5982◯市 長(松下玲子君) 東山あきお議員の一般質問に順にお答えをしてまいります。
まず、1の(1)についてです。スタートアップ、創業支援について。関係機関での支援も含めたむさしの創業・事業承継サポートネット全体では、コロナ前は500名弱、コロナ後は300名前後を支援し、創業者数は毎年100名前後です。
事業承継支援については、市が事前予約制で受け付けている相談窓口に、令和3年度は3件、令和4年度は4件の相談がありました。
平成26年に立ち上げた本サポートネットは、創業支援だけでなく、令和3年10月から、専門機関による出店個別相談や事業承継個別相談を開始し、さらに、市内インキュベーション施設の認定も行うなど、支援機能を充実させてきており、創業者や事業者のニーズに幅広く対応できる体制を取っていると評価しています。
課題として、創業については、増加傾向にある創業希望者に対する相談受入れ体制の拡充、事業承継については、支援を必要とする事業者の把握や掘り起こしが困難なことが挙げられます。
次に、(2)についてです。丸森町や長野県での支援策は、それぞれの地域特性に応じた魅力的な支援策だと感じました。本市においては、類似の施策として、平成26年に立ち上げたむさしの創業・事業承継サポートネットによる支援をしているほか、平成28年から30年にかけての3年間、創業支援施設整備事業を実施し、市内4か所の創業支援施設の設立に補助を行うなど、本市の産業構造や地域特性に応じた支援を実施しています。今後も、むさしの創業・事業承継サポートネットの取組を進めていきますが、新たな支援金等の制度は、現時点では考えておりません。
なお、法人事業税は都道府県税であり、武蔵野市で課税免除を行うことはできかねます。
続きまして、(3)についてです。マッチング支援まで行うことの重要性は認識しており、本市においては、むさしの創業・事業承継サポートネットにおいて、北秋田市と同様の連携協定を締結できているものと認識をしています。本サポートネットには、事業承継・引継ぎ支援センターをはじめ、日本政策金融公庫や地域金融機関も加わっているため、それら専門機関とも相談をしながら、引き続き情報の収集や必要な支援策の検討を進めてまいります。
続きまして、2問目の(1)と(2)については、関連があり、まとめてお答えをいたします。政策形成能力は、平成24年の人材育成基本方針の策定以前から重要視しています。そのことを明文化したものが、平成22年に制定した職員行動指針であり、人材育成基本方針です。また、法律の整備に先駆けて、市民の良好な住環境の維持を目指し、団体自治、住民自治を基本として市民の権利の保護に努めてきた経緯を踏まえ、自治基本条例第27条にも、政策法務の推進という形で規定をしています。第六期長期計画・調整計画計画案にも記載があるとおり、時代により変化し、多様化、高度化する公共課題に的確に対応し、本市の魅力と活力を高めていくためには、政策形成能力は必須のものと考え、人事評価の項目の一つにもなっています。現状、政策形成能力向上に関する研修といたしましては、係長職昇任資格認定研修での政策形成能力についての講習のほか、職層ごとの研修の中で企画提案力や判断力などの向上を図っております。
(3)についてです。令和2年度に実施をした交通量調査において、自動車のビッグデータを分析し、様々な自動車の変化や保有台数の変化など本市の交通実態の確認を行ったほか、通過交通量の傾向を調査するためにビッグデータを活用した実績がございます。
(4)についてです。組織設置による効果といたしましては、複雑化する課題や分野横断的な課題などについて、より専門的、機動的、弾力的な検討ができ、また、そうした政策研究プロジェクトに職員が参加することで、人材育成効果なども期待できるものと認識をしています。その例として、多摩・島嶼地域の市町村共同の行政シンクタンクとして設立された公益財団法人東京市町村自治調査会があり、調査研究、情報提供、共同事業、住民交流活動の支援などが行われ、人材育成の観点からも、市職員を同法人へ派遣をしています。本市では、同法人への派遣以外にも、各職員の政策形成能力向上のための様々な取組を行っており、単独での自治体シンクタンクの設置は必要ないと考えております。
続きまして、(5)についてです。現在のところ、データ分析に関する専門的な人材を採用する予定はございません。必要に応じて、国や民間機関で行われる研修等に派遣する形で対応してまいります。
続きまして、3問目の御質問の(1)についてです。市の基幹的な広報媒体である市報、市ホームページに加え、より市民にとって分かりやすく親しみやすい媒体、形式で情報発信することで、より伝わる広報を目指しており、各媒体の特性に応じて市政情報、イベント情報などを発信しています。
市の魅力発信については、主にインスタグラムを活用しています。令和4年度は、市制施行75周年記念事業として、市内のお気に入りの場所や風景などの写真募集キャンペーンを実施しました。また、今年度は、主要な事業の事前プロモーション手段として試行運用を行っております。
(2)についてです。X(旧ツイッター)、フェイスブック、インスタグラムの市公式アカウントの運用、コンテンツ制作は、市の職員が担っています。LINEについては、配信、自動回答等の機能使用のためのシステム利用料が、令和3年度決算額で184万8,000円、令和4〜5年度も同額を予算化しています。ユーチューブについては、ジェイコム東京で放送するテレビ広報むさしのシティニュースを動画配信していますが、この番組制作、動画配信について約2,000万円を予算化しております。
(3)についてです。公式LINEアカウントについては、配信、自動回答等の機能使用のため、外部事業者の管理用システムを利用しています。ジェイコム東京で放送するむさしのシティニュースをユーチューブで動画配信していますが、この番組制作については同社に委託をしています。それ以外の投稿作業等については、外部委託せず、市の職員が担っています。
(4)についてです。市から武蔵野記者クラブ員にプレスリリースを発出した後、それぞれの新聞への掲載回数、掲載率を集計しております。
(5)についてです。報道機関に市の魅力をまとめた資料などの送付は行ってはおりません。現在は、事業等の周知に係るプレスリリースの発出を行っております。
4番目の御質問の(1)についてです。本市の仕組みの特徴を御紹介しながら(1)の質問にお答えをしたいと思います。本市の事務事業評価制度の特徴は、事務事業の実績等詳細な情報を事務報告書など決算関連資料に委ねる一方で、事務事業評価制度そのものは、単なる評価に終わらせることなく、新たな事業を生み出す政策再編を意識しながら予算編成と関連づけている点にあります。令和3年度から新たな仕組みに移行しており、毎年春、3,000を超える事務事業について、各課の職員によるブレーンストーミングを実施しています。
府中市の事務事業評価シートは、非常に精緻である一方で、評価対象事務事業は400超と、本市と違って対象が大くくりである点や、必ずしも次年度予算及び事業計画に直結するものではありませんとなっており、どちらかといえば、評価制度単体として仕組みが構築されている点が本市とは異なると考えられます。
続きまして、(2)についてです。毎年各課で行うブレーンストーミングに始まり、行財政改革推進本部での審議、予算編成過程での検討などを経て、年度末に結果集としてまとめていますが、それぞれの作業時間は計測しておりませんが、作業量は多いと認識はしております。
(3)についてです。本市ではこれまで、事務事業の実績等詳細な情報を事務報告書など決算関連資料を通して明らかにしており、これらに加えて、3,000を超える事務事業全てについて評価シートを作成し公表することは、こちらは現実的ではないかなと考えております。
(4)についてです。全て事務事業は、議会の議決をいただいた予算に基づき執行機関が執行しています。事務事業を見直す場合も、二元代表制に基づき、長と議会が責任を持って行うべきであると考えます。特に、執行機関の事務執行について監視及び評価する議会の関与が重要であり、外部機関の活用については慎重であるべきと考えております。
以上です。