
本間まさよ
映像ID: 2548
6191◯21番(本間まさよ君) 議案第70号 武蔵野市下水道条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。
異常な猛暑が続く中、家庭向け電気料金の大幅な値上げが実施され、10月からまた値上げをするとの報道もあります。ガソリン代は15年ぶりの高値となっています。食料品、生活必需品を中心に、物価の値上げが続き、市民生活は厳しい状態が続いています。新型コロナウイルス感染拡大による影響もまだまだあります。武蔵野市は、こうした状況に対応するために、この間、市民の暮らしとまちの経済を守り、活性化を図る、市独自の支援策を進めてきました。武蔵野市くらし地域応援券は、市民の暮らし支援と消費喚起による市内事業者支援を目的として行われた事業ですが、9割以上の利用があり、市民に大変好評でした。食材費の高騰による影響も考慮し、学校給食、保育、福祉施設への支援や、ガソリン代に補助をするなども実施されてきました。
こうした中で、今回、武蔵野市の下水道使用料の改定条例が、4年に一度は見直しを行うとの考えで条例提出がされました。条例の内容は、値上げです。詳しくは、8立米、基本料金を消費税10%を含め現行539円から559円に、15立米を現行924円から960円に、20立米を1,199円から1,246円へと値上げをするものです。事業者に対する料金は、100立米が現行8,239円が8,605円に、500立米が5万7,189円に、1,000立米が13万4,189円から13万9,945円と上がるものです。2,000立米が34万8,689円から36万3,245円に値上げされるものです。
今回の使用料改定に際して、23区と26市平均の比較資料が参考として提出、説明されました。これによりますと、家庭用下水道使用料は23区も26市平均も武蔵野市より高くなっています。しかし、近隣市を比較してみますと、私も計算してみましたし、市からの答弁もありましたが、三鷹市は、8立米、基本料金で440円、小金井市は385円、西東京市は451円となっています。15立米でも武蔵野市の現行の料金より低く設定されています。事業者対象の料金は、使用料が高くなるほど武蔵野市の2倍近い料金設定となっています。市の資料によりますと、2,000立米で、武蔵野市が改定後は36万3,245円ですが、23区は68万2,748円、26市平均が61万6,863円となり、三鷹市では約80万円、小金井市が約55万円、西東京市が約66万円となり、いずれも2倍または2倍以上となっています。家庭用下水道使用料は近隣市では武蔵野市より使用料金を低く設定し、事業者用は23区も26市も、そして近隣市も武蔵野市より高く設定していることが分かりました。
この武蔵野市の料金設定についてはもう20年以上前から指摘をしてきたところで、駅前の大型商業施設などが対象となっている事業者への料金が他地区と比べ半額以下になっている実態は見直すべきではないでしょうか。4年に一度は料金の改定をと言いますが、介護保険法に基づく3年に一度の保険料見直しの時期だった令和3年(2021年)から令和5年(2023年)の保険料は、経済状況を考慮して改定せず、据置きとなりました。経済状況を考慮するというのであれば、下水道使用料は市民全体に関わるものですから、据置きも含め、検討すべきだったのではないでしょうか。武蔵野市は2021年度に独立採算制を原則とする公営企業会計を導入しました。公営企業会計導入により、値上げは既定路線となりかねません。経済状況の厳しい中、経済的に困難な人への減免制度が必要だと思います。
共産党市議団は、下水道料金の基本料金の減免を求めてきました。基本料金、8立米以下の方の中には、年金暮らしや大変慎ましく生活されている方もたくさんいらっしゃいます。減免制度の拡充を求めます。市は、使用料改定に対する考え方として、安定的な経営を行う上では4.3%の改定が妥当ではあるが、社会状況や市民生活等を考慮して3.7%の改定を採用したということや、市議団が指摘いたしました料金改定単価を5円単位から1円単位に変更し、値上げ幅を抑える努力があったことは理解をしています。しかし、長引くコロナ禍、物価高騰で、市民生活は疲弊しています。この時期に、生活に欠かせない公共料金を引き上げることは容認できません。
以上、申し上げた理由によりまして、今回の値上げ条例には反対といたします。
(22番 山本ひとみ君 登壇)(拍手)