12142◯9 番(小林まさよし君) 9番、自由民主・市民クラブ、小林まさよしです。冒頭、令和6年能登半島地震で犠牲となられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げたいと思います。
質問する前に、武蔵野市は邑上市政、松下市政において市債残高を減少させ、基金残高を増やして、健全化が進んだというような御意見がございました。本来は中身の質問が必要ですが、この点について、武蔵野市と三鷹市の市債と基金の残高について、邑上市長が通年で市政運営した平成18年度から直近の令和4年度までの17年間の変化を比較することで、何が言えるのか、まず検証、考察してみました。
なお、武蔵野市は三鷹市よりも市民1人当たりの市税は8万円大きく、14万8,000人とすると、年間で120億円程度財政的に豊かな自治体であることは、これまで私から皆様にお知らせしているとおりです。17年間では、この武蔵野市は三鷹市よりも累計2,000億円も財政的に豊かだということになるのですが、武蔵野市の健全化は三鷹対比でどれだけ進んだのか、見てみたいと思います。
この図表の枠線を御覧いただきたいと思います。上段が武蔵野市、下段が三鷹市です。基金残高と市債残高の17年間の変化を確認できます。武蔵野市は17年間で基金残高は267億円の増加、市債残高は142億円の減少です。合計すると409億円分だけ財務の健全性の改善があったと、この残高から言えるのかなと思います。次に、下の枠線を御覧ください。三鷹市は基金残高99億円の増加、市債残高は175億円の減少です。合計すると274億円の残高の健全性があったということになります。
この健全性の改善は、武蔵野市も三鷹市も市税がこれまで17年間で60億円程度増加している、これが影響しているというように見ていますが、私が問題だと感じるのは、三鷹市よりも累計で2,000億円もの豊かさがあったのに、武蔵野市は三鷹市の財務の健全性の改善は、僅か135億円しかなかったということです。その差である1,800億円以上の税金はどのように使われたのでしょうか。その点については皆様御承知のとおり、右肩上がりに増加し続けた物件費などではないでしょうか。
この17年間、邑上市政、松下市政を通じて、三鷹市と比較して明らかに高コスト体質、高コスト化が進んでいると考えます。なお、この検証から、今後武蔵野市においては、物件費を中心とした事務事業の抜本的な見直しが必須の課題であるということも確認されたと考えます。
それでは通告に従い、大きく2つの質問をしたいと思います。
大きな1つ目の質問です。将来人口推計、長期財政シミュレーション、保健センターを含めた公共施設等再整備等についてです。
私は松下市政において、1、右肩上がりに増加する将来人口推計は楽観的であり、ミスリードする内容だということ、2、近隣自治体の1.4倍に当たり、多額に上る公共施設の再整備等と資材高騰の影響及び右肩上がりに増加する物件費などの問題を指摘し、高コスト化を抑制すべきということを幾度となく指摘してまいりました。これは改善されたのでしょうか。
そして将来人口推計についてですが、2024年になり、改めて直近の市の将来人口推計と実際の人口に差異が生じていないか、比較してみました。図のとおりとなっております。こちらの図表は、2022年から2024年1月までの日本人人口の実績と推計値の推移となっています。基準年の2022年の日本人人口は約14万5,000人です。しかし推計値は2024年に14万6,000人と、人口が1,000人以上増加するとする一方で、実際の日本人人口は14万4,000人強となり、1,000人減少するということになっています。2024年の推計値と実績の差は2,000人以上となり、1.4%の乖離が生じております。
日本人人口について、実績と推計値の大きな乖離だけではなく、推計値は増加だけれども実績は減少という傾向の違いも確認されています。人口の減少は、私は強く懸念してきたものであります。外国人を含めた総人口においても、2024年において1.0%の乖離が生じています。またゼロ歳児の人口は2024年2月に986人と、1,000人を割る状況まで減少しています。
先日、市民の方と市の意見交換会を傍聴する機会がありました。その場で市民の方から、少子高齢化、人口減少が進む中で、市の楽観的な将来人口推計どおりにいかなくて、税収が減少して、大変なことになるだろうという趣旨の意見が出ていました。
この意見に基づいて、税収減がどの程度になるのか、3つの仮定を単純化したケースでありますが、試算してみました。仮定の1つは、人口が推計どおり増加せず、現在の水準である14万8,000人という横ばいで30年間推移するということ。2つ目は、14万8,000人から16万1,000人への増加は直線的、リニアであること。3つ目は、市民の1人当たりの市税は、令和6年度予算に従って30万円と設定することです。もう本当に単純化しています。
この仮定に従うと、この図の面積が税収減として試算されます。縦が16万1,000人から14万8,000人を除いた1.3万人、横が30年間、そして市民1人当たりの市税が30万円とすると、この三角形の面積は、1.3万人掛ける30年間掛ける30万円掛ける2分の1で585億円というように、税収減、横ばいだった場合に減収すると試算されるというところです。
2年連続で武蔵野市の人口が減少したというのは、先ほどお知らせしたとおりです。人口が現状より増加しなかった場合、この将来人口では、将来において、市民が数百億円規模の財政負担の増加を強いられる可能性が高いということになりかねないでしょうか。私は、この松下市政において示された推計値は楽観的であり、ミスリードするものだと考えます。繰り返しの主張でありますが、これが市民の声ということを市側には強く認識していただきたいということを、市民の代表としても申し上げたいと思います。
1つ目の質問です。第六期長期計画・調整計画──以下、六長調と言います──には、人口が推計値から一定の基準、総人口の1%程度以上乖離した状況が1年続いた場合には、推計の見直しを行うという条件が記載されております。前述した2024年1月時点における実績と推計値の乖離率は、日本人人口が1.4%、総人口が1.0%となっています。2024年の人口の状態は、六長調に記載された一定の基準、総人口の1%程度以上乖離した状況という条件に該当していると考えますが、市長の見解を伺います。
2つ目の質問です。これまで松下市政の右肩上がりに人口が増加するという前提で市政運営が行われてまいりました。新たに小美濃市政を前に進めるに当たって、今後、直近の諸人口の減少という2年間の傾向を反映した新しい将来人口推計を適用するほうが、より実態に合った市政運営、財政運営が行われると考えますが、市長の考えを伺います。
次に、長期財政シミュレーション及び保健センターを含めた公共施設等再整備──以下、再整備費用とします──について伺います。資材高騰の影響で学校改築の入札が不調になるなど、明らかに再整備費用が大きく増加しています。その再整備費用は、第六期長期計画──以下、六長とします──が約3,000億円であったのに対して、六長調では2割増の3,600億円を見込んでいるということです。しかしながら保健センター増築計画に関する総事業費の増加など、昨今の状況を見ると、1.2倍が十分妥当とは到底考えられません。
3つ目の質問です。保健センターの増築計画において当初40億円と見込んでいた総事業費は、突然2月8日に、当初の1.75倍の70億円に大幅増加することが報告されています。現在資材高騰や労務単価の上昇を主因に、六長対比で1.5倍程度で見ているという答弁もあったと記憶しています。六長対比で再整備費用は4,500億円程度が必要というような見方になりますが、その考えでよいのか、市長の見解を伺います。
また、市として直近の資材高騰が影響した30年間の再整備費用は幾らが妥当と考えているのか、市長の見解を伺います。
4つ目です。六長調の長期財政シミュレーションでは、吉祥寺駅南口の再整備事業のような、実施時期や規模が定かでない大規模な事業を未反映にしているとしています。これに加えて、直近の資材高騰による公共施設の再整備の増加、東京都水道一元化に向けた費用を反映させると、六長調の財政シミュレーションに含まれていない財政負担は、1,000億円以上になるのではないかと考えます。一つ一つ幾らということは正確におっしゃることはできないと思いますが、この影響としてどの程度の財政負担が生じる可能性があるのか、幅があって構わないので、市長の見解を伺えたらと思います。
5つ目の質問です。保健センター増築計画について、当初40億円としていた総事業費が70億円になるということなのですが、資材高騰による今後の再整備費用の増加を考慮すると、70億円もの税金を保健センターの増築に投入するのは、市の財政的にバランスが取れなく、また私は、市民に説明がつかないものというように考えます。この先、学校改築に多額の税金を投入しなければならない状況にあり、子どもの教育環境は、市長の言うとおり、最優先事項だと考えます。保健センター増築に70億円近い税金を投入することが、市の財政においてもバランスとして問題ないと考えるのか、市長にその見解と理由を伺います。
6つ目の質問です。市長は二中と六中の統廃合について、30年後、40年後の教育環境を含めてしっかり議論する必要があるとして、白紙にしました。市長のこの判断を、私は高く評価しています。優先すべきは子どもたちの教育環境の整備と考えます。資材高騰によって財政負担が増加する見通しにある現状においては、保健センターについて、当面必要な改修にとどめておくことが妥当だと考えますが、市長の見解を伺います。
大きな2つ目の質問については、武蔵野市のハード面及びソフト面のまちづくりについてです。
まずはハード面からですが、吉祥寺駅南口の再整備、これは本当に複雑で大変な事業だと思います。問題は、吉祥寺駅南口の再整備は、市長が全員協議会で述べられたように、この18年間進んでいなかったということかと考えます。特に松下市政においては、令和2年度、吉祥寺まちづくり基金の積立てを取りやめるなど、先送りされた印象は私に強く残っています。
1つ目の質問です。市長は吉祥寺駅南口の再整備を公約に掲げたが、どのように進めると考えているのか、見解を伺います。
2つ目の質問です。吉祥寺のまちづくりについて、松下市長は、このまちづくり基金の積立てを行わなくなりましたが、今後、吉祥寺駅南口の再整備を進めるためには、その資金として再び基金を積み立てていく必要などあると思いますが、市長の見解を伺います。
3つ目の質問です。三鷹市では、スピード感を持って、最優先課題である防災都市づくりや三鷹駅前の再開発等に取り組んでいくことを目的に、副市長の定数を3人としました。市長のリーダーシップ、これが最重要と考えますが、武蔵野市においても、遅れている駅前再整備の推進や災害危機に強いまちづくりを目的に、まちづくりの専門家を副市長待遇で招くことを提案させていただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。
これまで私は損害保険会社で勤めた経験から、首都直下地震など巨大災害に対して積極的に備えるべきだという主張を行ってきました。必要な事業としては、感震ブレーカー設置、防災ラジオの配布、防犯カメラの設置などでございます。令和6年能登半島地震によって、大きな被害が出てしまいました。市長も巨大災害の備えが必要として、家具転倒防止金具を全市民に配布する事業を進めるということですが、この事業を私は評価したいところであります。
しかしながら輪島市の観光名所であった朝市通りは、報道によると火災で200棟以上が焼け、およそ5万平方メートルが焼失したということです。ここで連想されるのは、ハーモニカ横丁のような市内の商業地域についても延焼リスクがあるということになります。
4つ目の質問です。能登半島地震による輪島市の被害から、ハーモニカ横丁のような飲食店が密集する商業地域において、延焼防止を目的に感震ブレーカーの設置を支援する事業など、市として積極的に推進すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
次に、ソフト面での質問をさせていただきます。先日、商店会の方々と意見交換をする機会がありました。そこで主に4つの課題があると認識しています。1つは先ほど申し上げたとおり、飲食店が集積する地域における防災・減災対策の推進です。2つ目は、全市的に横のつながり、ネットワークを実現できるスキームが必要だ、構築してほしいということでした。3つ目は、地域活性化、産業振興を目的としたイベント開催の支援拡大。4つ目は、商店会、これが継続が困難となる、会長、役員といった成り手不足、担い手不足を解決することを目的とした支援拡大などが挙げられています。
5つ目の質問です。商店会関係者は、全市的に横につながるスキームが必要だという問題意識を持っているということです。飲食業と農業の事業連携を図るCO+LAB MUSASHINOという取組があると思います。これをアニメ、サッカーのような豊富なコンテンツが新たに付加価値を生み出す仕組みとして、公民連携プラットフォーム事業、こういった構築を進め、この問題の解決につなげたい、このように考えます。武蔵野市においては公民連携プラットフォームの構築が必要と考えます。市長の見解を伺いたいと思います。
6つ目の質問です。松下前市長時代の令和4年度、基本施策7、まちの魅力を高め豊かな暮らしを支える産業の振興にて、くらし地域応援券事業を除くと、その決算額は一般会計全体の僅か0.4%程度しかありませんでした。これが産業振興と言えるのかということになりますが、吉祥寺という商業地域にもかかわらず、この金額では、これまで十分地域活性化、産業振興に注力してきたとは言えないのではないか、このようにも思えてしまいます。武蔵野市の未来のためにも、地域活性化、産業振興や存続が困難にある商店会の継続等を目的とした支援を、充実、拡大していく必要があると考えますが、市長の見解を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。御答弁をよろしくお願いします。