12434◯13番(さこうもみ君) ただいま議題となっております陳受6第4号 隠し事のない市政実現のために、市報の公報機能の強化に関する陳情に対し、不採択の立場で討論をいたします。
武蔵野市の市報は、他自治体では新聞折り込みなどの方法も取られている中、月に2回の全戸配布を行っている、市にとって非常に重要な広報媒体だと認識をしています。音声版、デジタルブックを使用した多言語の対応も含めて、必要な情報を市民に届けるために重要な役割を担っています。今回、陳情者の方が市報について陳情を出してくださったことにより、委員会で議論が非常に深まったと感じています。その点感謝を申し上げます。
市民の方に必要な情報を届ける、市報について広報力を強化していくべきであるという方向性については、もちろん同意をしています。陳情者の方の陳述の中で、デジタルディバイドの観点から、武蔵野市の識字率は100%なのだから、市報が重要という趣旨の発言がありました。デジタルディバイドについては留意をする必要があることはもちろんですが、世代、障害の有無、母語とする言語にかかわらず、全ての方が必要な情報を得ることができるよう、市報をはじめ、SNSなども含めたマルチメディアの活用をもって、さらなる広報の充実を図っていくことが求められていくと考えます。
今回の陳情について反対をする理由は、記書きにある、優先順位の第一という記載からです。記書きには、市報掲載の優先順位の第一を法に基づく公告・公報として編集してくださいとあります。市報の編集の責任は市長にあり、また月に2回、リアルタイム性を持って発行していく市報については、何を第一にするかという編集の方針については、都度検討を重ねてきているものと考えます。
優先順位の第一が、必ずしも1面に何を載せるかということを指すのではないかもしれませんが、特に1面に何を持ってくるかという点においては、市民にとって重要な情報であるかどうか、市報を手に取ってみよう、開いてみようというきっかけになるかどうか、また感染症など特別な事情があれば、そのワクチン情報を掲載する必要があるなど、様々そのときの基準によって判断をしていくことになると考えます。
このように市報の編集においては、市民への適切な情報提供を中心に置きながら、柔軟な判断が必要であり、第1優先事項を固定させることを求めるのは、見せる広報、伝える広報という方針に基づき、より魅力的、より効果的、より市民のためになる紙面をつくっていこうとするときに、ネガティブな影響になる可能性があると考えます。市報をよりよいものにしていきたい、市報の公報機能を強化していきたいという姿勢にはもちろん同意をいたしますが、優先順位の第一を固定させ、編集方針を縛るような記書きの内容には賛成できないため、以上を、今回の陳情に対して不採択という立場での討論といたします。
(19番 橋本しげき君 登壇)(拍手)