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令和6年第2回定例会

6月17日(月曜日)

令和6年第2回定例会
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蔵野恵美子
蔵野恵美子
立憲民主ネット現職

12829◯15番(蔵野恵美子君)  立憲民主ネットの蔵野恵美子でございます。通告に従いまして質問をさせていただきます。今回の質問は大きく4点です。1項目めは、全ての高校生が対象ではなかった、東京都の授業料実質無償化について。2項目めは、身寄りなき老後も安心して暮らしたい、死後までを見据えた支援について。3項目めは、実現してほしい、子育て世帯の移動支援について。4項目めは、小美濃市長による「ダブルケア支援」、「ストップ!介護離職」宣言についてでございます。
 まず1項目めとしまして、全ての高校生が対象ではなかった、東京都の授業料実質無償化について伺います。
 東京都が今年度から高校や都立大学の授業料実質無償化を始めました。主に公立高校、私立高校の授業料助成の条件であった910万円未満の世帯年収の目安を撤廃し、親の経済状況にかかわらず授業料を無償にする取組であります。都は、その狙いとして、家庭の経済状況にかかわらず、子どもたちが希望する進路を選択でき、安心して学べる環境を実現するためと説明しています。一定の所得があり、制限にかかって支援が受けられないため、行きたい学校を断念していた子どもたちのための取組とも言われています。無償化支援の対象は、都立・私立高校、都立大学、都立産業技術大学院大学、都立産業技術高等専門学校とされています。都によると、今回の所得制限の撤廃で、私立高校ではおよそ9万9,000人、都立高校では4万4,000人、都立大学、都立産業技術大学院大学、都立産業技術高等専門学校では、合わせておよそ1,000人が新たな支援の対象となるとしています。都は、これらの所得制限の撤廃にかかる経費として、令和6年度新年度予算案におよそ555億円を新たに盛り込んでおります。これまでは、世帯年収により、国の就学支援金制度や都の上乗せ助成による支援がされてきましたが、今回の所得制限の撤廃により、保護者が都内に住んでいれば、都外の私立高校に通っていても誰でも対象となるということで話題となりました。
 ところが、蓋を開けてみると、国立高校等、国立の学校が対象外ということが明らかとなり、都内在住で国立の学校に通う世帯から疑問の声が寄せられています。これまで、全日制の国立と都立、区立の公立の高等学校等に通う生徒には、国の就学支援金制度により、世帯年収が910万円未満であれば、年間11万8,800円を上限に支給されていました。国公立高等学校の授業料は、年額11万8,800円のため、世帯年収が910万円未満であれば、国公立高等学校の授業料は実質ゼロでした。この国の支援制度はそのまま残るので、これまでどおり世帯年収が910万円未満世帯では、国立高校の授業料は実質無償のままとなりますが、それ以上の年収の世帯では、国立高校は、国の支援制度、都の無償化制度とも対象外のため、保護者が都内在住であっても無償にはならないことが明らかになりました。当初は、都立や私立の高校でも、同じ学校に通っていながら、保護者が都内在住の世帯は無償化対象で、都外の世帯では無償化の対象外という制度に疑問の声がありました。それに加え、都内在住でありながら、国立高校の場合、世帯年収910万円以上の世帯は無償化の対象外となる仕組みに新たな疑問の声が出ています。そこで、以下伺います。
 1)当初、都内在住の全ての高校生は、公立・私立問わず、高校の授業料が実質的に無料になりますと話題になった当制度ですが、上記のように、実際は、都内在住の全ての高校生ではありませんでした。当制度に対する市長の評価について伺います。
 2)都の教育庁に伺ったところ、本来、授業料の無償化は国がすべきことであり、国立学校に関しては、設置者が国のため、設置者の判断で無償化をすべきであるとの回答でした。確かに、国が全国的に無償化を実施することが望ましいと考えますが、今回の授業料実質無償化は、東京都が独自に行っており、都立のみならず、設置者が異なる私立高校の所得制限も撤廃するという独自の支援を行っていることを考えれば、国立の世帯にも独自の支援を都がすべきと考えますが、見解を伺います。
 3)市内在住の国立高校に通う世帯から相談が寄せられていますが、市内在住の国立高校、高専等に通う児童数はどれくらいと把握しているか伺います。
 4)市長より国や東京都に、国立を含む全ての高校生の授業料無償化を要望していただきたいと考えますが、見解を伺います。
 次に、大きく2項目めとしまして、身寄りなき老後も安心して暮らしたい、死後までを見据えた支援について伺います。
 「身寄りなき老後、国が支援制度を検討 日常生活から死後対応まで、試行へ」との見出しの記事が、2024年5月7日、朝日新聞に掲載されました。頼れる身寄りのいない高齢者が直面する課題を解決しようと、政府が新制度の検討を始めたという内容であります。今年度、行政手続の代行など生前のことから、葬儀・納骨といった死後の対応まで、継続的に支援する取組を一部の市町村で試行し、経費や課題を検証し、全国的な制度化を目指すとありました。背景として、高齢化や単身化の増加により、病院や施設に入る際の保証人や手続、葬儀や遺品整理など、家族や親族が担ってきた役割を果たす人がいない高齢者が増え、誰が担うかが課題になっていることが挙げられていました。入院手続や死後の葬儀、遺品整理に関しての多くは公的支援でカバーされていないため、提供する民間事業者は増えていますが、契約に100万円単位の預り金が必要なことも多く、消費者トラブルも増えており、本人の死後、契約どおりにサービスが提供されたかを誰かが確認する仕組みもないと言われています。
 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上のひとり暮らし世帯は、2020年の738万人から2030年には887万人に、そして2050年には1,084万人へと増えるとしています。こうした背景から、厚生労働省は、公的支援の仕組みが必要と判断し、今年度2つのモデル事業を始めると記載されていました。1つは、市町村や社会福祉協議会などに相談窓口を設け、窓口にコーディネーターを配置し、日常の困り事、終活、死後の遺品整理など様々な相談に乗り、相談や終活支援を担う弁護士などの専門職、葬儀・納骨や遺品整理を委任できる業者などとつなぎ、契約手続を支援するというものです。コーディネーターは、高齢者本人が亡くなるまで継続的にフォローし、支援や結んだ契約が適切に実施されているか報告を求め、チェックをします。ただ、専門職や業者の少ない地域もあり、契約には費用もかかります。このため、もう一つの事業では、国による補助で少額でも利用できるようにし、市町村の委託・補助を受けた社協などが、介護保険などの手続代行から金銭管理、緊急連絡先としての受託、死後対応などをパッケージで提供するものです。市町村が業務をチェックすることで質の担保も目指しています。
 身寄りのない方たちは、病気になった後や亡くなった後で対応に困るケースが多いですが、生前からコーディネート役がつくことで、スムーズな支援が期待できます。何よりも、本人たちも安心感を持って生涯を過ごすことができると考えます。モデル事業を通じて、よりよい伴走支援がなされることを期待し、以下質問いたします。
 1)本市ではこれまで、武蔵野市福祉公社が担っている成年後見制度やつながりサポートによる支援を柱に対応してきたと考えますが、葬儀・納骨まで一体的なサポート提供体制があることで、身寄りのない方の安心感につながると考えられますが、見解を伺います。
 2)福祉公社や在宅介護・地域包括支援センター等につながっていない身寄りのない方が、救急搬送された場合や亡くなられた場合のこれまでの市の対応について伺います。また、葬儀・納骨といった死後の対応はどのように対応されているのか伺います。過去5年間の対応件数についても伺います。
 3)豊島区終活あんしんセンターや名古屋市あんしんエンディングサポート事業では、専門職との契約には費用がかかるため、資産や所得が一定以下で子や孫がいない独居の65歳以上の人に、見守り、安否確認、入退院時の手続、葬儀や納骨、家財処分といった死後に必要なサービスを提供する事業を始め、相談が相次いでいるとのことであります。これまで支援の受皿がなく、支援の隙間にあった部分に注目がなされていると考えられています。また、終活あんしんセンター、あんしんエンディングサポート事業といった分かりやすいネーミングも周知に影響していると思われます。本市でも潜在的に多く必要とされているこのような隙間支援にスポットを当てた、分かりやすく届きやすい事業をお願いしたいと考えますが、見解を伺います。
 次に、大きく3項目めとしまして、実現してほしい、子育て世帯の移動支援について伺います。
 昨年12月の市長選挙時の市長の選挙公約には、「レモンキャブを子育て世代にも」との公約が掲載されておりました。当選直後の令和6年度の施政方針には、「産前産後の方々は定期的に安心して病院などに行く必要がありますが、公共交通機関を乗り換えての移動は負担が大きいと思います。例えば、公共交通機関を利用することが困難な高齢者や障がいのある方の外出支援として、ドア・ツー・ドアで移送するレモンキャブがありますが、子育て世帯の移動支援についても研究してまいります」とあり、なるほど、これは有効な子育て支援につながるであろうと期待しておりました。しかしながら、今年3月の予算特別委員会による質疑で、レモンキャブは現行の道路運送法78条第2号の枠組みでは子育て支援には適用できないことが判明しました。それに対し、市長は、「レモンキャブでなくても目的が達成できるならば、それはそれでいいと思いますが、やはり契約をするということで、顔見知りの人がまずやってくれるということが1点。それと、先ほど金額という話がございました。これもあります。そういうことを総合的に考えると、レモンキャブができたら一番いいかなと思うのですが、ただ、今の状況ですと本当にそれは変えていかなければいけないことがあるかもしれませんので、一応そういうところに関しても当たってみたいと思いますけども、しかしそれがかなわないのでしたら、また違うことを考えていかなければいけないかなと思いますが、今のところはまだ、できる限りはやってみたいというふうに思っています。」との答弁をされていました。そこで、以下伺います。
 1)その後、現行のレモンキャブを子育て支援に適用できるかどうか検証はされたのでしょうか。適用できない場合、レモンキャブの位置づけ等を変えることで子育て支援に適用範囲を広げることができるのか伺います。
 2)レモンキャブでの対応ができない場合、公約や施政方針で示された子育て支援を目的とした移動支援は諦めるのか、タクシーなどの代替手段で対応していくのか伺います。
 3)今の子育て世代は、必要なときにレンタカーやタクシーを利用したほうが経済効率がよいとの理由から、車の所有率が低くなっていると言われています。逆に言うと、タクシーの利用に抵抗が少ない世代であるとも考えられます。そういった背景もあってか、子育て支援の一環としてタクシー券を配布している自治体は少なくなく、ありがたく感じられていると伺っています。レモンキャブのように事前予約の必要もないため、急な利用時にも助かっていると聞きます。
 一方で、地域の顔見知りの方による安心感や地域雇用にも貢献するレモンキャブのよさも理解できます。レモンキャブが子育て支援にも適用が可能であれば、市独自の物価高支援として行われた武蔵野市くらし地域応援券事業の大型店を含むA券、大型店を除くB券のようなイメージで、タクシーを含むA券、レモンキャブ専用のB券というように、A券、B券を半々ぐらいの割合で子育て世帯に支給してはどうかと考えますが、見解を伺います。
 最後に、大きく4項目めとしまして、小美濃市長によるダブルケア支援、「ストップ!介護離職」宣言について伺います。
 小池都知事が2016年7月の都知事選出馬時に掲げた公約の一部に7つのゼロがあり、その進展について、3月20日の読売新聞に掲載されていました。ペット殺処分は、就任前の203匹から最新のゼロ匹、待機児童は8,466人から286人と、丸の評価である一方、残業時間、都職員の月平均が13.5時間から16.8時間と増加。介護離職者数が8,200人から1.7倍の1万4,200人と激増しており、バツの評価とされています。
 一方、今年4月10日、国民民主党が、議員立法「ダブルケアラー支援法案」を参議院に提出しました。実態を追跡する定期的な全国調査を義務づけるほか、当事者たちの負担軽減を国や自治体、事業主の責務と位置づけた内容が柱とされており、その行方が注目されています。ダブルケア世代は主に30から50代と考えられており、まさに働き盛りの世代であり、ダブルケア支援と介護離職は大いに関連していると思われます。
 既に本市では、第五期長期計画・調整計画にダブルケア支援、介護離職防止についての概念を掲載いただき、その結果、具体的な実行計画である第3期健康福祉総合計画に初めてダブルケア・トリプルケアへの支援、介護離職防止の文言が入ることにつながっています。その後、第六期長期計画にも明記されたことで、推進するための施策が展開されており、ダブルケアの実態調査もなされています。
 そこでいま一度、小美濃市長が就任されたことで、改めてダブルケア・トリプルケアへの支援、介護離職防止についての認識をお願いしたく、以下伺います。
 1)ダブルケア・トリプルケアへの支援、介護離職防止に関する市長の認識や、把握されている本市の実態、これまでの評価、展望等を伺います。
 2)一般社団法人ダブルケアサポートでは、2月2日はダブルケアの日、2月2日から28日はダブルケア月間とし、全国各地でダブルケアの啓発活動を展開されています。本市でもぜひダブルケア支援、ストップ介護離職宣言や、ダブルケア支援月間の設定など、新市長による啓発活動を提案しますが、見解を伺います。
 以上で壇上からの質問とさせていただきます。よろしく御答弁をお願いいたします。