
山本ひとみ
4847◯22番(山本ひとみ君) 小さな声を活かす会、山本ひとみです。来年度、2023年度予算編成方針について代表質問をいたします。
質問に先立って、ウクライナでの戦争に関して申し上げます。今月、2月24日、あさってですが、この日はちょうど1年前にウクライナで戦争が開始された日です。私は昨年2月24日、質問が終わって帰宅し、戦争が始まったことをメディアで見て、なるべく早く戦争反対の行動を起こそうと考えて、あちこちに電話をかけ、準備いたしました。2月27日に渋谷で「ウクライナに平和を!市民と議員の緊急行動」を行いまして、約1,000人が駆けつけ、ウクライナの方、ロシアの方も声を上げていたことを、強く印象深いものとして思い出しています。
市長も施政方針並びに基本的施策で、この戦争について、「戦争は簡単には終わらせることができないからこそ、絶対に始めてはいけません。いかに戦争をしないか、戦争にならないかを考え、行動しなければならないのです」と記述されています。私もそのとおりだと深く同意します。政治家は、戦争を防ぐこと、始まった戦争を早く終わらせることが重要であり、日本においては食料やエネルギーの対外依存を下げていくことが、市民の安全を守るために必要とされていると考えています。
さて、武蔵野市政は、2023年度、第六期長期計画・調整計画策定を終える年度であり、各種の計画策定が予定されております。今回に関して言えば、大きな目的である、多様性を認め合う支え合いのまちづくりを目指し、公共の役割をないがしろにせず、着実に歩んでいく内容と評価しておりまして、市政運営の基本的考えから4点、主要な施策の内容という順番で質問をしていきたいと思います。
昨年はパートナーシップ制度がスタートし、保育園待機児童はゼロが継続し、子どもの医療費無償化も18歳まで所得制限なしで実施されました。行政による保育士採用が復活したことも、保育行政への公的責任を、より的確に果たしていく姿勢として高く評価をいたします。それでは、順次質問いたします。
1点目に、物価高騰対策についてです。食料や電気・ガス代等の物価高騰は、深刻な影響を多方面にもたらしています。現在実施しているくらし地域応援券は、この点でも市民から歓迎される政策であり、今後も引き続いて実施をしていただきたいと思います。水道料金は市が決定できる公共料金であり、昨年7月の予算要望の際にも要請いたしました。改めて水道料金基本料金部分の減額や免除をお願いしたいし、また学校給食の無償化も求めたいと思いますので、見解をお聞かせください。
電気・ガス代高騰への補助も市は昨年各施設に対して行いましたが、来年度はどのようにするか、お尋ねいたします。
2点目に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。政府は今年5月8日から、新型コロナウイルス感染症の法定上の位置づけを5類に移行することにしました。検査や治療の負担がどうなるのか、病床の確保や自宅療養者への支援がどうなるのか、課題が多いと感じます。検査や治療の自己負担が増え、医療現場への支援がなくなっていくのなら、受診控えなどをもたらし、感染者減少にならない可能性もあります。このことに伴う市の対応についてお尋ねいたします。
3点目に、差別や排除のない、人権が尊重され、誰もが安心して暮らせるまちづくりについて伺います。差別や偏見をなくし、人権尊重のまちをつくっていく上で、年齢、性別、国籍、障害の有無、性的指向、性自認、出自などにかかわらず、差別があったときに、苦情処理、是正勧告のできる第三者機関の設置が大切だと思います。しかし、この是正を速やかに勧告できる第三者機関の設置ということが、簡単でない面もあると思います。第三者機関設置をどう考えているか、お尋ねいたします。
また婚外子に係る課題など、出自もこうした点では入れる必要があると思います。法的な結婚をしているか、していないかで、子どもに差別があってはならないと思います。この点についても見解をお聞かせください。
4点目に、多文化共生社会を目指す取組について伺います。施政方針にある、多様性を認め合う支え合いのまちづくりを高く評価しています。中でも市長が書かれているように、同性間のパートナー関係、選択的夫婦別姓を取りたい異性間の関係にも適用されることは、大きな特徴であり、評価される内容だと思います。そこで、パートナーシップ制度はどのように生かされているか、制度の利用促進をどう実現するかについてお尋ねしたいと思います。
次に、主要な施策について質問をいたします。
1点目に、健康・福祉の分野から4点です。
生活困窮者支援について伺います。本市独自の住居契約更新料給付金や特別就職支援金支給を高く評価しています。一方で、最近特例貸付の返済が困難な方から相談がありました。コロナ感染者は今減少していますが、貸付けの返済が新たなハードルになっている方もおられ、福祉的措置につなげることを含め、丁寧な対応が必要だと感じております。生活保護を利用する方もおられますが、利用者の意思を尊重して、扶養照会や無料低額宿泊所入居を可能な限り少なくしていくよう、なくしていくよう、対応を求めたいと思いますので、見解をお聞かせください。
施設整備に関して伺います。看護小規模多機能施設の増設はさらに必要と思いますが、これまでも経営面での困難が指摘されてきました。増設をどう進めていくのか、お聞かせください。
介護保険、国民健康保険の負担軽減について伺います。条例で決定している社会保険料は、市民の実情に応じた負担軽減ができる仕組みを求めていきたいと思います。
障害者の特性に応じた住まい、医療、仕事について伺います。日中支援サービスも可能なグループホームなど、住まいの安心、医療との連携が図りやすい施設、働き方を広げる上でのソーシャルファームの設置など、障害者の特性に応じた施設や対応を求めます。
2点目に、子ども・教育の分野から5点です。
子どもの権利条例は3月の文教委員会で審議される予定です。教育の担い手に関しても様々議論がありますが、家庭教育や親の責任を過度に強調することは、親の生き苦しさを大きくすることを否定できません。子どもは社会で育つことを基本にした教育が問われていると思います。
児童手当に関わる問題について伺います。1月末の国会では、政権政党からも所得制限なしの児童手当を要望する質問がありました。施政方針では高校生等の世代までの所得制限なしの医療費助成制度が記述されており、私も優れた点だと思っておりますが、仮に児童手当の変更がなされた場合、市の政策はどういうふうに変わるのか、お聞かせください。
公立保育園について伺います。私は一貫して公立保育園の重要性を認識して、保育の質の向上を全ての保育園で目指すことが大切だと訴えてきました。隣接市である小金井市をはじめ、保育園の量的充足が進んできた中で、民間園との役割分担をどうするのかという課題が大きくなってきていると考えます。そこでいま一度、公立保育園の価値、役割をどう認識するか、お尋ねいたします。
また、私は9月の一般質問で医療的ケア児についても伺いましたが、今回新規事業として受入れ体制の整備が計上されております。人的な配置とケアの内容、広報はどうなるのか、お聞かせください。
通常学級と特別支援学級を選択できるインクルーシブ教育について伺います。インクルーシブな教育、学校をつくることは、全ての子どもたちに、誰もが人権を尊重されるべきであることを明らかにできると思います。先日、インクルーシブ教育を選択した車椅子の当事者が、何を着るか、どこへ行くかなど、誰にでもある選択する権利について、障害の有無とは関係ないことをお話しされ、改めてインクルーシブ教育の内容を再認識いたしました。そこで介助員を通常学級に置くことができる制度の実施と、通常学級で障害がある児童生徒へ、介助員は学習支援はできませんので、この学習支援が可能な仕組みをつくることを求めたいと思いますが、見解をお聞かせください。
不登校児童生徒への支援について伺います。私はこれまで、義務教育段階の不登校児童生徒への経済的支援の創設を訴えてまいりました。武蔵野市では先日の一般質問でも、現金給付を行うための公平性の確保ということを答弁としておっしゃっていて、実現はできていないわけですけれども、2022年度、東京都では、フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業で協力者を募集して、協力者に月額1万円、年間最大で12万円を支払うとされています。これは事実上、フリースクールに通う児童生徒への経済的支援につながっていると感じました。そこでこの制度に対する評価を伺うとともに、本市では経済的支援をどのように考えるか、変更や新たな対応があるかを伺います。
性教育の重視について伺います。保健センター増改築なども活用して、医療従事者の支援も得て、性教育を進め、10代の若い世代、学齢期の世代等、秘密が守られる相談の場をつくっていただくよう要望しますが、見解をお聞かせください。
3点目に、平和・文化・市民生活の分野から4点伺います。
男女平等施策について伺います。ジェンダー平等を進める上でも、女性専用窓口・相談機関が必要であると思います。いまだ性による格差は政治的にも経済的にもありますので、男女を区別した場所は、女性の権利を守る上で欠かせないことを申し上げておきたいと思います。見解をお聞かせください。
プールなど、体育施設について伺います。先日文教委員会では、屋外のプール、いわゆる10円プールについて議論が交わされました。武蔵野市は平たんな地形で、外遊びができるところは多くありません。屋外プールなど、外遊びの重要性を生かすことについてお尋ねいたします。
中央コミセンや本町コミセンのバリアフリー化に関して伺います。武蔵野市ではかねてから公共施設のバリアフリー化が要望されてきましたが、多くの市民が利用するコミセンのバリアフリー化は、可能な限り急いでいただきたいと思います。本町コミセンに関しては、来年度予算の案の中で本町1丁目23番街区の利活用が計上されております。これまでよりも駅に近い場所への移転拡充の動きと評価をしておりますが、来年はどのような事業を予定しているのか、お聞かせください。
公会堂改修に市民の声を生かしていくことについて伺います。予算の概要には公会堂改修等基本設計関連事業とあります。私は吉祥寺南口のまちづくりとして、バスの乗り降り等、安全性の確保など、従来からの課題はあるものの、建物の高さ制限を設定し、まちの中にある、駅に近い公園と、そこに至る、歩いて楽しい道があることは、まちの大きな価値であると思います。これから大きなまちづくりの計画を考えることを踏まえれば、今、公会堂の全面的な建て替えには踏み出さず、部分改修にとどめるということは理解しているところです。
しかし公会堂の在り方が、吉祥寺駅南口の商店などの関係者、住民に十分共有されているかといえば、必ずしも行き届いていない面もあるように思います。公会堂はかねてから老朽化が指摘されており、今回改修を選択することについて、市民の声を伺い、予算に反映していく必要があると思います。とりわけ、2月1日付市報にあった改修基本計画案に対するパブリックコメントは今日が締切りですが、この結果が来年度予算にどう反映するのか、注視する必要があります。市民の声を生かす一つの具体策として、パブリックコメントの予算案への反映に関してお尋ねいたします。
4点目に、緑・環境の分野で3点伺います。
自然エネルギー、再生可能エネルギーをさらに生み出し、活用を図ることについて伺います。昨年政府は、原発の稼働期間延長や新増設など、福島第一原発事故後の方針を大きく転換し、原発回帰と言える方針を打ち出しています。そこで自然エネルギーや再生可能エネルギーの活用に関してお尋ねします。
また、現在のゲルマニウム半導体測定器による給食食材の検査内容を伺うとともに、検査の継続を求めますので、見解をお聞かせください。
さらに、原発事故による避難者は、市内で集合住宅、戸建て、それぞれ何世帯何人かもお尋ねしたいと思います。
緑と生物多様性を発展させる取組について伺います。境4丁目の境山野緑地での森の若返り、生物多様性を尊重する作業に力を入れていただきたく、さらに玉川上水をはじめ、緑の景観、環境を守り、維持し、広げていく取組を要望しますので、見解をお聞かせください。
エコreゾートへのリサイクル作業所の設置について伺います。かつて中町にあったシルバー人材センターの1階にはリサイクル作業所があり、多くの方が利用していました。移転に伴いリサイクル作業所がなくなったことは大変残念です。古い家具などを再生させるリサイクル作業所のエコreゾートへの設置を求めますので、御見解をお聞かせください。
第5に、都市基盤の分野、5点です。
地下水の水質の維持管理と保全について伺います。現在、PFOS、PFOAという有機フッ素化合物が地下水を通して人の身体に影響を与えていることを、民間団体の血液検査が明らかにしています。発がん性もあると言われております。原因がどこかは安全対策の上でも重要ですが、米軍基地の可能性も指摘されています。そこで、水質維持と保全に関する具体的な手だてをお聞かせください。
都営水道との一元化の計画見直しについて伺います。武蔵野市は、多摩地域では大変少なくなった、地下水を中心とする水道を維持している自治体ですが、東京都との一元化を目標にしております。私は、値段、水質、問題が起きたときのアクセスの早さなど、武蔵野のおいしい水を守るためにも一元化には慎重であるべきだと考えておりますので、見解をお聞かせください。
武蔵野プレイス西側の道路、3・4・27号線について伺います。武蔵野市は、都心に近いけれども緑あふれる並木があり、歩いて楽しい道を生み出しております。交通環境の変化を踏まえた方向性はどのような形で示すのでしょうか。また、重視している課題は何かについてもお尋ねいたします。
安心して住み続けることができる住環境について伺います。施政方針では入居前の伴走支援や入居後の見守り支援が記述されておりますが、具体的にはどういう支援でしょうか。住まいは福祉の基盤であり、武蔵野市は家賃が比較的高いので、この点からも居住支援はゆるがせにできないと思います。公的住宅、福祉型住宅の拡大や家賃補助制度の創設は必要と考えますが、見解をお聞かせください。
外環道について伺います。外環道の建設では調布における陥没事故が続いておりましたが、昨年末、シールド工事が再開されました。依然として事故のおそれは否定できません。外環道の大深度地下工法による工事は見直す必要があると思いますが、見解をお聞かせください。
第6に、行財政の分野です。2点です。
住民投票制度について伺います。予算の概要でも論点整理が計上されております。私は常設型住民投票制度は必要だと考えており、来年度の論点整理を評価しています。自治基本条例で住民投票制度は19条で規定されているので、どのような住民投票制度がいいかは市民や議論の中で様々あるとは思いますけれども、論点整理をして検討を始めることは重要です。市民の中で、差別がない、使いやすい制度であることを望んでおりますが、論点整理はどのように進めていくのかについて見解をお聞かせください。
市有地の有効活用について伺います。吉祥寺本町にある旧赤星邸の見学会に参加し、屋内や庭の緑あふれるしつらえに心が和むのを感じました。利活用計画には市民の声をどのように反映させていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
以上、多方面で質問をいたしましたが、このような政策を支えていく財政は、市民税も来年度増加が見込まれ、堅調な状況にあります。この財政を、基金を含め、新たな政策に生かしていただくことを要望いたします。
以上で壇上での代表質問を終わります。御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。