23372【恩田副市長】 公共施設等、文化財としてのその辺の考え方でございますけども、これは非常に難しいと思うのです。例えば、熊本県の庁舎で磯崎 新さんが造ったものも、学会賞を取っていながら、やはり老朽化と機能面で壊してしまったというようなこともありますし、時代の趨勢とその建物がその機能に追従していけるかどうかという、使っている限りにおいたその問題が起きます。
ただ、保存ということになって、赤星邸のように全く違う尺度での判断の仕方というのはあると思うのですが、吉祥寺図書館も中央図書館も、今使っている中で機能を更新していかなければいけない中で、もともとのコンセプト、考え方は継承しながらやっていくというべきだと思うのです。私は、鬼頭梓設計事務所に1年間派遣をされてございました。ちょうど中央図書館が発注を受ける前で、吉祥寺の特養の介護施設がございますよね、あちらの特養部分を設計させていただきました。非常に優しい方で、ただ、所員が皆さん怖くて、びびって私仕事していましたけども、ある意味、こだわりの中で物というのはできているのだなということを勉強させていただきました。さもすると、公務員というのは、どちらかというと合理的なほうに走って、そういう面でのいろいろな市民要望とか、議会の方々もそうですけど、そういうところでのある意味攻撃を受けますので、そこの部分での、保存をしてくれですとか、そういう優しい考え方というのはなかなか受け入れてくれないようなところもあるようにも思いますので、川名委員がおっしゃられる視点というのは非常に私も大事だと思いますし、今後も建物を更新・改築していく際に、大改修だからといって、本来持っているよさというのをどう生かすかという視点で物事にチャレンジしていく必要性はあるのかなというふうには思います。