
宮代一利
映像ID: 2518
インクルーシブ教育、安全・安心のまちづくり、適正な契約について
・インクルーシブ教育について
・安全・安心のまちづくりについて
・適正な契約について
5991◯6 番(宮代一利君) 6番、ワクワクはたらく、宮代一利です。よろしくお願いいたします。
まず1番目、インクルーシブ教育について。
天畠大輔さんにお目にかかる機会に恵まれました。御存じの方も多いと思いますが、14歳のとき、若年性急性糖尿病により、救急搬送された病院での処置が悪く、心停止を起こし、約3週間の昏睡状態後、後遺症として四肢麻痺、発話障害、視覚障害、嚥下障害など重複障害を抱えています。立命館大学で博士号を取得しております。専門は当事者研究、障害学、社会福祉。現在は参議院議員となっています。病院で寝たきり状態が続き、言葉を発することができず、コミュニケーションの手段を奪われてしまっていました。母親の懸命なアプローチにより、ついに「あ、か、さ、た、な話法」を編み出しました。天畠さんの手記によると、一番最初の頃、ほかに手も動かないし、舌を動かすことによりサインを出すというやり方をしていたというふうに記載がされています。「あ、か、さ、た、な、は、ま、ま、み」、「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、や」、「あ、か、さ、さ、し、し」、「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、ら、り、る、れ、ろ、ろ」、これで「み、や、し、ろ」という私の名前が出来上がる、これを「あ、か、さ、た、な話法」といっていますが、今は、舌でのサインではなく、恐らく指先が力が入るようになっていて、私どもがお目にかかったときに、サポーターの方がいらっしゃっていて、その方を通して、今のような言葉がどんどんと紡がれていく、そういった「あ、か、さ、た、な話法」というものを編み出しております。今の御説明でお分かりいただいたとおり、時間は大変かかりますが、しかし、しっかりと意思疎通を取ることができました。
天畠さんに会う機会に恵まれ、事前にどんな方なのかということを調べている中で、NHK障害福祉賞というものを知りました。その内容の紹介には、障害のある人御自身の貴重な体験記録や、障害児・障害者の教育や福祉の分野での優れた実践記録などに対して贈るNHK障害福祉賞。半世紀にわたり1万3,000余りの手記が寄せられてきました。長年この賞の選考委員を務めてきた作家、柳田邦男さんは、それを人間理解の宝庫だと言います。人生で直面する壁を文字に書くことによって乗り越えた人々の体験から、私たちは何を酌み取ることができるのでしょうかとあります。受賞作品が公表されており、この夏、たくさんの作品を読みました。それぞれの障害には病名が付されています。しかし、作品を読んで感じるのは、状況も、本人の感じ方も千差万別であること、それぞれの人生を生きているということ、障害者として一くくりにするものではないと改めて強く感じました。
インクルーシブとは、包み込むような、包摂的なという意味です。ソーシャル・インクルージョンとなると、社会的包摂、社会の構成員として包み、支え合うという社会政策の理念から来ています。とても大切な理念で、武蔵野市でもそういった社会の形成を目指していると信じています。
こういったインクルーシブな社会を形成するためには、インクルーシブ教育が不可欠であります。子どもから大人まで、全ての人がこれを学ぶ必要があります。世界では国によって取組方も全く異なっています。これまでインクルーシブ教育についてディスカッションを重ねてきましたが、再度この点について、以下質問をします。
質問1の1、インクルーシブ教育システムについて。第六期長期計画の用語集にインクルーシブ教育システムがあります。インクルーシブやインクルーシブ教育は、この用語集にはありません。インクルーシブ教育システムということが特別な概念なので、あえて用語集に掲載していると想像されます。改めて、言葉の定義とその実態について確認するために質問します。
1)インクルーシブ教育システムとフルインクルーシブ教育の違いについて伺います。
2)インクルーシブ教育システムの実施状況について伺います。神奈川県愛甲郡愛川町で実施されているインクルーシブ教育について御紹介いたします。愛川町教育委員会指導室の室長、菅沼知香子様は次のように説明しています。外国にルーツのある子どもたちが多いのも事実ですが、最近では発達障害など特別な支援を要する子どもたちが非常に多くなってきている現実もあります。外国にルーツのある子どもたちと同時に、そうした子どもたちへのサポートも必要になってきています。そのため、愛川町では、2年ほど前からインクルーシブサポーターを配置しています。支援が必要な子どものために配置される人たちは、介助員と呼ばれていることが多いようです。しかし、愛川町ではインクルーシブサポーターと名づけています。介助員というと、対象の子の面倒だけを見ていればいいと解釈されますが、インクルーシブサポーターは、対象の子だけでなく、困難な場面で困っている子どもたちをサポートすることになっています。そこには、外国にルーツを持つ子どもたちや特別支援の子どもたちだけでなく、日本人の普通の子どもたちも含まれています。つまり、特定の子だけを対象にするスポットのインクルーシブ教育ではなく、面のインクルーシブ教育ですと説明をしています。
質問の3)です。今御紹介した、面のインクルーシブ教育についての御見解を伺います。
質問1の2です。特別支援学級について。次に、具体的な教育として、日本で実施している特別支援学級について考えていきます。
1)特別支援学級と特別支援学校の違いについて伺います。子どもの進路を考えるとき、特別支援学級、特別支援学校があり、もちろん通常級への登校という選択肢もあります。
2)です。特別支援学級を選択、決定するプロセスについて伺います。この質問については、昨日の山本議員の一般質問で全く同じ質疑がありました。その答弁は、まず就学相談があり、本人、御家族と相談員との意見が合わない場合は、さらに面談、検査、観察を経て、委員会で検討を行う。その結果を報告し、それでも方向性が合わない場合は、校長先生との面談となるというものでした。この答弁をベースに質問をいたします。
(1)です。この委員会では何を検討するのか。その際の検討の基準はどう定められているのか。
(2)です。委員会における結果とはどのようなものを指しているのか。
(3)校長先生とは、どの学校の校長先生なのか。
質問の3)です。武蔵野市の特別支援学級の課題について伺います。
次に、大きな2番、安全・安心のまちづくりについて。
武蔵野市つきまとい勧誘行為の防止及び路上宣伝行為等の適正化に関する条例──以下、「条例」と言います──が改正強化されました。さらに、条例に基づく勧誘行為等の適正化特定地区──以下、「特定地区」と言います──の区域の見直しの検討が続いています。市民意見交換会では、近隣にお住まいの住民の皆さんから厳しい発言が相次ぎました。条例改正以来、一般質問において市長のお考えを伺ってきました。これまでのやり取りを振り返ってみると、令和5年第1回定例会では、警察発表の刑法犯件数が激減しているというデータをお示しいただき、今御指摘の場所──これは、かつて近鉄裏と呼ばれていた地域のことですけれども──を昔から知っている方からすると、今も声はかけられるけど、昔は腕を引っ張られたり、連れ込まれたり、もうもっとひどい状態で、非常に体感治安も悪かったことから考えると、本当によくなったというふうに言ってくださる方もいらっしゃるので、安全・安心なまちづくりの、これがゴールだというのはとても難しいのかなと思っておりますが、最初にお答えしたように、条例を変えて制定しておりますので、その条例にのっとった、客引き、客待ち等の禁止行為が、行いづらい、行われないような形というのは、目指していきたいと思っておりますとの御見解をいただいております。しかし、昔に比べてかなり好転してきているものの、今の状態をよしとしない意見や、また悪化してしまうのではないかという不安の声も聞こえてきます。
第2回定例会においては、令和5年度からブルーキャップの活動時間を延長するとともに、深夜、早朝に活動する吉祥寺ミッドナイトパトロール隊においても、従来の安全パトロールに加えて、客引き行為等に対する指導等ができるよう制度を変更し、より体制を強化いたしました。またブルーキャップの活動人数について、客引き行為等を行う者が多い金曜日の夜間などに、より多くの隊員を配置するなど、曜日や時間帯による人数を工夫し、より効果的なパトロールが実施できるよう運用しています。付きまとい勧誘行為など禁止行為に対しては、毅然とした態度で注意や指導を行うとともに、条例について知らない者に対しては丁寧に内容を説明するなど、粘り強く活動を行うことで、禁止行為が行いづらい環境づくりを目指してまいりますとの御見解をいただきました。
これに対し、ブルーキャップ、ミッドナイトパトロールについて、今のやり方では実効性がないのではないかという意見が出ています。条例に定められている指導、警告、勧告、公表について、実際に行われているのか、疑問に感じている市民も多いです。特に公表については、これまで一件も実績がないことに対する疑問も出ています。
本条例について、以下質問をします。
質問2の1、安全・安心のまちづくりについて。
1)本条例に基づく改正後の施策と実績について伺います。
2)特定地区の現状と範囲の見直しについて伺います。
3)本条例の実効性についての見解を伺います。
4)罰金、過料、科料に関する考え方について伺います。
質問2の2、ブルーキャップ、ミッドナイトパトロールについて。
1)ブルーキャップとミッドナイトパトロールの現状について伺います。
2)ブルーキャップとミッドナイトパトロールの課題について伺います。
3)ブルーキャップ、ミッドナイトパトロールの人員の強化について、お考えを伺います。
大きな3番です。適正な契約について。
令和4年第4回定例会において、定期監査の指摘事項について質問をし、それに対し、市長より以下の回答をいただきました。定期監査報告書の中から各課に共通する課題等をピックアップし、全職員が改めてルールを確認し、適正な事務処理に努めるよう周知を図っています。定期監査の指摘事項の確認を徹底し、改善に努めてまいります。また、主管課の契約事務担当者、課長補佐、係長、管理職向けなどの職層に応じた研修を実施、より理解しやすいようにマニュアルの見直しを行うほか、業者指定がある場合に指定理由の入力がなく処理を進める場合に、エラーの注意喚起を表示するなどのシステムの改修を行い、適正な契約事務の執行に努めてまいります。このときは、令和3年度分までの結果をベースにした質疑でした。既に令和4年度分の結果が出ていますので、それを含め、以下質問をいたします。
質問3の1、定期監査の結果について。
1)定期監査の指摘事項の現状について伺います。
2)改善されない現状の評価について伺います。
質問3の2、今後の取組について。
上述のとおり、令和4年の定例会における方策の説明は、共通課題のピックアップ、全職員への周知、階層に応じた研修の実施、マニュアルの見直し、システムの改修が挙げられていました。これらについて、以下質問します。
今、答弁をいただいていた中の具体的な改善の方策の現在の実施状況について伺います。
2)です。実施している研修の内容と、その効果について伺います。
以上、壇上からの質問といたします。よろしくお願いいたします。