12792◯21番(本間まさよ君) 今日の質問の最後になると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。物価高騰から市民の暮らしを守る施策を求めること等について、一般質問を行います。
この6月は、家計負担に影響する制度の変更などが相次ぎます。政府が電気・ガス料金の価格を抑えるために行ってきた補助金を6月分から廃止しました。補助金の打切りで、東京電力など大手電力10社とガス大手4社の料金は軒並み上昇、使用料金が平均的な家庭で電気・ガスを合わせて年3万円程度の負担増との試算もあります。大手電力10社と大手都市ガス4社の値上げは過去最高となります。食品の値上げは止まることなく、6月、新たに614品目が値上げとなりました。医療機関に支払われる主な診療報酬は6月1日から引上げとなり、原則、初診料は従来より30円増の2,910円、再診料は20円増え、750円、入院基本料金は病棟の種類に応じて1日当たり50円から1,040円上がります。患者さんの診療料金の負担は、1割から3割を窓口で支払います。医療費の自己負担増に加え、国民健康保険税、介護保険料などの社会保障料の値上げも重く家計にのしかかっています。
一方、実質賃金は25か月連続減少し、給料は一向に変わらないのに、日々の食料品等の物価高で被服費や交際費に使うお金がない、光熱費、電気代、食料費も節約をしているなどの声が寄せられています。6月から始まる定額減税に対して、NHKがまちの声を紹介した番組では、ないよりはいいけれど、物価が上がって減税分すぐなくなりそう、減税するなら電気代の補助金をなくさないでほしかった、4万円もらっても全然足りない、少しの減税では足りないと、シビアな意見が多くあり、定額減税の家計を支える効果がどの程度あるのか、見通せない状況です。こうした状況を踏まえ、物価高騰から市民の暮らしを守る施策を求め、質問をいたします。
(1)物価高騰、電気代の値上げ等による市民生活への影響について、市長の認識をお伺いいたします。
(2)共産党が行いました住民アンケートに1,500件の回答が寄せられ、生活が苦しくなったのかの問いに、70%が、苦しくなったと回答し、その要因の1位は物価高騰、2位は税金、保険料、公共料金と続いています。アンケートに示された暮らしの大変さに市としてどのように対応するのかをお伺いいたします。
立川市では、国保税の値上げを据置きすることになりました。中小事業者への支援も行われます。東大和市では、1万円の若者応援給付金や介護事業者への物価高騰対応助成を今年度も実施をいたします。調布市では、3回目となる市独自の事業者物価高騰支援事業の実施を行います。一つ一つを紹介いたしますと時間の制限がありますので、多摩の自治体、23区、それぞれ様々な物価高騰、燃料費値上げによる支援事業の継続、または今年の新規事業が行われております。(3)として、新型コロナウイルス感染症及び原油価格、物価高騰への対応方針により前年度予算化された対応が今年度継続されていないものもあります。経済状況が変わったとの認識なのか、答弁を求めます。
(4)今年度も継続し実施をしている学校給食食材費への市独自補助と同様に、保育施設、介護福祉施設等への助成の継続を求めます。保育、介護、障害福祉の現場は、依然として、コロナ感染の影響や働く人の低賃金、過密労働は改善していません。最近、私の御近所にあったデイサービス施設が閉所しました。また、市内の障害者施設でも、コロナ禍による利用者の減と物価高の影響で運営が困難となり、このままではいつ閉所するか分からないとのお話を伺いました。こうした施設がなくなれば、一番困るのはそこに通っている高齢者や障害のある方です。そして、介護をしている家族にも大きな影響が出ます。だからこそ、小金井市では6月の補正予算に保育や障害者施設等への物価高騰対策費を計上し、三鷹市では保育所等への食材費補助を今年も継続しています。武蔵野市でも保育・介護・障害者施設への助成の継続を求めます。答弁を求めます。
(5)市内業者の実態を把握し、市独自の支援策を求めることについてです。第1回定例議会で、建設業に携わる団体から、「燃料費等物価高騰に対する市内中小事業者を救済するための助成制度の創設」を求める陳情が提出をされました。賛成少数で否決になりましたが、昨今の物価高騰により、市民をはじめ市内業者も厳しい状況であることは、誰もが認識されていることだと思います。電気料金の値上げについて、地元で営業している事業者は、少しでも電気料金を抑えるためにところどころの電球を外して営業しているが、細かい作業をするときにとても不便だと嘆いていました。市内業者の実態を把握し、市独自の支援策を講じることを求めます。
大きな2点目の質問です。熱中症から命を守る対策についてです。
熱中症による死亡者数は、1994年以降、増加をしています。これは夏季の気温が上昇していることが関連していると見られています。これまで最も暑かった2010年は、死亡者数が1,745人でした。全国で6月から9月までの期間に熱中症で救急搬送された方は、2010年は5万6,119人、2013年は5万8,729人で、年齢層では65歳以上の高齢者が最も多く、全体の半数近くを占めています。また、熱中症死亡者総数に占める65歳以上の割合が年々増加をし、近年8割となっています。昨日のニュースでも、80代の方が熱中症で亡くなったとの報道がありました。気象庁の予報では、今年の夏の気温は高い見込みとされ、熱中症から命を守る対策が求められています。
屋内で亡くなられた方の大半は、設置がない場合や故障の場合も含めて、エアコンが使われていなかったと、東京都監察医務院のまとめで明らかになっています。エアコンの使用は命を守る上で非常に重要です。しかし、電気料金が政府の補助金終了によって6月使用分から値上げとなり、物価高騰により市民の生活はますます困難になっています。東京都の実施した都民の生活に関する世論調査でも、暮らしが苦しくなったという答えが急増しています。生活の苦しい市民がエアコンの電気料金を支払うのは困難であり、例年にも増して使用を控える方が出てくる実態が懸念をされます。経済的理由により、エアコンの設置、購入自体が困難な方も少なくありません。お金がなく、エアコンが買えない。暑い家で、子どもが、高齢者が、一日過ごしているなどの実態もあります。
私は議会で何度もエアコン設置への助成を求め、質問してきました。荒川区の助成制度などを紹介してまいりましたが、この間、助成する自治体が広がり、今年度、港区は高齢者世帯へのエアコン設置の費用の限度額を引き上げました。墨田区、杉並区などが低所得者等へのエアコン設置の補助を開始しています。
質問の(1)生活保護受給者、低所得者など支援が必要な方がエアコンを安心して使用できるようにするため、電気代の助成を求めます。
(2)生活保護受給者、低所得者など、省エネエアコンを購入、設置できるよう購入費の助成を求めます。
大きな3点目の質問は、株式会社コスモズの不正受給問題についてです。
昨年、武蔵野市内でも保育所の運営を行っている株式会社コスモズによる不正受給問題が発覚し、議会で取り上げてきました。昨年12月の議会で、東京都が9月末にコスモズ本社に対し特別指導検査を行った結果の説明を求めました。その時点ではまだ法人全園に対する特別指導検査を実施中との答弁でした。今年4月12日に、担当課から、株式会社コスモズに対する東京都の特別指導検査の結果の公表が書面にてありました。指摘内容は、保育所の委託費が適正に管理されていないので是正すること、他の拠点区分と資金の貸付け及び借入れの認識がされていないので是正することの2点です。どういうことかといいますと、保育所運営のための委託費をコスモズ内の保育所に資金移動していた。他保育所からお金を補助してもらった施設はどの施設からお金が入れられたのか、記載がない、分からない状態。保育所単位での資金管理が適正に行われていなかった。弾力運用は一定の要件を満たす場合に認められていますが、コスモズはこの取扱いを守っていなかった。2点目は、決算上はあることになっている積立資産が実際の預金残高と億を超える差額があり、この億を超えるお金がどの項目に入っているのか、どうなっているのか分からない状況になっているということです。
以上のように、株式会社コスモズは、保育所建設費の不正受給に続き、委託費の会計処理に問題があることが東京都の特別指導検査で判明しました。東京都からこの事実が公表されてから既に2か月が経過していますが、いまだに詳しい説明は議会にありません。報告を求めます。また、この間、市として対応してきたことがあれば、それも含め、答弁を求めます。
昨年9月から東京都及び杉並区と合同で特別指導検査を行った小金井市は、今年4月にこのことで議会報告を行い、さらに、新聞報道によれば、4月10日の議会で4月以降の補助金の一部を不交付としていることも報告されました。また、今年4月に提出されたコスモズの報告書の内容が不十分だったとし、今月中に再提出を求めています。小金井市では議会に報告もあり、対応を求めていますが、武蔵野市はどうなっているのでしょうか。どこに行ったか分からない委託費は、武蔵野市の大切な税金が含まれています。曖昧な対応は許されないと思います。市長の明確な答弁を求めます。
大きな質問の4点目は、多摩格差についてです。
多摩格差は、かつて都政が23区と多摩地域の格差の解消が必要な8つの課題を決めたことに由来しています。具体的には、義務教育施設、公共下水道、保健所、病院、道路などです。小池知事は、2016年に多摩格差是正を公約しました。しかし、知事当選後、間もなく、多摩格差解消を口にすることはなくなりました。多摩格差は解消したのでしょうか。当面する問題で矛盾が広がっているのは、多摩格差三大課題と言われる子ども医療費無償化、給食無償化、補聴器助成です。23区ではもう全部やっていますが、多摩地域では財政的な問題で、やりたくてもできない状態になっている自治体があります。東京都は広域自治体ですから、命や教育の地域間格差をなくすことです。どこのまちとどこのまちでサービスが全然違うということが起きないように東京都がきちんと目配せをすることが大事ですが、そうなっていないのが実情です。
給食費無償化については、市長会が昨年12月25日、緊急要望を東京都に提出し、これを受けて、東京都の教育長が自ら説明に行く事態となりました。市長会の要望は、26市全てが学校給食の負担軽減に取り組むことができる制度設計を求めました。ところが、東京都は2分の1しか支援しないということで、現在、実施に踏み切れない自治体の長は大変東京都に怒っています。
質問の(1)、多摩格差は解消されていると市長は認識しているのか、お伺いをいたします。
質問の(2)、東京都は広域自治体であり、役割として、命や教育の地域間格差をなくすことにあります。しかし、学校給食無償化などに見られる姿勢は、格差をなくすという視点が非常に足りないと言わざるを得ません。保健所は、23区には1か所ずつあるのに、多摩地域は7か所。武蔵野市を管轄する保健所は、他の多摩地域の保健所を管轄する人口と比べ1.5倍から3倍近くになっています。保健所を増やそうとしていません。DV相談センターは、23区20か所、東京都が1か所。多摩地域は東京都の1か所以外ありません。挙げれば切りがないほど、たくさんの格差を実感いたします。こうした多摩の格差について、市長の見解を伺います。
答弁を求め、壇上からの質問といたします。よろしくお願いいたします。