
大野あつ子
映像ID: 2505
温故知新、歴史に学ぶ市民参加等について
・公文書管理の強化について
・市民参加の歴史を踏まえた、住民投票制度の検討について
・歴史・文化(サブカルチャー含む。)
・芸術を軸にしたシティプロモーション戦略について
・ひきこもり支援、生きづらさ支援の場の強化について
5860◯3 番(大野あつ子君) おはようございます。市議会公明党の大野あつ子でございます。
温故知新、古きをたずねて新しきを知る。この9月1日は、関東地方に甚大な被害を与えた関東大震災が発災してから100年の節目となりました。当時は特に火災でお亡くなりになった方が多かったことから、その教訓を生かしながら都市計画や防災計画がつくられたと聞いております。三鷹市にある国立天文台は、手狭になった麻布から三鷹への移転が10年ほど前に決まっておりましたものの、遅々として進んでいなかったのですが、この関東大震災によって麻布の東京天文台が大きな被害を受けたため、一気に三鷹への移転が進み、翌1924年──来年が100周年になります──9月1日、移転が完了し、三鷹の東京天文台がスタートしたのだそうです。国立天文台のシンボルである65センチの屈折式赤道儀は、鏡筒が10メートル以上あり、ドームの直径は15メートルと、圧巻の大きさです。昭和4年に設置され、現在は静態展示されています。100年前にこれをドイツから輸入し、組み立て、観測をした研究者たちの思いを感じることができますし、大正初期、日本の天体望遠鏡の技術は大きく遅れており、100%輸入するというところから始まっております。歴史は様々なことを私たちに語りかけてくれます。
さて、現在、武蔵野ふるさと歴史館では「戦争と武蔵野IX〜TargetからGreen Parkへ〜」という企画展が7月29日から9月28日まで開催されており、併せて開かれた「地域における占領期資料の調べ方」という講演会に参加させていただきました。昨年、文教委員会としても研修会を開かせていただき、武蔵野市の公文書管理が、現有文書については武蔵野市文書管理規則、非現有文書については武蔵野市歴史公文書等の管理に関する条例を根拠とし、公文書館を設置し、アーキビストも設置されているという、大変にしっかりとした文書管理体制を組んでいただいていることに、歴史を大切にする先達の知恵、また、財政措置をしてくださっていることに感謝するところであります。
まず、大きな質問の1つ目、公文書管理の強化について。
武蔵野市の歴史を正確に後世へ残すために、公文書を的確に保存していくことが重要であると考えます。近年はデジタル化が当たり前になったので、紙の文書と同時にデジタルデータがありますが、ほんの数十年前の文書は手書きなので、紙の文書のみです。紙は経年劣化してしまうので、早期に市役所、教育委員会、議会、武蔵野市全体の過去に遡った文書のデジタル化を計画的に進めていかなくてはならないと考え、以下質問をいたします。
1−1、ふるさと歴史館に配置されている、国立公文書館の公的認証を受けたアーキビストについて、現在の本市での役割や広域での役割がどのようなものなのか、今後どのようなことに取り組まれるのか、伺います。
1−2、市民の皆様が、所蔵資料を閲覧しやすくするための所蔵資料の電子化やオンラインデータベースへの掲載状況について、現在の進捗と今後の展望を伺います。
1−3、次の設問でも触れますが、故西尾 勝先生がおっしゃるとおり、武蔵野市民の自治の意識は大変に高いと認識しております。例えば、現在、吉祥寺のイーストエリアでキャバレービルの問題がありますが、まず市民の皆様から声が上がり、それに応じる形で私ども議員も議連を結成し、対応を続けております。その中で、皆様からのお話には度々、近鉄裏が出てきます。まさにそれは住環境を守るために立ち上がった市民自治の姿ではないかと感じております。その当時のことを知ろうと思うと、公文書だけでなく、市民が作成したチラシ等の揮発性が高い文書の扱いをどうするのか、また、公文書館だけではなく、議会が保存している資料、担当課が保存している資料、市政資料コーナーにある資料など、資料は点在しており、また、電子化を進めるにしても単年度でできるものではないので、数年計画になると考えると、市民の共有財産である公文書を適切に保存し活用できるよう、公文書管理全般についての指針や行政計画が必要ではないでしょうか。お考えを伺います。
大きな設問の2つ目、市民参加の歴史を踏まえた、住民投票制度の検討について。
2022年2月28日の一般質問において、自治基本条例(仮称)に関する懇談会の第15回の中で、成立要件について話し合っているところの西尾先生の言葉を引用させていただきました。この懇談会において、西尾先生は、「武蔵野市民の自治に対する意識は高いと思っていますが、それはたくさんの市民が関心を持っているということではないと思います」、「関心の高い、コアになっている市民たちがいる」という表現をされ、このように西尾先生がおっしゃった武蔵野市民が、様々な課題が起きたとき、市長や議会に対してどのような働きかけをし、どのように歴史を動かしてきたのか。旧クリーンセンター、武蔵境の開発など幾つかの象徴的な事例について、武蔵野市民はどのように政治参加をし、どのように課題解決をしてきたのか。
一般論ではなく、武蔵野市民の自治の歴史として整理し、明示するべきではないでしょうか。その歴史観に立って、今後、住民投票条例について整理していく必要があるのではないでしょうか。現在、住民投票制度に関する有識者懇談会において論点整理をしていただいておりますが、市民が必要なのは、学問としての住民投票制度ではなく、脈々と続けられてきた市民参加の歴史を踏まえ、武蔵野市民が必要な政治参加の在り方、武蔵野市民に特化した住民投票制度の論点整理が必要なのではないかと考えますが、御見解を伺います。
大きな設問の3つ目、歴史・文化(サブカルチャーを含む)・芸術を軸にしたシティプロモーション戦略について。
武蔵野市第六期長期計画109ページにおいて、行財政分野の基本施策2に、武蔵野市らしさの追求とシティプロモーションの推進として記載していただいております。また、第二期武蔵野市観光推進計画の14ページに、武蔵野市の観光が目指す姿として、「個性豊かで多彩な魅力があるから訪れたい、住み続けたいまち」「武蔵野市の観光は、名所・旧跡を見物するだけではなく、ショッピング、グルメ、音楽、アート、武蔵野の水と緑、アニメ、漫画など、多様な観光資源を特別な思い入れを持って楽しめることも大きな魅力となっています。そしてこれらの観光資源は、来街者だけが楽しむのではなく、武蔵野市で暮らす市民にとってもまちの魅力を実感できる大事な地域資源であり、日々の暮らしを豊かにするものでもあります」と書いていただいてあるとおり、歴史、文化(サブカルチャー)、芸術、水と緑が織りなす個性的で気品があふれる武蔵野市の魅力をもっとアピールするべきではないでしょうか。コロナ禍が一段落し、観光客が戻ってきている今だからこそ、シティプロモーション戦略を強化するべきではないかと考え、以下質問いたします。
3−1、本市のシティプロモーション戦略について、現況を伺います。
3−2、第二期武蔵野市観光推進計画において、官民によるプロモーションの強化が記載されておりますが、どのような取組がなされているのか。コロナ禍の影響や今後の展望について伺います。
3−3、本市には、旧赤星邸、中島飛行機武蔵製作所関連の戦跡、ユネスコの未来遺産に登録されている玉川上水・千川上水、北村西望氏のアトリエや作品など歴史的価値のある遺産、公の施設である吉祥寺美術館、吉祥寺シアター、武蔵野プレイスなど、さらに現代に活躍されている芸術家や漫画家、アニメーターの方々が拠点を置かれるなど、歴史・文化・芸術に関する資源が非常に多く、これらに重点を置いた面的なシティプロモーションを強化するべきではないでしょうか。御見解を伺います。
次に、大きな設問の4つ目、ひきこもり支援、生きづらさ支援の場の強化について。
本市においては、令和3年度より福祉総合相談窓口を設置していただき、ひきこもりを含めた相談を受けていただいており、ひきこもりサポート事業それいゆや、若者サポート事業みらいるなどの、ひきこもりの方々への支援事業、不登校や学校に行きづらい子どもたちへの支援などを先進的に行っていただいていることは、評価するところでございます。しかしながら、ひきこもりや不登校の当事者の多くがこの行政が用意した事業とつながっているかというと、ごく一部の方にしか届いていないのではないでしょうか。
そんな中でお話を伺うことができたのが、ひきこもりUX会議の方々でした。本市においても、幾つかの自治体と連携をして行っている、ひきこもり女子会を請け負ってくださっています。先日、武蔵野スイングホールで開催された会に参加させていただきました。そこには大変広域から多様な方々が集まっていらっしゃり、回を重ねるごとに参加者は増えているそうです。ひきこもりUX会議の方々の特徴は、スタッフの方々がひきこもり経験者であり、専門知識というよりは、自分たちのつらい経験の中から、ひきこもり当事者の気持ちをおもんぱかりながら寄り添い、励ましのメッセージを送ってくださっているから、その言葉が当事者の方々の心に届いているように思いました。病名がつくわけでもない、このひきこもりや不登校という状況。けれども、本人にとっては死にたいほどつらい状況だからこそ、官民連携をしながら寄り添う支援を強化できていけばと考え、以下質問いたします。
4−1、現在、ひきこもり支援については健康福祉部生活福祉課の福祉総合相談窓口が中心になり、不登校や学校に行きづらい子どもたちへの支援は教育部教育支援課が中心となって行っていただいておりますが、当事者の年齢が進んでいったときの連携はどのように行われているのか。また、せっかく人間関係や信頼を築けた担当者から別の担当者に替わってしまうのか。支援側の体制について、お伺いいたします。
4−2、ひきこもり支援、不登校や学校に行きづらい子どもたちへの支援では、当事者とつながることが困難な場合が多いですが、その一つのハードルとして、当事者にとって、普通に社会活動をしている担当者は、上から目線で話す人のように映ってしまうという意見があります。ゆえに、最初のステップとして、横や斜めの関係である、ひきこもりや不登校の経験者や当事者同士の任意の懇談の場が有効であると感じております。現在、本市が取り組んでいる当事者や家族に対するアプローチ、そして、その財源についてお伺いいたします。
4−3、ひきこもり支援は広域の対応が必要になってくると考えますが、現在の広域連携の状況、東京都との関わりについてお伺いいたします。
以上、壇上からの質問とさせていただきます。御答弁、よろしくお願いいたします。