
本間まさよ
映像ID: 2601
市立中学校の統合及び学校プール廃止等について
・第二中学校、第六中学校の統合について
・学校プールの廃止について
・株式会社コスモズの不正受給問題について
6493◯21番(本間まさよ君) 市立中学校の統合及び学校プール廃止等について、一般質問をいたします。
まず最初に、第二中学校、第六中学校の統合についてお伺いをいたします。市立第二中学校と第六中学校の建て替えに関して、仮設校舎を使わない一つの案として、二中と六中の統合案が議員に説明され、第六期長期計画・調整計画案に記述されました。これに対して保護者をはじめ関係者から、六中がなくなってしまうのかなどの様々な不安の声が上がっています。2000年代に入ってから学校統廃合は全国で増え、ここ15年間で見ると、東京は北海道に続く第2位の廃校数となっています。
教育行政は、子どもには切磋琢磨が必要、小規模校では社会性が育たない、教育的効果が低いといった根拠のない俗論を挙げ、保護者の不安をあおりますが、1973年当時の文部省は、小規模校には子どもと教師の人間的触れ合いなど評価する面もあり、存続し、充実させるほうが望ましいケースもあるとする通達を出しています。1976年には統廃合裁判で、これは小学校ですが、徒歩通学は子どもの人格形成に意義があるとする判例も出されました。国立教育政策研究所により、小規模学級は子どもの学習のために望ましいとする研究はありますが、小規模学級が望ましくないなどの研究はありません。
しかし2014年から15年頃にかけ、国の政策は統廃合推進にかじを切り、2015年の文科省の新しい学校統廃合手引は、1973年の通達を廃止し、スクールバスなどを用いた、おおむね1時間以内の通学範囲を統合基準に加えました。さらに危険、老朽化の場合は3分の1であるのに対し、統合校舎を新増設した場合は、国の財政補助率を2分の1に引き上げる財政誘導策が強められました。学校改築は、子どものため、教育のためという視点から考えるべきという立場から、以下、質問をいたします。
(1)武蔵野市学校施設整備基本計画では、学校の適正規模を、中学校は各学年2学級以上、かつ各学級おおむね30人以上、中学校は3学年6学級以下になることが見込まれる場合には対策を検討するとあります。2022年度の二中は、学級数12クラス、生徒数401名、六中は、学級数8クラス、生徒数245名であり、現在改築中の第五中学校の学級数6クラス、生徒数225名と比べても多い状況です。二中と六中が統合するとなると、市内で一番の大規模校となります。大規模校に対する弊害についての見解をお伺いいたします。
(2)学校の統廃合は、地域の教育力の衰退、子どもの長時間通学、いざというときの安全面の不安など、様々な問題が指摘されています。この点についての見解を求めます。
(3)武蔵境圏におけるスポーツ広場とした旧桜堤小学校跡地は、児童数の多い桜野小学校の第2校庭として活用されていますが、二中、六中の統合により、第2校庭としてもスポーツ広場としても活用できなくなる可能性があります。説明を求めます。
(4)境南小、二小、二中、六中の改築計画スケジュールの詳細の提示を求めます。一中、五中、五小、井之頭小の改築に伴い、改築基本計画案の策定のため、学校関係者、保護者、地域住民、教育委員会などによる改築懇談会が設置され、多いところでは十数回を超える話合いや、課題に対するそれぞれのアンケートの実施などが行われてきました。今回の境南小、二小、二中、六中は、1つの案とはいえ、中学校の統合、そして二小の移転も含まれ、今まで以上に丁寧で、生徒たちも含めた関係者への十分な意見聴取が大事だと思います。
次に大きな質問の2点目は、学校プールの廃止についてです。小・中学校のプールを廃止して、水泳の授業は民間スポーツクラブにバスで行き、民間インストラクターの指導により実施するなどの状況が、東京都内を含む全国で生まれています。
武蔵野市では第五小学校、井之頭小学校の建て替えに関して、学校プールの要否等の検討を目的とした、児童、保護者、教職員を対象としたアンケートが実施され、公表されました。これによりますと、第五小のアンケートでは、児童の学校プールに感じていることの設問で、多い順に、1番が水泳の授業は楽しい、2番は天気、雨や気温によって水泳の授業が急に中止になるのは残念、3番がもっとうまく泳げるようになりたい、4番が水泳の授業は自分の学校のプールでやりたいと回答しています。
保護者へのアンケートで、学校プールについて、あなたの考えに近いものを選んでくださいの設問では、一番多かったのが、子どもは学校の水泳の授業を楽しみにしている、2番が天気によって水泳の授業が急に中止になるのは残念、3番は水泳の授業で泳ぎがうまくなってほしい、4番がプールは学校の敷地内にあるほうがよいの順となっています。教職員も、半数以上がプールは学校の中にあったほうがよいとアンケートに回答しています。
井之頭小学校のアンケートでは、児童は1番から3番までは五小の回答と変わりません。4番に、温水プールで授業ができるのであれば、スイミングスクールなどの外のプールに行くのもよいとなり、保護者アンケートでは、1番、2番は五小のアンケートと同様ですが、3番に、温水プールで授業ができるのであれば、スイミングスクールなどの外のプールに行くのもよい、4番目に、教員が毎日行っているプールの水質管理作業は負担になっていると思うの順になります。教職員は五小と同様に、半数以上がプールは学校の中にあるほうがよいと回答しています。
武蔵野市の学校プールについての考え方についてお伺いをいたします。
(1)学習指導要領で水泳指導について示されています。公教育としての水泳授業の重要性についての見解をお伺いいたします。
(2)民間スポーツクラブなどの利用は、移動時間、移動時の安全確保などの課題が挙げられます。移動時間がかかり、授業時間を短縮せざるを得なかったなどの課題も挙げられます。バス移動の場合は、車酔いで薬を飲まざるを得ない子どもが、その後水泳を行うことへの影響や、午前中水泳指導があった場合、給食時間に間に合わないなどの問題も各地で報告されています。どのようにお考えか、お伺いをいたします。民間スポーツクラブなどは、それぞれの事情で撤退してしまう可能性もあります。
(3)市の試算した学校プールと民間利用によるコストは変わらないと答弁がありました。改めて費用についてお伺いをいたします。
(4)自治体が老朽化した学校プールを改築、新築しようとした場合、国からの費用は3分の1補助がありますが、さらなる拡充を求め、東京都にも補助の新設を求めてもらいたいと考えます。見解を求めます。
学校プールの改修については、学校改築の計画のある学校だけではなく、ひび割れによる漏水が起きているのではないかと疑われる学校プールもあると伺いました。対応が必要な学校プールが改修できるように、補助の拡大は重要だと思います。学校プールは廃止するのではなく、管理など、教員の負担軽減をしながら水泳授業を充実することを求めます。
大きな質問の3点目は、株式会社コスモズの不正受給問題についてです。問題発覚後9か月が過ぎましたが、事業者による不誠実な対応により、課題を残したままになっています。来年度の保育園入園募集も行われている中、第1次は11月10日に申込みが締め切られ、第2次は来年2月1日から申込みが開始されます。保育行政に携わる武蔵野市として厳格な対応が求められ、質問いたします。
(1)来年度の保育園入園募集が行われる中で、不正受給問題への影響、市民、入園希望者の保護者からの問合せ、または混乱がなかったのか、お伺いをいたします。
(2)返還された補助金についてお伺いをいたします。
1)11月14日の文教委員会で、返還命令額2,834万8,034円の入金の確認並びに返還金額の内訳等の説明がありました。返還命令額のうち過大交付額は2,062万6,000円となっています。コスモズが依頼した社外調査委員会報告書によると、少なくとも補助対象外金額は2,982万148円となっています。市の試算と社外調査委員会の示した額では900万円以上の差があります。この差は何でしょうか。市が積算した金額が正しいとすれば、社外調査報告書そのものの正確性が問われると考えますが、見解を求めます。
2)市が積算するに当たり、工事事業者等への領収書の確認はされたのか、お伺いをいたします。
3)コスモズの前理事長が代表取締役をしている市民運動新聞株式会社に広告料として500万円払ったことによる返還金も、今回の市に入金された金額に含まれているのかどうか、お伺いをいたします。
(3)は、株式会社コスモズへの対応についてです。
1)コスモズのホームページによりますと、過大請求は全額返還したとありますが、他市ではまだ返金されていないものがあると聞きます。説明を求めます。
2)武蔵野市のホームページに不正受給と記載されていますが、9月にコスモズ側から不正受給ではないとの、事実上抗議とも取れる文書が市長に提出されたと報道もありますが、これに対する見解と対応についてお伺いをいたします。
コスモズ側は文書提出とともに、MXテレビで不正受給ではないと異議を申し立て、不正ではないとの説明に、コスモズの会長は、不正と思って不正をした人は誰もいませんと反論しましたが、理解に苦しむ発言と言わざるを得ません。マスコミも使って抗議をしていますので、武蔵野市としても、市民、関係者にしっかり説明すべきだと思います。
3)私は9月の一般質問で、7月に行われた臨時株主総会で前理事長の退職慰労金約2億9,500万円が議決されたこと、また各自治体の調整役──アドバイザーと呼んでいます──を前理事長に委託する契約が結ばれたことの事実の有無、さらに株の大半を前理事長が保有していること、役職退職金の規定で、特に重要な損害を与えた者については退職金を減額することができるとした文言が削除され、支払うことが決定された事実の有無、退職慰労金の積算根拠等について質問いたしました。
市の答弁は、コスモズ側からの確認ができない旨の答弁がありました。なぜ確認ができないのか、お伺いをいたします。他の市では、取締役会等の議事録提出を求めるなどをしていると伺っております。改めて武蔵野市の対応を求めます。
(4)は東京都及び関係自治体との連携についてです。
1)この間、武蔵野市は、各自治体と連携し、対応に当たると答弁していますが、今までどのような連携を取り、今後どのように対応するのか、改めてお伺いをいたします。
2)東京都の役割は重要だと思います。私は決算委員会の討論で述べましたが、9月末に東京都の特別指導検査がコスモズ本部に入ったことが分かりました。8月、9月に実施した定期的な検査で、一部の施設で委託費の処理に不明な点が見つかったということです。指導検査の結果も含め、説明を求めます。
一般指導検査は、年間計画に基づき実施検査を行うことですが、特別指導検査は、著しく不適正な重大な不正、改善の遅延などがある場合に行うとされています。武蔵野市内の関連保育園の資料も提出されたことだというように思います。今回補助金の不正受給とは別に、委託費の問題が浮上いたしました。何度もこの問題は指摘してまいりましたが、保育園の補助金も委託費も、市民の大切な税金です。市民にしっかりとした説明が求められます。
以上申し上げ、壇上からの質問を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。