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令和5年 文教委員会

3月6日(月曜日)

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山本ひとみ
山本ひとみ
無所属むさしの現職

映像ID: 2421

334【山本委員】  それでは、今回上程されております武蔵野市子どもの権利条例案に対して、原案に賛成、修正案には反対という立場で討論をさせていただきます。
 まず、今回このような形で条例提案がされて、これが制定されれば、武蔵野市にとって子どもの権利を条例の形で公的にはっきりと明文化する、大変画期的な条例になると思います。そして子どもが幾つかある権利の主体としてそれを行使するということに関して、これを明文化することも極めて大切なことがあると思っております。
 今回の制定過程に関しても、市民参加の条例検討委員会が開かれて、私も何度も傍聴させていただきました。また、この子どもの権利条例の素案も出され、それに対するパブリックコメントや各種の説明会が開かれた。この前の委員会に関しても、条例の素案に対して様々委員会からの質問もいたしましたが、それもかなりの部分で取り上げられて条例案の修正に至った。大変多くの点で市民の意見、議会の意見、職員の意見を取り上げて、それを条例案に反映した内容であるということを、高く評価したいと思います。
 私としては、「学校」という言葉が「育ち学ぶ施設」に変わったことと、新しくつくる権利擁護委員に関して、これについても「独立性を尊重しなければなりません」という文言が条例案に入っているということを、特に高く評価したいと思います。
 内容の点で言えば、そもそもの問題として、私は子どもというのは、家庭が育てる、保護者が育てるのみならず、社会全体で育てる、そういうことが極めて大切になっている。保護者にもいろいろな場合があります。貧困の場合もある。外国籍の人もある。仮放免だったりする場合もあれば、望まない妊娠をして子どもを産まざるを得ない方もいる。家庭の中で虐待やいじめという事態になる場合もあって、家庭から逃げたいという人もやはりいらっしゃいます。いろいろな場合があるわけだから、今、家庭や保護者を強調するということは、その責任を保護者の一部に押しつけることになりかねないということを、私は深く憂慮しておりますので、子どもは社会で育てるということを大切にして、これを主張していきたいということが、まず第1の問題としてございます。
 内容の点では、今日も休む権利、休息する権利ということが大きな問題というか、いろいろな議論の的になりました。私はこれは、子どもがストレスを抱えて休息したいと思ったときに、いろいろな周りの人と相談してはいけないということはないですけれども、子どもの意思を大切にして、休息したいということを尊重できる社会であってほしいと願っております。この背景には、不登校の問題というのも大きくあると思います。不登校の児童生徒数は、武蔵野市でも非常に増えています。ストレスがかかっているのだと私は思っています。
 そして今の学校制度に対して、それが、ある子どもたちにとってはやはり息苦しい、しんどいという制度疲労を招いている面も、私は否定できないと思います。今や学校だけが、子どもが学習したり、居場所として生活する場所ではないということが極めて大切であり、子どもの権利条例の中に、休息する権利というのが明確に規定されることは、極めて重要な意義があると思います。今後これに基づいて経済的な支援も行っていただければ、私としては、より進んだ内容になると思います。
 また、私立の学校に行く、市外の学校に行く子どもたちに対しては、様々な委員がお話を聞きに行くことはできるということも説明があって、そういう方たちを放置していくわけではないということも、今日の質疑でより明確になったと考えております。
 そして私は何よりも今回よかったなと思うのは、やはり子どもの人権を擁護するための制度がきちんとできるということです。子どもの権利擁護委員が置かれるということは大変すばらしいことだと思います。これは私にとっては、かねてから、差別があったとき、人権侵害があったときに、行政とは別の第三者機関が差別を認定して、是正措置を勧告したり行ったりすることができる、そういう第三者機関が必要だと言ってきました。
 その中身として、年齢、性別、国籍、性自認や性的指向や障害の有無、そして出自等を言ってきたわけですけど、今回年齢ということで人権侵害をしてはいけないし、何かあったら訴えるところがある。それは完全な第三者機関ではないかもしれないけれども、第三者的機関であることは間違いありません。行政ではないわけだから。ここが独自性をより持たせる形でこれから運営されることを、私は強く望んでおります。
 なお、今後のことに関しては、この制度にのっとって、子どもが学び育っていく施設に関して、予算措置や研修の充実、その支援を十分に行っていくことを強く要望いたしまして、条例案の原案には賛成、修正案には反対の立場での討論といたします。

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