
下田ひろき
映像ID: 2447
5294◯23番(下田ひろき君) 令和5年度一般会計予算に反対、3特別会計予算に賛成、2事業会計予算に賛成の討論をさせていただきます。
令和5年度予算は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 平和が続く未来をつくる予算」と位置づけ、第六期長期計画の4年目として、計画の各分野に掲げられた施策を着実に推進するとともに、社会・経済全体の不確かな状況の中で新たに生じる課題にも対応しながら、持続可能な市政運営を行っていくため、限られた財源を重点的かつ効率的に配分することを基本に予算編成し、効率的な行政経営により健全な財政運営を維持するため、事務事業及び補助金の見直しや政策再編を継続的に実施したほか、経常経費は前年予算額を上限とする予算配分により経費の削減を図った予算と位置づけをしています。
一般会計の予算規模は、自転車対策事業土地購入費の減や情報教育指導の減などがあるものの、学校改築事業や公園等建設事業土地購入費の増、都市計画道路3・4・2号線事業土地購入費の増などにより、前年度に比べ23億3,600万円増の総額729億2,200万円となっております。特別会計を合わせた武蔵野市全体の予算規模は総計で1,036億900万円になっております。第六期長期計画の4年目として、大きな目玉になるような予算はなく、手堅い予算編成になっていると感じました。
反対理由としては、事務事業及び補助金の見直しや経費削減を行ったことは評価しますが、今回の予算審査前に、予算に関する陳情が2本提出されて、継続審査になっております。武蔵野公会堂改修関連予算の執行停止に関する陳情と、「住民投票制度確立に向けた論点整理」関連予算の保留に関する陳情です。
武蔵野公会堂改修の件の陳情では、地域住民との情報共有、市民参加、また、武蔵野公会堂改修計画案は会議棟のみ新築、ホールは20年間延命という枠組みを前提とした形式的なもので、公会堂の在り方をめぐる根本的な問題意識を住民と共有して協働して解決を図ろうとするものとは程遠い、予算計上するのは拙速だと御意見をいただいているところです。私もこのような陳情の趣旨に賛成であり、武蔵野公会堂の今後について、周辺住民や商業者などの意見交換の場をつくること、また、武蔵野公会堂を含むパークエリアの将来像をめぐる市民的合意が形成できるように求めます。
住民投票制度確立に向けた論点整理の予算に関して、この予算を認めると、住民投票条例制定に向けて進んでしまうのではないかと考えております。都政新報2月21日の記事によると、2月13日の定例会見で、市長は市長選の公約で普通は任期4年で実現するものと述べ、遅くとも25年、市議会9月定例会までの条例成立に意欲をにじませているという記事が掲載されています。陳情には、令和5年度予算案のうち、住民投票制度確立に向けた論点整理関連予算について減額修正ないしは執行留保の決議の採択などを行い、令和5年4月に行われる市議会選挙後の市議会において、その可否を含めて議論することなどを求めた陳情になっており、私自身、陳情の趣旨に賛成しております。確立に向けた論点整理ではなく、可否を含めた論点整理にするべきだと述べさせていただきます。陳情者は、以前、住民投票条例は本当に必要であるか、ゼロベースで考え直してほしいという思いから、住民投票条例の廃案、あるいは継続審査を求める陳情も提出し、採択された経緯があります。その根拠とされる自治基本条例第19条の削除も視野に入れるように求めております。一昨年の騒動を通じて、住民投票条例そのものに疑念を持つ市民も多く、反対の声を私のところにいただいているところでございます。私自身、自治基本条例第19条のある自治基本条例に賛成してしまったことは、以前、謝罪させていただきました。陳情に賛成した議員として、自治基本条例第19条削除も視野に入れた行動をする責務があると考えます。陳情者は、以前、市議会に、住民投票条例などに関する検討委員会を設け、住民投票条例の必要性や具体的な内容に関して議論するように求めた要望書も提出しておりますが、今現在設けられておりません。自治基本条例第19条と住民投票条例という2つの条例で規定する手法に違和感も覚えていると陳述されておりました。神奈川県茅ヶ崎市では、自治基本条例で定められていた住民投票条例を具体化する過程で住民討議会が開かれ、具体化に向けては様々な課題があるとして、今現在見送られている状況です。自治基本条例に住民投票制度の規定があるからといって、急いで具体化する必要はないと申しておきます。今回の予算を認めてしまうと、確立に向けて動き出してしまい、到底、住民投票制度確立に向けた論点整理が計上された予算に賛成することはできません。
以上、2本の陳情に賛成として、令和5年度一般会計予算に反対、3特別予算に賛成、2事業会計予算に賛成の討論とさせていただきます。
(4 番 桜井夏来君 登壇)(拍手)