
本間まさよ
映像ID: 2520
企業立保育所運営事業者による不正受給問題等について
・武蔵野市内で保育所を運営している株式会社による不正受給問題の全容解明を求めることについて
・補聴器購入費助成を求めることについて
・児童相談所の増設について
6013◯21番(本間まさよ君) 今回の一般質問は、6月議会でも取り上げました武蔵野市内で保育所を運営している株式会社による不正受給問題等の全容解明を求めることについて、2点目に、補聴器購入費助成について、3点目に、児童相談所の増設についての3点について質問をいたします。
大きな質問の1点目です。武蔵野市内で保育所を運営している株式会社による不正受給問題の全容解明を求めることについてお伺いをいたします。
最初に、市議選改選前の経過を振り返り、質問に入りたいと思います。
2021年4月及び5月に、匿名の通報者の代理人弁護士から、現在問題になっている株式会社が運営する市内保育所を含む3園の各工事に関して、違法行為の指摘及び調査の要請が株式会社にありました。2022年12月、警視庁の担当者より、武蔵野市以外の2園について、園舎建設関連の補助金について過大受給の疑いがあると指摘がありました。このことが公になったのは、2023年1月25日と26日の補助金不正受給に関する2紙による新聞報道です。4月10日に行われた武蔵野市議会文教委員会懇談会では、3月に株式会社が委嘱した調査報告書は、顧問弁護士の調査結果と株式会社との間で食い違い、そごも生じ、不確定な内容もあり、改めて報告を求めたというものでした。そして、6月議会に、株式会社が新たに委嘱した3名の弁護士による社外調査報告書が武蔵野市議会に報告されました。
質問の(1)株式会社コスモズ──以下、当会社という──が武蔵野市内に保育所を建設する際に補助金を不正受給した疑いがあったことを市が知ったのはいつか、お伺いをいたします。また、市が知った時点での対応についてもお伺いをいたします。
(2)6月に報告された弁護士3名による社外調査報告書──以下、報告書という──について伺います。報告書は、当委員会の調査結果として、新聞広告代として支払われた分を含む2,982万148円は、少なくとも補助金対象外の金額である。前理事長は、上記2,982万148円が補助金対象外の金額であることを認め、速やかにこれに対する返金の意思を示したとあります。
質問の1)、報告書について、市の見解をお伺いいたします。また、報告書にある補助金不正受給──報告書では過大受給と言っています──に関する調査結果を当会社は全面的に認めているのか、お伺いをいたします。報告書について、私は、本当に公平性が保たれているのか疑問を感じます。3名の社外調査委員のうち1名は、現在問題になっている理事長の、25年前とはいえ、代理人となった方です。今回の問題で理事長を辞めたわけですが、後任は家族が就任するということも報告書で促しています。保育内容についても、保育の専門家でない弁護士が保育内容を評価する報告書となっていることも含め、違和感が拭えません。
質問の2)、私は、4月に行われた不正受給問題の説明を受けた文教委員会懇談会で市の独自調査を求めましたが、その後の対応についてお伺いをいたします。市独自で関係者への聞き取り、例えば建設会社や設計士など、また、必要な書類、工事明細書等の入手など行っているのかお伺いをいたします。
質問の3点目、武蔵野市に返還すべき金額の確定についてお伺いをいたします。いつまでに確定するのか、延び延びになっている原因はどこにあるのか、確定できなかったときの対応と、いつまでに判断をするのかお伺いをいたします。他市では、十分な時間を与えているのに明らかにできないときは補助金の全額返金を求めることもあり得ると、厳しい発言もあります。また、報告書では、市民運動新聞の広告料の返金支払いについては前理事長に負担させることが相当となっていますので、これはすぐに返金を求めることができると考えますが、御答弁を求めます。
4)再発防止のためのチェック機能の強化について、具体的にお伺いをいたします。答弁を求めます。
(3)補助金不正受給疑惑で、現在被害対象となっている1区4市の情報交換、対応についてお伺いをいたします。
1)この間、他関係自治体とは、どのような連絡、連携を取り、対応してきたのかお伺いをいたします。
2)8月3日、東京都は小金井市と共に、当会社に指導検査に入ったと報道されました。小金井市に続き、東京都は、来週と伺っておりますが、関係市への検査に入ると聞きましたが、武蔵野市への対応についてお伺いをいたします。
(4)前理事長に対する約2億9,500万円の退職慰労金支給について、お伺いをいたします。
1)7月に行われた臨時株主総会で前理事長の退職慰労金約2億9,500万円を議決したと聞きますが、市は説明を受けたのか、お伺いをいたします。また、株の大半は前理事長が保有していると聞きますが、説明を求めます。
2)役職退職金の規程で、特に重要な損害を与えた者については退職金を減額することができるとした文言を削除し、支払うことが決定されたと聞きますが、これは事実なのか、お伺いをいたします。
3)退職慰労金約2億9,500万円の積算根拠について、市は説明を受けているのか、お伺いをいたします。
4)現在分かっているだけでも、不正受給は1億円を超えています。この返還こそ退職金支給より最優先であることは言うまでもありません。退職慰労金の差止めの対応も含め、市の見解を求めます。
5)7月に行われた臨時取締役会で、各自治体の調整役──アドバイザーというようにも呼んでおりますが、これを前理事長に委託する契約が結ばれたと聞きますが、これは事実かどうかお伺いをいたします。
(5)弾力運用についてお伺いをいたします。
今回の問題で、前理事長は約3,300万円の役員報酬を得た一方で、そこで働く保育士の人件費は平均355万円程度だったと報道されています。保育所の委託費は税金が原資です。6月でも指摘をいたしましたが、弾力運用の改善が求められます。
質問の1)、当会社にこの3年間、年ごとに弾力運用として武蔵野市が認めた金額と目的をお伺いいたします。また、当会社が運営している市内保育所の人件費比率をお伺いいたします。
2)弾力運用を認めるかの判断は、一定の条件が必要です。設置者の運営に問題ないことなどが条件となっていますが、今後も求めに応じて認めていくのか、お伺いをいたします。
3)弾力運用の根本的な問題をただす取組が必要だと考えます。見解を求めます。
次に、大きな質問の2点目は、補聴器購入費助成を求めることについてです。
1)東京都内の自治体でも、補聴器購入費助成を行う自治体が増えています。一般社団法人日本補聴器販売店協会が調べた、今年4月28日現在で、東京都内で16区3市1村が補聴器の購入費助成を行っています。現在未実施の自治体でも、今年度中に実施をするに向けて補正予算を計上することを明らかにした自治体も複数あります。聴覚が脳にもたらす情報は、聞こえという感覚を知っている私たちにとっては、とても重要なものです。聞こえないことは、コミュニケーションに支障を来し、疎外感を生み出し、孤独にさせます。そのことが鬱や認知症の発症や進行の要因にもなり得るということが、近年世界的にも言われています。日本でも厚生労働省が同様の発言をしています。
日々の生活においての安全や、聞き間違いによるトラブルの発生なども心配されるところです。目が悪くなれば眼鏡をかけるように、聞こえにくくなれば補聴器をつける、それが障害なく普通のことになれば、長寿社会を生き生きと元気で暮らす助けとなります。しかし現状では、日本補聴器工業会の調査によると、難聴者の14.4%しか補聴器をつけていないということです。理由の一つに、補聴器が高くて買えないということで、片耳15万円から30万円以上するものもあり、価格が高過ぎるという声が多く出されています。両耳の聴力が70デシベル以上の音でないと聞き取れないなど、かなり重い難聴でなければ、障害認定による補聴器購入助成が受けられません。WHOでは、聴力が中等度、40デシベル以上から補聴器の使用を推奨しています。耳鼻咽喉科の教授は、補聴器は難聴が進行してからの使用ではなく、なるべく早く使用することが必要だと言います。武蔵野市で補聴器の購入費助成の実施を求めますが、現在どのような調査が行われているのか、お伺いをいたします。答弁を求めます。
私は、何度かこの間、他自治体の事例を紹介し、補聴器購入助成を求め、質問を行ってきました。昨年4月から補聴器購入費助成制度を発足させた港区は、助成額が、住民税非課税で13万7,000円、課税の場合はその半額の6万8,500円と、実施自治体の中では最高額となります。助成額を決めるに当たって、区の担当職員が直接補聴器販売店に出向き、費用調査を行い、東京都が補助をしている70デシベル以上の中等度難聴の助成額13万7,000円を参考として、何度も話し合い、補助額を決定、担当者が難聴の方々とヒアリングを行い、個人の費用負担はできるだけ少なくし、補聴器を購入した後も長く使い続けられるように制度設計したと説明を受けました。
使い続けるための支援では、これは港区のパンフレットです。担当者の方にも、既にパンフレットと共に、全ての頂いた資料をお届けしているところです。これを開けますと2面のところに、ポイント1、2、3というのが書かれておりまして、ポイントの1は、補聴器相談員の受診を要件としていることです。これは、診断、治療を行い、補聴器が必要か診断するということとともに、補聴器購入後も認定補聴器技能者と連携し、経過観察と適切な使い方の指導をするというものです。
ポイントの2は、認定補聴器技能者が在籍する店舗で購入するということを要件にしています。これは購入時の調整からアフターケアまで受けられる、補聴器の調整や効果の確認、使用指導まで行われるというものです。
ポイントの3は、補聴器販売店での相談が挙げられています。購入前に補聴器の貸出しを受け、試聴し、調整を受け、トレーニングのイメージをつかむところまで、聞こえの港区モデルとして制度化されています。補聴器はつければすぐ聞こえるというものではなく、補聴器のトレーニングというのは、3か月程度は必要だと言われます。
2)港区は、高齢者の日常生活を、社会参加を支援することを重視し、補聴器購入費助成も制度化しています。また、利用しやすい金額面から、購入時の相談、アフターケア、こうしたことが受けられるという制度になっていることも重要だと思います。高額である補聴器は5年程度で買い換えるとも言われますが、港区の制度は、5年が経過すると、また申請ができるというものであり、また、必要な付属品の電池なども補助の対象になるなど、補助制度をつくるに当たって、区の職員が直接担当者とヒアリングを重ね、販売店や専門家からレクチャーを受け制度設計を行ったことにより、実にきめ細やかな制度となっていることが分かります。昨年助成制度が実施をされましたが、当初申請者数は220件と見込んでいましたが、申請が500件を超え、当初予算の2,272万円は2か月でなくなり、6月に補正予算を計上したと伺いました。今年度も同様の傾向だということです。それだけ区民に待ち望まれていた補助制度だということが言えると思います。改めて、港区の調査も行ったのか、お伺いをいたします。
大きな3点目は、児童相談所の増設についてです。
多摩地域の児童相談所の管轄区域を見直す多摩地域児童相談所配置計画が策定をされました。1つの児童相談所が管轄する人口が少なくなれば、今までよりきめ細やかな対応が期待できます。武蔵野市は多摩中部として、武蔵野市、三鷹市、小金井市、国分寺市の4つの市が多摩中部となることになりました。設置場所等は2023年度以降検討するとなっていますが、虐待を受けた児童をかくまう一時保護施設の新設も検討するということです。人的な体制の強化や一時保護業務について、充実改善が大変期待されると思います。
最後に市の見解を求め、壇上からの質問を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。