令和5年第1回定例会

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与座武
与座武
自由民主・市民クラブ現職

4913◯18番(与座 武君)  自由民主・市民クラブの与座 武です。事前通告に従い一般質問をさせていただきます。
 大きな1点目は、今後の職員採用の基本的な考え方についてです。
 第六期長期計画・調整計画の討議要綱を読んでいて、職員、教員採用についての記述が、新たに項を設けるなど増えていました。優秀な人材確保は市政運営の根幹をなす重要な課題です。同時に、次期の人材育成基本方針作成にも大きな影響を及ぼすものと考えられます。そこで、職員・教員採用の現況の課題と今後の採用に向けての基本的な考え方を伺います。なお、以下、本日の質問は、討議要綱についての直接的な言及は極力避けます。現在、策定委員会で、市長答申に向けて鋭意議論が積み重ねられている最中ですので、その議論を尊重し、結果を待ち、改めて議論をすることを基本姿勢にしたいと思いますので、よろしく御理解のほどお願いいたします。
 以下、具体的に3点に絞って伺います。
 1点目は、福祉専門職の採用についてです。私は、令和3年度予算の賛成討論の際に、次のように述べさせていただきました。福祉相談窓口(仮称)についてです。長期計画にも、健康福祉総合計画にも、重点項目として記載されている相談支援ネットワークの連携強化実現に向けた一つの施策としての生活困窮者支援総合相談窓口開設があります。一歩前進です。しかし、将来的には、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、そして、生活困窮者自立支援など、各制度に精通し、柔軟に分野横断で対応ができる、本当の意味での福祉相談窓口に昇華してもらいたいと思います。そのためにも、エキスパート職員育成の一環として、福祉スペシャリストの育成に力を注いでほしいと思います、と。この時点で私が懸念していたことは、基本的には今も同様なのですが、2点あります。
 1点目は、市職員に求められる役割と能力は、スペシャリストではなくゼネラリストであるという従来の考え方との整合性についてです。長期計画では、一般事務職については、特定分野に配置しているエキスパート、長期的専任職の専任分野の拡充や、主体的なキャリア形成に資するための、本人の希望と適性を踏まえた職場配置を検討するとあります。しかし、あくまでも、採用後の育成、職場配置を視野に入れた記述です。採用そのものの在り方まで踏み込んで記述されているわけではありません。
 2点目は、仮に分野横断的な対応ができるスペシャリストを求めるにしても、そのような人材が簡単に求められるのか。また、仮に育成するにも、数多くのケースを経験し、場数を踏み、時間をかけないと、容易に人材は得られないのではないでしょうか。当時、同様の質問をした際、当時の副市長から、各課の連携の中で対応していきたい旨の御答弁をいただきました。今回の討議要綱に、社会福祉士等の資格保有者を要件とする福祉専門職の採用という記述があります。推察するに、連携を一歩踏み込み、福祉のコーディネーター役たる人材を福祉の専門職員採用に求めると読みました。しかし、繰り返しになりますが、市民の福祉ニーズが複雑化・多様化する中、そう簡単に市職員に高度なケースワーカー力や、地域相談支援機関に対するバックアップ能力の強化を求めることができるのでしょうか。間違えて捉えないでください。福祉専門職を採用していく方向に否を唱えているわけではありません。即戦力としての高い期待値に応えるための人材確保と人材育成をどのように展開していくのかが問われていると考えています。スペシャリストとゼネラリストの整合性、現況への即応性など、福祉専門職の採用についての市長の御見解をお伺いいたします。
 2点目は、学校運営協議会を活用した職員の公募についてです。討議要綱に、長期計画には記述のない、新たな次のような文章が掲載されました。各校が特色ある教育活動を推進していくために、開かれた学校づくり協議会の機能強化として、学校運営協議会機能を活用した教員公募を実施すると。理解できないことは、任命権者についてです。市立小・中学校の教員の任命権者は東京都教育委員会。本市が独自で配置している市講師の任命権者は武蔵野市教育委員会であります。この文章を読むと、これ以外の第三者機関が独自に任命した教員が学校現場に入っていくようにも捉えられます。私は当初、本市が独自で配置している市講師の拡充についてだと思っていたのですが、どうもそうではないらしく、お聞きしたところによると、東京都教育委員会が教員の任命について、学校運営協議会機能を活用した新たな制度設計をし、それを導入しようとしているとのことでした。一般論として、教員志望者が減少している中で、指導力の高い教員を確保していくことの重要性は理解しているところです。しかし、私が一番心配していることは、教育改革の美名の下、理念先行で、児童生徒の実態を一番把握している学校教育現場から遠く離れたところで、既存の制度をいじり回し、それが現場に下りてきて、現場が迷惑、混乱する事態が往々にしてあるということです。
 近年の武蔵野市でもありました。小中一貫校構想です。過日の代表質問で、総括すべしとの意見がありましたが、全く同感であります。また、現在提案されている子どもの権利条例が予定している子どもの権利擁護委員や、子どもの権利に係る相談・調査専門員もそうなのかもしれません。子どもたちの最善の利益を守るためにも、学校現場に迷惑、混乱を招いてはいけません。そこで、学校運営協議会機能を活用した教員公募の制度設計の詳細を確認させていただくと同時に、教育長の教職員採用についての御見解を伺います。
 余談になりますが、私が大学を卒業した40年前当時、熱血先生が主役の学園ドラマ、例えば「熱中時代」や「金八先生」が大流行し、その影響もあったのか、私も在籍していた教員養成系の学部では、大学卒業後の進路として、大勢の教員志望者があふれ返っていました。各都道府県の教員採用試験をAランクで合格しても、採用に至るのは非常に狭き門でありました。隔世の感があります。なぜこんなにも教員志望者が減少してしまったのか。教育は国家百年の大計です。日本の教育界の将来を心から憂えています。
 3点目は、一般技術職についてです。この件については、私が議員に初当選した四半世紀前から指摘され続けていた課題であります。そして、その原因は、長期計画に、現場で技術を深める機会の減少等により、専門性の向上が難しくなってきているため、と明確に示されています。例えば、一生懸命勉強して一級建築士の免許を取得しても、建築物の設計図面一枚引けないとなれば、市役所就職は魅力ある選択肢ではなくなります。また、採用後、向上心にあふれた職員でも、経験を積んだ専門性の向上が難しくなることで、民間事業者が設計施工した工事のチェックが不十分になることもあるかもしれません。特にこのことは、今後、学校施設の改築や公共施設の改修が続く中、深刻な問題になるのではないでしょうか。
 討議要綱には、近時の一般技術職の採用の厳しさを踏まえ、庁内ワーキングやインターンシップの活用等、採用を支援する全庁的な体制を構築し、本市の魅力を発信するとともに、多彩な採用手法を研究するとの記載もあります。現況の一般技術職採用の課題と今後の採用に向けての基本的な考え方について、市長の御見解を伺います。
 大きな2点目として、コロナ禍の3年間における学校教育の現状と今後についてです。
 ここでお聞きしたいことは、コロナ禍の3年間で児童生徒の生活環境や学習環境は大きく変わったと推察されます。何がどう変わったのか、何が変わらないのか、変わったことに今後どのように対応していくのかということであります。非常に漠とした質問ですが、非常事態が去りつつある現状で、その振り返りと今後について考える必要はあると考えます。以下、具体的に3点に絞って伺います。
 1点目は、各種体験学習教育についてです。あまり悲観的に考えてはいけないのかもしれませんが、小学生、中学生の、感性豊かな、感受性の強い、この時期に体験することで育まれる自尊感情や職業意識の高揚、地域への愛着など、いわゆる生きる力の育成について、将来にわたる影響を与えなかったのか、非常に心配しています。この3年間、非常事態宣言やまん延防止等重点措置の発令など外出自粛が常態となり、思うように自然・文化・職場体験、そして国内外の地域との交流事業もできなかったのではないでしょうか。その実施状況を確認させていただきたいのと、児童生徒へ与えた影響を教育長はどのように認識されているのかを伺います。
 その上で、事前通告には各種体験学習教育と包摂的に記載しましたが、5年生のセカンドスクールの宿泊日数削減について伺います。教育長、またかという顔をなさらないでください。市長の施政方針には、セカンドスクール、プレセカンドスクールについては令和2年(2020年)度に行われた長期宿泊体験活動検討委員会の報告を踏まえ云々と述べられています。これは基本的に、想定外の長期戦を要したコロナ禍を経験する前の議論であり、報告書であります。昨年の代表質問等でも議論させていただきましたが、改めて私の考えを述べさせていただきます。教育委員会の方針は、総合的な学習の時間は年間70時間で、セカンドスクールはそのうち40時間を占めるので、宿泊日数を1泊削減し、新たに始まった武蔵野市民科の授業に充当するとのことでした。しかし、宿泊日数を1泊削減すると、現地でのフル活動は実質4日間になります。せっかく児童同士の人間関係が充実、濃厚になる頃は、帰りのバスに乗っていることになります。これでは、本来のセカンドスクールの目的が達成できたか、非常に疑問であります。ちなみに、当時、学校の先生方にアンケート調査を行ったら、95%以上が現行の長期宿泊体験学習活動を評価しています。保護者も同様です。そこに宿泊日数削減の理由は見つかりません。さらに、私は過去8回セカンドスクールにお邪魔いたしました。子どもたちと行動を共にし、現地での生活の様子をつぶさに見るにつけ、長期宿泊体験学習の有用性を実感しています。たかが1日、されど1日です。この3年間のコロナ禍で様々な行動抑制がなされた学校教育活動。今、改めてセカンドスクールの意義が再評価されてしかるべきであると考えます。そこで、この3年間のコロナ禍の経験を踏まえた上で、セカンドスクールの有用性について改めて教育長の御見解を伺うとともに、5年生のセカンドスクール6泊7日の復活を求めますが、一言、前向きに検討するとお答えはいただけないでしょうか。
 2点目は、武蔵野市民科についてです。武蔵野市独自の授業として、鳴り物入りで始まったものであります。しかし、この授業は実質的にコロナ感染が広まってから本格的に始動した授業でもあり、当初目指していた目的、予定していた授業が十分できなかったのではないかと推察しますが、いかがでしょうか。何ができて、何ができなかったのか、今後の展開をどのように考えているのか、教育長の御見解を伺います。
 なお、先ほどのセカンドスクールの質問で、誤解を招いてはいけませんので、一言申し添えさせていただきます。昨年も同様なことは述べたのですが、武蔵野市民科の授業に大きく期待をしております。セカンドスクール授業との時間配分を調整し、武蔵野市の特色ある教育の2本柱になってほしいと心より願っております。
 3点目は、学習者用コンピューターについてです。この事業も、GIGAスクール構想の下、コロナ感染症が広まってから始まったものであります。導入時の議会での議論は、今後の教育環境のICT化推進についての議論の熟度、アクセルの踏み込み度合いで意見の相違があったと記憶しています。当時の議論を基底に据えて、今後考えていかなければならない課題のキーワードは、紙とタブレット、体験学習とタブレットだと考えています。教育は、長期間にわたる根気の要る継続的な営みです。同様に、教授法もいきなり急ハンドルを切ることはできません。施政方針に、今年度中に学習者用コンピューターの活用の方針を定めるとありました。きっと今後の教育実践の在り方についての議論のたたき台になるのだろうと思います。その報告を待ちます、で質問を終わってしまったのでは質問になりませんので、コロナ禍における学校教育での学習者用コンピューター活用の実態と今後の課題について、教育長の御見解をお伺いいたします。
 大きな3点目は、新型コロナウイルス感染症を踏まえた危機管理体制の充実についてです。
 3.11のときも、目に見えない放射性物質と格闘がありました。しかし、コロナ禍の3年間、これほど行政の危機管理能力が試されたことはないのではないでしょうか。職員全員が一致団結して、市長を先頭に、よくこの非常事態に対応したと評価をしております。しかし、喉元過ぎると熱さを忘れるではありませんが、この貴重な経験を今後の行政運営の中に埋め込み、生かしていかなければなりません。それは、何か新たな計画を作成して、新たな制度を構築するだけのことではないと思います。議会、議員も同様ですが、職員一人一人の危機管理への継続的な意識づけと組織的な即応力の確保が非常に大切であると思います。そのような視点に立ち、以下、具体的に3点に絞って伺います。
 1点目は、健康危機管理対策についてです。改めて言うまでもなく、今回の新型コロナウイルス感染症は、100年に一度の、全世界を巻き込む非常事態の発出でした。当然にというか、予測不可能な事態でありましたので、第六期長期計画には「感染症拡大防止対策」の単語と基本的な対応策しか記載がありません。多分、この記載は、2003年に流行したSARS、2012年に流行したMERS、そして季節性インフルエンザ程度の感染状況を想定したものと推測できます。また、武蔵野市地域医療構想(ビジョン)2017も、吉祥寺地区の病床数確保を前提に書かれたものなので、当然に今回のような状況は想定されていません。早急に地域医療構想の改定を図るべきです。
 さて、答弁の先取りの想定は控えなければなりませんが、今後の危機管理対応についてどのような対応を考えていますかと問うと、多分、討議要綱に記載のある次のような答弁が返ってくるのでしょう。いわく、令和2年(2020年)1月に新たに指定感染症と指定された新型コロナウイルス感染症に対応するため、全庁体制で様々な対応を行ってきた。健康危機発生時に備え、平常時から訓練等により医療関係機関等との連絡体制の強化に努め、危機発生時の行動計画、BCP、マニュアル等の整備を推進する。また、市民に対して引き続き正確な情報発信に取り組む。保健センターの増築及び大規模改修にて、機能の一部として、感染症対策衛生用品の備蓄と健康危機発生時の動線を配慮した臨機応変に対応できるスペースの確保等、機能の向上に努める。東京都多摩府中保健所武蔵野三鷹地域センターを感染症対策の機能を有する支所として拡充することを引き続き東京都に要望していく、と。多分こういう答弁が返ってくるのでしょうけど、このことに対して異論を挟むつもりはありません。しかし、大切なことは、行動計画やBCP、マニュアルをつくって、衛生用品を備蓄して、ハードの整備をして、そして東京都に言うことを言って終わりということではなく、先ほども述べましたが、職員一人一人の危機管理への継続的な意識づけと、常時組織的な対応力をいかにして担保し続けていくのかが問われているのだと考えます。そこで、今後の健康危機管理対策についての市長の御見解をお伺いいたします。
 2点目は、自然災害対応に対する最新改訂版の地域防災計画に与えた影響についてです。発生確率が危険水域に入っている首都直下地震、台風や突発的な豪雨など、激甚化・頻発化する自然災害への備えを十分に行わなければなりません。住宅の耐震化・不燃化、家具転倒防止対策、そして延焼防止対策としてのオープンスペースの確保など、減災に向けたまちづくりを進めていくとともに、自然災害に対する行政の高い機動性と有用性を確保しておく必要があります。これらのことは、令和4年度修正版地域防災計画に十分盛り込まれているものと思います。しかし、地域防災計画改定作業中に、想定外の新型コロナウイルス感染症が蔓延をしました。このことが地域防災計画にどのような影響を及ぼしたのか、市長の御見解を伺います。
 3点目は、緊急事態対処における令和2年12月に制定された武蔵野市国民保護計画に与えた影響についてです。2022年2月24日にウクライナ戦争が始まり、1年がたちました。ロシア大統領プーチンの命じた特別軍事作戦です。西側世界の人々は驚きました。人々はなぜ驚いたのでしょうか。それは自明だと考えていた前提があっさり崩れ去ったからです。自由と人権と民主主義、資本主義と法の支配、言論の自由と選挙とナショナリズム。世界は日の当たる西側世界の価値観を中心に回っている、それ以外の場所にも少しずつ日は差し始めている、世界はだんだんましになっていくと、私たち多くの日本人も含め、誰もが考えていたのではないでしょうか。しかし、そういう思いを共有しない異質の他者がいました。もちろん、どんな理由を列挙しても、軍事力による独善的な蛮行は絶対に許されません。しかし、もしかしたらこの世界の本質をその異質の他者のほうがよく見えているのかもしれません。安全保障やマクロ経済政策だけでなく、文明、歴史、宗教など地政学的な観点も含め、世界史的な地殻変動が不気味な音を立て始めていると感じています。今、日本周辺の状況は、世界の火薬庫と呼ばれています。中国による台湾の武力統一の確率は日に日に高まり、北朝鮮の核ミサイル開発は着実に進んでいます。過日も北朝鮮から大陸間弾道ミサイルが発射され、日本の排他的経済水域内の日本海に着弾しました。国際社会全体に対する挑発をエスカレートさせる暴挙が繰り返されています。そして、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、日本周辺における中国とロシアの連携はかつてなく進んでいます。今日のウクライナが明日の日本になっても全く不思議ではないと、漠とした不安を抱えている市民は多いのではないでしょうか。安全保障や外交は国の専権事項であり、一地方自治体が直接に関わることはできません。しかし、武蔵野市国民保護計画に基づいて、市民の生命と財産を守るために、弾道ミサイル発射、大規模テロ、サイバー攻撃などの緊急事態への対処機能を強化しておく必要があると強く感じております。武蔵野市国民保護計画に新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえた影響はないのか、武蔵野市国民保護計画に基づく緊急事態への対処機能の強化は十分なのか、市長の御見解を伺います。
 以上、壇上からの質問をさせていただきます。御答弁のほど、よろしくお願いをいたします。

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