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令和6年第1回定例会

2月22日(木曜日)

令和6年第1回定例会
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川名ゆうじ
川名ゆうじ
立憲民主ネット現職

11886◯25番(川名ゆうじ君)  初めに、能登地方を震源とする大規模な地震によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
 それでは立憲民主ネットを代表し、施政方針へ代表質問を行います。
 まずは7代目として就任されました小美濃市長に敬意を表するとともに、執行機関の長として、市民福祉の向上へ向けて、市民の意見を聞き、科学的に最善策を考え、熟議を行い、数々の政策を実施していくことを、議事機関の市議会と共に進めていかれることを、提案させていただきます。
 人はそれぞれ主義主張が違います。だからこそ最善策を見いだし、実行するために、政治があり、多様な意見を議論するために議会があります。このことは市議会議長も務められた小美濃市長ですから、あえて言うまでもありませんが、小美濃市長への初めての代表質問でもあることから、再確認をするために述べさせていただきました。執行機関と議事機関が共に前を向き、市民福祉の向上を進めていきたいと考えております。
 さて、この思いを持ち、施政方針を拝聴させていただきました。最初に感じたのは、随分とシンプルだなという印象です。さきの市長選挙では街頭などで熱弁を振るわれ、各種の証紙が貼られたビラなどで、「武蔵野を立て直す! 助けあい励ましあう日本一のまちを」とキャッチフレーズが書かれたビラや8大政策が示されていました。さらに松下市政を是正、都議会議員、市議会議長を経験した政治歴22年、保守中道の実力派を市長にと書かれたビラもありました。保守中道の定義は何かと聞きたいところですが、これは別のところにしたいと思っております。
 前市長への批判と受け取れる言葉がたくさんあり、これらの主張を考えていくと、今後の市政で実現しなくてはならないことが山ほどあるのだろうと考えていました。さらに以前の市政では、市長当選後に4年間の施政方針を議会で述べる機会があり、予算審査の前には、単年度の施政方針とは別に行われていました。今回の選挙の時期の都合もあり、4年間の施政方針と単年度の施政方針を同じ日に述べることになり、単純に考えて倍の時間がかかるだろう、もしかしたら、施政方針の発言時間には制限がありませんから、深夜まで続くのではないか、こう身構えておりました。
 ところが蓋を開けてみると、通常年と変わらない、もしかすると、より少なくなっているとの印象を、今回の施政方針では受け取りました。また冒頭には4年間の施政方針と書かれていますが、令和6年度予算審査を前にした令和6年度の施政方針がどこに書かれているのか、明確ではないように思えています。施政方針の後半に、参考資料として令和6年度の主要施策が書かれていますが、令和6年度の予算編成に当たっての施政方針はないのでしょうか。本来は単年度の施政方針を書くところが、時間がなくなってしまったのかという疑問を持ってしまいました。
 熱い思いを持って市長になり、市政を立て直し、これまで以上に進めていく決意が述べられるだろうと期待をしていましたが、極めてシンプルだなとの印象を持っています。ちなみに松下市政2期目、2021年11月、第4回定例会での4年間の施政方針がありますが、議事録を見ますと8,464文字でした。翌年2月の令和4年第1回定例会での単年度の施政方針は、2万4,359文字です。今回の小美濃市長の4年間の施政方針は7,647文字でした。
 もっともシンプルだから悪いというわけではありません。短い言葉で真意が伝わり、市民福祉の向上につながればいいだけのことです。今回から予算関連資料の効率化が行われていますので、施政方針も業務効率化を行ったのかもしれません。無駄を省き日本一という公約の一つとして受け取らせていただいております。さらに武蔵野市政は計画行政が市政運営のベースとなり、市長の思いつきの政策がすぐに実現できないことは、市政に携わった方であれば誰も承知をしていることです。これまでの流れを変える公約をどう実現していくかが問われていることになります。
 一方で、市長が諮問し、策定委員会から答申を受け、市の計画、つまり市長の計画となったのが調整計画です。長期計画の施策の大綱部分は議会の議決をしていますので、市長だけではなく、市民代表である議会、つまり市民からの承認を受けていることになりますが、調整計画は議決対象ではありません。市長が決める計画となり、市長の責任がより重い計画ともなり、答申から実際の計画にするのは市長の責任において決まるものです。調整計画については、さきの全員協議会で、公約がどのように盛り込まれているのか分からない、松下市政の継続になっていないかと指摘をさせていただきました。公約を実現する気持ちが込められているのかと、調整計画では思えていました。
 御存じかと思いますが、ある市長経験者が御自身のブログで、武蔵野市職員の中には、長期計画は市民参加で決めたので市長が替わっても継続するなどと、寝ぼけたことを言う者がいるらしいと指摘し、憲法第93条によって、直接選挙で選ばれる市長の政治的判断と公約が第一で、それと長期計画を同一に論ずるのは法体系を十分理解していないということになると書いています。別の日のブログでは、市議会の質疑で、前市長が定めた方向で従来の答弁を繰り返す武蔵野市職員がいると言います。立場をわきまえない行動です。新市長に従うことを是としないなら辞めるしかありませんと書かれていました。なるほどと思う指摘です。
 でも実際、小美濃市長はどうお考えになっているのでしょうか。計画行政は武蔵野市の長年の市政運営の基本で、尊重されるべきことです。しかし有権者が判断した市長公約も尊重されなければなりません。どちらが優先されるのかが問われているのが、今回の施政方針と令和6年度予算とも言えます。どちらを重視しているのか、隠し事なく、小美濃市長のお考えを伺いたいところです。
 では、その調整計画に基づき、令和6年度予算が編成され、4年間の施政方針をつくられていると考え、施政方針を聞き、予算案を拝見いたしました。幾つかの公約が盛り込まれていました。実現しようとしていることは評価いたしますが、調整計画と公約の関係性がより分かりにくいといえ、さらにこの施政方針だけでは、市民に市長の政治理念、市政の方向性が見えないとの印象を持ちました。そこで、政治理念とともに、政策の詳細な部分も含めて、代表質問をさせていただきます。
 1番目の質問として、市政を運営するに当たっての政治家としての基本理念・原則を伺います。政治理念とは、何のために、どのような判断基準で、どのような方向に進めるかを示すものと考えますが、施政方針ではよく分かりませんでした。さきの市長選挙に先立ち、武蔵野青年会議所主催による市長選挙公開討論会がありました。そのときの資料で、当時の小美濃候補は、好きな政治家として斎藤隆夫さんを挙げ、自分の信念を貫く姿勢に共感していますと書かれていたことを記憶しております。
 斎藤隆夫さんは、私が知るところでは、大正時代の帝国議会の衆議院議員で、二・二六事件後の第69議会で軍部の政治介入を厳しく批判し、その後の議会でも反軍演説を行ったこと、このことから議会から除名された国会議員であると承知をしています。その後再当選を果たし、後の第1次吉田内閣、片山内閣で国務大臣となった政治家でもあります。憲政の神様と言われた尾崎行雄に次ぐ、長期の議員生活を送った政治家としても知られています。
 議会の大多数からの批判に屈しなかった斎藤隆夫さんのように、小美濃市長も軍拡化を許さず、信念を貫き、平和を守る政治家となられるよう願っております。そして、このことをこの施政方針に書いてもよかったのではないかなと私は思っております。もし小美濃市長が書いていた斎藤隆夫さんと、私が思い描いている斎藤隆夫さんが違うのであれば、御指摘をいただきたいと思います。
 政治家としての基本理念・原則は時代とともに変わります。高度成長期であれば消費をすることが美徳ともされていましたので、増える財源をどのように配分するかが問われていました。その時代では、故松下圭一法政大学名誉教授が、国ではなく、自治体が市民生活の基準をつくり意思決定していく、シビルミニマムの思想を広め、武蔵野市も大きく影響を受けていることは御存じかと思います。
 その後、高度経済成長期が終わり、縮小する時代となり、少子高齢化社会となった今では、どのように持続可能な社会をつくるか、経済成長や消費ではなく、人々の幸福を考えていくこと、1946年の世界保健機関(WHO)設立時に初めて登場したという言葉、ウエルビーイングを目指す政治も昨今では注目され、実践されつつあります。
 ウエルビーイングは、これまでにも議会で何人かの議員が述べられていますけれども、健康とは単に疾病がない状態ということではなく、肉体的、精神的、そして社会的に完全に満たされた状態にあると定義し、経済成長、金銭的欲求に満足することを目的としない社会をつくる理念と言えます。このことを目標とする政治家もこの議会の中にはいらっしゃると思いますけれども、小美濃市長はいかがでしょうか。どのような社会を目指し、武蔵野市のかじ取りをされるのでしょうか。
 さて、施政方針の冒頭で、「全市民の皆様の声をしっかり聴かせていただき、武蔵野市のさらなる発展、そして市民の皆様の安全・安心を守るため、全力で市政運営を行ってまいります」と書かれています。市民の意見を聞くことは大切で必要不可欠ですが、市民といっても多様な方々がいらっしゃいます。自治基本条例の定義では来街者も含まれているように、地域、年齢、職業など様々です。当然ながら、子どもたちの意見も聞かなくてはなりません。そう考えると、対象者は武蔵野市の人口約14万人以上となります。全員に聞かれていくのでしょうか。さらに全員が同じ考えとは限りません。相反する意見がある場合、どちらの意見を聞くのでしょうか。意見は3つ以上かもしれません。
 何よりも、聞いた意見を、どのような基準で、誰がどのように判断していくのでしょうか。そこには原則となる理念が必要です。また、一般市民でも日頃から無数の決断を迫られている中、何百億円もの税金の使い道や条例を決める判断基準はどうなっているのか、どのような選択肢からどのような理由で判断したのかが分からないことで、政治不信につながっています。この点について議会は議会基本条例で理念を示していますが、市長については明確になっているとは言えません。市長はどのような理念、基準で、判断、決断、実践をされるのでしょうか。
 このことは、古くから問われている課題でもあります。例えば古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは、フロネシスの能力が必要としています。日本語では、知的に賢明に思考し、判断、実践できる能力とされています。日本においては、経営学者の野中郁次郎一橋大学名誉教授が、科学的知識と実践的知識を融合して、創造的な行動をする能力と定義をしています。野中名誉教授は、共著「失敗の本質」で、旧日本軍の失敗は、官僚的組織原理と属人ネットワークで行動し、かつて学んだ知識を捨てた上での学び直しによる自己革新と合理性の追求ができなかったからだと結論づけています。
 また、福島原発事故独立検証委員会の委員でもあり、原発事故の背景には、イデオロギーに縛られ、現実的な対処ができなかった。同質的メンバーで独善的に対処した。官僚を生かす総合・統制能力の欠如が結びついていると指摘しています。つまりは、官僚は支援者だけのグループで判断するのではなく、新たに学び直し、科学的に判断することが組織運営として必要であると考えることが必要だと思います。これは市政運営にも通じることではないでしょうか。
 聞くことは誰にもできます。それこそ証紙ビラに書かれていましたように、AIを活用し、聞いた内容を分析し、多数の意見を何かまとめさせることはできると思います。そうなれば市長や議会が必要なのかということにもなってきてしまいます。しかし多くの人に聞き、科学的に分析することは原則ですが、そこに歴史的背景や人としての経験、情緒も加えて、複数の選択肢の中から市民にとっての最善を判断する。市長だけではなく、議会との議論を通じて、論点、争点を明確にした上で市長として判断していくなど、政治理念・原則が必要と考えていますが、小美濃市長のお考えを聞かせていただきたいと思います。
 質問の2として、武蔵野を立て直すと、選挙公報や各種の政策ビラに大きく書かれていました。ところが施政方針にはどこにも書かれていません。その理由と、具体的に何をいつまでに立て直すのかを伺います。ちなみに立て直すという言葉は、広辞苑によれば、直して以前のようにする、回復するとあります。大辞泉では、倒れたり傾いたりするものを直して元どおりに立てる。悪くなったものを再び以前の状態に戻す、再建すると書かれています。
 この辞書のとおりに立て直すとなれば、以前のようにするとなります。以前のようにとは、一体いつのことを指しているのでしょうか。また、倒れたり、傾いたり、悪くなったままを再び以前の状態に戻すとなりますと、今の武蔵野市政は、倒れたり、傾いたり、悪くなったと考えているのでしょうか。具体的に何が傾いているのかもお示しください。
 大辞泉の使用例には、赤字財政を立て直すということも書かれていました。武蔵野市の財政状況を振り返りますと、基金と市債の差を見てみますと、以前は赤字という状態でした。その後の市政で黒字化にしておりますけれども、この赤字財政にまで戻すのかと考えてしまいます。赤字財政に戻すのであれば、立て直すのではなく、倒壊させてしまうことになります。また立て直すということは、武蔵野市政が傾いている、問題山積みという印象を有権者に与えていたのではないでしょうか。
 二元代表制の一翼であり、市議会の議長でもあられるなど、要職を務め、政治歴22年、その保守中道の実力派であれば、その問題は議会が解決できなかったことになり、議員として問題の責任の一端があったようにも思えてなりません。そこで、何をいつまでにどのように立て直すかという質問に加え、これまでの市政について評価を伺いたいと思います。小美濃市長は議員時代に、土屋市政、邑上市政、松下市政、3代にわたって、議員として市政運営に携わってきたかと思います。これら3代に対する評価も伺えればと思います。
 質問の3として、調整計画から読み取れない公約と書かれていますが、具体的にどの公約で、いつまでに実現しようとしているのかを伺います。
 質問の4、施政方針に、4年後の選挙と第七期長期計画策定に係る計画のローリング時期についても調整が必要という認識を持っておりますとありますが、現状でどのようにしたいとお考えなのでしょうか。この件については先ほど与座議員から質問があり、第二次調整計画を行うという御答弁がありましたので、大まかは理解をしております。これを作成することはもう当然市長として行うべきだと思いますけれども、作成に当たって、市長と庁内だけでこの見直しの作成をしていかれるのでしょうか。全市民に聞いていかれるのか、議会との議論はどうするのか、時間軸も含めて御見解を伺いたいと思います。
 質問の5、政策形成段階での情報提供と市民の意見を伺うことが大切とされています。このことはとても必要なことですけれども、どのように市民に聞くのか、何人の市民に聞くのか、意見を聞いてどのようにするのか、具体的な内容を伺います。これは先ほどの理念、原則とも通じることですので、御答弁をお願いしたいと思います。
 また、全市民の皆様の声をしっかり聴いてと施政方針には書かれていますけれども、とても大変な作業にはならないでしょうか。パブリックコメントで聞くのであればこれまでと同じです。これまでと同じことを行うのか、改善されるのか、改善するのであれば具体的な手法をお示しいただき、どのように判断していくのかも伺いたいと思います。
 さきの住民投票条例の議会の議論では、否決理由の中に、周知不足を挙げている方がいたと記憶しております。また吉祥寺の駐輪場売却や武蔵境のミカレットについて、住民への周知不足など、自治基本条例にある、市が、市政に関する情報を適時、かつ、適切な方法により、市民に対して分かりやすく提供するように努めるという基本原則に照らしても、満足なものではなかったと、令和3年度決算特別委員会で当時の小美濃議員は発言され、一般会計には反対をされています。
 この考えでいけば、全市民に聞く前に周知をすることが前提となります。周知の方法を含め、どのような市民に聞くのか、何人の市民に聞くのか、意見を聞いてどのようにするのか、具体的な内容を伺いたいと思います。また、判断については多数意見で決めていくのでしょうか。それであれば機械的にアンケートを取り、政策にもありましたように、AIで判断させればいいだけのことではないでしょうか。
 武蔵野市を立て直す会という確認団体がありますけれども、この法定ビラには、1通の手紙でムーバスが実現したとありました。1通の手紙で実現するなら、全市民に聞く必要はありません。全市民から聞いて数で判断するのであれば、1通の手紙では実現はできないとなってしまいます。どのような判断基準でいくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 質問の6、震災対策として、家具転倒防止金具等の設置と建物の耐震診断、耐震補強への助成対象拡充とありますが、これまでに実施していることに加え、どのように拡充するのでしょうか。高齢者世帯ではなく一般家庭にも広げると予算案にありますが、設置の目標数とこれらの政策、ほかの政策も考えていくべきと考えますが、御見解を伺いたいと思います。
 家具転倒防止金具の取付けは、これまで市の事業として行われております。平成30年度事務事業評価によりますと、取り付けた世帯は約1万2,000世帯です。残りの世帯を計算していくと、1世帯1万円を支給するとなると、残りの世帯が約6万5,800世帯となりますので、単純計算で6億5,000万円の費用がかかるということになります。この費用をかけて実施していくのか、それとも限定数があるのかも気になるところですので、この目標数についても伺いたいと思います。
 震災対策としては、例えば防災ベッドというものがあります。これはベッドの周りに柵を設置して、寝ている間に地震が起きても身を守れるベッドです。また、家全体に耐震工事をするのでは費用がかかり過ぎることや、賃貸ではできないことから、部屋に壁を新たに設けて補強することで、1部屋だけを地震に備えるやり方として、耐震シェルターということもあります。
 これらは今後検討していただくとして、耐震化にはほかにもいろいろ政策があると思います。これらも検討するとして、これまでにいろいろ補助を行ってきていますけれども、そこには進まない原因もあるかと思いますが、このことについての御見解を伺いたいと思います。これまでの事業の原因、あるいは評価を加えて対応していくことが必要と思っていますので、御見解を伺いたいと思います。
 質問の7、セカンドスクールの宿泊日数を必要に応じて元に戻すなどの検討を行うとされていますが、現状の課題は何があり、元に戻すことでどのような成果になるとお考えなのでしょうか。このことは市長が決める前に、教育委員会、現場の教職員の皆様が検証することが前提ではないでしょうか。市長が先に決めてしまうことでよいのでしょうか。
 また、2月19日付で武蔵野市長期宿泊体験活動検証委員会を設置することが、議員にお知らせがありました。施政方針が述べられ、代表質問や予算審議もする前に既に実施するというスピード感には驚かされましたけれども、この検証委員会で元に戻す必要がなしとした場合、市長は元に戻すのでしょうか。市長公約との整合性、検証委員会との結論をどのように判断するのかも伺いたいと思います。
 質問の8、オンライン授業が実施できるように条件整備とありますが、現状で実施できない理由は何か、どのような条件整備が必要かを伺います。昨年、文教委員会で兵庫県川西市を視察した際、不登校対策として、学習者用タブレットを使い、授業をオンラインで配信していました。通常の授業を教壇の前に置いた学習者用タブレットで撮影し、そのまま配信しているそうで、不登校の子どもたちが見て授業を受けるだけではなく、校長先生などが授業の様子を確認でき、授業へのアドバイスも可能とされていました。配信に当たっては、教室にWi−Fiがあれば、特に機器は必要ないとされていました。Wi−Fiは武蔵野市でも設置されているため、特に条件整備は不要、あえて言えば、現場のやる気次第と考えていますけれども、御見解を伺いたいと思います。
 質問の9、第二中学校と第六中学校の統合は白紙とされ、中学校の6校が必要か議論すべきとしていますが、結論が出るまで建て替えをしないのでしょうか。議論はいつまでに終えると考えているのでしょうか。議論は必要ですし、将来の中学生である子どもたちの意見も聞いて判断すべきと考えますが、建て替えを延ばすのも難しい時期を迎えていますので、時間軸について伺いたいと思います。何よりも統合はあくまでも案であり、今後の議論で判断するとこれまでには説明があったかと思いますが、議論をしないで決めてしまう理由についても伺いたいと思います。
 統合の背景には施政方針にありますように、学校改築時のコストがあります。工事の不調があり、議会からは不調になったことで建設費高騰へ疑問視する意見が多くある中にあって、コスト削減が命題とされ、考え出されたのかもしれません。さらに敷地内で仮校舎を建てて改築ができるのかという、技術的な問題もあるのではないでしょうか。これらの問題を踏まえて、なぜ白紙と決定したのか伺いたいと思います。
 質問の10、吉祥寺に再投資とは、幾らを何に投資されるのでしょうか。これまでのグランドデザイン、NEXT吉祥寺などの計画がありますが、これらを修正するのでしょうか。つくり直すのでしょうか。吉祥寺の魅力をより高めることは必要ですし、武蔵野市全体にも影響する重要な案件と理解していますが、そこには財源という問題もあります。調整計画の財政シミュレーションでは、吉祥寺駅南口駅前広場事業、三鷹駅北口駅前広場事業の投資的経費などは未反映としています。再投資をするのであれば、財政シミュレーションの変更が必要になり、調整計画自体の整合性が崩れることになりますので、幾らの投資をする想定かを伺いたいと思います。
 質問の11、武蔵野公会堂の位置づけをどのようにお考えなのでしょうか。これもこれまでの計画を変更する、あるいは建て替えをするとなれば、財政シミュレーションは変わってきますので、確認をしたいと思います。
 質問の12、同様に、三鷹駅北口は公約でも掲げていますが、これまでの市の考えと何が変わるのでしょうか。財政シミュレーションにこちらも大きく影響するだけではなく、民有地へどのようにアプローチするのか、未確定な状態でもありますので、進め方について伺いたいと思います。
 質問の13として、給食の質とは何とお考えでしょうか。議会では、給食のランニングコストが高いとの指摘をする方もいらっしゃいます。質はコストとも関係があり、このバランスをどのように取るかが課題となります。さらに給食費を無償化することによってコストカットがされ、質が落ちるのではないか、手作りや地産地消、食の安全、食育ができるのか不安だという意見も多く聞きますので、見解を伺いたいと思います。
 質問の14、温室効果ガス排出実質ゼロを目指すと書かれています。このことは市のこれまでの方針であり、施政方針に書かれていることは評価しますが、まず、水素燃料のバスが効果的なのでしょうか。水素を作るには、石炭や天然ガスを燃焼させてガスを作り、そのガスから水素を取り出す方法があります。この作成過程においてはCO2が発生してしまいます。
 CO2を発生させないためには、再生可能エネルギーで作られた電気を使って水を電気分解し、水素を作るという方法で行うことが必要ですけれども、まだまだ実証実験の段階と言えるのではないでしょうか。巨大な設備が必要となれば、建設する際にCO2も発生します。また水素を補給するステーションが不足しており、日常的に不便な状態です。武蔵野市でも水素の市長車を導入しましたが、活用されているのかどうかは御存じのはずです。
 さらにコストの問題も残されています。水素の供給価格は1立方メートル当たり100円で、既存燃料の最大12倍に相当するとされており、この価格差は補助金を出して普及することが考えられていますが、そこまで必要なのかという考え方もあります。経産省の想定では、2030年代の本格導入を想定していますので、うまくいっても普及するのは10年後です。市長任期の4年間でこの価格差等が解消されるとは思えません。
 諸外国では水素より電気自動車にシフトしている状況ですが、その電気自動車は直近では失速しているとの報道もあります。富裕層への普及が一段落したことで、また値段が高いこともあり、現実的に考えればハイブリッド車を選択するユーザーが増え、電気自動車の普及が止まってしまい、EV革命が頓挫したという報道もあります。
 このように先行きが見えない状況を考えれば、水素を選択するのは現実的ではないと言わざるを得ません。今の時期に検討する意義をお聞かせいただきたいと思います。
 また、ペットボトルを毎週収集にするという公約もありますけれども、車両の走行時間、距離は、単純に言って倍になります。CO2削減の逆効果になるのではないでしょうか、御見解を伺いたいと思います。
 質問の15、選挙ビラや選挙公報を拝見しますと、年金プラス5万円と書かれています。何人かの市民から、高齢者に毎月5万円配るのか、ありがたいけど財源は大丈夫なのか、高齢者とは何歳以上のことかとも、いろいろ聞かれています。私に聞かれても困るので、この場で確認をさせていただきたいと思います。
 施政方針では、「高齢者自身の就労を含めた社会参加が、効果的な介護予防や健康寿命の延伸に寄与するとともに、それが少しでも収入につながれば、毎日の生活に張りも出てきます。例えば、年金など現在の収入に加えて毎月5万円程度収入が増えれば、ご自身の趣味の充実に活用することもできます。健康で豊かな高齢期を支えるために、高齢者のさらなる社会参加の仕組みを研究してまいります」と書かれています。さきの全員協議会でも、仕事を増やすことといった答弁があったと記憶しております。
 5万円が増えたらいいなということなのでしょうか。こういう希望だけで公約をつくっていいものか、疑問を持ってしまっております。有権者の方に間違った印象を与えていないのか、このことを危惧しております。
 施政方針の参考資料として、令和6年度予算案の主要な施策があり、健康・福祉部門に、「武蔵野市シルバー人材センターなどを通じ、就労機会の拡充を図り」とあります。当初はこの高齢者に5万円というのは、シルバー人材センターで仕事を増やすことかと思えていました。そのために令和4年度事務報告書で調べてみますと、シルバー人材センターの契約金額は総額で3億9,182万円とあります。単純計算として、会員数の1,085人で割り返してみますと、会員1人当たり月額3万円です。これには事務経費等は入っていませんけれども、5万円とすると、仕事量を倍にしなくてはならないという計算になってしまいます。とても大変なことかなと思っています。
 このシルバー人材センター活用かと考えていたのですが、選挙時の小美濃候補の公式サイトを確認すると、このことがより詳しく書かれており、別の意味であることが分かりました。そこには豊かな老後と自立を応援と書いてあります。このことは、自ら働いて生活を豊かにしなさい、自立して働きなさいとなり、健康に不安のある方、入院され、経済的に苦境にある方、寝たきりになっている方などはどうすればよいのでしょうか。健康で豊かに働けない人は切捨てにならないのかという懸念を持ちました。
 このことだけではなく、「武蔵野市公共サービス公社創設−65歳以上の社員に公共サービスを発注」と書かれています。シルバー人材センターで仕事を増やすのではなく、財政援助出資団体が多過ぎるという議会での指摘がある中、この記載をそのまま読めば、新たに公社を設立することになります。本当に設立させて公約実現を目指すのでしょうか。このことに対する具体的な内容と財源をお伺いしたいと思います。あわせて、数が多いと言われる財政援助出資団体への評価も伺えればと思います。
 質問の16、子育て世帯の移動支援について研究をしていきますと書かれています。事例としてレモンキャブが書かれており、選挙公報などで、レモンキャブを子育て世代にもと書かれています。これはレモンキャブを想定されているのでしょうか。確かにニーズは多く、移動支援は必要だと思います。もし実現できれば、子ども子育て応援宣言のまちとしても意義があると思います。しかし道路運送法施行規則により、障害者や介護保険の対象者が乗車することで認められている制度ではないでしょうか。この規則では子どもやその家庭は含まれていません。法改正や規則改正を視野に入れての公約なのか、あるいは単なる希望を述べた公約なのでしょうか。
 移動支援であれば、23区の一部で行われているタクシー利用券を実施したほうが、より早く実現できます。コミュニティバスの乗車券や同時に乗車できる人を2名にするなどの支援も行われています。レモンキャブにこだわらなくても実現できますので、御見解を伺いたいと思います。
 質問の17、障害者の親亡き後の支援を見据え、民間住宅への入居支援に関する取組を進めていくためにと書かれていますけれども、必要な支援とは具体的にどのような支援であり、対象者は何人程度と見込んでいるのでしょうか。親亡き後の支援は重要であり、切実です。グループホームに入居できたとしても、親が亡くなった後や、当事者が高齢者になり動けなくなった場合にどうするかなどの問題もあり、解決が必要であり、記載したということは高く評価をしたいと思いますが、地価や家賃が高い武蔵野市でどのように解決していくのか、具体策を伺いたいと思います。
 質問の18、吉祥寺地区のベッド数については、先ほど与座議員も質問されていました。これは具体的にどのように実現していくのか。与座議員は秘策とおっしゃられていましたけれども、この具体策を聞きたいと思います。説明については与座議員もしていましたので、ここでは述べません。
 質問の19、住民投票制度の議論の凍結が書かれていますけれども、具体的にどのようなことなのか、伺いたいと思います。市民の議論も凍結させてしまうのでしょうか。凍結の定義が明確でないために、具体的にお示しをいただきたいと思います。住民投票には多様な意見があり、条例案自体は廃案にはなっています。しかし必要との市民はいますし、条例をなくしたいと考えている市民、投票できる人の条件を変えればいいと考えている市民もあり、様々な意見があります。さらに自治基本条例の改廃を公約にしている市議会議員もいると認識しております。
 さきの住民投票条例案の否決の後、条例案に反対している人たちのイベントに伺いました。そのときには、賛成、反対、それぞれの市民同士が話し合う熟議の場をつくりたいと話されていました。熟議の場をつくることは私も賛成の立場です。賛否は別として、このような市民が熟議をする場も白紙にするのでしょうか。また市職員にも、今後どのように議論をすればいいのか、熟議の場を考えてもらうこともさせないのでしょうか。
 また、対立になったかの説明もありません。大音量の街宣車が市内を走り回ると条例案を否決するのか、市は検討しなくなるのかとなります。今後も同様のことがあれば議論しないのでしょうか。騒然となったことと、議論、熟議をすること、しないことは、別次元の話ではないでしょうか。白紙とは、執行部の案として住民投票条例案を提出しないことなのか、庁内で検討もしないことなのか、市民にも議論させないことなのか、明確ではありません。白紙の意味を伺いたいと思います。
 同時に今後も街宣車が走り回れば議論を止めてしまうのか、条例案をなくしてしまうのか、このことについての御見解を伺いたいと思います。
 質問の20、今後の財政見込みについて、特に建設費高騰の見込みと予算執行への影響を伺います。さきの全員協議会で、保健センターの増築と改修で建設費が40億円から70億円に増えることが想定され、一度立ち止まって見直すべきとの意見が多く出されていました。建設費高騰は保健センターだけの問題ではなく、高齢者総合センター、五小、井之小の工事、解体工事、さらには二中、六中、二小の建て替え工事もあります。
 先ほどの確認団体のビラには、吉祥寺に再投資の項目があり、駐輪場を駅近くに整備と書かれていました。今、吉祥寺の整備目標台数は足りているとしておりますけれども、これを上回る駐輪場を造ることになっています。つまり、ここには土地代ですとか建設費がかかることになり、建設費高騰が影響することになります。ほかにも本町コミセンの建て替え、消防団第2分団詰所の建て替えもあります。これらにもこの建設費高騰は大きく影響するかと思いますけれども、見込みを伺いたいと思います。
 これらを考えていくと、調整計画の財政シミュレーションの修正が必要になり、各種政策が実行できるかの再検討も必要となってくると考えます。先ほどの御答弁で第二次調整計画をつくるとお答えになっていますので、この辺りも検討されていくのかについても伺いたいと思います。
 一方で、人口が増えていくことで税収増が期待できます。以前は13万人前後で推移することが望ましいという考えもあったと聞いていますけれども、人口の世代構成が同じであれば持続可能となりますが、高齢化率が上がり、若い世代が減っていくことで、持続可能性が薄らいでいきます。現在の市の人口は微増もしくは横ばいという状況ですけれども、今後の人口推移も含めて、現段階の財政見込み、特に建設費の見込みについて伺いたいと思います。
 質問の21、いわゆる吉祥寺駐輪場問題で、市の見解は変更されるのでしょうか。市内には市長を提訴しましたというポスターが貼られ、市長選でも吉祥寺北口駐輪場売却反対ですと大きく書かれ、市長に白紙撤回を求めていると書かれています。ポスターの主張などは裁判で明らかになると考えますが、現在の裁判の被告は小美濃市長ということになります。小美濃市長は白紙撤回をされるのでしょうか。裁判の方針は変更されるのでしょうか。また市のサイトには、吉祥寺東部まちづくりについてのよくある質問のページがあり、この主張も変えられるのでしょうか。白紙撤回となれば、土地の購入、売却費用はどのように精算されるのか。建設した駐輪場を撤去するのでしょうか。白紙となれば今後の財政計画にも影響しますので、御見解を伺いたいと思います。
 質問の22、日本一とは何かを伺います。選挙公報には、「助けあい励ましあう日本一のまち」と書かれ、施政方針にも書かれていました。この日本一とは、財政力指数、高齢者福祉、障害者施策、子ども施策、子どもの権利を守ること、住みたいまちでしょうか。よく分かりません。言葉どおりに受け取れば、助け合い、励まし合うとは、市民同士で行い、行政は何もしない自助だけの社会、もしくは社会的弱者に頑張れと声をかけるだけのまちとも受け取ってしまいます。それは本意ではないと思いますので、市長の見解を伺いたいと思います。
 また、日本一を目指すより、武蔵野市の強み、特性を生かして、市民が誇りに思えるまちづくりを目指すべき、そう考えておりますが、このことに対して御見解を伺いたいと思います。冒頭に述べましたように、生活の質、満足度を重視したまちづくりも進めていくべきと考えますが、御見解を伺いたいと思います。
 最後に、小美濃市長とは全く知らない関係ではなく、同じ議会改革を進めてきたこともあり、人柄や考え方には一定の信頼を持っております。施政方針を聞き、読むだけでは分からなかったこと、疑問に思うこと、選挙公約をどのように実現させていくのか、手順が見えないことから、今回の質問をさせていただきました。無駄を省き日本一と称し、ビラにも書かれていましたが、その無駄が何なのかも施政方針には書かれていませんでした。
 財源の見通しがなく、ウィッシュリストが並び、このまま進めてしまうと、立て直すのではなく、建て増しになってしまうのではないか、こういう懸念を持っています。施政方針にありますように、選挙が終わればノーサイドであり、市民福祉向上というゴールは私たちと同じです。そのために議論を重ね、科学的に最善策を判断し、隠し事がない市政、議会を共につくり上げていきたいと考えております。
 以上で壇上での質問を終わります。御答弁をお願いいたします。