14305◯21番(本間まさよ君) 議案第46号 武蔵野市長及び副市長に支給する給料の特例に関する条例に賛成の討論をいたします。
この条例が提出された理由は条例文に書かれていますが、1つは教育長の任命への対応、2つ目は先ほど議題となりました教師用指導書の買入れについての会計処理の問題です。この2つの件について、市長、副市長の責任として、それぞれの給料を、市長100分の20、教育委員会を担当する副市長を100分の10、1か月減額するというものです。
3月26日の第1回定例議会最終本会議に武蔵野市教育長の任命の同意が上程をされ、市議会は全会一致で同意をいたしました。翌27日、同意をした方が所属大学からハラスメント行為で譴責処分の懲罰処分を受けていたとの情報があり、直ちに市長に確認をしたところ、処分を受けたのは事実であるとの返事とともに、市長は本人にも確認し、調査を行い、パワハラではないと判断し、議案上程したと返事がありました。私は議会への説明を求め、その結果もありまして、4月3日に代表者会議懇談会が開催をされました。代表者会議懇談会には、当事者である教育長が出席をし、処分を受けたこと、不服申立ては行わず、懲戒処分を受け入れたこと等への説明がありました。処分を受け入れたということは、パワハラ行為を行ったことを認めたことです。しかし、当事者の説明は、被害者に問題があったかのような話を延々と行い、パワハラを行ったことへの反省の言葉や被害者への謝罪は全くありませんでした。
パワハラがあったのは、武蔵野市外の公立学校です。市長は、パワハラがあった学校の校長等にも事情を聴き、議案提出の判断をしたと説明をされました。しかし、この説明では一方的な話しか聞いていないことになります。教職員への指揮監督権限があるのは、管理職です。権限のない第三者、小美濃市長が任命した教育長が管理職に代わって教職員を指導するようなことがあってはならないことです。ましてや、パワハラを行うなど、言語道断です。ですから、その学校を所管している他自治体の教育委員会は、当時の校長に対し、管理職に代わり第三者に教員を指導させるのは権限の放棄と厳重注意をするとともに、第三者、現在の武蔵野市の教育長が、被害に遭った教員を追い詰める発言をしたことを校長が制止しなかったことについても厳重注意があったわけです。このことは、当時の校長が後日の職員会議で、指導内容は外部の人間のした不適切で誤った内容であると謝罪したことでも明らかになっています。
私が今回のことで問題と感じているのは2点あります。1つは、ハラスメント、パワハラに対する市長、副市長の認識が欠けているということです。4月3日の会議での教育長の発言を聞き、私は胸が本当に苦しくなりました。それは、被害者に問題があったかの発言が繰り返し行われたことです。ハラスメントやいじめの事件が起きたとき、被害を与えたほうが、被害者にも問題があるとした発言が行われることがあります。とんでもないと思っています。武蔵野でこのような発言や考え方を許してはいけません。ハラスメントは、人格を否定するような発言等の不適切な言動により、精神的な苦痛や不快感を与え、尊厳を損なう行為です。この認識が市長及び理事者に欠けていたと思います。所属大学の第三者委員会、ハラスメント防止委員会でハラスメントの認定による懲罰処分が行われたこと自体を、市長は軽視をしているものだと思います。武蔵野で、あらゆるハラスメントを許さない、小さなハラスメントも見逃さない、この姿勢を強く求めます。
2つ目は、この事実を、最終本会議、3月26日の前、3月22日に市長及び理事者は知ったにもかかわらず、議会に報告しなかったことです。市長は、大きな話にはしたくなかった、大学のホームページには名前は記載されていないので、広がらないと考えたと、これはまさに隠蔽と捉えても仕方のない発言です。議案対象者がパワハラで処分されていたという情報は、議会の賛否に関わる重大な内容です。市長は、市長選挙で、隠し事のない市政と公約していますが、この行為はまさに隠し事のある市政ではないでしょうか。抗議をいたします。
今回の問題については、4月3日、16日の代表者会議懇談会、5月2日の代表者会議と、3回の会議が持たれました。また、私も含め、様々な議員が市長及び理事者に要望、意見などを行ってきたことにより、市長もこの給料減額条例を提出したと理解をしています。本条例の市長給料100分の20、教育委員会を担当する副市長100分の10を減額することが前例等から比較して妥当かどうかは意見が分かれるところだと思いますが、自らの給料を減額することを決め、条例を提出しておりますので、これには賛成をいたします。
最後に、ハラスメントの被害を受けた方は現在、クラス担任を持ち、学年主任も行い、頑張っていると伺いました。しかし、パワハラによる心の傷は大きなものがあり、武蔵野市政で今問題になっていることや、また、それによって行われた結果により逆恨みを受けないのか、これを恐れているとも伺いました。被害者の方が在職している学校や当該の教育委員会も、教育活動に専念できるように支えますという姿勢を確認していると伺いました。今回の関係者等が被害者に逆恨みをしたり、また、連絡を取るなどの行為をしないよう強く強く求め、賛成討論といたします。
(24番 西園寺みきこ君 登壇)(拍手)