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川名ゆうじ
映像ID: 2471
発声障害等について
・発声障害について
・動物福祉と地域福祉の連携について
・学童クラブのお弁当について
・ユニバーサル遊具・ユニバーサル公園の周知について
5498◯25番(川名ゆうじ君) それでは、今回の一般質問は4つのテーマで行います。先ほど浜田議員が、2年ぶりとおっしゃっていましたけれども、私は訳がありまして、4年ぶりとなります。この間ちょっと質問できなかったことも含めての質問とさせていただきますことを、御了承いただければと思います。
それでは最初、大きなテーマの1つ目、発声障害について。
発声障害と一言言って、どのような病気か、皆さん御存じでいらっしゃいますでしょうか。手を挙げてというわけにはいかないのですけれども、なかなかこの病気は知られていないことかと思います。私もこの病気について患者の方から直接聞くまでは全く知らなかった、そういう立場での今回の質問とさせていただきたいと思います。
発声障害とは、声帯の異常によって、声を出しにくかったり、声が震えたり、途切れたり、かすれたりする病気のことで、ジストニアという神経疾患の一種とされています。最近では、歌手の伍代夏子さんやゴールデンボンバーのボーカル、鬼龍院翔さん、ミュージシャンのaikoさんなどが発声障害であることを自ら公表したことで知られるようになり、医師の間でも認識が広がってはいます。ですが、まだまだ不十分という状況です。
発声障害は、さらにけいれん性か緊張性、心因性、吃音などに分けられますが、症状が似ていることや複数の病気を併発していることもあり、専門医でも判断が難しく、原因は不明で、職場や学校でのストレスから声が出しにくくなる、声が出なくなるケースが多いとされています。このことは誰にでも発症の可能性があることになります。治療法は、注射、手術、心理的療法がありますが、どの療法が適しているかは個人差があり、手術をしても必ず治るものではないことから、治療法は確立されていません。
2016年に日本音声言語医学会が、けいれん性発声障害の患者数などを調べるために、全国の主要な耳鼻咽喉科医療機関を対象にした疫学調査を実施していますが、結果からは、有病率が10万人に対して3.5から7人以上になると推測されています。このデータから、人口約14万8,000人の武蔵野市で考えてみると、10人程度の患者が市内にいることが推定されます。
また国の難病に指定されていないため、治療は自費となるだけではなく、多くの人に知られていない状況で、患者自身だけではなく、医師も知らないことが多く、適切な治療が受けられない状況もあります。このことは、発声がおかしいと思っていても病気とは思わない人、医師が診断できない人がこの数字以上にいることが想定され、調査したけいれん性発声障害以外の患者も考えれば、患者数はもっと多いと推定されます。
発声障害の患者たちは、発声障害患者会(SDCP)をつくり、情報共有や治療法への国からの助成を求める活動などを行っています。この患者会は武蔵野市内に代表者の住所があることもあり、直接伺ってみると、一部の治療法は保険適用とはなったが、定期的な治療を続けることによる費用、時間などがあり、あまり知られていないことでの苦労が残されていると話されていました。この患者会については松下市長も御存じかと思いますので、病気のことについてはお分かりかと思います。
実際にこの苦労のこととは、発症することで、会社で挨拶しない人と言われてしまう。そのために仕事が続けにくくなる。特に営業職では深刻な問題となってしまう。学校では、授業で返事ができない。授業でいつ当てられるか、きちんと声が出るのか、毎日毎時間びくびくしている。教科書を読むのを当てられ、途中で声が震え過ぎて読めなくなったら、先生に最後まで読んでとキレられた。もっと大きな声で話せと強要されるなどの悩みが患者にはあり、周囲に理解されていないことで、さらに心理的負担が重くのしかかっているとも話されていました。
病気のこのような課題解決には原因の究明と保険の全適用などが待たれますが、社会としてこのような多くの人に知られていない病気があることを知ることで、患者への対応ができることになります。特に学校教育の現場で知られていないと、子どもたちにさらに心理的なストレスを与えてしまうと考えることから、以下を質問いたします。
1、発声障害について、患者会の要請から、小・中学校の校長会、養護教諭への情報提供を、患者会の資料を使い行われていると認識していますが、現状でどのような対応をされているか伺います。
2番目、授業や学校行事などにおいて、声が出ない、かすれるなどの声を出しにくい児童生徒がいた場合、どのような対応をしているのかを伺います。元気に挨拶をしよう、大きな返事をしようと児童生徒に求めることや、卒業式などで全児童生徒が発言する呼びかけ、あるいは学芸会の役割などでもプレッシャーになることがあるため、現状を伺います。
3番目、社会や周囲が知ることで、患者の悩みを深めたり傷つくことを防げたりできると考えますが、市教育委員会として、発声障害など難病に指定されていない、あるいは見た目には分からないなど、知られていない病気について情報を収集し、市民や各行政機関全体へ周知を行い、適切な対応ができるようにすべきと考えますが、現状でこのような仕組みがあるのか、どのような対応をしているのかを伺います。
4番目、第六期長期計画の目指すべき姿にある「誰もが安心して暮らし続けられる 魅力と活力があふれるまち」へとつながることにもなるため、このような知られていない病気などを児童生徒、教職員、行政職員、市民へ周知することを、今以上に行うべきと考えますが、御見解を伺います。
続いて大きな2番目、動物福祉と地域福祉の連携について。
飼い主のいない猫の保護活動として全国の先駆的な立場にある、一般財団法人ちよだニャンとなる会を視察してきました。同会は、2000年に千代田区の呼びかけでボランティアが集まり、2001年に発足、千代田区と連携しながら、全国に先駆けて、2011年に猫の殺処分ゼロを達成しています。このことだけではなく、飼い主のいない猫への対策として、武蔵野市など全国で行われているTNR、これはトラップ──保護すること──ニューター──去勢・不妊手術──リターン──猫を元に戻すこと、この略称ですけれども、このような活動と、猫の譲渡会を中心とする地域猫活動をいち早く始めたことでも知られている団体です。
同会の現状を伺うと、活動の成果として、飼い主のいない猫の数は劇的に少なくなっている。しかし地域に戻しても、地域で猫を見守る体制ができていないだけではなく、病気や交通事故で死ぬ例が多く、動物福祉の視点で考えると戻すことはできないと判断し、譲渡ができるまでの間、保護、飼育するシェルターを区内に3か所設け、このシェルターを保護猫カフェとして、常設型の譲渡会会場としていました。
また、以前は飼い主のいない猫、いわゆる野良猫によるふん、子猫の繁殖、鳴き声、餌やりのマナーの問題、異臭など、公害対策としての位置づけだったものですが、現在ではほとんどいなくなったこともあり、独居高齢者が飼えなくなった場合の猫への対策、多頭飼いしている人への対策として猫を引き取ることが多くなり、公害対策ではなく、動物福祉、高齢者福祉など、地域福祉政策としての位置づけへ変わってきているとの話も伺いました。
ほかの自治体の地域猫活動団体に聞くと、地域福祉としての対応が必要とは考えているが、このちよだニャンとなる会のようにシェルターを持てるまでにはまだまだできない、まずは譲渡会で新たな飼い主を見つけることが優先されるが、見知らぬ場所へ移動することや大勢の人に接することで猫にストレスがかかること、野外での譲渡会を行う場合は天候に左右されてしまうことや、高温、低温でもストレスがかかってしまい、せめて屋内で実施をしたい、そのためには行政との連携が必要との意見が多数ありました。
そこで以下を質問いたします。
1、武蔵野市では2006年9月に市環境政策課との協働事業で、むさしの地域猫の会が発足し、活動が続いています。千代田区と同じように市からの呼びかけで市民が集まり、ワークショップなどを続け、市との協働事業として位置づけられ、この会の設立へとつながっています。私も当時の参加者の一人でしたので、協働事業としては画期的なことだったと覚えております。そのこともあり、我が家には地域猫出身の猫が2匹暮らしている、そういう状況にもなっています。
その後、このような協働事業は多くの自治体で行われていますが、協働事業の名の下に、民間任せ、住民任せで、行政は最小限の費用負担のみ、市民福祉の向上のための政策として実施していない例があると聞いております。武蔵野市の場合は、市の政策として行う事業と考えているのか、そういう考えでいいのかどうか、政策事業の全体をまずは伺います。
2番目、武蔵野市の現状での飼い主のいない猫の数、現状でどのようなトラブルがあるのか、件数も含めて伺います。
3番目、見た目でしかありませんが、飼い主のいない猫の数はかなり減っているように思います。同会の活動の成果として評価をしますが、数が減っているとなれば、千代田区のように、野良猫対策事業、公害対策事業から次の段階に来ていると考えます。そこで新たな課題として、ひとり暮らしの高齢者が健康の理由などでペットの飼育を継続することが困難なケースになることや、多頭飼いなどの課題が他自治体ではありますが、武蔵野市内ではあるのでしょうか。ある場合には、都の保健所へ猫が移され、殺処分になることも考えられます。そこで武蔵野市での発生状況と具体的な対応を伺います。
4番目、このような場合、市もしくは地域猫の会が猫を引き取り、病気の場合は治療し、譲渡を行うことが可能と考えられますが、現状ではどのような対応をしているのでしょうか。対応している場合、市の施策事業としての位置づけを行い、関係機関に周知をすべきではないでしょうか。御見解を伺います。
5番目、動物福祉の視点で考えると、シェルターの開設が必要と考えますが、早期の開設には課題が多いと考えています。そのため譲渡会と保護猫活動の支援強化が必要であり、譲渡会の会場として公共施設も活用すべきではないでしょうか。6月25日には市内のコミュニティセンターで譲渡会が試行実施されると聞いていますが、コミュニティセンターで可能であれば、公共施設でも可能と考えられます。アレルギー対策や使用方法について一定の対策の協議が必要ですが、市役所やエコreゾートなどで実施は可能と考えられます。実施する際、できない理由はどのようなものがあるのかを伺いたいと思います。これは規則、要綱とかに明記をしているのか、あるいはほかの団体との調整等、現実的な問題があるかと思いますが、この点について伺いたいと思います。
6番目、千代田区では、ちよだニャンとなる会と千代田区が共同で、人と動物の共生社会の進展と動物愛護の推進を目的として、ちよだ猫まつりをチャリティイベントとして、区役所を会場として開催し、2023年で8回目となっています。収益は飼い主のいない猫の医療費などに活用され、またこのイベントは多くの人が訪れることによって、経済政策、観光政策ともなっています。千代田区ほど大規模ではありませんが、ほかの自治体でも、役所や公共施設を使い譲渡会を行う事例を聞いています。市は、どの程度公共施設で開催されている事例を把握しているかを伺います。
7番目、地域猫活動を支えているのは、猫の預かりなど、多くの人のボランティアと考えますが、費用面も含め、そろそろ限界に近づきつつあり、持続的に続けられるか疑問があります。東京都は医療保健政策区市町村包括補助保護事業を設け、従来の飼い主のいない猫対策緊急促進事業とは別に、地域における動物の相談支援体制の整備事業も対象としている、この補助事業を行っています。この事業は費用の10分の10を都が補助し、最大で年間1,000万円という内容となっています。また福祉保健局が実施していますので、東京都は公害対策だけではなく、福祉としての位置づけで行っていると言えます。
ちよだニャンとなる会では独自に資金を集め、保護猫カフェの運営を行う職員を複数名雇用していました。武蔵野市では、資金調達の課題はあるとしても、働く場としての意義もあると考えられるため、このような制度の活用などで支援を強化すべきではないでしょうか。現状の取組と今後の展望についてを伺います。
8番目、武蔵野市のウェブサイトにあるむさしの地域猫の会の活動についてのページには、「猫によるトラブルを減らし、人と猫が快適に共生できるまちづくりを目標」と書かれています。この目標については評価をいたしますが、猫以外のペットも含めて、この目標は長期計画のどの施策に位置づけられているのか、不明確に思えます。高齢者のペット飼育の課題も含めて、これまでの公害対策から地域福祉、動物愛護政策として目的を再考し、市の計画として明確に位置づけ、より拡充すべきではないかと考えますが、御見解を伺います。
3番目、学童クラブのお弁当について。
夏休みなど学校の長期休業時において、学童クラブで配食弁当を頼めるようにしてほしいとの要望を、保護者から多くいただいています。これはきくち議員からも質問がありましたので、多くの人が知っていることかと思います。夏休みには特に衛生面でも課題があり、また食育を重視する本市として、給食のない時期での食育や子どもの栄養バランスも考え、実施に向けて検討すべきと考えています。市内の学童クラブでは幾つかの学童クラブで実施されていると聞きますが、そのうちの一つである境南学童クラブ──正式には境南こどもクラブ──で保護者会──こちらも正式には父母会ですけれども──が実施されている配食弁当の様子を確認したところ、そう大きな課題はないと思いました。
そこで実施へ向けて、市の考えを以下質問いたします。
1、長期休業日など、市の学童クラブでお弁当の配食は現状でどの程度行われているか伺います。
2番目、境南学童クラブでは子ども用のお弁当を配食していることもあり、利用者の保護者へのアンケート結果を見ると、おおむね好評と言える内容でした。一方で、保護者が常に1人立ち会う必要があるため、このことを改善してほしいとの要望がありました。そこで、保護者の立会いをなくして配食ができないのか、課題を伺います。
現状で考えられるのは、アレルギーがあった場合の責任の所在、金銭と注文の管理、子どもが自らお弁当を食べることができるかなどですが、境南学童クラブの場合は、保護者の責任を明確にし、ネットを使い注文やキャンセルが可能で、クレジットカードで決済をしていました。実際に学童クラブへ伺い、この配食弁当の様子を見せていただきましたが、子どもが自ら届けられた弁当を取り出し、ほかの子どもと一緒に食べ、食べた容器を持ち帰ることができており、これらの課題は対応ができるものと考えられました。
一方で保護者が立ち会わない場合には、放課後児童支援員──以下支援員としますが──が届けられた保冷庫に入った弁当をクラブ室内に用意することや、食べ終わった後、保冷庫をクラブ室の外に出すこと、お弁当を子どもが食べ残していないかなどをチェックすることが必要と考えられます。現状ではこのような業務は支援員の仕事として位置づけられていないため、支援員がどこまでやるのか不明確なことが課題ではないかと考えられました。そこで、市としての実施への課題をどのように考えているかを伺いたいと思います。
3番目、八王子市や埼玉の越谷市では、市の給食施設を使い、学童クラブへ給食を提供しています。夏休みの5日間程度と期間が短いのは課題と考えますが、食育として考えると、一つの方法、選択肢として検討してもよいのではないでしょうか。そこで、保護者会が行うお弁当の配食を全学童クラブで実施できるようにするだけではなく、長期休業中の学童クラブの昼食を、食育の観点から子ども協会、支援員と連携し、どのようにしていけばよいのか、市として検討すべきではないでしょうか。御見解を伺います。
4番目、ユニバーサル遊具・ユニバーサル公園の周知について。
子どもに障害があるなしに関係なく一緒に遊べる、ユニバーサル公園やユニバーサル遊具が国内に広がり、武蔵野市でも今年4月1日にリニューアルオープンした中央高架下公園に、今年の夏以降、ユニバーサル遊具が設置される予定とされています。設置することは高く評価をしますが、障害児の保護者に伺うと、ユニバーサルと言われても利用者に意味が伝わるのかどうか、障害を持った子どもも一緒に遊べる公園、遊具であると明示してほしいとの意見を伺いました。配慮が必要かどうか、見た目には分からないこともあり、公園で一緒に遊ぶことにちゅうちょする例もあるのだそうです。そのために現実は一緒に遊べない子どもも何人かいる、こういう実態も伺っております。
そこで以下を質問いたします。
1番目、ユニバーサル遊具の設置について、どのような遊具にするかなどの方向性や関係者のヒアリングの状況など、現状を伺います。
2、この指摘のように、ユニバーサルと言われただけでは何の意味か伝わりにくいと考えられます。また使い方も伝わらないと考えられます。
府中にあるユニバーサル公園、もり公園にじいろ広場で確認したところ、あまり大きな看板ではありませんでしたが、配慮の必要な子もない子もみんなが楽しく遊べる公園であることや、「得意なこと、苦手なこと、好きなこと、興味があることなど子どもはひとりひとり違います。おもいやりをもって、ゆずりあって遊ぼうね!」と書かれていました。また、順番を待てない子どものために一定回数になったら替わることや、並ぶ場所、靴を脱いで遊ぶ遊具には靴を脱ぐ場所が、絵も使って分かりやすく表記されていました。
豊島区のとしまキッズパークでも、「小学校低学年までの子どもたちや障がいのある子どもたち向けの公園で、障がいのある子もない子も、一緒に遊べる「インクルーシブ公園」の第一歩です。豊島区は、この公園でたくさんの小さな子どもたちが遊んで学んで、そして、だれもがお互いを理解し合える場となることを目指しています」と表記されています。
世田谷区にある砧公園には、「この広場が目指すのは、障がいのある子もない子もみんながたのしく遊べること。そしてこの場所が、子ども同士はもちろん、大人のみなさんにとっても、多様性を身近に感じる、新しい出会いの場になることです。だれもがお互いに尊重し合い、いきいきと暮らす社会へ、みんなで歩いていきましょう」と書かれています。
東京都建設局の「だれもが遊べる児童遊具広場」整備ガイドラインには、「広場の整備趣旨に関する表示は必要である。ただし、ことさら趣旨を強調するような表示は避ける」と書かれています。
そこでこのような表記を、当事者、保護者などから話を聞いて実施していくべきと考えますが、御見解を伺います。
4番目、特別支援学級がないような学校では、障害を持った子どもと接することが少なく、対応に戸惑うことがあるとの意見も伺いました。中央高架下公園周辺の小・中学校、幼稚園、保育園などにユニバーサル公園・遊具について知ってもらうことを、市として行うべきではないでしょうか。御見解を伺います。
5番目、ユニバーサル公園やユニバーサル遊具を市内のほかの公園にも拡充していくべきと考えますが、御見解を伺います。
以上、壇上での質問を終わります。