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令和6年第1回定例会

3月12日(火曜日)

令和6年第1回定例会
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橋本しげき
橋本しげき
日本共産党武蔵野市議団現職

映像ID: 2681

12410◯19番(橋本しげき君)  私は、ただいま議題となりました陳受6第1号 「女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める意見書」提出に関する陳情に、賛成の立場から討論いたします。
 女性差別撤廃条約は1979年に国連で採択され、女性に対するあらゆる差別を撤廃するための必要な措置を取る決意をうたい、各国政府に迅速な取組を義務づけた、画期的な条約です。日本は1985年に批准しました。2000年に発効した選択議定書は、差別による被害を受けた女性が国連女性差別撤廃委員会に通報できる制度と、委員会による調査の制度を設けたものです。国内での訴訟などの救済措置を尽くしていることが通報の条件ですが、問題解決が不当に引き延ばされている場合などにも通報できます。国連女性差別撤廃委員会は、その内容を条約に照らして審査し、締約国に見解や勧告を通知します。見解や勧告に法的拘束力はありませんが、国際基準における判断は、女性の地位向上に大きな力となるものです。
 陳情提出段階においては、女性差別撤廃条約の締約国189か国のうち、選択議定書の批准国は115か国です。選択議定書の批准国の増加の推移と日本のジェンダー・ギャップ指数の低下の推移をグラフで表すとよく分かりますが、批准国が急速に増える一方で、批准していない日本がジェンダー・ギャップ指数をどんどん落としていることがくっきりと浮かび上がっています。この全体的傾向を直視することが必要です。日本は未批准の中で、世界の重要な変化に加われていないというのが実態なのです。OECD加盟国のうち、女性差別撤廃条約の選択議定書を締結していないのは、本体の条約を締結していないアメリカ以外では、日本、イスラエル、エストニア、ラトビアの4か国だけです。
 個人通報制度に対して日本政府は、注目すべき制度という見解を示しておりますが、一方で、選択議定書を批准するに当たっての基本的な障害として、司法権の独立との関係が強調されてきました。しかし、個人通報制度や調査制度は国際人権法上の深化の表れです。個人通報制度は、裁判所の事実認定には介入せず、勧告に法的拘束力はありません。司法権の独立を理由として個人通報制度を受け入れない国は、今や日本以外に存在しないと指摘されています。
 法務省──これは法務大臣ではなくて省庁としての法務省ですけれど──も国会で、日本共産党の質問に対して、個人通報制度の導入自体が我が国の司法制度と相入れないという意味ではございませんと答弁しています。選択議定書を批准するに当たっての基本的な障害はクリアされてきたのです。選択議定書の批准は、その国が法による支配を本当の意味で尊重していることを示すものになります。そして日本が選択議定書を批准することは、政府も認めている条約の実効性の担保につながり、さらには、日本における女性の人権を国際基準に高めることにつながるのです。
 参議院の外交防衛委員会では、2001年に女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める請願を全会一致で採択し、以来2016年まで18回にわたって採択してきました。これ以上引き延ばすわけにはいきません。日本はどんどん世界から取り残されていくことになってしまいます。日本における女性の人権を国際標準にするために、本陳情に賛成をいたします。
 以上をもちまして、陳情に賛成する立場からの討論といたします。