
大野あつ子
映像ID: 2548
6226◯3 番(大野あつ子君) ただいま議題となりました陳受5第21号 健康保険証の存続を求めることに関する意見書提出に関する陳情について、市議会公明党を代表し、委員長報告に反対、陳情に反対の立場で討論します。
デジタル庁のマイナンバーカードの普及に関するダッシュボードによれば、9月10日現在、累計申請枚数は約9,797万枚、人口に対して78.1%、健康保険証としての利用は約6,743万枚、人口に対して70.7%、マイナポイントの付与などのキャンペーンなどにより急速に登録者が増えております。この急速な普及の過程でトラブルの報告が上がってきており、不安が広がっていることは重く受け止めなければなりません。これらマイナンバーカードをめぐるトラブルが相次いでいる問題を受け、私ども公明党は国民の不安払拭を最優先に考えることを求めており、政府は6月21日、マイナンバー情報総点検本部を立ち上げました。同本部は8月8日、中間報告をまとめ、新たに1,069件、点検データの0.007%の健康保険証とのひもづけ誤りの事例が見つかったことが明らかとなり、マイナ保険証の運用が始まった2021年10月からの累計数は8,441件となりました。これらを含む同中間報告のポイントは、1、原則11月末までに個別データ点検実施、1、マイナンバー登録で人為的ミスを防ぐためのガイドラインを9月中に策定、1、各種制度の申請者にマイナンバー記載を求める旨を明確化、1、マイナンバー照会を原則4情報(氏名、生年月日、性別、住所)で行うようシステム改修としており、信頼回復に向けて作業が進められております。
河野デジタル大臣は、総点検の期限については原則11月末を期限としてお願いしているが、個別の機関の状況に応じて、期限ありきではなく、丁寧に点検することを優先したいと述べ、また、岸田首相は、健康保険証の廃止は国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提と強調しています。現行の保険証が廃止されて以降も、保険料を払っている人が確実に保険診療が受けられることが重要です。そのために、政府は、当分の間、マイナ保険証を保有していない人に、保険証の代わりとなる資格確認書を交付します。マイナ保険証を一度登録した場合でも、登録を解除すれば資格確認書が交付されます。有効期限は保険者が5年以内で設定し、更新も可能です。様式は、現行の健康保険証と同様に、紙やプラスチックのカード型にし、保険者の発行業務の負担を軽減するとしており、国民の不安払拭のための措置が進んでおります。これら人為的ミスが多いと分析されているマイナンバー登録誤りについて、国民が安心できる措置をし、説明していくことは最重要と考えます。
一方で、端緒に就いた医療DXを停滞させてはなりません。今回の新型コロナのような感染症災害や地震や集中豪雨などの自然災害は、またいつ起こるか分かりません。災害発生時に迅速にデータを共有し、支援を必要な方に届けていくためには、今こそ、医療DX、そして行政のデジタル化を進めなくてはなりません。マイナ保険証を使えば、被保険者個人にとっては窓口で限度額以上の支払いが不要になる、医療費控除の確定申告が簡単になる、就職、転職、引っ越し後も健康保険証として利用できる、過去の診療情報データに基づいた診療を受けられる、従来の健康保険証を利用するよりも医療費が安くなるというメリットがあります。また、システム全体としては、本人同意の下で全国の医療機関等が必要な医療情報を共有する安全なネットワークが構築されることで、国民は、同時に複数の医療機関にかかっても、国内のどこに旅行や引っ越しをしても、また、命に関わる救急や災害時もより適切な医療を受けられるようになり、患者自身もマイナポータルを使い、自身の情報を見ることができるので、自身の病気の発症や重症化の予防に役立てることができます。今後は、このネットワークを使い、介護保険、母子健康、予防接種、電子カルテの一部など、保健、医療、介護全般にわたる情報共有が計画されています。これまでばらばらにあったものを有機的に結びつけ、国民の生活や社会をよりよく変革することが、医療DXです。マイナ保険証を基盤として医療DXを進めていく上で、政府は、国民と医療現場の不安を払拭することは大前提とし、信頼回復に努めていただきたい。また、マイナ保険証と医療DXのメリットを国民に分かりやすく丁寧に周知することも重要だと考えます。
以上述べましたとおり、マイナ保険証については政府が丁寧な対応の最中であること、日本の将来を考えるとき、医療DXを停滞させてはならないことにより、委員長報告に反対、陳情に反対の討論といたします。
(20番 三島杉子君 登壇)(拍手)