11994◯12番(菅 源太郎君) 立憲民主ネットの菅 源太郎です。通告に沿って市長及び教育長に質問いたします。大きく2本柱になっておりまして、1つは「市民の力を活かすまち」について、もう一つは、魅力ある市立小・中学校づくりについてお尋ねいたします。
まず、1の「市民の力を活かすまち」についてお尋ねいたします。
小美濃市長、改めて御就任おめでとうございます。市長と市議としては初めての議会とそれぞれなりますので、基本や前提となる事柄も取り上げることになると思いますが、ぜひともお答えいただきたいと思います。
この武蔵野市は、もう御案内の方が多いと思いますが、市制施行以来、荒井市政が16年、後藤・藤元市政が20年、土屋市政が22年、そして邑上・松下市政が18年と、大体20年ごとに政権交代をしてきました。私は、武蔵野市が住みたいまちに選ばれているのは、歴代市長が交代しても、長期計画に基づく比較的安定した市政運営が続き、それが市民の納得感、満足感につながってきたからだと考えています。
武蔵野市の、私も武蔵野市以外でも生活したことがありますが、そこで大変驚いたのは、武蔵野市の他市にない大きな特徴として、やはり町内会と公民館がほとんどないということ、これは他市に参りますととても強く感じます。初代の荒井市政は、戦後占領軍の命令で解散した町内会を復活せず、後藤市政のコミュニティ構想と、自主参加・企画・運営によるコミセン整備によって公民館が必要とされませんでした。さらに、後藤市政で長期計画が策定され、計画行政が始まりました。この市民参加、議員参加、職員参加の武蔵野市方式と言われる策定調整手法が、コミセン方式などとともに土屋市政にほぼ踏襲され、邑上・松下市政へとつながっています。
そこで伺います。市長は、歴代市政の評価は控えたいとお答えになっておられましたが、特に、後藤・藤元市政から、いわゆる革新市政から20年ぶりに政権交代した土屋市政が、この武蔵野市方式などを踏襲したこと、このことを、このたびも同じように18年ぶりに政権交代した市長としては、どのように受け止め、どのように評価をされ、踏襲されるのであれば踏襲すると、やはりここでぜひ表明していただきたいというふうに思います。
次に、第六期長期計画の施策の大綱に、市民自治における参加者や担い手の固定化、担い手の負担感の増加等の課題があるため、若者世代の参加を促し、その活動を支援するなど、参加者の裾野を広げる取組を新たに進める必要があるとあります。この若者世代の参加はもちろんなのですが、私が生活していて感じるのは、やはりこの現役の子育て世代、特に現役の子育て世代には共働きが多いですので、そうした子育て世代が、どのようにこの市政運営といいますか、市民参加していくことができるのか、このことが私にとっては大変大きな問題意識であります。
実は、私この1年間、小学校でPTAの校外委員長をしておりましたが、コロナ禍が終わって様々な行事なども元に戻ってまいりました。そして今、武蔵野市では、ありがたいことなのかもしれませんが、小学校で児童が増えている。そしてあわせて、これは今日はそこについて尋ねることはいたしませんが、教職員の働き方改革などもあって、大変イベントが5年ぶり4年ぶりという中で、やりにくい状況というのがありました。先輩世代、本当にいろいろな経験をこれまで地域活動で積み重ねてこられた世代と、やはり共働きの多い現役子育て世代のギャップというのをいろいろな場面で感じることがありました。様々な中間組織が後継者難の中、こうした担い手の裾野を広げるということは言うはやすしなのですが、具体策があれば、ぜひ御紹介いただきたいと思います。
やはり私が今申し上げたように、これはもともと、ちょっと言葉は選ばなければいけませんが、この50年にわたる市民参加というのは、やはり、どの社会、どの地域でもそうでしたけれども、男性が主に働きに出て、女性が家庭にいてということがかつては多かったわけですが、そういう中で地域の担い手、市民参加の担い手の主たる担い手として女性がいたという、これは現実としてはあると思います。しかし、今そのような状況でなくなっていることも、もちろん私も共働きですので、よく感じていますので、まさに若者だけでなく、そうした現役子育て世代もどのように市政につながっていくのか、このことについて、ぜひ具体策があれば御紹介いただきたいと思います。
続いて、市長は議員時代の昨年2月に代表質問をされていらっしゃいます。私も拝読いたしました。その代表質問で、今回決定した第一次調整計画について議論、そういう第一次調整計画の策定中という中での質問だったわけですが、このように市長はおっしゃっています。時代の流れが急速に変化している状況下、市政運営の基本方針と施策の大綱を、10年間そのまま長期計画及び調整計画として市政に反映し続けることが果たして適当なことなのか、このように、ある種問題を提起していらっしゃいます。こうした観点であれば、このたび第二次調整計画を策定すると表明されましたけれども、第二次調整計画ではなく、第七期長期計画を前倒しで策定してはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
といいますのは、このままですと、この質問でも触れておられたのですが、市長は、市議会が議決した第六期長期計画の施策の大綱に、これは第七期長期計画を決定するまではもちろん拘束されますので、その拘束されてこのまま進むと。第七期長期計画をつくれば、そこで新しい長期計画の施策の大綱に拘束されるわけですが、そういうことでよろしいのかどうか。いや、もうあくまでも第六期で第二次なのだということなのかどうか、お答えいただきたいと思います。
続いて、自治基本条例についてです。市長は、2016年から18年に武蔵野市自治基本条例(仮称)に関する懇談会委員を務め、議長時代の2020年に自治基本条例が全会一致で成立するなど、条例制定に深く関与してこられました。そこで伺います。私は、自治基本条例が、その前文にある、先人たちが築き上げてきた市民自治及び市民参加の取組を将来にわたって推進していくために制定されたと考えています。もちろんそうだと思いますが、市長はそのような認識でおられるかどうか、お尋ねをいたします。
次に、市長は、これも議員時代の昨年2月の代表質問で、自治基本条例は、市民にどれくらい伝わったのでしょうか。私の周りの人に自治基本条例について尋ねたところ、ほとんどの人がまだ理解をしていない状況ですと述べておられます。第六期長期計画の施策の大綱には、これまで培われてきた本市の市民参加・市民自治の歴史を将来にわたり継続し発展させていくため、市政運営のルールを武蔵野市自治基本条例として明記し、定着させていくとあります。議会で議決した施策の大綱ですので、その議員時代の責任に加えて、今後は市長として条例を定着させる責任を負っています。これは、先ほど私、第七期長期計画にしないのですかと申し上げたのは、第六期長期計画であれば、この施策の大綱に拘束されますので、その責任が市長には発生しますが、条例、自治基本条例をどのように定着させるか、具体策をお答えください。
続いて、条例に基づく常設型住民投票制度についてです。市長は選挙公報で、市民を分断する外国人住民投票条例は凍結と公約し、施政方針で、住民投票制度の議論は凍結と述べています。そこで伺います。施政方針は、凍結の理由として、条例の内容や制定手続には触れず、その議論が全国的なニュースとなり、市役所や議員にメールやファクスなどが大量に届きました。まちには大音量の街宣車が走り回り、駅ではデモ行進が起こるなど市内も騒然としたことを挙げています。その認識でよいのでしょうか。施政方針という公的な文書にこうした表現が掲載されたことに、私は驚きを禁じ得ません。これでは、対立する政治課題があるたびに、メール、街宣、デモなどの圧力をかければ屈するとのメッセージになりませんか。明確に御答弁ください。
ところが、今月の有識者懇談会の事務局論点整理が、制度の目的、性格は──途中略しますが──できる限り明確にするべきであったというふうに論点整理が触れましたら、市長は、22日の代表質問に対する答弁の中で、それも理由のようなことを答弁していらっしゃいます。これも凍結の理由になるのでしょうか。後づけではないかと思うのですが、いかがですか。
そのほかにも、選挙公報にあった、もちろん外国人の投票権、あるいは代表質問に対する答弁にもあった、コロナ禍で外出自粛が求められる状況での不十分な議論、こうしたことも凍結の理由なのでしょうか。なぜ施政方針にはこうしたことを挙げないで、メールやファクスなどが大量にという、この一文だけが理由として挙げられているのか、そこについて、ぜひ納得のいく説明をしていただきたいと思います。
そして、市長はどのような条例だったら賛成されたのでしょうか。私も、市長のこの住民投票に対する考え方を、ずっといろいろな発言を、特に質問ですとか、そうした発言を読んできたのですけれども、どこにあるのかなということが分からないので教えていただきたいと思います。1月29日の全員協議会での私の質問に対して、住民投票制度に異を唱えたことはないというふうに市長は答弁されました。これが、そもそも地方自治法にある直接請求の手続、それを指しておられるのであれば、そもそも条例に基づく常設型住民投票制度というものが必要だと考えていなかったということ、あるいは、まださらに譲っても、それはこの懇談会の議論の中であった廃置分合のみ常設型で住民投票制度を設けるという、そういう主張だったというふうにも取れますが、これは誤解でしょうか。もしそうだとするならば、廃置分合のみだとか、あるいはもう常設型の住民投票制度は条例に基づかなくていいのだともともとお考えだったのであれば、なぜ自治基本条例の制定過程の中で、そのことを強く、そういうお立場にいらっしゃいましたから、発言できたと思うのですが、されなかったのか、御説明いただきたいと思います。
そして市長は、議員時代の、これも昨年2月の代表質問で、これからの議論を丁寧に行うためにも、自治基本条例19条も含めた住民投票制度について、有識者や市民と熟議を交わすことが大事と述べていらっしゃいます。この有識者の熟議というのは、もしかしたら論点整理した会議だとして、どこで市民と熟議を交わすのでしょうか。これは1年前の、住民投票条例が否決した後の市長の質問ですので、状況はそんなに大きく私は変わっていないと思うのですが、ここでいう市民の熟議というのは、どういう意味なのでしょうか。議論の凍結とは矛盾すると思うのですが、御説明いただきたいと思います。
また、ここで、自治基本条例19条も含むとありますが、これは19条自体の改廃を考えているということなのでしょうか、御説明ください。
この住民投票制度について、もちろん様々な議論があることは承知しておりますが、そして庁内の検討や、条例案の市長提案という形は凍結できたとしても、市民や市議会の議論を、もちろん市長が凍結することなどできませんので、市長の立場をしっかり御答弁いただきたいと思います。
続いて、大きい2つ目の、魅力ある市立小・中学校づくりについてお尋ねします。
武蔵野市は人口が増加傾向にあり、その中で、市立の小学校は、2013年から23年までに1,385人、27.2%という大変増加率、高い増加になっております。それに対して、市立の中学校は2013年から23年の10年間で120人、6.5%の増加にとどまっています。また、2022年度の小学校6年生が975人に対して、2023年度の中学校1年生が658人、これはどちらも市立ですので、ということは、単純に比較はできないものの、約3分の1は国立、都立、私立の中学校に進学したと考えられます。私自身は、市立の二小から六中に進学しました。3年生で不登校になりましたけれども、様々な背景を持った同級生とともに過ごした時間は貴重だったと今でも思っています。もちろん、どの中学校に進学するかというのは、子ども自身と保護者が自由に選択することですが、私立はもちろん、授業料のない国立や都立でも、受験のための塾通いの費用などを考えれば、経済的事情のある子どもを含めて、最後の選択肢は市立中学校になるわけです。
繰り返すまでもなく、憲法26条2項は、義務教育は、これを無償とすると規定しています。ところが、市立中学校でも、授業料や教科書以外の費用は保護者が負担をしています。その意味で、市立中学校は子どもの教育を受ける権利を十分保障するため、さらなる取組が必要です。
そこでまず、小・中学校の教材費の支援についてです。ある市立中学校の納付金が3年間で、教材費が約6万円、修学旅行費が約7万円を含めて、計約18万円です。これには服装であるとか給食費は含まれません。市では、就学援助費として経済的理由で就学困難な児童生徒の保護者に対し、2022年度に、これは給食費合算ですが、小学校563人、4,200万円、中学校368人、3,900万円を支給しています。
そこで伺います。教材費の無償化というのも全児童生徒に対象を広げてはどうでしょうか。従来から、全国で20の自治体が無償化してきましたが、これまで小学生のみを対象として実施してきた杉並区を除くと、人口の少ない町村ばかりでした。ところが、品川区が2024年度予算に区立学校学用品全額無償化として、区立小・中学校46校、約2万4,000人を対象に、所得制限なく約5億5,000万円を計上いたしました。こうした最近の動向を踏まえてお答えください。
それから、保護者負担経費には教材費や給食費のほか、修学旅行費──先ほども挙げました──卒業アルバム、あるいはPTAの会費などもあります。杉並区が2022年に、杉並区立学校における義務教育保護者負担軽減のあり方検討委員会というのを設けました。保護者アンケートなどを実施しながら検討を重ね、2023年に杉並区立学校における義務教育保護者負担軽減のあり方検討報告書というのを取りまとめています。武蔵野市でも給食費については、先ほどから御答弁のあったように、無償化に関する庁内検討調整会議が設置されていますけれども、給食費以外を含めた保護者アンケートや保護者負担軽減策を検討する場を設けてはいかがでしょうか、お答えください。
それから、中学校の標準服、体育着、上履きの指定について伺います。ある中学校のこうした標準服、体育着、上履き、大体、標準でそろえますと計約7万円かかって、これらは販売店が指定をされています。標準服についてはリサイクル品もありますが、体育着や上履きは指定以外を選べません。もちろんお分かりのように、中学生は身体的成長も速く、買換えも発生する。ですから、これ以上の金額がかかるということになります。給食費も、中学校ですと小学校に比べれば単価が上がりますので、3年間で約20万円かかります。先ほどの教材費など約18万円を合わせると、無償の授業料と教科書を除いて、この今の服装も合わせて、少なくとも45万円程度かかってきます。決して安い金額ではありません。標準服、体育着、上履きについて、販売店を指定する理由と、それを解除する考えはあるか、お答えください。
そして、中学校の合同部活動のルール化についてです。ある児童の保護者から、進学予定の市立の中学校でメジャースポーツの部活動が廃部になるかもしれないとの話を聞きました。最終的に来年度の存続は決まったそうですが、単独校での部活動の維持が困難になっています。既に第六期長期計画・調整計画でも、合同部活動の設置や部活動指導員の充実など持続可能な部活動の在り方を──中略──検討すると問題意識を示しています。
そこで伺います。具体的には、来年度に向けて拠点校をつくることを検討していると伺いましたが、小学校の特別支援教室のように固定した拠点校なのか、特に運動部の場合は、部員の多さや練習場所の広さで、競技ごとに異なる拠点校を設けるのか、お答えください。
さらに、既に複数の中学校で複数の競技の合同部活動をしていると伺いましたが、特に運動部の場合は、部員の不足している学校から合同化をどのような手順でどの相手に求めるのでしょうか。例えば、あるAという不足している学校があって、その学校からBという近隣の学校に求めるという手順なのか、それとも、一旦はそうしたことは、これまでも例えば教育委員会のほうで預かって近隣校と調整をしたのか。その辺の当該校同士でやっているのか、これまでですね、それからこれからもですが、あるいは教育委員会がそういうこと、今後は在り方を検討するということですので、教育委員会が関与していくと思いますが、その辺の手順について御説明いただきたいと思います。
それから、とかく運動部に注目が集まりがちですが、文化部も重要です。運動部では1つの中学校にのみある競技の部活動──もう6校のうち1校にしか今ない競技ですね──の部活動に他校の生徒が参加しているというふうに伺いました。それ以外は、実は、両方の学校の部活動は部はあって、部長さんも、部員さんも、何というのですか、顧問の先生もいて、しかし、休みには片方の学校で合同練習をしているということのようでした。ただ、1つの競技だけは、6校のうち1校にしか部活動がない競技なので、これは市内全域からその学校に集まってきているというふうに聞きました。こう考えますと、運動部のように競技人数という基準はないものの、文化部は、運動部と比べても各校で選べる部の数が少ない。実は、運動部も、ウェブサイトで各校を拝見したらとても少ないのですが、文化部も同じように少ない状況があります。こうした文化部の場合も、他校の部活動への参加を認めてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
そして現在は、合同部活動が休日、主に合同で活動しているのは休日ですという説明をいただきました。休日のため、移動手段として自転車の利用が認められていますが、今後、平日の合同部活動、あるいは、今私がお願いした他校の部活動に参加する場合、禁止している自転車通学との兼ね合いをどう考えるか、このことは多分整理が必要になると思いますが、いかがお考えでしょうか。
この大きな2番に関してはかなり細かい点をお尋ねしますが、子育てや教育をめぐる課題というのは、子どもや保護者がどんどん入れ替わってしまいます。当事者だからこそ感じる切実さを継続して訴えにくいという特徴がありますので、子育て当事者として見聞きしてきた課題、今日は取り上げましたので、ぜひ具体的な御答弁をお願いしたいと思います。
以上、壇上からの質問です。