令和5年第2回定例会

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本間まさよ
本間まさよ
日本共産党武蔵野市議団現職

5506◯21番(本間まさよ君)  子どもの育ちを保障する保育制度の構築を求めること等について、一般質問をいたします。
 最初に、保育制度の課題と改善を求めることについてです。
 岸田首相が掲げる異次元の少子化対策の3本柱の一つが、保育サービスの充実でした。ところが、子育て施策の焦点だった保育士の配置基準は変えず、運営費を増額するという限定的な手法にとどまる姿勢に変更しました。これでは、全ての保育所で保育士が増員されることにつながりません。配置基準は、保育所の運営、認可に必要とされる保育士数の最低基準です。保育の質の向上には重要な課題です。昨年9月に静岡県で起きた通園バスの3歳女児置き去り死や、各地で起きている保育現場での虐待の背景として、限られた人数で余裕が失われているのではないかとの指摘もあります。
 日本の保育士の配置基準は、戦後間もない1948年に定められました。現在国の基準は、保育士1人に対し、ゼロ歳児は3人、1・2歳児は6人、3歳児は20人、4・5歳児は30人となっています。1・2歳児は半世紀以上、4・5歳児は1948年に基準が定められてから、一度も見直しが行われていません。
 このような状況の中、武蔵野市議会は一昨年、第4回定例議会で、国に向け、保育士の増員、処遇改善を求める意見書を、賛成多数で可決することができました。武蔵野市議会の意見書可決後、全国で同様の意見書提出が広がり、今、子どもたちにもう一人保育士をの運動が広がっています。
 質問に入ります。保育士の配置基準の改善を求めることについて伺います。武蔵野市は、先ほど述べた国の基準に上乗せをし、保育士の配置基準を定めています。具体的には、1歳児、国基準は保育士1人に対し園児6人ですが、武蔵野市は5人。3歳児、国基準は20人ですが、武蔵野市は15人です。4歳児、国の基準は30人ですが、武蔵野市は28人となっています。武蔵野市が独自に認可保育園の保育士配置基準を定めた目的、考え方についてお伺いいたします。
 また、武蔵野市が独自に保育士を配置したことによる市の人件費の支出についてお伺いいたします。
 2点目、子どもの成長と発達を保障し、安全性の確保など、保育の質を守るために、保育士の役割は大事だと考えます。市長の見解を求めます。
 3点目に、保育園は遅番、早番、延長保育など、子どもたちと保護者の働き方に対応し、保育が行われています。保育士の仕事は、毎日の保育とともに、保護者への連絡ノート、日誌、園便りの作成、アレルギー対応や、さらに子どものうつ伏せ寝等の突然死を起こさないために、お昼寝のときには5分置きに呼吸や体の向きのチェック、新型コロナ感染拡大の中、保育中も子どもたちに密をつくらない環境に心を砕き、子どもたちが使ったおもちゃなどの消毒をするなど、保育の業務は増える一方です。
 社会状況は大きく変化し、仕事量は増えているのに、変わらないのは保育士配置基準です。日本は現在、3歳児から5歳児に対する配置基準が、OECD調査国の中で最下位です。国に対して保育士を増やすために、配置基準の見直しを求めることを求めます。市長の見解を求めます。
 2点目に、保育事業への株式会社参入と新たな規制緩和への影響。世田谷区の50%ルールの重要性についてお伺いいたします。
 2000年、郵政民営化を進めた小泉首相は、民でできることは民でをスローガンに、公務分野の民営化を積極的に進めました。保育についても、それまで認められていなかった営利企業、株式会社の参入を解禁し、それに伴い規制緩和や基準の弾力化を進めました。株式会社の参入は2010年以降に本格化しました。株式会社の保育園への参入を解禁した2000年、政府は参入を促す切り札として、民間保育園の運営費、委託費を弾力運用できる規制緩和を実施しました。企業が利益を上げられるようにするためです。
 運営費、委託費は、もともと人件費、事務費、管理費、この3つは別に管理をしていた費用として運用されていましたが、規制緩和によって3つの費用を相互利用できるようにしました。そのほかにも、弾力運用の基準を満たせば施設会計から法人本部会計に繰り入れられるなど、系列の保育園や新規の保育園を建てるための資金などにも利用できるようにしました。その結果、人件費に資金を回す割合を減らした保育園も多く、これが保育士の低賃金の要因とも言われ、離職率の高さも加速しました。
 1点目の質問としてお伺いいたします。株式会社の市内認可保育園の2022年度の人件費比率の状況について伺います。武蔵野市内に株式会社が運営している保育園は何件あり、事業収入、委託費プラス補助金に占める人件費の割合を、30%台、40%台、50%台、60%台、70%台と、それぞれ何件かお示しください。
 また一番高い人件費の割合だったのは何%で、一番低い保育園は何%だったのか、お伺いいたします。
 2点目に、株式会社の保育園の人件費の割合が低い実態がありますが、武蔵野市はどのように認識しているのか、お伺いいたします。弾力運用に加えて、配置基準ぎりぎりで、正職員を少なくし、非正規を増やせば、人件費比率は下がります。市はどのように指導しているのでしょうか。社会福祉法人立で、配置基準の約2倍の保育士を配置し、保育の質を確保する努力をしているところもあります。
 質問の3点目です。人件費を低く抑え、他に資金を回すことができる弾力運用について改善すべきと考えますが、市長の見解を求めます。
 4つ目に、次に世田谷区が実施している──これは仮称ですが──世田谷区の人件費50%ルールについてお伺いいたします。世田谷区は保育の質を維持、向上させるために、民間保育園に対し、人件費比率50%未満の保育園に対しては補助金を止めるルールを持っています。私はこのルールについては前市政のときにも議会で紹介し、武蔵野市も実施すべきだと求めました。国は、人件費比率は70%以上が望ましいとしています。武蔵野市のルールとしても、最低でも60%を確保すべきだと考えますが、改めてルールを採用することを求めます。答弁をお伺いいたします。
 世田谷区では保育の質を確保するために、保育園運営要綱の中で、人件費の割合は50%以上を求めています。その結果、人件費50%以下の保育園はないとのことです。万が一、保育園の決算書で50%以下が明らかになったときは、区の補助金を返還させるということですが、こうした事例はないということです。ですから人件費を50%以下にしたからといって、区内で保育園が撤退することはないということです。
 保育士の離職率の高さは、1に低賃金、2に仕事量の多さと言われています。武蔵野市は子どもの権利条例を制定しました。子どもの権利条例を進めるためにも、職員の処遇と配置基準の改善は待ったなしだと思います。
 3点目に、保育園の園庭の有無等についてお伺いいたします。保育園の設備及び運営に関する基準は、ゼロ・1・2歳児、1人につき3.3平方メートル、2歳児以上、1人につき1.98平方メートル、園庭は1人当たり3.3平方メートルという基準になっています。園庭は幼稚園や認定こども園は必ず必要となっていますが、保育園は、近隣の公園を代替園庭とできると規制緩和されたことにより、武蔵野市内でも園庭のない保育園があります。また、都内には代替園庭が8園も重複している保育園もあると聞きました。
 質問の1点目として、園庭の有無について運営主体ごとにお示しいただきたいと思います。公立、協会立、社会福祉法人立、株式会社立、NPOです。
 2点目に、代替園庭が重複している保育園は武蔵野でもあるのでしょうか。異なる施設が1つの公園を代替園庭としている数をお伺いいたします。
 日本の保育はただいま取り上げた課題だけでなく、保育居室面積の狭さや、公立保育士の人件費カットや、公立保育園そのものの廃止など、問題は山積みだと考えています。
 4つ目、次に株式会社が運営する市内保育園の不正受給問題についてお伺いいたします。この問題については、選挙前の4月に文教委員会の懇談会が開かれました。その時点ではまだ詳細が明らかになっていないということでしたが、その後、運営事業者等から説明があったのでしょうか、お伺いいたします。保護者への説明、また市の対応についてもお伺いいたします。
 2点目に、新聞報道によりますと、問題の保育園は市内の設計事務所が設計し、八王子市内の建設業者が建設を行った。保育園側が依頼した弁護士による調査報告によれば、補助対象外の外構工事費を補助対象の本体工事に組み入れた。補助金申請後に実際の工事費を1,000万円減額し、建設会社から保育園運営会社へ返金された。当時の理事長が編集委員を務める市民運動新聞に広告料500万円を還流とありますが、これらは事実なのか、お伺いいたします。
 3点目に、この事件を受けて、小金井市では2016年以降に新規開設や増設した市内の保育所を再調査し、当該の32施設中、10施設8法人に補助金を過大支給していたことが明らかになりました。最大額は1施設で1,768万円だったことも公表しています。武蔵野では、当該保育所以外の他の保育所も含め、新たに市が調査したものはあったのかどうか、結果と、今後の調査の予定もあるかどうかも含め、お伺いしたいと思います。
 この問題が起きた背景に、自治体の人員や体制の問題を指摘する専門家の意見もあります。この点についてもお伺いしたいと思います。
 大きな質問の2点目は、子ども医療費無償化に対する国保のペナルティについてです。政府は子ども医療費無償化を実施した自治体に、ペナルティとして国保の国庫負担金を減額してきました。今回減額の廃止を打ち出しましたが、これは当然の対応と言えます。質問としては、子ども医療費無償化に対する減額措置の武蔵野における全て、総額が幾らだったのかをお伺いいたします。
 大きな質問の3点目です。物価、電気代高騰から市民の暮らしを守ることについてお伺いいたします。今回の補正予算で、保育・福祉施設等への市独自の助成を継続したことを評価いたします。
 質問の1点目としては、物価高騰が続く中、6月から電気代が値上げになったわけですが、市民への影響について、市長の見解、認識をお伺いいたします。
 2点目としては、これから暑い夏が始まります。クーラーの使用を控えるなど、命に関わることも想定されます。これらの対応について、市長の見解をお伺いいたします。
 大きな質問の4点目は、市営住宅の連帯保証人廃止についてです。
 国は2018年、2020年に、2度の通知等で、公営住宅の事業主体である自治体に、保証人の確保を公営住宅への入居のときの前提にすべきではないとの立場を示しました。武蔵野市は2020年3月議会で市営住宅条例の一部改正を行った際に、保証人の保護及び保証人が得られない場合の対応などが盛り込まれましたが、連帯保証人は継続しました。その時点では5割の自治体が連帯保証人制度は継続する方向であり、滞納抑制の効果もあり、廃止はしないが、状況が変わる中で考えたいとの見解が示されました。都営住宅は既に保証人は不要になっています。
 今年2月時点で、東京・多摩地域26市中、20市は保証人を不要としています。存続しているのは武蔵野市を含めて6市となりました。廃止を決定した自治体では、連帯保証人が形骸化しているのではないか、保証人に通知を送っても反応があるのは少数、反応があっても回収できたのは1割程度であり、制度として成り立っていないため廃止に至ったとのことでした。また廃止を決めたもう一つの自治体は、家賃滞納等の生活上の課題については、滞納を生活困窮のSOSと捉えて、住宅課だけでなく市役所関係各課も加わり、課題解決に向けて取組を行うということでした。
 こうした経過を踏まえ、質問をいたします。
 1点目に、連帯保証人へ通知した昨年度の案件数、そのうち連帯保証人から連絡をいただいた件数と連帯保証人からの家賃の回収件数及び回収率をお伺いいたします。
 2点目に、家賃滞納が明らかになった場合、そこには何らかの要因があるはずです。連帯保証人から回収するというだけでは、これでは問題の根本的な解決にはなりません。滞納者に対しては、関係課による見守りや生活支援体制等の整備こそが必要だと考えますが、見解をお伺いいたします。
 3点目に、市営住宅の連帯保証人制度は廃止すべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
 以上、大きく分けまして4点の質問をいたしました。答弁をよろしくお願いいたします。

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