18279【さこう委員】 それでは、今回の議案に対して賛成の立場ではありますが、留意点があると思いましたので、討論をさせていただきます。
議案の第12号と第13号について併せて討論を行います。
今回の条例は、デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するための厚生労働省関係省令の一部の改正等によるものです。つまり、ICTのツールなど、介護現場で効果的に使っていくことによって、人材の不足などの介護業界の問題を解決していこうというものです。武蔵野市の介護職員の実態調査でも、介護分野以外の仕事に転職したい理由として、賃金が低い、慢性的な人材不足により業務負担が多い、業務内容が体力的につらいなどということが挙げられているように、介護の業界の働き方などにおいては課題があることは明白であり、業務負担の軽減のためのICTの導入、デジタル化というのは、これからもさらに力強く推し進めていく必要があると思います。
ぜひその支援に関しても武蔵野市にお願いをしたいと思いますが、その上で、ICTツールの導入、デジタル化によってできる余裕を何に使うべきなのかということが重要であるということは、先ほど質疑の中でもお伝えをしたとおりであります。ケアマネジャーさん1人当たりが担当できる利用者の数が増えるですとか、同一敷地内ではない場合も兼務が認められるですとか、今回の基準の緩和というのは、1人当たりのケアマネジャーさん等の業務負担の増加ですとか、介護の質の低下というものを招いてしまうリスクもある改正だと考えています。
ケアマネジャーさんの実態調査において、スキルアップですとか研修に関する問いの中で、所属事業者以外で実施している研修やセミナーに参加をしない理由として、60%の方が通常業務で忙しいためというふうに答えていらっしゃいました。例えばICTツールなどの導入などでできた時間というのは、こういったスキルアップですとか、介護の質を向上していく、自分たちの仕事の質をよくしていくために使うですとか、体を休めるというのもそうですよね、そういうことに使っていくべきだと思います。それができるような働き方が実現していくということが、最終的には仕事の魅力化につながり、人材不足の改善というところにもつながってくるのではないかと思います。人が足りないから1人当たりができる業務の量をどうにかして増やそうという考え方ではなく、介護の質を上げて、働きがいを持って働ける環境をつくっていくための効率化という観点で、市としても指導を徹底していっていただきたいというふうに思っています。
これまでの質疑の中でも、きちんと指導等していきたいというところと、質をきちんと担保していきたいというところ、御答弁をいただいていますので、ぜひこれからもお願いをしたいと思っています。武蔵野市は介護事業においては独自の取組をはじめ、本当に様々工夫、努力をしてきていますし、質の高い、介護予防も含めてあらゆるサービスを提供し続けてきたということは武蔵野市の誇りでもあると思っていますので、効率化という観点においても、介護の質を求めるという武蔵野市の志を大切に取り組んでいっていただきたいと思っています。DXという名の下に、ただでさえ負担の大きい介護事業の従事者たちがさらなる負担を負うということを招かないように、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
以上、討論とさせていただきます。