12489◯4 番(深田貴美子君) それでは、日本維新の会武蔵野市議団を代表しまして、議案第21号令和6年度一般会計予算に反対、そして、22号、国民健康保険事業会計に賛成、23号、後期高齢者医療会計に賛成、24号、介護保険事業会計に賛成、25号、水道事業会計に賛成、26号、下水道事業会計に賛成の討論をいたします。
まず、大前提としまして、令和6年度の予算は、武蔵野市第六期長期計画・調整計画策定をほぼ完了させ、市長任期2年を残して、昨年11月30日に突然辞職をした松下玲子市長が積み上げた予算であります。前市政6年間を批判し、市民の負託を得て首長になられたからには、ここで事業の見直し、修正、方針の転換をせずして、後はございません。本来であれば、首長交代に伴い、第六期長期計画・調整計画から修正をすべきであります。今予算には間に合いませんでしたが、第六期長期計画・調整計画に対し、第二次調整計画策定との庁内合意に至りましたことは、1月29日の全員協議会開催の議論のかいがございました。頑張りましょう。
1つ目は、特筆すべきは、予算審査最終日に、武蔵野市立保健センター増改築事業が、当初概算総工費40億円が70億円まで跳ね上がっていることを、昨年の11月に事業者が市に通知をしていたという事実が判明しました。前任松下玲子市長の判断で、議会に説明を怠り、小美濃市長就任後まで箝口していたことは、市民への背信行為と言えます。2月8日に議会全員協議会が招集され、計画の見直しが議会のほぼ総意となりました。議会出身の首長として、議会を尊重するのはありがたいのですが、凍結するならば、予算審査に当たっての会計処理と、出口戦略は事前に処置していただくことが、首長の責務でありました。
にもかかわらず、予算書には、4款衛生費、保健センター増築及び複合施設整備事業9,454万8,000円がそのまま記載されており、印刷等々の事情はあったものとは思いますが、事前の問合せに対して、予算委員会冒頭での、お含みおきくださいとの市長発言では、処置はもとより、説明責任さえ取られておりません。民間企業ではあり得ないことです。このたびは、チェック機関である議会の大方の賛同を得て、衛生費の減額、予備費に費目の付け替え修正、これをいたしました。これをもって、全ての一般会計が了解されるものではございません。
予算は、事業執行の根拠です。会計原則は継続性と透明性です。後人が数字を追って理解できることが大切であり、取りあえず予算を通していただければすぐに減額修正いたします、これも民間企業ではあり得ません。計画行政を誇る武蔵野市にふさわしい規範性、規律性、透明性の高い、全国に冠たる自治体経営を心がけていただきたいと申し添えます。
2つ目は、政権奪取したからには、前市政の課題問題を総ざらいし、本来の武蔵野市政を取り戻すべく、軌道修正によって、うみを出し切るといった姿勢を期待しています。混乱と暴走と断じたからには、例えば、吉祥寺本町1丁目市有地売却事案といった、入札を行わず、土地評価鑑定が不透明な中、行政財産を普通財産にしてまで売り払った事案などは、その根拠となった武蔵野市普通財産売払い事務取扱要綱、平成22年8月1日設置、これを見直すといった政策形成における問題課題の根治をするべきです。
男女共同参画審議会構成員に、アベ政治を許さないといった政治思想を明確にした札を下げる委員が進行をつかさどるなどといった思想に偏った人選と事業の洗い出しを行うとか、2019年12月末、東京新聞に突如、武蔵野市が宗教法人ナミュール・ノートルダム修道会の土地を購入すると報道があり、突如始まった赤星邸文化保存事業でございました。2款総務費、旧赤星鉄馬邸の利活用検討として、2,492万8,000円が計上されています。いまだ財政計画を明らかとしないまま、このように次々と公共施設床面積を増設している事態に及んでいるのであります。人口減少・高齢社会を前に、政治思想にとらわれず、しがらみを排して、データに基づく事業の合理性と財政計画の持続可能性を明確にしていただくことが、今、大変重要であります。
3つ目は、決断と実行の行財政改革に挑んでいただきたいと思います。配布を取りやめた予算案の概要は、誠に見やすい体裁になりました。むしろ積極的に配布していただきたいと思います。その30ページに、令和6年度事務事業見直し削減額が記載されており、2,347万円が見直された、その内容は、議会に説明資料が配付されましたが、補助金削減420万円は、質疑に答弁はありましたが、一方で、予算枠配分方式による各課による自主的削減2,107万円は、ついぞ説明がなく、その妥当性も合理性も不透明なままです。とはいえ、資料請求して判明したのは、令和6年度予算編成における市長査定、市長交代による変更点として、家具転倒防止金具等購入費補助1,176万円の増額、住民投票制度に関する市民熟議、861万円の減額、消防団第2分団詰所の改築、9,328万8,000円の減額、西部地域における学校改築の在り方の検討、1,286万7,000円の減額、総額1億1,476万5,000円となり、事務事業見直しと合算しますと、1億6,305万5,000円の減額は、達成はなさいました。
他の自治体を見回しますと、品川区、2,000億円の予算規模に対して、首長交代を機に665の事務事業を見直し、その1%に当たります20億円を生み出して、区民の幸福のために振り向けると、行財政改革を実施しました。財源は、賀詞交歓会の飲食提供を取りやめるなど、徹底的に無駄を削除し、20億円を捻出したと聞いています。
前市政が取り散らかし、無計画に進めた事業を戒め、決断と実行の行財政改革に臨み、限りある財源を有効に活用していただくことを願ってやみません。
4つ目は、今後の人口推計と財政計画について、いまだに課題を残していることです。地方債が296億円に加えて、水道事業の東京都との一元化経費はいまだに不透明。吉祥寺駅周辺・三鷹駅北口の再整備等についても、説得力あるデータは明らかになりませんでした。その一方、2款総務費で、武蔵野公会堂改修等工事設計関連事業として8,603万9,000円、3款民生費、公益財団法人武蔵野市福祉公社、社会福祉法人武蔵野市民社会福祉協議会社屋改築事業への補助として8,000万円、10款教育費、市民会館大規模改修工事実施計画2,468万円。同款教育費、総合体育館大規模改修工事基本設計・実施設計3,610万円と、外郭団体の館の全てをほぼ同じ場所で、同じ規模で、リノベーションもせずに、コンクリートをしました。
第2期公共施設等総合管理計画と、第六期長期計画・調整計画の財政計画では、2026年から基金残高は減少に転じます。返済計画をなだらかにしただけで、基金の枯渇は2055年頃には必至であります。何一つ削減できず、公共施設の床面積30万2,000平米に加えて、赤星邸、そして濱邸、エコreゾートに加えて、30年後の市民に残してしまったことになりました。
学校は、子どもたちにとって学びのや、地域にとっては防災の拠点でもあります。学校施設整備については、2014年度から、本市は学校施設整備方針支援業務を文教施設協会に委託しており、教育的観点から、小中一貫教育、施設一体型、統廃合、複合化、多機能化と検討をしていた経緯があります。私も他の自治体の先進事例を御紹介しながら、不登校や特別支援教育、環境に優しい未来の学校の実現に向けて、幾度となく政策提言を重ねてきました。松下市長御着任後、方針は大きく転換し、同じ場所で、同じ規模で、オーソドックスな学校を、これをスローガンに整備することとなり、今日のとんでもない事態に及んでいます。第二中学校と第六中学校の統廃合、第二小学校の移設計画は、あまりにも突拍子もなく思える反面、2019年にねじ曲げられた方針が軌道修正を余儀なくされている可能性もあり、小美濃市長におかれましては、予算廃止までかじを切ったからには、今何が起こっているのか、できる限り迅速に、詳細な説明責任を市民に対して果たしていただくことを希望します。
総務省が2023年に発表した2022年度の住民税統計データから、民間リサーチ会社が、全国1,741市区町村の平均年収、すなわち所得を算出し、ランキングを作成しました。武蔵野市は13位、561万9,273円です。参考までに、1位は港区、1,400万円、2位は千代田区1,000万円、10位は世田谷区603万702円です。将来人口推計30年後の2052年に、武蔵野市は高齢者が現在より1万7,000人増えて5万765人、生産人口は8万8,653人に減少します。担税力をどう推計しているのでしょうか。経常収支比率が、令和4年度は81.2%と、財政構造に弾力化があるように見えますが、本市の税収構造は、毎年発行される市税概要で明らかです。令和4年度納税義務者8万1,143人の6.8%の方々が市税の37.9%を担っている、この現実を重く踏まえる必要があります。加えて、30年間に首都直下型や南海トラフ地震に見舞われる可能性も70%から80%と公表されている今日です。
財政シミュレーションは当たらないし、作業が大変との市長の御発言がありましたが、公共施設カルテまでつくって、新たなファシリティ・マネジメントへと着手されておられるのであれば、財政シミュレーション、逆にシステム化できるはずです。一体何が課題になり、もしくは手詰まりなのでしょうか。現実を直視し、私は、子どもたちの未来に残したこの置き土産を別の形で補い、挽回するために、研究・研さんに努め、政策提言をしてまいります。
5つ目は、財政援助出資団体のガバナンスと、武蔵野市の監督責任の問題です。3款民生費、公益財団法人武蔵野市福祉公社、社会福祉法人武蔵野市民社会福祉協議会社屋改築事業への補助として、8,000万円について計上されていますが、これは武蔵野市が5億円を社協に支援し、福祉公社と社会福祉協議会の登記上の案分を可能とするものという形になっています。その根拠となる社屋改築事業の仕様書、入札結果について、資料請求を求めましたが、予算委員会で開示は拒否されました。また、改築事業に関わる入札関連情報は、福祉公社においても、社会福祉協議会においても、ウェブサイト上、理事会、評議員会の議事録に記載されておらず、5億円の出資の合理性と正当性が確認できませんでした。また、社会福祉協議会にどのような形で出資をし、また、利益を生まない団体でありながら、どのように返済を求めるのかということについても、全く白紙との答弁でした。聞くところによれば、設計事業者様は、市内の設計を多くお願いしている事業者様で、最近では境南ふれあい公園の1億円トイレをお願いしているということを聞き及んでおります。平成22年に社会福祉協議会、福祉公社の社屋の移転問題で、地域社協の皆様より厳しい御指摘を受け、検証委員会まで立ち上げ、結果、邑上市長は事業を中止した経緯がありましたこと、ゆめゆめお忘れなきようお願いいたします。
また、給食費の無償化は、私ども日本維新の会の教育の無償化の一環であり、子育て世代の可処分所得を増やして、格差の是正、そして教育の機会均等につなげる構造改革の政策であります。中学校給食を実現した際に設立した一般財団法人武蔵野市給食・食育振興財団が行う、給食用食品選定委員会の設置要綱を資料請求したところ、こちらも拒否されました。質疑によって、小・中学校長、給食担当教諭、PTAも構成員とする、この当該選定委員会が、事実上の食品入札機能を持っているということが明らかとなりました。エントリーしている事業者と食品についての審査基準、選定基準等を引き続き調査していきたいと思います。
本市独自の内部統制制度の実施に向けた検討が予算計上され、市長による内部統制基本方針と策定及び体制整備を進めることが明らかとなりました。心強い限りです。この6年間は、市長率先の特命随意契約が乱発されて、市有地売却問題など、入札に関わる不透明な事業があまたとありました。市民からの住民監査請求も複数提出されています。ぜひとも、外部監査制度、入札監視委員会、外郭団体への経営諮問会議の設置等も併せて御検討いただくことを強く要望しておきます。
6番目に、DXの推進と、クリーンセンターをフル稼働してのカーボンニュートラルな都市経営戦略を目指していただきたいと思います。気候変動や予想される地震や感染症対策に備え、カーボンニュートラルな都市経営はまさにグローバルスタンダードな取組であります。そのために、新武蔵野クリーンセンターはごみを電気に変える発電拠点へと生まれ変わらせていただきました。4款衛生費にあります公共施設における電力の最適化の検討のごみ発電による電力のさらなる有効利用の方法と、公共施設全体への電力の最適化はもとより、三駅周辺への電力確保の再整備に邁進していただくことを強く求めます。
さらに、森林環境譲与税を活用したカーボン・オフセット試行事業は、J−クレジットに着目されたことは大変見事です。今後の民間企業との競争や、商工会との協議会の立ち上げなど、ESG情報や投資への発展と展開に期待をしています。
いずれにせよ、カーボンニュートラルを目指すのであれば、まずは市内のCO2排出の状況をデータでつかむことをお勧めします。日本橋の取組は、街区ごとの炭素マッピングからスタートしています。単に水素や電気のモビリティを導入するのではなくて、どのように効果的に、かつ持続可能性を追求できるかが、都市経営の要であります。そうした取組を公共だけで主導するのではなくて、民間の活力や技術を引き出すためにも、停滞している地域BWAのインフラ整備の下、ブロックチェーンの技術を活用し、課題解決のための公民連携情報空間をつくり出すことが、今、大手町、丸の内、有楽町の大丸有で取り組まれ、デジタル地域通貨のプラットフォームや地域課題を解決するための新たな企業も生まれてきます。これが都市のDXであります。
本市のクリーンセンターごみ発電事業をきっかけとし、武蔵野市のスマートシティ構想に再度挑戦をし、市民の皆様の安心と安全に健康と幸せを追求する武蔵野市であることを願っての苦言であり、これまでの6年間封じられてきた提言であります。
最後に、2025年は目前、高齢社会の到来、全員参加の大介護時代であります。南町3丁目に令和7年に開設予定の看護付小規模多機能施設は、医療連携を確実にするためにも、二次救急医療機関の新しいスタートを全力で取り組みましょう。
浄水場における給水栓の増設の予算計上を見送るなど、鬼の所業との声が聞こえてきました。災害時に市民がポリタンクを持って集まってくる、これに給水を可能とする給水栓の速やかな増設を要望します。
さらに、能登半島地震により排せつ物問題が露呈しました。本市は、約8万世帯の7割が集合住宅であり、発災により停電や管路の損傷でトイレがたちまちにして使用不能となります。簡易トイレや災害用トイレ使用後の排せつ物処理をいよいよクリーンセンターで最終処理として燃やすオペレーションを具体的に取り組んでください。
生業がありながら、高い志で活動くださる消防団の皆様のために、静岡県御前崎市が取り組む消防団応援条例の下、消防団協力事業所表示制度と、事業所に対する上限を100万円とする法人事業税や個人事業税の2分の1の減免などに取り組み、消防団員の増強と団員の皆様のお気持ちに寄り添える制度設計を至急検討してください。
子どもたちも地域の構成員であり、生活者の視点でまちを見ています。タブレットで吉祥寺本町1丁目が禁煙エリアの条例から外れていることを見抜き、歓楽街のありさまを嘆きながらも、自ら清掃活動をと、武蔵野市民科の授業で本宿小学校の6年生がプレゼンをしてくれました。子どもたちに恥じない市政運営を私たちは全力で取り組まなければならないこと、強く申し上げ、暮らせる、学べる、働ける武蔵野市を目指しての討論といたします。
(3 番 大野あつ子君 登壇)(拍手)