12870◯13番(さこうもみ君) 会派無所属むさしの、さこうもみです。通告に従い一般質問をいたします。よろしくお願いいたします。今回は大きく3つ伺います。1、武蔵野市の庁内のハラスメント対策について。2、気候危機が深刻化する中の熱中症対策とエネルギー貧困について。3、気候市民会議を経て作成、全戸配布された冊子「気候危機打開!むさしの市民エコアクション」について。一部、他の議員と重なる質問もございますが、できる限りより具体的なところや少し違う角度から伺っていけたらと思っています。より議論を深めていく機会にできればと思っていますので、よろしくお願いいたします。
まず大きな1番、庁内のハラスメント対策です。質問をするに至った背景については、他の議員からも何度か説明がありましたので、簡潔に申し上げます。
3月26日の第1回定例会に上程され、全会一致で同意された前教育長の任命の同意において、当該教育長は、本会議の中で説明された略歴の中にもあった所属組織において、ハラスメント行為による懲戒処分を受けており、市長をはじめとした理事者は、その事実を知りながらも問題とせず、議会への事前の情報提供を怠ったことが分かりました。市内、庁内で起きたハラスメントではありませんが、ハラスメントによる懲戒処分という事実が議会に報告すべき事案かどうかという判断が適切にされなかったこと、その件に関する市長の「大ごとにしたくなかった」などという発言からも、ハラスメントに対する認識の甘さを感じざるを得ませんでした。
武蔵野市人材育成基本方針にも書かれているとおり、ハラスメントは、相手の尊厳や名誉を不当に傷つけるものであり、人権の問題です。先日の他の議員への答弁において、ハラスメントについて取り扱う際に注意すべきこととして、逆ハラスメントという発言がありました。一般的に、逆パワーハラスメントというのは、上司から部下ではなく、部下から上司に対するハラスメントを指しますが、先日の御発言については、行為者のプライバシー保護の意図だと理解をしました。ハラスメント発生時には、相談者、行為者双方のプライバシーの保護をするために必要な措置を講じることはもちろん必要なことではありますが、第一には、ハラスメントによって尊厳を侵害されている人がいるのであれば、その人を守る措置をすること、そして、相談した人や事実関係の確認に協力した人が不利益な取扱いをされないよう注意することが重要です。その点は間違えないようにしていただきたいと思います。
これをきっかけに、改めて市として、市民一人一人が安心して過ごしていける武蔵野市を目指すためにも、ハラスメントに対して厳しい姿勢を保っていっていただきたいと思います。自治体は、市民がハラスメントなどに悩んだとき、ハラスメントを原因とした様々な困難に直面したときなどに相談先になることもあります。その市自身がハラスメントを許さないという態度を強く持っていることは、市民が安心して生活をしていくために重要なはずです。市民生活を支える市職員の方が働く場所でハラスメントが起きづらい環境づくりに取り組むこと。ハラスメントに対する意識改革を促し、加害者にならないよう支援をすること。そして、市職員の方をハラスメントから守っていくことが第一歩であるという視点から、今回は特に庁内でのハラスメントについて伺います。以下質問です。
1の1、ハラスメントについて、市の認識と防止対策の実施状況について伺います。
1の2、直近の庁内でのハラスメントの相談について、武蔵野市では、ハラスメントがあった際の相談の窓口を、内部の相談窓口と外部の相談窓口を用意していると認識をしていますが、それぞれ窓口ごとの相談の件数について伺います。
また、職場におけるパワーハラスメントは、1)優越的な関係を背景とした言動であって、2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、3)労働者の就業環境が害されるものであり、1)から3)までの3つの要素を全て満たすものと厚労省は定義していますが、特に優越的な関係について考えたとき、非正規雇用の方というのは職場において弱い立場になることが多く、雇用形態によってハラスメントのリスクというのは異なるということを考えていくことも重要です。
そこで、次に質問をいたします。
1の3、ハラスメントの相談について、雇用形態によって利用できる相談方法に違いはありますでしょうか。また、雇用形態ごとの相談件数の割合についても伺います。
1の4、財政援助出資団体など、市関係団体におけるハラスメントの対策について実施状況を伺います。
最後に、カスタマーハラスメントについても伺います。カスタマーハラスメントは、近年問題として取り上げられることが増えてきました。東京都は、全国初のカスタマーハラスメントを防ぐ条例の制定を目指していると報道にもありますが、カスタマーハラスメントを、就業者に対する暴言や正当な理由がない過度な要求などの不当行為で、就業環境を害するものと定義づけるとともに、素案においては、ハラスメントが起こり得る場面として、店員と客だけではなく、役所の窓口、学校、また、議員の立場を利用した行政職員への過度な要求、有権者である住民が政治家や選挙の候補者に対し1票の力を振りかざして嫌がらせをするケースなどを挙げています。特に役所の窓口においては、窓口業務を担う職員が身につけている名札を見て、名前と顔を覚えた、インターネットにアップするなどと脅すなどのケースが全国各地の自治体でも多く報告をされています。そのような状況から職員を守る対応として、名札の表記をフルネームから名字のみへと変更する自治体も増えてきています。
武蔵野市でも、事務事業評価実施結果集令和5年度評価実施版で、職員名札の表記について、外国人市民などに向けたローマ字表記の併記について記載がありますが、その中で、「名札については氏のみの表記という他自治体の実例もあるため、ローマ字表記と併せて検討し、5年に1度の職員証更新時までに全職員の名札の取り扱いを人事課にて決定する。」と記載があります。
質問です。1の5、武蔵野市におけるカスタマーハラスメントの対応策について実施状況を伺います。
次に、大きな2番目、熱中症対策とエネルギー貧困についてです。
先週から暑さが増してきました。金曜日には暑さのピークを迎え、関東でも真夏日が続出、今年初めて茨城県では35度を突破、猛暑日になりました。気象庁は、今年の夏も全国的に高温になる見込みとし、十分な熱中症対策をするよう呼びかけています。
昨年の夏、一般質問で、この夏の暑さから地球沸騰時代と言われていますという話をしました。気候変動という大きな課題に人類が直面している現代において、気候変動対策は、気候変動の原因となるような問題を取り除いていく、発生させないための対策、そして、既に起きてしまっている気温の上昇や水害などの被害を最小化していくための対策を両輪で進めていくことが必要です。気候変動対策は命の問題です。小美濃市長が大切にしている14万市民の命を守っていく責任を果たすためにも、夏の暑さ、熱中症の問題に取り組んでいくことは、夏の最重要課題のうちの一つだと考えます。
熱中症による被害規模は年々拡大しており、東京消防庁のデータでは、令和5年度の熱中症による6月から9月の救急搬送人数は、過去5年間で最も多い7,112人で、令和4年と比較すると約1,000人増加しました。年齢区分別では、65歳以上の高齢者が約半数を占め、そのうち約7割は75歳以上の後期高齢者でした。救急要請の発生場所では、住宅などの室内が全体の39.5%を占め、最も多く、また、65歳以上の高齢者は、住宅が半数以上を占めています。
また、同じ2023年、昨年夏の熱中症の死亡者の状況からは、エアコンの使用の重要性が分かります。東京都監察医務院の発表によると、東京都23区における熱中症死亡者164人のうち、8割以上は65歳以上の高齢者、また、屋内での死亡者148人のうち、エアコンを使用していなかったが64%、エアコンを所有していなかったが26%と、約9割がエアコン不使用だったことが報告されています。
さらに、熱中症の問題は、全ての人にとって同等の危機であるのではなく、経済的に困難な状況にいる方や、社会的に弱い立場の方にとっては、より大きな脅威となります。エネルギー貧困と呼ばれる問題です。光熱費をはじめとした物価上昇も続く中、経済的な理由などで空調を含む電気を十分に使うことのできないことを指します。このように、より弱い立場にある方々が夏の暑さという大きな脅威にさらされている中、熱中症から市民の命を守るための取組について、以下、質問をいたします。
2の1、武蔵野市での直近の熱中症による救急搬送数及び死亡者数について伺います。先週金曜日、市の公式のLINEアカウントでも、熱中症に関する注意喚起のメッセージが届きました。暑い日が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。実家のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあさんが熱中症にならないように、十分注意して声をかけてくださいという内容でしたが、高齢者が特に注意が必要であるということを親しみやすいトーンで伝えていただく、いい内容だなと感じました。市としても、民生委員さんやケアマネジャーさんが高齢者等に熱中症予防シートを配布していると以前御答弁もありましたが、さきに述べたように、熱中症の被害者には特に高齢者が多く、エアコンが好きではない、光熱費を気にして使わない、暑さを感じづらい、認知症などの理由からリモコンの使い方が分からないなどの理由でエアコンを使わないことも多いと言われており、特に配慮が必要です。
2の2、エアコンの使用方法など、熱中症予防のための注意喚起は行っているか、特に高齢者の熱中症を防ぐための対策について伺います。
また、先ほども御紹介したとおり、エアコンの使用が非常に重要であるという観点から、経済的にエアコンの購入が困難だという方の命を守るために、エアコンの購入の助成事業を行う必要があるのではないかと考えています。以前にも、ほかの議員の一般質問で、エアコンの購入費等が難しいという方には、武蔵野市民社会福祉協議会の窓口の貸付制度を御活用いただいて購入費に充てていただきたいという答弁が前市長からもありました。先週も同様の御答弁だったという認識をしていますが、改めて伺います。
2の3、リユース家電などの省エネ機器等の導入補助事業の実施をすべきだと考えますが、その検討状況や実施可能性について伺います。
2の4、エアコンを買えない、エアコンを使えないなど、経済的な理由から電気を十分に使うことができないエネルギー貧困について、武蔵野市の考えを伺います。
2の5、子どもの熱中症対策について、特に小・中学生の通学における熱中症対策の状況を伺います。
最後に、大きな3番、冊子「気候危機打開!むさしの市民エコアクション」についてです。気候市民会議、そして「気候危機打開!むさしの市民エコアクション」については、これまでも何度も取り上げてきていますが、気候市民会議と、その成果物である冊子は、市民の生活、行動の変容なくしては、CO2の削減が実現できない武蔵野市において、非常に重要な環境政策の一つだと考えています。今回、エコアクションが完成、全戸配布が完了して一定の時間がたったタイミングで、改めて小美濃市長の気候危機に対する姿勢をエコアクションに対する市としての評価を通じて伺っていきたいと思います。
3の1、冊子エコアクションについて、気候市民会議の参加者の方々の反応について伺います。
3の2、同冊子について、手元に届いた市民の方々の反応について伺います。また、本冊子の配布による効果、市民への浸透や実際のアクション、行動喚起にどれぐらいつながっているのかという点について、より具体的なところを伺っていきたいと思います。
2023年10月からスタートした家庭向け再エネ電気切替協力金についてです。前回12月の一般質問でも取り上げさせていただきました。その際には、2023年は予算として約200世帯分見込んでいたものの、事業のスタートが10月だったということもあり、11月30日時点では申請7件、支給は6件という状況でした。スタートが10月だったということで、なかなか厳しい部分もあったかとは思います。2024年は予算が400万なので、前回と同じ2万円掛ける200世帯を目安にしていると認識しています。また、6月1日号の市報の1面にも掲載をいただいているので、少し認知が広がっているかなとも思うので、その効果はこれから出てくるといいなと思っています。
3の3、家庭向け再エネ電気切替協力金を含む助成金や補助金の利用促進につながったか、特に家庭向け再エネ電気切替協力金の申請の件数の推移を伺います。
また、全戸配布について、1の2で市民の声というところを伺いましたが、どうしても紙で情報を届けるという場合は、どれぐらい届いたのか、情報を受け取った人がどんなアクションを取ってくれたのかというところを計測できないという難点があります。その点、デジタルですと、どれぐらいの人がクリックしてくれたのか、どこからそこのページにたどり着いたのかというところが計測できる場合も多いので、ぜひそういう観点ではデジタルとアナログを組み合わせながら効果検証をしていっていただきたいと思います。今回、アナログですが、紙でエコアクションの冊子を受け取り、実際にエコreゾートに足を運んでみようという行動につながった方がどれだけいたかというところを伺いたく、以下質問をいたします。
3の4、エコアクション・クロスワードの参加者数について伺います。
最後に、エコアクションの今後についてです。行政計画のように、目標や基準を定め、進捗管理の評価を行うものではなく、あくまで市民のアクションに着目した行動指針のような位置づけであり、改定などしていくものではないと認識をしていますが、前市長からは、策定してそれで満足して終わりというのではないと思っておりますので、プランによって、今後また啓発を行ったり、市民の皆様から意見をいただいたり、状況に応じて変化をしていくのは必要なことだと思っていますと御答弁をいただいています。エコポイントに参加いただく、補助金を活用いただく、市民の方にアクションを取っていただくためのPRを続けていくことはもちろん必要ですが、技術革新、気候など環境の変化、国際ルールや法律などの変化、状況が刻一刻と変わっていく中で、市民の意識、取るべき行動も今後変わっていくものだと考えます。また、興味を持った方だけが参加する形ではなく、無作為抽出などにより、興味がないという方も参加できる形を今後も模索していく必要があると思います。市長も替わられたので、改めて伺いたいと思います。
3の5、「気候危機打開!むさしの市民エコアクション」の今後の活用方法について見解を伺います。
以上、壇上からの質問を終えます。よろしく御答弁のほどお願いいたします。