
木崎剛
映像ID: 2447
5303◯9 番(木崎 剛君) それでは、ただいま議題となりました令和5年度一般会計、3特別会計、水道事業会計、下水道事業会計予算に賛成の立場での討論をいたします。
令和5年度は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 平和が続く未来をつくる予算」として編成されたと伺いました。誰もが安心して暮らし続けられるまちとは、どのようなまちのことをいうのでしょうか。市の主役は、主権者は、市民であります。市民自治、市政運営の中で一番大切な市民参加と情報発信、さらには情報提供、このことがおろそかになると、市民は不安を感じ、安心して暮らし続けることはできないのではないかと思います。一つ一つの施策などの情報を本当に市民に届けることに努力を続けてもらいたいと思っています。そして、市民の声に真摯に向き合い、時には立ち止まり、やり直しがあってもよいのではないかと私は考えています。その上で、さらに充実した取組も進めてもらいたい。それを続けることで、市民が安心をして行政の活動、事業を支持していただけるようになると信じていますし、住み続けられるまちになり、住み続けたいまちになっていくのではないでしょうか。
以下、予算特別委員会等での質疑で課題があると感じたことを述べさせていただきたいと思います。
まず初めに、一昨年に購入、売却をした自転車駐輪場等に関することについて述べます。1つ目は、27番街区駐輪場についてです。第2分団隣地の27番街区に新築する駐輪場は、旧吉祥寺大通り東駐輪場と交換的手法によって購入をした土地に設置されます。この件は現在、住民訴訟となっており、我々も一連の土地売買については大きな問題があると考えています。吉祥寺東部地区の駐輪場を集約、再編するということですが、市の答弁では、27番街区の駐輪場が完成しても地域には54台分しか駐輪台数の余裕がないことが判明しました。これではすぐに地域の駐輪場が満杯になってしまいます。また、27番街区の駐輪場に関する説明会が数回開催されましたが、地域住民との話合いは十分ではなく、まだまだ住民には不満が残っている状況です。
吉祥寺大通り東第3駐輪場についてです。23番街区の駐輪場廃止とともに、吉祥寺大通り東第3駐輪場も廃止され、普通財産になるとの答弁がありました。27番街区の駐輪場完成後でも地域には54台しか余剰がないことを考えると、第3駐輪場の53台は重要となります。普通財産にすると、再び大切な市民の財産が売却されることも考えられます。第3駐輪場の廃止には賛同できません。
駐輪場を駅の外周部へ配置することについてです。自転車法では、地方公共団体と鉄道事業者が協力して駅周辺に駐輪場を配置することに努めることになっています。しかし、市長は、今後、駅周辺の駐輪場を駅の外周部へ配置する方針を示しました。令和5年度は吉祥寺東部地域と三鷹駅北口地域の駐輪場を再編すると述べていますが、将来的には武蔵境駅でも同様の方針であるという答弁もありました。将来、市の持つ種地である三鷹駅北口市政センター、三鷹駅北口第2自転車駐輪場、武蔵境のスイング北暫定駐輪場などをどのように活用するのかで、外周部への自転車駐輪場の配置は足かせにならないか、心配であります。駅の外周部に駐輪場を配置することは、自転車法の趣旨からも逆行し、通勤・通学、買物客の利便性を阻害することになり、賛同はできません。
民間ビルの付置義務駐輪場を隔地誘導することについてです。市長は、公設の駐輪場を駅の外周部へ配置するだけでなく、民間ビルの付置義務駐輪場まで隔地誘導するという方針を示しました。隔地誘導した場合、建物からの距離は300メートルまで可能とされており、建物の利用者が本当にそんなに遠くに駐輪をするのか、問題であります。
放置自転車についてです。平成3年、吉祥寺駅は放置自転車全国ワースト1位でした。その後、自転車条例の全面改定、駐輪場の整備、放置自転車に対する指導、警告、撤去などを行った結果、現在は改善されてきたものの、まだ予断を許さない状況であります。今後、市長が、駅の外周部へ駐輪場を配置すること、民間ビルの付置義務駐輪場を隔地誘導すること等を実施すれば、再び駅周辺は放置自転車が増加する可能性は大であります。
以上のように、吉祥寺駅前の駐輪場を売却して、駅から遠い敷地を購入し、再度駐輪場を建設するということ自体、不適切なことであるというふうに考えておりますが、それだけでなく、現在供用している駐輪場まで廃止し、駅の外周への駐輪場配置、民間ビルの付置義務駐輪場を隔地誘導、放置自転車が増加する懸念など、看過できない問題が山積していると思い、この一連の事業には到底賛同ができません。
次に、0123施設についてであります。4・5歳児も入館できることを令和4年度に試行しましたが、結果としては、4・5歳児の利用が少なかった。施設の設計が4・5歳児用にできていないため、子ども、保護者が利用しづらいこともあったと予想されます。そのような状況にもかかわらず、令和5年度も4・5歳児支援を試行する予算が組まれています。我々は当初から、ゼロ、1、2、3歳児と4・5歳児を一緒にすることには反対をしてきましたので、この試行には賛同できません。改めて0123施設の設置思想を忘れないでいただきたいと思います。0123施設検討当時、4・5歳児のほとんどは保育園か幼稚園に通っていました。ゼロ歳児から3歳児の約3割が保育園を利用していました。約7割の人たちが各家庭で子育てをしていました。この約7割の家庭に子育て支援の行政サービスの手を差し伸べるべく開設されたのが、ノンプログラムプログラムを標榜する0123施設です。当時としては、法の想定外の画期的な乳幼児施設でした。しかし、時代とともに子育て環境が大きく変化している中で、施設運営については柔軟に対応していく必要性は感じています。その上で、0123と名前についている意味を、決して原点を忘れていただきたくないというふうに考えています。ゼロ歳児から5歳児までが同じフロアで遊び回ることは、非常に危険であると感じています。事故が起こってからでは遅いと思います。危険回避が本当にできるのか、改めて考えていただきたいと思います。
次に、ホワイトイーグル車へのAED搭載の見直しについてです。予算としては少額ですが、ホワイトイーグル車両に搭載されているAEDを令和4年度で廃止することになっています。予算現額は8万4,000円。ホワイトイーグルに乗車されている安全パトロール隊の皆さんは、講習も受け、AEDの使用法も理解をしていると思います。また、AEDの搭載も、平成31年の予算特別委員会での私の要望でやっと搭載されていることを車外の方に分かるように表示をしてもらいましたが、誰のために、何のために搭載していたのかをしっかりと考え直してもらいたいと思います。もちろん、AEDを使用しないことのほうがよいのですが、平常時では必要ないかもしれませんが、人命に関わる万が一のことがあったときに、使用、行動ができるようにしておくことが大切だと考えます。心肺停止になると、約8分で命の危険が生じます。逆に、1分以内に心肺蘇生ができれば、95%が救命できます。AEDの配置場所が多くなったといっても、それを知る人がいなければ意味がありません。連絡があれば速やかに移動、急行できるホワイトイーグル車両のAEDは、令和5年度も継続し、いざというときに備えるべきと考えます。
次に、セカンドスクールについてです。教育委員会の方針は、総合的な学習の時間は70時間で、セカンドスクールはそのうち40時間を占めるので、宿泊日数を1泊削減し、新たに始まった武蔵野市民科の授業に充当するとのことです。しかし、宿泊日数を1日削減すると、現地でのフル活動は実質4日になります。せっかく児童同士の人間関係が充実、濃厚になる頃には、帰りのバスに乗っていることとなります。学校の先生方にアンケート調査を行ったところ、95%以上が現行の長期宿泊体験活動を評価しています。保護者も同様です。子どもたちも、学校生活で何がよかったかと問いかければ、セカンドスクールと答える子どもたちが大勢います。子どもの権利条例策定においては子どもたちから意見を取ったとされていますので、武蔵野市として、重要な体験教育授業であるセカンドスクールの宿泊日数、体験内容について、参加者である子どもたちがどのように考えているのか、セカンドスクール経験者でもある中高生も含めて子どもたちにアンケートを取ってもよいのではないかと考えます。そして、その意見も踏まえて再検討をすべきと考えています。子どもたちの現地での生活の様子などから、長期宿泊の有効性を私たちは実感しています。たかが1日、されど1日です。この3年間、コロナ禍で様々な行動抑制がなされた中で、学校教育活動、今、改めてセカンドスクールの意義が再評価されるべきです。セカンドスクールは6泊7日に戻すべきです。
幼保小の連携推進についてです。連携推進については、小1プロブレム、小1の壁解消の取組として、評価、期待をしています。しかし、保育園、認定こども園、幼稚園は子ども育成課、小学校は教育委員会と、事業推進における責任の所在がはっきりとしていません。どちらが行うのでしょうか。幼稚園と保育園では、幼児教育の点でも大きな差があります。そして、小学校と幼稚園、保育園、認定こども園が同じようにしっかりと連携が取れるのか、誰がそのまとめ役となるのか、小学校、幼稚園、保育園、認定こども園を全てしっかりと理解できている人材はいるのかなど、様々な課題があると考えます。しっかりとした連携体制をどう構築していくのか、現場はもちろん、支援する行政にも大きな課題だと考えます。生きる力を育む幼児教育を実践するとしていますので、幼保小の連携ができる体制をつくって、課題解決をして計画を進めていただきたいと考えています。
次に、大野田学童クラブについてです。学童クラブは、その設置場所を、学校外にあるものを、原則、学校敷地内へ移すことを示して、これまで学校側の協力の下、学校内の教室を活用し、それでも足りなければ学童クラブ室を増築し、対応をしてきました。昨年3月の令和4年度予算特別委員会で、大野田小学校の学童クラブ室を増設するとの説明がありました。学校外に増設するとは説明がありませんでした。さらに、令和5年4月からは、UR住宅、武蔵野緑町パークタウンの集会室に学童クラブ室を間借りする形で開設をすると。市長は、施政方針の中で、「大野田小学校学童クラブについては、児童増への緊急対応として、包括連携協定を結ぶUR都市機構及び自治会との協議の結果、緑町パークタウン内の集会所にクラブ室を設置し、育成を行うこととしました」と書かれています。緊急対応は既に令和4年度に必要になっていたはずです。今現在、総合体育館3階和室をお借りして、学童保育を行っています。学校外に学童保育室を間借りし、その間に学校内にクラブ室を増設することを、昨年3月、令和4年度予算案で予算計上され、可決をされています。議会に説明なく、学校外に学童保育を移設、さらに民間の団地内に学童保育を移設することは、方針の転換と考えられてしまいます。速やかに市民、議会に説明をする責任が市長にはあったと思います。実際に報告があったのは、令和5年3月の第1回定例会の文教委員会です。とても重要なことを開設1か月を切ったぎりぎりになるまで情報提供をしないことには、憤りを感じました。また、学校内での工事がストップ、予算が執行されなかったことについても、方針転換がなぜ短期間で行われたのか、理解ができません。そして、そうであるならば議会に報告をするべきです。今後も、予算について、いとも簡単に変更され、その後の報告はどうにもならない時期に行うようなことでは、信頼が置けなくなります。学童保育の民間施設への増設について、今後、住民の方に対して丁寧な説明、対応を求めます。まだ住民の方は不安を持っていることを理解していただきたいと思います。
施政方針の中で、「1年を通じて、「伝える」だけではなく「伝わる」ための工夫を凝らし、情報の受け手である市民の皆様がどのように感じるか、受け取るかということをできるだけ考えるようにしてまいりました。「伝える」「伝わる」は、広報に限らずコミュニケーションを取るうえで欠かせないことと実感しています。市民の皆様の立場に立って、正しい情報を適時適切なタイミングで、分かりやすく、親しみやすくお届けできるかはこれからも追求し続けるべき課題です」とありますが、正しい情報、情報発信、伝わる情報提供ができていないから、混乱が起きています。市民から私たち議員に様々な相談が来ますが、私たちがお聞きした時点で時間的余裕がほとんどないことが多いと感じています。吉祥寺大通り東自転車駐輪場の年度途中の廃止と売却、27番街区の土地の取得、住民投票条例案、子どもの権利条例、学童保育室の民間施設への増設など、適時適切なタイミングではなく、議論をしづらい状況をつくり出し、諦めさせようとしているのではないかというふうにも感じてしまいます。自治基本条例を遵守し、伝わる情報発信、提供を求めます。
最後に、ロシア・ウクライナ侵攻は昨年から始まり、1年たちましたが、解決の道が見えていません。さらに、新型コロナウイルス感染症については、やっと3年がたち、なくなったわけではありませんが、これまでの、ただ恐れるものから、治療法や薬、さらには対応方法なども変わってきました。新たな一歩を踏み出す時が来ているのではないかというふうに考えています。一中、五中、さらには五小、井之頭小の学校建て替えは現在進行中であり、待ったなしの状況です。物価高騰などでの入札の不調などで遅れがないよう、不便を強いる子どもたちに影響が最小限になるようにしなければなりません。公共施設の建て替えや改修なども同じようなことが言われています。一例を出しましたが、令和5年度は経済活動等を以前のように力強く推し進めていく必要があると感じています。
その意味からも、懸念事項は幾つもありますが、市として、しっかりと市民生活、経済活動を後押しすることを求めます。今まで申し上げてきた懸念を払拭するためにも、基礎自治体として市民の意見にしっかりと耳を傾け、市民目線での徹底した情報発信、情報公開と、事業を進める上での事前の説明等、市民に理解、納得をしていただける、要は時間をかけて意図が伝わるよう丁寧に行うことを求めておきます。それを行うことによって、誰もが安心して住み続けられるまちができるのではないかと申し上げて、賛成の討論といたします。