
小美濃安弘
映像ID: 2511
障害を持った市民が住み慣れた地域で生活を続けられること等について
・障害を持った市民が住み慣れた地域で生活を続けられることについて
・株式会社Kによる保育所の施設整備に係る補助金不正受給事件について
5922◯17番(小美濃安弘君) それでは、一般質問を行います。
大きな1点目として、障害を持った市民が住み慣れた地域で生活を続けられることについて、お伺いいたします。なお、他の議員と質問が重複しているところもありますが、よろしくお願い申し上げたいと存じます。
昨年暮れ、20代の知的障害がある当事者とその御家族が2組、東京から遠く離れた地方都市に転居いたしました。転居の大きな理由は、当事者の男性が市内のグループホームや入所施設に入ることができず、この先も入所の見通しが立たなかったことだと聞いております。また今年に入り、やはり20代の知的障害がある当事者がお二人、武蔵野市を離れて他市の入所施設に入ることになりました。このお二人の当事者も市内の入所施設に入ることがかなわず、御家族が当事者の世話をするのに疲弊して、同居ができなくなったのが理由だと聞いております。
特に10代後半及び20代の障害がある当事者、そしてその御家族の中には、学校を卒業してからの生活に大きな不安を感じている方が多いようであります。また、現在は市内で生活を送れている障害当事者の中にも、このまま住み慣れた地域で暮らし続けることができるのか、それとも、いずれはやむを得ず市外に住まいを求めなければならないのかという不安を抱えながら、日々の生活を送っている方が多いと聞いております。
第六期長期計画の重点施策では、「全ての市民が、その年齢、状態、国籍にかかわらず、住み慣れた地域で、本人の意思に基づいて安心して生活が続けられるよう、保健、医療、福祉、教育等の地域生活に関わるあらゆる組織及び人が連携した、継続的かつ体系的な支援を行っていく。このことによって、高齢者、障害者をはじめ、全ての人が包摂され、一人ひとりの多様性が認められる、支え合いのまちづくりを推進する」と記されております。
また、令和3年3月に発行された武蔵野市障害者計画・第6期障害福祉計画の中で、松下市長は、「「障害のあるすべての人が住み慣れた地域社会の中で生涯を通じて安心して自分らしい生活を送るために」の実現に向けて、市民の皆さまと共に計画に掲げた事業を着実に実施できるよう努めて」いくと述べられております。
そこで、質問の1点目として、武蔵野市が長期計画、または障害者福祉を推進するに当たって、先ほど述べました、障害のある全ての人が住み慣れた地域の中で生涯を通じて安心して自分らしい生活を送れるということが、武蔵野市の基本的な方針と考えてよいのか、改めて見解をお伺いいたします。
2点目の質問として、やむを得ず、障害がある市民が都外施設に入所することが続いている現状に対して、市長はどのように考えているのか、見解を伺います。
平成31年3月1日、武蔵野市では初めて入所施設などを備えた障害者支援施設、わくらす武蔵野が開設いたしました。主に重度の知的障害や重度心身障害のある方を対象とした施設であり、障害をお持ちの当事者、御家族から大変評価の高い施設となっております。しかし施設入所者数が、体験入所を含めて40床と数に限りがあり、常時入所待機者が発生している状況であります。
本年6月28日、「わくらす武蔵野」待機者名簿の登録についてという案内がありました。重度の障害がある当事者の方、またその御家族にとっては、ビッグニュースだったと聞いております。
そこで、3点目の質問であります。今回の待機者名簿の登録に関して、何名分の応募があったのでしょうか。また応募された方は全員漏れなく登録されたのでしょうか。現状を伺います。
わくらす武蔵野では、空床が出た際には登録者名簿の中から選考するということになっております。そしてその際、必要に応じて待機者の現況調査を行うことになっております。御家族や本人、市の障害者福祉課への聞き取り調査を行い、社会福祉法人武蔵野と第三者委員で構成する利用者調整会議で決定することになっています。障害がある方やその御家族の方にとって、わくらす武蔵野に入所できるかどうかは、引き続き武蔵野市内で生活が送れるかどうかという、大変重要な問題であります。
例えば保育園の入園申請は、ある程度申請者自身が点数計算でき、入園できるかどうかの予測ができますが、わくらす武蔵野の場合はどういう基準で入所が決定されるのでしょうか。保育園のように、ある程度障害当事者、または御家族が入所できるかどうかの判断がもしできるとするならば、様々な選択肢を広げることにつながると考えております。
そこで4点目の質問です。当事者や所管課への聞き取り調査後、利用者調整会議では、どういったことを基準に入所決定されるのでしょうか。分かる範囲で結構ですのでお伺いいたします。
先日、重度の知的障害がある方の御家族からお話を聞く機会がありました。そのお話によりますと、学校に通学しているときは家族ともに市内で比較的安定した生活が送れるものだが、高校を卒業してからの生活から様々な問題が生じてくるということでありました。場合によっては御家族が当事者のお世話に疲弊して、同居ができなくなることもあるようであります。できれば、高校卒業と同時に入所施設やグループホームなどに入れるという選択肢があればよいと、訴えを聞かせていただきました。
現在わくらす武蔵野の入所要件は、知的障害の場合、原則として18歳以上65歳未満となっております。高校卒業と同時にわくらす武蔵野に入所するには、現在の基準に照らすと、たとえ高校3年生であっても、申請時に18歳未満だと待機者名簿に登録することができません。
そこで5点目の質問です。現在、原則18歳以上としているわくらす武蔵野の待機者名簿への登録年齢条件を、高校3年生の卒業見込み者まで拡大することについて、市の見解をお伺いいたします。
わくらす武蔵野以外にも障害者を対象とした入所施設が増設できればよいとは考えますが、敷地の確保、事業者の選定など、市内ではそう簡単なことではないと思っております。
一方、障害がある当事者が地域で生活する手段としては、グループホームという選択肢もあります。第6期障害福祉計画では、住み慣れた地域の中での生活が継続できるよう、市の未利用地の活用なども含め、民間事業所などを活用して支援を推進すると記されており、令和5年度のグループホーム入所者の目標値を1か月当たり250人としております。
そこで6点目の質問です。現在のグループホームの利用人数は何名でしょうか。障害の種類、また重さ別にお伺いをいたします。
グループホームを新設することも、入所施設同様、土地の購入費、建設費、維持費などを考えると、現実的にはそう簡単なことではないと考えています。第6期障害福祉計画に書かれているように、市の未利用地を有効活用して様々な施設を整備していくことなども有効な手段かもしれません。しかし一方、市内には、現状では人が住んでいない空き家状態の家が多数存在しております。そういった家を借り上げ、グループホームとして有効活用する方法も考えられるのではないでしょうか。
そこで7点目の質問であります。市が把握している、現在人が住んでいない空き家状態の家などを、市が福祉関係の事業者に紹介するなどして、グループホームの増設につなげることはできないでしょうか、見解をお伺いいたします。
さて、グループホームや入所施設は住まいの場としても重要でありますが、本人が希望した場合には、そこからさらに地域に出て自立をしていく場にもなります。入所施設、グループホームが全体的に不足している現状、また、団体生活を得意としていない障害がある方が地域の中で自立生活を送るというのも、住み慣れた地域で生涯生活し続けるという点では、今後の重要な選択肢の一つだと考えております。
そこで8点目の質問であります。グループホームや入所施設に入っている当事者の方、また団体生活を得意としない当事者の方が地域に出て自立生活を望んだ場合、市は基本的にどのような方針で臨んでいくのでしょうか、見解をお伺いいたします。
現在、重度訪問介護を利用して市内で自立生活を送っている、重度の知的障害がある方がいらっしゃいます。しかし重度訪問介護を市が認めたのは、ごく僅かだと聞いております。
そこで9点目の質問であります。市は、現在何件の重度訪問介護を認めているでしょうか。また、今後重度訪問介護の利用を拡充していく考えがおありでしょうか。見解をお伺いいたします。
障害がある方が市内で安心して住み続けられるためには、御家庭での生活、入所施設、グループホーム、地域での自立生活など、様々な選択肢があることが重要だと考えています。そしてそれらを実現させるためには、各種支援体制が必要であります。現在、第7期障害福祉計画の議論が進んでいることと存じますが、障害の重さ、種類にかかわらず、障害がある当事者の方々が、住み慣れた地域の中で安心して自分らしい生活を送れることができるような計画になることを願い、大きな1点目の質問を終わります。
大きな2点目は、株式会社Kによる保育所の施設整備に係る補助金不正受給事件について質問をいたします。この件につきましては前回の一般質問でも取り上げましたが、まだ真相解明には程遠い状況だと考えております。この事件は、単に不正受給分が市に返金されればおしまいというものではないと考えています。
去る8月18日、自由民主・市民クラブ、市議会公明党、日本維新の会武蔵野市議団、会派に属さない議員1名の連名で、市長に要望書を提出させていただきました。要望書の要旨は、今回の補助金不正受給事件は、保育所を運営する会社のコーポレートガバナンス、コンプライアンス意識の欠如が起因であり、その責任は代表取締役のS氏が負うものと考える。意図的に補助金制度を悪用することは許されないことであり、厳しい社会的非難を免れないとし、以下具体的な要望を市長に求めました。
1つ、単に経済的制裁にとどまらず、各関与者に相当の社会的制裁を科すべく、例えば刑事告訴、被害届を含め、厳正に対処されること。2つ、議会及び市民に対する説明責任を果たすこと。以上の2点であります。
そこで1点目の質問であります。今回の事件を受けて、現在保育所の運営会社の対応はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
2点目として、要望書では、例えば刑事告訴、被害届を含めた厳正なる対処を望んでおりますが、これらについて市長の考えをお伺いいたします。
3点目として、議会、市民に対する説明責任をどのように果たしていくのか、見解をお伺いいたします。
この事件は、武蔵野市に限らず他の自治体にも被害が出ており、大きな事件に発展する可能性が大であります。今後は他自治体とも連携して、真相究明及び社会的責任を求めていくよう要望いたしまして、一般質問を終わります。