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令和6年第2回定例会

6月17日(月曜日)

令和6年第2回定例会
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大野あつ子
大野あつ子
市議会公明党現職

12809◯3 番(大野あつ子君)  市議会公明党の大野あつ子でございます。本日は、障害者のグループホームの増設について、そして、委託契約についての議会のチェック機能、そして3番目には、自然の村の天体望遠鏡の利活用について一般質問をさせていただきます。
 まず大きな1つ目、障害者のグループホームについて。
 日本におけるノーマライゼーションの歴史はまだ浅く、1980年代以降に本格的な展開を見せました。その後、1993年に障害者基本法の成立、2005年に障害者自立支援法を改正し、障害者総合支援法が成立、2022年、同法に関連する精神保健福祉法や難病法などを束ね、障害者総合支援法が一括改正され、2024年4月施行となりました。改正のポイントとしては、障害者の自立に向けたサポート体制の強化や精神障害者へのケアの充実などが盛り込まれております。このように、障害者福祉は少しずつ進んではいるが、まだまだ十分な状態ではありません。
 さて、武蔵野市議会に目を移しますと、厚生委員会を中心に、武蔵野市障害児者親の会連合会の皆様と年に1回懇談の機会を持っており、御要望を様々伺っております。また、同会の皆様は市長に対して要望書を提出し、回答をいただいており、それらを私ども議会も情報共有させていただいております。その要望書の中の1番目には住まいの問題が挙げられており、市内のグループホームを増やしてほしいという切なる願いが毎年寄せられておりますが、市の回答は毎年あまり代わり映えせず、福祉・介護人材の不足は課題として認識していることと、グループホーム開設の課題としては、土地の選定や地域住民の理解等もございます。市としては引き続き、参入する事業者が地域のニーズに対応し、よりよいサービスを提供できるよう支援をしてまいりますとの文言が繰り返されております。
 長期計画や障害福祉計画において、地域共生社会の実現に向けた取組を推進するという理念が掲げられていることは大切なことです。しかし、自治体としては、理念だけでなく、実際の市民の皆様の生活の中で、それらをどう実現していくのか、実現に向けてのプランを考えていかなくてはなりません。この要望書を出されている皆様が聞きたいのは、具体的に何が変わるのかだと思います。
 小美濃市長におかれましては、議員時代、令和5年第3回定例会において、障害を持った市民が住み慣れた地域で生活を続けられることについて一般質問し、熱く語られており、また、昨年の市長選挙においても、選挙公報に「障害者には就労・住まい・社会参加を。」と掲げていただいております。ぜひ障害者福祉、障害者支援を大きく進めていただきたく、強く願う次第でございます。
 1の1、前日の一般質問において、小美濃市長が議員時代に確認された方針である、障害のある方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるため、市は支援を行うということは変わりなく、いや増して加速していくと考えてよいのか、市長の御見解を伺います。
 1の2、地域共生社会という理念はあるが、障害者のグループホームの整備は少しずつしか進んでおらず、武蔵野市障害児者親の会連合会の皆様からの要望には毎年掲げられており、なぜ進まないのかという声も多数お聞きしているところであります。障害者のグループホームの整備について、根拠法は何なのか、設置主体はどこになるのか伺います。また、この事業における東京都と武蔵野市の役割、責務について伺います。
 1の3、障害者のグループホームの整備について、総量の管理は行われているのか、その地域ごとの充足率などはどこが判断しているのか伺います。
 1の4、本市の障害者のグループホームについて、不足がどれほどあるとお考えか、また、当事者や家族の住まいについての要望をどのように聞き取り、どのように全体像を掌握しているのか伺います。
 1の5、障害児者の家族の方々から様々お話を伺う中で、親亡き後への不安は大変なものであります。そして、親は、できることなら障害のある我が子をみとってから死にたいとまで思っている。けれども、それはなかなか難しい現実があります。親が元気であるうちは自宅で介護をしたいけれども、ある日突然、親に何か緊急事態が起こり、子どもが遠い施設に行くことになったらなど、親の不安は限りなくあります。
 武蔵野市障害者計画・第7期障害福祉計画策定のための武蔵野市障害者福祉についての実態調査報告書において、住まいや将来についても簡単な質問はありますが、とても親御さんたちの思いを十分代弁するものではありません。本市において、障害児者を抱える御家族の御希望がどこにあるのか、意思表示ができる当事者の希望がどうなのか、その中で、武蔵野市や都内施設の不足がどの程度なのか、実態を知るべきではないでしょうか。そのためにも、もっと詳細な親亡き後の支援について希望調査をするべきではないかと考えますが、市長のお考えを伺います。
 1の6、希望調査により、多くの障害児者及び家族の方々がグループホームを希望しているが、数が不足しており、将来に不安を感じていることが分かった場合、市有地や都有地の優先的活用を推進してほしいと考えますが、市長の御見解を伺います。また、グループホーム開設に向けて、市有地や都有地を優先的に活用することに課題があるようでしたら、その内容を伺います。
 大きな質問の2つ目、委託契約に対し議会のチェック機能を果たすことについて。
 令和6年度予算特別委員会で指摘させていただきましたとおり、一般会計予算の約2割に当たる約157億円の委託料について、指定管理以外の業務委託については、当初予算の審査しかありませんが、自治体DXを進める中、また、市の人件費を抑制していく中で、委託料は年々増加しております。都道府県、指定都市、中核市においては、地方自治法第252条36から38の規定に基づき、包括外部監査を入れることになっており、そのテーマの一つとして委託料を取り上げている地方公共団体も散見されます。また、山口県防府市においては、議決事件に該当しない契約及び財産の処分についての報告に関する条例を制定し、予定価格5,000万円以上の業務の委託の契約について議会に報告すべきものとしております。
 議会基本条例、自治基本条例にもありますとおり、議会と市長は、それぞれが市民から選挙によって選ばれ、二元代表制の下、市長は執行機関、議会は議事機関として、対等の立場で市民福祉の向上に努めるものと考えますので、委託料が財政に大きな影響を与える金額に達している今、議会のチェックがさらに必要ではないでしょうか。市民生活に大きな影響を与える金額となった委託料について、市民に情報公開していく、市民代表の議会に諮っていく姿勢こそ、市民自治を進める武蔵野市政のあるべき姿ではないでしょうか。
 そこで2の1、令和6年度予算において、指定管理に関わる契約以外で5,000万円以上の予算が組まれているものは何件、総額で幾らあるのか伺います。
 2の2、委託契約について、議決事項ではないので、当初予算の予算特別委員会における限られた時間の中での議論しかできない現状にありますが、地方自治法が制定された時代にはなかったような数億円の委託契約が執行される現在において、議会がチェックする機会が限定的であることは、市民に対して十分な情報公開、住民自治と言えるのでしょうか。これについて、市長の御見解を伺います。
 2の3、議会の議決権は、地方自治法第96条第1項において制限列挙される事項に限られ、そのほかの事項は市長の執行権により決定・執行できます。このことにより、事務処理の効率化が保たれています。一方で、地方自治法第96条第2項において、地方の自主性を尊重する観点から、第1項の15項目以外に、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件につき議会の議決するべきものを定めることができるとしており、議決事件の拡大も可能であると考えます。もちろん、議会側が議決権を濫用するような事態となることは慎むべきと考えます。ここで最優先されるべきは、自治体にとって重要な経済行為に当たり、その財政に及ぼす影響が大きなものとなるおそれがある場合には、たとえ第96条第1項の事項に当たらないとしても、住民自治を大事にする観点から、執行機関の首長の判断だけではなく、住民の代表である議会の議決を得ること、もしくは常任委員会等の公開の場で議会に報告し、議論をすることが必要ではないかと考えます。
 そもそも、第96条第1項においても、同第5号において、契約締結は本来的には首長の権限であるが、多額の契約を締結することは、地方公共団体の財政運営に影響を与えることになるため、議会のチェックを求めるとしており、地方自治法の意図するところは、市民生活の影響の大きさに鑑み、議会のチェックを入れるということではないでしょうか。その観点から、現在の委託料の契約について考えるとき、効率性には一定配慮しつつ、住民自治の向上とのバランスを考えた上で、一定金額を超える契約については、条例で議決事件とするか、もしくは報告すべき事項とするか検討していかなくてはならない時期に来ているのではないでしょうか。市長の御見解を伺います。
 大きな質問の3番目、自然の村の天体望遠鏡の活用と保守について。
 武蔵野市立自然の村にある口径50センチのニュートン式反射望遠鏡──こちらです──は、2002年1月、穂高岳で行方不明になられた登山家で写真家の岡田 昇さんが個人使用されていたもので、こちらがその岡田さんの著作の中に載せられていた、岡田さんが個人使用されていた頃の写真で、比べてみると、同じ望遠鏡だということが分かると思いますが、人間の大きさと比べると非常に大きな望遠鏡であることが分かります。
 この岡田さんは登山家で、こういうとんでもない崖を登っていらっしゃって、写真集なども出されている登山家の方です。この岡田さんという方が、穂高岳で行方不明になられた後、御家族の方から武蔵野市に対して、この大きな望遠鏡が寄付をされました。武蔵野市が2003年6月の補正予算で設計委託料と工事請負費2,815万円をかけて運搬し、設置したものです。壁には木のプレートが掲げられております。こちらです。ここに書いてありますのは、「星を愛し山を登りつめた頑固な写真家。子どもたちに夢をあたえたやさしい山男でもあった。2004年5月 沢野ひとし 贈呈 岡田 昇 大きな望遠鏡で遠くを見つめてください。」と記されております。このたくさんの方々の思いが籠もった大型天体望遠鏡を自然の村に設置し、現在も毎年講習会が行われていることは、武蔵野市の懐の深さだと思います。自然の村には、以前から所有していた10センチの望遠鏡3台もあり、これらが子どもたちと宇宙をつなぐきっかけになるかもしれません。ぜひたくさんの子どもたちにも、大人にも、自然の村で天体望遠鏡を体験していただきたいと思います。
 そこで3の1、自然の村のこれら4台の天体望遠鏡の活用状況を伺います。
 3の2、50センチ反射望遠鏡について、光学系は問題なく、建屋についても屋根などの改修を行っていただいており、感謝申し上げます。ただ、自動導入装置や自動追尾の部分が古くなっており、パソコンのOSはWindows7を使用など、駆動部分とソフトウエアの更新が必要ではないかと考えますが、御見解を伺います。
 3の3、野外活動センターにおいて、50センチ望遠鏡の春の講習会と秋の観望会は開催して御活用いただいているようですが、10センチの望遠鏡はほとんど使われていないようです。武蔵野プレイスにおいて、初級者用の小さな望遠鏡を工作し、天体観測を行うイベントが行われており、50センチの巨大な望遠鏡の講習会もある、ちょうどその真ん中の中級講習がないように思います。以前は中央公園で天体望遠鏡の講習会があったようにも伺っております。10センチの屈折式赤道儀が使えるくらいの天体望遠鏡講習会も行ってみてはいかがでしょうか。プレイスの工作会で作った望遠鏡を所有の子どもたちにお会いすると、もう少し性能の高い望遠鏡を使ってみたいという気持ちを強く感じます。天体望遠鏡の中級講習会開催について御見解を伺います。
 3の4、50センチの望遠鏡を設置する際の説明では、ジャンボリーのときなど、子どもたちが宇宙に触れる機会にしてはどうかということでありました。ジャンボリーは平日である場合も多く、スタッフを集めるのに御苦労されているようで、星を見たい希望はあっても、天文のスタッフまで手が回らないようにお見受けいたします。そこで、プレイスのイベントをお願いしている天文学普及プロジェクト、天プラさんや、三鷹市がネットワーク大学で養成している星のソムリエの皆様、また、国立天文台など近隣と連携をし、操作講習会で修了証を頂いた皆様の中で、子どもたちに星を見せるボランティアのチームをつくり、さらに自然の村の天体望遠鏡を活用してはいかがでしょうか、御見解を伺います。
 以上、壇上からの質問とさせていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。