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令和6年第1回定例会

3月26日(火曜日)

令和6年第1回定例会
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大野あつ子
大野あつ子
市議会公明党現職

映像ID: 2703

12490◯3 番(大野あつ子君)  それでは、市議会公明党を代表いたしまして、令和6年度一般会計予算に対する修正案に賛成、3特別会計、水道事業会計、下水道事業会計の予算に賛成の立場から討論をいたします。
 今回の予算は、予算編成の最終段階で市長が交代し、タイトなスケジュールの中、市長査定により、幾つかの事業が追加や削除が行われる、異例な編成作業となり、多くの御苦労があったことと存じます。携わられた皆様の御努力に深く感謝申し上げます。
 さらに、ぎりぎりのタイミングで行われた全員協議会の議論を受け、予算審査の冒頭、小美濃市長より、保健センター増築及び複合施設整備事業について、議会からの意見も考慮し、一度立ち止まるとの発言があったことは、市長の御英断であると考えます。納得のいく議論の後、改めて予算計上されることが適切と考え、修正案に賛成いたします。
 令和6年度予算全体については、財政の根幹である市税は好調でありますが、それをしのぐ勢いで、建設費の上昇、委託費の上昇が感じられ、財政予測がいや増して難しくなっていると感じています。策定されたばかりの第六期長期計画・調整計画や、この令和6年度予算編成を始めた時点での想定より、さらに急勾配で物価上昇が市場に影響を与えているのではないかということを心配しております。
 財政計画については、第六期長期計画・第二次調整計画や第3期公共施設等総合管理計画の策定の中で、財政に大きなインパクトを与える学校改築を含め、投資的経費、物件費などがどのような影響を受けるのか、もう一度全体像を考えていただき、そして、全体の中で保健センター増築及び複合施設整備事業をどうしていくのか、十分な議論により、よりよい方向を見いだしていきたいと考えます。
 今回の予算特別委員会の議論の中で、気になったことを大きく2つ申し上げます。
 まず1点目、ベンダーロックインを見過ごしてはいけないということです。住民情報系システムに代表される、プログラムで作成されているシステムは、その特性から、既存ベンダーにしか保守、改修、更改ができないことから、ベンダーロックインの状態に陥っています。この状況は、自治体のほとんどが抱えている課題ではありますが、長期にわたる随意契約は公として慎むべきであり、価格の高止まりなど、ベンダー側に有利な契約となりますので、ベンダーロックインからの脱却を研究してくださいますようお願いいたします。質疑の中では住民情報系システムについてしか触れることができませんでしたが、ベンダーロックインに陥っているシステムは多くあることが予想されますので、庁内のシステムを総点検していただけるようお願いいたします。
 2番目に、委託料について、議会への情報の出し方を丁寧にお願いしたいということです。令和6年度予算では、一般会計予算の約2割に当たる約157億円の委託料が物件費に含まれておりますが、議決の対象ではないので、議会が監視することが極めて難しい項目になっております。本市に唯一のDBO方式で設計、施工、維持管理、運営一括委託されているクリーンセンターでは、運営業務委託が20年間で100億円というのが発注当時の説明でした。その後、令和元年に消費税の税率変更により、約5億円増、その後、企業物価指数上昇により、スライド条項が適用され、令和2年度予算で約8億円増、令和5年度予算で約10億円増、令和6年度予算で約22億円増と膨らんでおり、知らない間に、20年間の管理運営費は100億円から122億円に増加してしまったという印象を持ちました。予算書を振り返ってみると、債務負担行為の変更として予算説明資料には書かれておりましたが、多くの予算項目の中でここに気づくことは難しく、今後は丁寧な説明をお願いいたします。
 また、これからもDXを推進する中、また、デジタル技術が進む中で、技術的な委託は増えることが予想されます。令和6年度より、2号・6号の随意契約を公表してくださる決断をされたことは、情報公開の大きな前進であると評価いたします。この公開された契約情報を注視してまいりますが、1億5,000万円以上の委託契約については、今後丁寧な説明をくださるよう要望いたします。
 次に、各分野について申し上げます。
 健康福祉分野については、これまで要望してまいりました高齢者の聞こえの支援として、専門相談や補聴器購入費用助成などが始まることは評価いたします。福祉総合相談窓口も充実し、さらなるひきこもりの方々への支援が進むことを望みます。加えて、新法が施行となりました孤独・孤立対策やヤングケアラーへの支援についても、今後に期待しております。
 歯科健康診査については、令和5年度、40歳以上、全市民に受診機会を設けて、大きく新規受診者が増えたことを受け、予算を増額していただきました。今後も国民皆歯科健診制度の動向も見ながら、拡充していただけるよう要望いたします。
 感染症予防対策として、任意接種において、帯状疱疹ワクチン接種に続き、男性HPVワクチン接種費用の助成は評価いたします。今後、小児インフルエンザワクチン助成支援を要望いたします。
 また、がん検診等事業の推進において、受診率の向上を目指すことはもちろんですが、アピアランスケアの相談支援の充実と、購入費助成を要望いたします。
 子ども・教育分野については、求めてきた医療的ケア児への支援体制が予算化されていることを感謝いたします。
 インクルーシブ教育や不登校への支援について、東京都が新しい支援事業を創設しております。これらを既存事業に充てるだけでなく、今まで以上に支援が進むことを望みます。東京都からは、中学校にチャレンジクラスを創設することに対する補助事業も設置されているので、不登校の子どもたちのための多様な取組が増えていくよう要望いたします。
 いよいよ子どもの権利擁護機関設置が始まることから、児童虐待、いじめなどから子どもを守る体制が、身近なところに1つ増えることに期待をしております。どうか子どもたちを守っていただきたい。そのためにも、子どもとどうつながるかが重要です。何度か申し上げましたが、現代の子ども世代は、知らない人に電話をかけるということは、大変ハードルが高くなっております。子どもたちの目線でつながっていただけますよう、配布のタブレットやSNSの活用を強くお願い申し上げます。
 自治体DXの推進についても、子ども分野から、本市独自の方法で、書かない窓口を進めていただいており、利便性の向上がさらに進むことを期待いたします。
 給食費無償化については、東京都の予算を活用する形で検討していただいているとのこと、子育て支援が進むことを希望いたします。
 保育の無償化や、保育所の定員が拡大してきたことで、幼稚園へ行く子どもたちが減少傾向にあると伺っており、心配しております。市内にはしっかりとした幼児教育の理想を持ち、長年運営されている事業者も多数あり、大切な教育施設だと考えております。御家庭で子育てをしている方々が孤立することがないよう、預かり事業などのメニューも活用しながら、幼稚園事業者とも連携し、子育て環境をよりよいものにしていただけるよう要望いたします。
 平和・文化・市民生活の分野について。年頭より能登半島地震が発災したこともあり、防災対策の重要性を強く意識しているところです。家具転倒防止金具などの補助については、皆様に防災意識を再認識していただき、有効に活用されることを望みます。民間住宅耐震化促進事業の拡大については、評価するところです。今後、改修に踏み込めるよう、丁寧な相談支援をお願いいたします。
 また、避難所において、トイレ対策の拡充、そして避難所運営組織について、意思決定の場に女性が3割以上入る体制となるよう、支援をお願いいたします。
 また、成人年齢が18歳に引き下げられ、若者のネットに関わる犯罪や被害等が多くなっております。被害の未然防止を強化するとともに、ネット等での相談体制の拡充を要望いたします。
 防犯カメラの増設については、プライバシーに配慮しつつも、犯罪抑止につながるよう、設置場所や設置補助について、庁内で横断的に検討していただけるよう要望いたします。
 次に、緑・環境分野について。むさしのエコポイント(仮称)事業として、環境配慮に加え、歩いた分だけポイントゲットなどの健康ポイントを入れていただいたことを評価いたします。
 緑を基軸としたまちづくりを進める中で、樹木の管理に約4億円かかっているにもかかわらず、市民の皆様からの苦情も多いことから、剪定や草刈りの情報を見える化するなど、市民ニーズを踏まえ、適切な樹木管理を続けていっていただけるよう、お願いいたします。
 都市基盤分野について。景観道路事業、無電柱化の推進については、引き続き推進をお願いいたします。
 三鷹駅北口周辺の再整備や吉祥寺駅南口周辺のまちづくりについては、長年の課題に着手しようとされていることは評価いたします。市だけで整備することは困難でありますので、民間との連携を図りながら、地元の皆様の意見を丁寧に聞いてくださいますよう要望いたします。
 行財政分野については、直近の急激な物価高騰、建築費の高騰の影響を考えるとき、本市が大切にしてきた財政規律を維持しながら、必要な投資をしていくということが、さらに重要になってきていると感じております。そのために、投資的経費の増、物件費の増をどう見積もっていくか、スピード感をどう持たせていくかが課題となってくると考えます。簡単に予測できる問題ではないので、懸念要素が見えてきた場合には、ためらわずブレーキを踏み、議会にも相談していただけるよう要望いたします。
 また、最初にも申し上げましたとおり、入札・契約制度については、公平性、透明性、競争性を維持できるよう、十分な配慮、そして情報公開を要望いたします。市長がおっしゃってくださっている、隠し事のない市政を進めていただけますようお願いを申し上げます。
 19日に日銀がマイナス金利政策を解除し、17年ぶりの利上げが行われるということで、さらに大きな転機がやってこようとしており、大変難しい中でのかじ取りになると思いますが、ブレーキとアクセルを適切に使い分けながら、市民第一の市政運営となりますよう要望いたします。
 最後に、3月いっぱいで武蔵野市役所を去る皆様の長年にわたる御尽力に心より感謝申し上げますとともに、今後の御活躍を祈念し、賛成の討論といたします。