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令和6年第1回定例会

3月26日(火曜日)

令和6年第1回定例会
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宮代一利
宮代一利
ワクワクはたらく現職

映像ID: 2703

12488◯6 番(宮代一利君)  まず、議案第21号令和6年度武蔵野市一般会計予算に対する修正について触れます。今回の予算特別委員会において、審議のベースとなる予算書が提出され、委員会を開会したところ、市長より冒頭に、予算の一部を凍結するとの宣言がなされました。これは、全員協議会を受けての英断であり、市民の声を聴くという新市長の大方針を示した場面でありました。しかし一方で、予算全体での議決をすることを勘案すると、この状況のままでは判断が困難であるとの考えにより、議員提出議案という苦肉の策により修正をしました。このことにより、修正部分と修正部分を除いた一般会計予算に分けての採決となり、委員会で修正案が採択されました。予算審査に際しては、正確な予算案の提出が大前提です。提出しておきながら、口頭でその一部を凍結するという宣言で済ませようとしたことには納得がいきませんでした。冒頭に一言申し上げておきます。
 それでは、令和6年度一般会計、3特別会計、水道事業会計、下水道事業会計の予算案に対し、会派ワクワクはたらくを代表し、賛成の立場で討論をします。
 令和5年5月にコロナが5類に移行し、カンフル剤での戦いから、漢方薬による体質改善のような新しい時代が訪れることを期待していましたが、世界の情勢は別の厳しさで襲いかかってきました。急激な物価高、人手不足により入札の不調、受注価格の跳ね上がりに見舞われ、先の見通しを立てることに大変な苦労をしながら予算を編成していただいたと感じております。まず、御尽力いただいた職員の皆様に心より感謝を申し上げます。
 予算特別委員会の冒頭、リスクマネジメントについて触れさせていただきました。本市においては、リスクマネジメントは、内部統制制度、ガバナンスの強化という文脈で捉えられており、庁内における実務の管理にとどまっていると感じます。本来のリスクマネジメントは、全ての事業が対象であり、予算配分とも深くつながりがあり、日頃から継続的に実行することが肝要だと考えます。例えば、これから迎える公共施設の大更新時代において、計画に着手した時点から実行に移るまでの期間に前提条件が変化する、その変化を捉えて柔軟に判断を修正する必要があると考えます。リスクマネジメントの手法は、この判断に有効です。時代の変化はスピードを増しています。基本計画の策定後、数年がたったタイミングで基本設計が出来上がる、このタイムラグにより予定金額が大幅に変化してしまうという事象が起こるという経験をしてきました。それぞれの段階における予算の見方をさらにシュアにする必要があると考えますので、計画策定の手法に関する研究を進めていただきたいです。
 次に、入札の困難性について触れます。社会情勢によるものと理解していますが、不調や、1者のみが応札する事例が増えてきています。また、システム改修などは、過去のデータを引き継ぐことに縛られ、1つの事業者に数年にわたり随意契約による発注が続いています。この場合、価格の適正性を明らかにすることが求められますが、現状では明確であるとは言えない状態だと考えています。これは、ベンダーロックインという状態で、当市に限ったことではなく、社会問題と言われています。この状態からいかに脱却するか、今後の大きな課題と認識しています。デジタル化推進アドバイザーという形でコンサルタントの力を借りながら取り組んでいますが、今後、エキスパート職員によるクロスチェックをより正確に推し進めるなど、困難な現況に対応が必要と考えますので、引き続き取組をお願いいたします。
 次に、DBO方式によるクリーンセンターの運営費が100億円から120億円に膨れ上がったことが明るみに出ました。これは、物価スライドへの対応が契約条項に入っていることが主な理由ですが、市民、議会への十分な説明がなされない状態であったと理解しています。大きな金額の変化については、将来の財政状況への影響が大きいことなので、確実な説明をお願いいたします。
 全員協議会において、市民と行政の圧倒的な情報格差について指摘がありました。予算特別委員会では、予算参考資料の記載について、丸問題が指摘されました。二重丸は新規事業、一重丸は拡大・充実事業を表していますが、令和6年度の予算案において、昨年度比で減額となっている事業に一重丸がついていて、なぜ拡充なのかと確認をしたところ、予算は圧縮しているが、内容を拡充するというものでした。情報を隠蔽しているわけではないのですが、理解の深さが格段に異なるため、伝わっていないという状態を感じました。
 市役所の中にある情報は膨大で、市民は、宇宙や深海を見ているような感覚です。また、職員の皆さんは行政のプロフェッショナルで、市民には到底理解できない詳細のルールと、難しい内容だと感じています。隠し事をしないことはとても大切ですが、市民の理解が進んでいないことに行政側が気づいていないことを自覚することが必要と考えます。予算・決算をはじめ、市政に関するディスカッションは、正確な情報共有をベースに進めることが肝要です。適切な情報提供、分かりやすい説明を継続的に実施していただきたく、資料の作成についても工夫を凝らしていただきたく、お願いをいたします。
 冒頭申し上げましたとおり、社会情勢が猛スピードで変化している現在、これまでの予算編成・予算執行では、十分な管理・対応が困難な状況を迎えていると考えます。これまでの手法が通用しない時代が訪れているとも言えます。しかし、時は止まることなく流れていきます。日々の市民生活は、今この瞬間にも前進していきます。着実な市政運営が必須です。限られた市民の税金をいかに活用し、最大の市民サービスを提供できるか、一つの正解が存在するわけではなく、市民の多様な意見、希望に耳を傾け、ディスカッションを通し合意形成を目指すことを切にお願いします。時代の困難性の認識と的確な対応を求め、全ての予算案に賛成の討論といたします。
             (4 番 深田貴美子君 登壇)(拍手)