12563◯22番(山本ひとみ君) 会派無所属むさしのの山本ひとみです。通告に従い、5項目の一般質問をいたします。1番目、武蔵野市と東京都の関係、2番目、石神井川上流地下調節池計画、3番目、特別支援学級の中学生への通学支援、4番目、重度訪問介護利用者への支援の充実、5番目、ハラスメント行為を根絶させる市の取組についてです。
大きな1番目は、武蔵野市と東京都の関係について質問をいたします。
東京都知事選挙が6月20日に始まり、7月7日に投開票されます。現職知事の立候補は、この文書を書いていた6月4日では明らかになっていませんでしたが、昨日12日に、立候補する旨の発表がありました。また、既に何人もの立候補予定者が記者会見を開いて、その意思を示されています。こうした中で、5月28日に、東京都の特別区と多摩地域の自治体の首長合わせて52名が現職知事に立候補の要請を行いました。武蔵野市の小美濃市長もこの要請に加わっておられます。もちろん、政治家としての市長が政治信条を持ち、それを表すことは、問題だとは言えません。しかし、報道では、この要請を踏み絵と感じたとの声もあり、市民の中でも、選挙直前で政策も公表されていない段階での要請に違和感を感じた方もおられます。私も、今回の市長の要請には首をかしげた1人です。
武蔵野市は、市民の生活、福祉の向上やまちづくりの前進など、東京都と連携協力関係が既にあり、東京都がどのような政策を選び、実践するかは大きな影響があります。子育て支援など評価できる政策もありますが、再開発を進め、公園の在り方を変え、樹木の伐採を計画するなど、納得できない政策も幾つもあります。こうした点を踏まえ、以下質問をします。政策への評価は多数ありますが、今回私が特に気になる点をお尋ねすることにいたしました。
1点目に、現職知事へ継続を望む要請をした市長の政治姿勢に関して伺います。
第1に、この要請に関する経過についてお尋ねします。
第2に、なぜ要請に賛同したのか、市長の見解をお聞かせください。
2点目に、市に影響のある東京都の政策への評価に関して伺います。
第1に、ヘイトスピーチ規制です。東京都は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例という名前で、ヘイトスピーチを規制する条例がありますが、実効性の点では課題があると思います。現在、ヘイトスピーチを疑った場合に、その発言を録音したデータを審議会に届けて判断をする仕組みですが、これでは遅いし、その後の対応についても、ヘイトスピーチを行った団体等に対しては公的な場所を提供しないなど罰則による規制を検討するべきではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
第2に、都営住宅の拡充です。都営住宅が武蔵野市にもありますが、生活困窮者や原発事故の避難者、仮放免の住民など、生活に困窮する市民は数多くいます。生活困窮者でいえば、私は新型コロナウイルス感染症による被害が深刻化して新型コロナ災害緊急アクションに参加をしましたが、TOKYOチャレンジネットで生活困窮者のホテル入居を実施していたことがありました。残念ながら現在ホテルのあっせんはなくなりましたが、東京都が持つ力、ポテンシャルを感じた例でした。都営住宅に入居できる仕組みを拡充し、住宅そのものも拡大するべきではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
第3に、再開発と緑の保全です。井の頭公園、小金井公園など、市民もよく利用する都立公園は身近にありますが、都は神宮外苑などで再開発し、公園の在り方を変え、ビルを増やし、樹木の伐採も計画しています。緑あふれる公園は短期間ではできず、多くの市民に潤いや安らぎをもたらす、かけがえのない場所となっています。お金を生み出すだけでは価値ではないと思います。市長に再開発に関する見解をお尋ねします。
大きな2番目は、都立武蔵野中央公園地下も利用する石神井川上流調節池計画について質問します。
八幡町の都立武蔵野中央公園は、近隣住民はもちろんのこと、多くの市民が利用している、原っぱ中心の公園です。私もよく行きますが、お子様と御一緒の方や、犬の散歩をしている方、たくさんの方と擦れ違ってきました。この地下に石神井川の治水対策を目的とした地下トンネル式調節池を造る東京都の計画があり、既に都市計画決定されています。調節池は、青梅街道や伏見通り等の地下を利用して、長さ1.9キロ、内径14.3メートルの巨大なものであり、シールドマシンを使って地下を掘っていくことに驚きました。
武蔵野市においては、2021年12月の都市計画審議会へこの事業への意見を求められ、3点の意見をつけて東京都に提出しました。私も、当時も現在も都市計画審議会の委員であり、武蔵野市で進めてきた治水対策を評価する委員が多かったことをよく覚えています。工事の必要性でいえば治水対策は必要ですが、このままでよいのか、費用はどうなるのか、疑問の声があります。私は、今年になって、調節池や護岸工事の在り方、流域治水の在り方に関し、新しい知見を聞く機会がありました。費用の点でいえば、国土交通省の補助金も使うという事業ですが、4月には新聞で東京都が求めた補助金が保留となったという記事も見ました。工事の安全性でいえば、シールドマシンを使う工事をする予定とされておりますが、陥没、振動、騒音などの可能性はあると考えざるを得ません。公園内で樹木移植に向けた工事が既に始まっていますが、計画を知らなかったという方も多く、計画の全体像が訪れる市民全体に周知されたとは言えない状況ではないでしょうか。
したがって、一旦立ち止まることが必要だと思います。環境保護と両立でき、公園を利用する市民にとって安全な計画となることを願い、以下質問をいたします。
1点目に、地下調節池計画の現状と見通しに関して伺います。
第1に、公園内で準備工事が進められていますが、工事の進捗について都からどのように聞いているのか、お尋ねをします。とりわけ、補助金申請の状況や全体の費用についてはどうでしょうか。本体工事はいつから始めると聞いているのでしょうか。お聞かせください。
第2に、2021年12月の都市計画審議会で出された3点の意見に関して実現されているのか、見解をお聞かせください。意見は以下のとおりです。1、周辺の土地利用、住環境に与える影響を十分に抑えた工事計画となされたい。2、地域住民に対し、計画の具体化等の節目節目において事前に十分に時間的な余裕を持って丁寧かつ十分な情報提供をなされたい。3、具体的問題が明確になった場合にはそれを解決すべく弾力的に工事計画等の見直しをされたい。この3点です。
2点目には、住民への情報提供に関して伺います。
第1に、これまでの説明会の開催年月日、主催団体、周知方法、参加人数、出された主な意見をお尋ねします。
第2に、工事車両の入り口変更、立て坑の場所の公園内部への変更を求める住民の陳情が2022年6月に採択されましたが、どうなっているのでしょうか。
第3に、今後、どの段階で説明会が開かれるのか、お尋ねをいたします。
第4に、説明会周知の範囲を広げ、より多くの住民へ計画を伝え、意見を聞くべきと思いますが、市長の見解をお聞かせください。
大きな3番目に、特別支援学級の中学生の通学について質問します。
これまで私は障害者の移動に関して要望を続けてまいりました。武蔵野市では、特別支援学級に通う子どもは、小学校ではスクールバスで通学できますが、中学校ではスクールバスが運行されていません。このことは問題だと思っておりましたので、昨年9月議会の一般質問で質問しまして、教育長からは、公共交通機関を利用することが社会的自立につながるとの答弁がありました。さらに予算特別委員会では、教育相談支援担当課長が、中学校の登下校に関して、合理的配慮の提供として個別支援ということで登下校の見守りとか同行とかを今考えていますけれども、これに関しては保護者の負担のない形で今準備をしているところでございますと答弁されました。このことは従来に比べ一歩前進だと思いますが、どのような人が通学の付添いをするのか、連絡はどうするのか、保護者の負担はどうなるのか、様々な点を明らかにしないと、利用者とその保護者も心配なのではないかと感じました。
私は、市議会議員落選時には、特別支援学校の終わる時間に児童を迎えに行くことが何回もありました。バスや電車の公共交通を利用すると、思わぬ声かけに当惑をしたり、児童の行動を問題視する視線などを感じたり、利用者の体調が悪くなったり、困難を感じることがありました。特別支援学級に通学する生徒が毎日のように公共交通を使うことは、困難も多いし、対応力も必要だと思っています。保護者の方はスクールバスを必要な方にという要望を出されていますが、この提案は理にかなっているのではないでしょうか。スクールバスのほうが利用者にとっては突発的なことも少なく、安全で安定した方法だと思います。新学期が始まり、約2か月たちましたが、利用する方にとって安全で、特定の家族に負担のない通学が望ましいと考え、以下質問をいたします。
第1に、2024年度特別支援学級に通う中学生は何人でしょうか。そのうち、1年生は何人でしょうか。お尋ねします。
第2に、中学1年生はどのような方法で今年度通学しているのでしょうか。また、保護者の負担はどうなっているのでしょうか。お尋ねをします。
第3に、今年度、通学支援を個別対応にしたのはなぜなのか、教育長の見解をお聞かせください。
第4に、今後、中学生であっても、必要があればスクールバスを運行することはできないのか、見解を伺います。
大きな4番目は、重度訪問介護利用者への支援の充実について質問をします。
私は、武蔵野市の重度訪問介護を利用している方と何年か前からお会いする機会ができました。重度訪問介護とは、自立支援給付の中にある福祉サービスで、障害者福祉のしおりには「重度の肢体不自由者、その他の障害者で常に介護を必要とする方に、自宅で入浴、排せつ、食事の介護、外出時における移動支援などを総合的に行います」とあります。お会いしている方の中では、保護者と離れ生きていくことを選択した方もおられるし、24時間の介護を必要とする方もおられます。自分の人生を生きるために介護を受けながら暮らしている姿に、私も大変励まされています。
したがって、障害があることで、したいことができない社会ではなく、勉学や仕事を望む方が願いを実現できる社会であることが望ましいと考えています。重度訪問介護利用者への支援の充実を願い、以下質問をいたします。
1点目に、重度訪問介護利用者の現状に関して伺います。
第1に、利用している方の過去5年の人数を伺います。具体的にどのような状況にあるかをお聞かせください。
第2に、毎月の1人当たりの利用時間の平均は最新のデータでどのようなものか、お尋ねいたします。昨年9月の一般質問では、平均支給時間が月510時間とのことでした。また、最も長い時間、最も短い時間がどうなっているかもお聞かせください。
第3に、現状をどう評価しているか、課題はあるか、見解をお聞かせください。
2点目に、重度訪問介護利用者の大学就学支援事業に関して伺います。この事業は武蔵野市の規則で定められており、私も読ませていただきました。昨年9月の一般質問では、これまで2名利用とのことでしたが、まず、過去5年間の利用状況はどうなっているかについてお尋ねをします。また、現状をどう認識しているか、見解をお聞かせください。
3点目に、重度障害者等への就労支援事業に関して伺います。働きたい方へその場所を提供することは重要と考えています。昨年9月の一般質問での答弁は、第7期障害福祉計画の議論を注視していきたいでしたが、現状でこの制度は事業としてはない状態ですので、武蔵野市はこの事業の制度化をどのように考えているのか、お聞かせください。
最後、大きな5番目は、ハラスメント行為を根絶させる市の取組について質問します。
今年4月に任命された教育長は、当時の所属組織でのハラスメント行為に対する懲戒処分があり、5月10日に辞職しました。市長及び連絡調整をする副市長は、6月分給料の減額条例が臨時議会で可決されました。懲戒処分を知っていたにもかかわらず、市議会に任命の同意を求める議案を出した責任は、極めて重いと言わざるを得ません。
こうした事態の背景の一つに、市長のハラスメント行為に対する認識の甘さがあると考えています。5月9日の臨時議会での給料の減額条例の質問で、私は市長にハラスメントのことを伺い、市長からは、調べるすべがございませんので──中略──あったという確定的な発言をここですることは差し控えたほうがいいのかなというふうに思っていますというような答弁がありました。これでは私は納得できないなと、納得しにくいと思いました。被害者の話を聞くとか自分が目撃するということが決定的な要因とすれば、ハラスメント行為の範囲は狭くなってしまうおそれを感じております。パワーハラスメントは、力のある人があまりない人に行う人権侵害行為であり、決して単なる叱責やしつけとは言えないのではないでしょうか。以上の事実を踏まえ、以下質問をいたします。
第1に、3月に教育長任命の同意を求める議案を出したときと現在とで市長のハラスメント行為に対する認識はどのように変化したかをお尋ねします。
第2に、教育長は、この間の経過を踏まえ、教育におけるハラスメントの根絶をどのように考えているか、見解をお聞かせください。
第3に、武蔵野市役所におけるハラスメント行為の根絶に向けて現在どのような取組を行っており、教育長の辞職という事態を受けて新たに進める取組はあるのか、伺います。
以上で壇上での一般質問を終わります。御答弁をよろしくお願いいたします。