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│(陳受6第5号) │
│ 包括的性教育導入に関する陳情 │
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│受理年月日│ 令和6年2月14日 │
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│陳 情 者│ │
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│ 陳 情 の 要 旨 │
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│ 2023年12月、市内小学校における学習タブレットを用いた盗撮事件は、同じ小学生を育てる保護│
│者として、非常に心を痛める事件でした。子どもの成長と性被害が待ったなしの状況にある中で、│
│子どもたちを加害者・被害者・傍観者にもせず、今後も安心して子どもを学校へ送り出すには早急│
│な対策が求められます。 │
│ 武蔵野市学習者用コンピュータ通信第35号によると、今後の対策として「人権道徳教育のさらな│
│る推進」、「情報モラル教育の徹底」、2020年から始まった「生命の安全教育」の3項目が記載さ│
│れています。具体的な指導内容については現在検討中とは存じますが、私はさらに、科学と人権を│
│ベースにし、ユネスコで提唱されている「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に準拠した「包│
│括的性教育」を子どもだけでなく大人にも導入することを求めます。包括的性教育は科学と人権の│
│尊重をベースに、今回学びの骨子となっている分野を網羅しているだけでなく、それだけではカバ│
│ーできない科学的知識や性の多様性、ジェンダー平等など、現代を生きる子どもたちの各種人権を│
│守る上で必要とされる話題についても広く触れられています。また発達段階に応じた課題と実践ポ│
│イントを明示した国際標準手引書であることから、既に世界中で実践支持され、長い指導実績があ│
│ります。SDGsの3(健康と福祉)、4(質の高い教育)、5(ジェンダー平等)達成の具体的│
│アクションとしても、様々な国際機関から日本に対し「包括的性教育の導入」を勧告されているに│
│もかかわらず、政府ではいまだ具体的な対策を立てられずにいる状況です。このように包括的性教│
│育の実施は、単なる教育政策に委ねられるものではなく、性の健康と権利、子どもが教育を受ける│
│権利、男女差別撤廃とジェンダー平等の実現、ライフプランに応じた人生設計等に対応するもので│
│あり、包括的性教育を受けること自体が人権の一つとして位置づけられています。 │
│ 保護者や教育関係者も体系的な性教育を十分には受けておらず、必ずしも現代の状況に照らし合│
│わせた最新の知識を備えているとは限りません。保護者たちは、現代の子どもたちがさらされてい│
│る環境を危惧し、性教育が子どもの成長に伴い早急かつ重要な情報だと認識しているものの、確固│
│たるよりどころを見いだせないこと自体が、昨今の性教育講座や家庭向け性教育書籍の発行部数増│
│加を反映しているものと考えられます。しかしながらそのようなことを実践しているのは、まだま│
│だ一部の家庭にとどまっているため、各家庭で子どもたちの知識に差があります。皆がその知識を│
│共有して初めて、性犯罪を予防する密な監視の目が出来上がること、今回のように学校や家庭など│
│子どもの身近なところで性被害が発生している割合が一定数あること、ひとり親が思春期の異性の│
│子どもに対してそういった話をすることが難しい現状等も踏まえ、まずは公教育を中核として子ど│
│もたちが包括的性教育を学ぶ機会を得ることが期待されます。同時に保護者や教育関係者自身も子│
│どもと同じ手引書を用いて最新の知識をアップデートする機会を得ることで、よりよい指導を目的│
│とした開かれた議論が可能となり、大人一丸となって子どもたちの心身の健やかな成長を後押しす│
│ることができるのではないでしょうか。以上のことから子どもたちの最善の利益を求め、武蔵野市│
│に対し下記事項について陳情いたします。 │
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│ 記 │
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│ 幼児期から未成年そしてその保護者や教育関係者などが、「国際セクシュアリティ教育ガイダン│
│ス」に準拠した包括的性教育を学ぶ機会を得られるようにすること。 │
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