12884◯市 長(小美濃安弘君) 小林まさよし議員の一般質問にお答えをいたします。
まず、大きな1点目、高コスト化が進む市の財政状況における現在及び将来においての市の見解及び今後の抜本的な行財政改革の必要性等についてでございます。
大きな1番の1点目、昨今の社会情勢の変化を踏まえて、市長公約に財政の立て直しが含まれているかということの御質問でございます。現在の武蔵野市の財政は、市民の担税力にも本当にお支えをいただきまして、健全な状態にあると考えますが、市長公約には明文化しなかったものの、選挙期間中には、例えば消防団第2分団の仮設建物に対する費用の高騰などについて見直すべきではないか等々、高コストに対しては訴えをしておりました。昨今の物価高騰や労務単価増による投資的経費や物件費の影響、社会保障費の増などを鑑みると、決して楽観視できる状況ではありません。これまで以上に財政規律を持って健全な財政運営を維持していく必要があると考えております。
次に、大きな1点目の2点目、本市の現在の財政状況がよいとする根拠指標とその水準についての御質問であります。財政状況のよさを示す指標は幾つかございますが、まずは財政基盤の強さを示す指数である財政力指数があります。こちらは、全国の市における令和4年度決算において1位となっており、東京都23区を除く全国1,718団体中でも5位、全国の財政力指数平均値0.49に対し、本市は1.48となっております。
次に、財政構造の弾力性を測定する指標である経常収支比率が挙げられます。この数値が低いほど財政運営に弾力性があり、政策的に使えるお金が多くあることを示しますが、本市は令和4年度決算において81.2%となっており、多摩26市平均の90.4%を大きく下回っているほか、近隣団体や26市内の類似団体と比較しても一番低い数値となっております。このほか、市の財政を圧迫する可能性の度合いを示す将来負担比率についても、国が定める市町村の早期健全化基準である350%に対し、本市では、令和4年度決算でマイナス87.8%と他の自治体に比べて低く、平成25年度以降おおむねマイナス70%から90%の範囲で推移しているところでございます。
続きまして、大きな1点目の3点目、本市の財政状況の将来的見通しに関する御質問であります。今後、物価上昇や労務費の上昇による歳出増は見込まれるものの、本市は個人市民税や固定資産税などの市民の皆様の担税力に支えられており、今後は、物価上昇や土地評価額の上昇に伴うさらなる税収増も見込まれるものと考えております。そのため、御指摘のように、10年ほど先の2030年代に財源が不足する状況に陥るといった可能性は少ないものと認識しておりますが、しかし、将来的には厳しい財政状況も想定をされると考えております。
なお、本市の将来負担比率は、令和4年度決算でマイナス87.8%となっておりますが、第六期長期計画・調整計画にも示しているとおり、将来負担比率が100%を超えた場合、あるいは経常収支比率が95%を超えた場合には、財政状況が相当に悪化しているものと認識し、抜本的な歳出削減を目的とした市独自の財政改善計画を策定することとしており、このような考えの下で、将来にわたり健全な財政状況を維持できるよう努めてまいります。
次に、第1点目の4点目です。高騰した建設費の影響を踏まえた長期財政シミュレーションを早期に公表する意思があるかという御質問であります。現在、第六期長期計画・第二次調整計画策定に向け、準備を進めているところであります。この計画策定に伴い、新たに令和7年度から令和11年度の財政計画を策定し直す必要がありますので、この中で、給食費無償化など新たな財政負担が生じることになる事業等のほか、物価上昇や労務単価増に伴う市税収入の増加見込みなど、第六期長期計画・調整計画における財政計画から変動している要素についても改めて見直し、財政計画等に反映させていく必要があると考えているところでございます。
当然、第二次調整計画策定過程において、新たな財政計画についても公表し、皆様からの御意見を頂戴していくものと認識しております。ただし、長期の財政シミュレーションにつきましては、構成するあらゆる要素についてそれぞれ検討した上で積み上げることが必要であり、多くの作業工程とまとまった作業時間が必要となるため、4年に一度の長期計画策定時に作成することとしております。このため、二次調整計画策定時における財政シミュレーションを作成することは困難であると考えております。なお、第六期長期計画・調整計画において記載したとおり、人口推計が見直された際には、財政シミュレーションを実施することとしております。
続きまして、1点目の5点目、公共施設の今後についての質問であります。御指摘の建設費の高騰は、一自治体ではコントロールができない大変難しい課題であります。短期的には、仕様の再精査や発注時期の見直しなど対策を講じることで、公共施設が果たす市民サービスを低下させることなく、また、市民の安全を守ることが基本的な姿勢です。その上で、中長期的な観点から、公共施設の総合的なマネジメントがますます重要になっています。この点、1人当たり施設保有量の上限値を下回ってはおりますが、今後も引き続き施設の老朽度、利用状況、コスト状況及び社会ニーズの変化などを総合的に勘案し、大規模改修や改築時の施設の在り方を見直すとともに、過剰な施設整備の抑制と必要な投資との両立を追求してまいります。
次に、大きな1の6点目です。ライフサイクルコストについての御質問であります。イニシャルコストとランニングコストのライフサイクルコストに対する割合は、一概に申し上げることが難しいものであります。同じ施設でも、条件次第でランニングコストは変わります。例えば、最終的な目標耐用年数を延長したり短縮することで変わりますし、施設の開館時間の変化によっても変わります。イニシャルコストも、どのような物価水準のときに建設するかによっても左右されます。ただ、それぞれの施設について、イニシャルコストだけではなくランニングコストも把握することは、議員おっしゃるとおり、大切なことだと考えております。そこで本市では、毎年公共施設カルテを更新し、個別の施設ごとに光熱水費や減価償却費を含めた維持管理経費を把握しているところでございます。
大きな2点目、「武蔵野を立て直す」ために「日本一の市民の力を貸してください」といった公約についての御質問でございます。
2番目、市長公約に関連して、専門性の高い市民との連携・協働に関して御質問いただきました。本市では、長期計画条例でも規定しているとおり、市民参加、議員参加、職員参加で行ってきており、これまでも市民の皆様に様々な場面で市政に参画をしていただいていると考えております。今後、さらなる人材の活用について研究を進めていきたい、このように思っております。
次に、大きな3番目です。禁煙外来治療費に関する助成事業の実施についてであります。たばこは様々な疾患と関連があるため、市では、健康診査の結果を活用した保健指導の中で、禁煙のアドバイスや受動喫煙に関する情報提供を行っております。令和5年度に策定した第5期健康推進計画でも記載をしておりますが、今後も、たばこによる健康への影響やリスクについて正しい知識の普及に努めていくとともに、他自治体における禁煙希望者支援の取組なども参考にしながら、禁煙外来治療費の助成事業について研究してまいります。
以上でございます。