございます。小金井市が568グラムから、檜原村1,000グラム、一番多いのです。倍ぐらい自治体差はございます。武蔵野市は704グラムで、多いほうから7番目です。この数字をどういうふうに見るかということです。どういうふうに見たらいいのでしょうかということです。
お隣の小金井市と武蔵野市民の物の買い方、お買物の仕方がこんなに差があるのだろうか、皆さんはどう思われるか。そんなに差はないのではないかなと私は思います。三鷹もそうです、西東京も差はないと思うのです。この原因は何だろうかと。これはペットボトルだけではなくて、いろいろなごみ全部混ざっている数字でございますけれども、ペットボトル飲料も同じように買って飲んでいるのではないかと思います。
そこで質問なのですけれども、小金井市のごみ量は非常に少ないのです。武蔵野よりかなり少ないのです。この理由について、いろいろ分析をされていると思いますので、それをお伺いしたいと思います。
(2)武蔵野市のごみ量が、市民の努力、頑張っていると思うのですけれども、多摩地域では高いほうになる、高止まりしていると。この理由についてもどういうふうに分析しているか、お伺いしたいと思います。この数字が何を意味しているのかということについて、お考えを伺いたいということです。
さて、ペットボトルの話に移っていきたいと思うのですけども、既にペットボトルの回収について、店頭回収については、都内でもいろいろな動きがございます。中野区では、大規模店のペットボトル回収機設置を区が支援しているということを伺っています。また西東京では、コンビニ店等への回収機設置を増やしています。こちらが、武蔵野北高校からすぐ北に行ったところの西東京市のコンビニ、御覧になれば分かると思うのですけど、その店頭にある回収機です。武蔵野のイトーヨーカドーにもあるのですが、それよりはかなり小さい、コンビニ用の小さい回収機です。ペットボトルを5本入れると、nanacoポイントが1個つくと、1点つくと、こういう状況であります。
これは私の考えなのですけれども、なるべく税金で扱うごみを減らすという先ほど申し上げた目的からいいますと、こういう店頭回収の御協力をいただけるように、市民の方にも頑張っていただき、また事業者の方の御協力もいただくということ、これは1円たりとも税金を無駄にしないという、かねてからいろいろな複数の議員もおっしゃっている意味からいっても間違っていない方向ではないかと私は思っているのです。これについての見解を伺います。
(4)武蔵野市だけでなく、ごみを減らす、環境負荷低減に取り組んでいる中、利便性の追求というのはもちろん必要ですが、そのために回収頻度を増やすということは誤ったメッセージになるのではないでしょうか。この点についての見解を伺います。
大きな3番です。最近の物価高騰、値上げについては、比較的余裕があるとされてきた市民の皆さんにとっても、せっぱ詰まった、窮屈なものになってきていると感じています。市の常勤職員の方々、今課題となっている会計年度任用職員の方々、そしてコミュニティを担ってくださっている様々な場面、位置づけの皆さんの待遇も改善の方向で考えていかなければならない、9月議会でそういうふうに取り上げました。
この間、私もいろいろ勉強させてもらって、会計年度任用職員の方の勤務条件は本当に多様であって、なかなか一概に言えないということ、報酬はほかの自治体よりよいとはいっても、年収ベースで見ていく必要があるということ、また、市職労への加入がなく、相談が必ずしも十分でなかったことなどが、この間私が把握できたことであります。
(1)武蔵野市の常勤職員の給与は、これはちょっと私が間違っておりましたので訂正しますが、国の人事院勧告ではなくて、東京都人事委員会が民間給与、職員給与合わせて20万人近くの調査を行って、様々な状況を勘案して勧告するということで、訂正いたします。これについての基本的な考え方を伺います。
(2)武蔵野市の平均給与調、これは事務報告書に毎年載っているものですけれども、2001年頃までは右肩上がりで増加し、その後は逆に、2011年頃まで右肩下がりで減少しているという状況が分かります。武蔵野市の人件費は近隣より高い、手厚いと信じている市民がいまだに多くいらっしゃいます。この間人件費の話をいろいろな方とする中で、ほとんどの方がそういうふうに思っておられました。しかし、必ずしもそれは現実ではないと私は今回思っているのですが、この点について説明を求めたいと思います。それから、常勤職員数については、かなり減らしてきているわけです。こちらも事務報告書で出ているものであります。これは会計年度のシステム、制度変更なんかもあると思いますが、これについての説明を改めて求めたいと思います。
(4)公務員数の削減、人件費削減などという単純なキャッチフレーズには私はなかなか賛成できないのです。真摯に職務を担い、緊急の災害対応、将来への展望を含めた市政運営には、優秀な公務員の皆さんの力が欠かせないと私は考えています。正当な待遇がなければ職員のモチベーションを保持できず、ほかの自治体に移ってしまうというおそれがあります。市長の見解を伺います。
以上、壇上での質問といたします。